天杉山(あますぎやま) 島根県益田市匹見

2007年10月21日

天杉山

登山口駐車場 →0:20→ 森林入口標識 →0:20→ 826mピーク

 →0:20→ 最初のピーク(988m標識)  →0:15→ 高岳分岐 →0:20→ 988mピーク

 →0:10→ 小ピーク →0:20→ 野田原  →0:20→ 天杉山山頂 →0:20→ 野田原

 →0:30→ 988mピーク →0:20→ 高岳分岐 →0:15→ 最初のピーク(988m標識)

 →0:10→ 826mピーク →0:10→ 森林入口 →0:15→ 駐車場 →0:20→ 小竜頭

 →0:15→ 大竜頭 →0:25→ 駐車場

総歩行時間 5時間25分

 朝5時過ぎに起き出し、お結びを頬張りながら柳井を出発、国道187号を走り山口県から島根県吉賀町に入り、同町の七日市交差点を右折し県道42号を進む。高尻地区の安蔵寺山登山口手前から見上げる安蔵寺山はとても美しい。そのまま道なりに県道を進み、匹見地区に入る手前から振り返る安蔵寺山は朝日を浴びてなお美しい。

上畑トンネル手前から眺める安蔵寺山 樫田トンネル手前の温度は5度

 しばらく美しい山並みを眺めた後、上畑トンネルを抜けて匹見に入り、狭い県道を進む。大神ヶ岳への分岐を過ごし、匹見の集落からは県道307号を進み、先週テント泊をした道の駅の匹見峡にて小休止、朝8時の気温は7度、先週より2度低くなっている。ちなみに吉賀町を通過した際の気温は2度であり、本日は今年一番の冷え込みである。

赤い三の滝橋を渡る 橋の手前には奥匹見峡の標識が立つ

 道の駅からは国道191号を広島県の北広島町方面に向かうと間もなく右手に奥匹見峡の案内板を見る。案内板の先にある赤い「三の滝橋」が天杉山の登山口へと導いてくれる。右手の山の中腹には「三の滝」と大きな板に掲示されているのでまず入口を間違える事はない。

駐車場手前に天杉山の標識が立つ 広い駐車場を出発

 赤い三の滝橋を渡り、真っ直ぐに進むとすぐに「天杉山順路」の標識が立ち、その左上には整備された駐車場があり、更に奥にはトイレまで完備されている。ただし、現在駐車場手前にて樹林の伐採作業が行われており、時間によっては木材の搬出作業のため、登山口の駐車場手前にてトラックが通り過ぎるのを待つ場合もある。

天杉山登山道入口 左には伐採地が広がる

 「注意 クマが出没します」の標識を見てクマ除けの鈴を装備し、駐車場の横に立つ「」天杉山登山道入口」の標識に従い山道に入る。左手には伐採された木々が沢山倒れており、作業員が木材の搬出作業を続けている。笹の刈られた登山道を進んで行くと坂の傾斜がだんだんきつくなり、足下が滑りやすくなってきた。

笹の刈られた道を進む 途中に咲く花

 慎重に足場を選びながら進んでいると、周囲の樹林には少し色づいた紅葉の始まりを眺める事が出来る。今日は紅葉の始まりを確かめながら樹林の中を歩く事になる。周囲にかわいい花や赤い実を眺めながら高度を上げて行くと西方面に美しい山並みが見えてきた。これは春日山であり、美しい山容をしっかりと眺めた後、いよいよ樹林の中に向かって行く。

春日山 樹林に入る

 樹林に入ると足下には「森林入口」と書かれた小さな木の標識が立っており、周囲に美しい樹林を眺めながら進んで行く。相変わらず足下に木の実や花を眺めながら進んで行くと坂の傾斜が少しずつきつくなる。森林入口標識から20分で「826mピーク」に到着、その先で「巻道始点」の標識を過ごすと登山道は右に向き、坂の傾斜がますますきつくなる。

足下に森林入口の標識 美しい樹林を眺める

足下に咲く花

 木の根の広がる急な斜面を慎重に進んで行くと「826mピーク」からは20分で「988mピーク」の標識に到着、このピークからは木の間越しに向かいの山が見えている。但し、実際に標高988mあるのか不安なので、このピークは「最初のピーク」と記しておく。この最初のピークを下り始めると同時に光が差し、眼下に眺める樹林の美しさに感動した。

木の根の広がる道を登る 美しい樹林
最初のピークに到着 左右に笹の広がる道

 本日はこのような美しい樹林をたっぷりと楽しむ事が出来そうだ。左右に広がる美しい笹原を眺めながら下りて行くと、前方には倒木が道を阻んでおり、この倒木の下をくぐって先に進む。次の倒木を跨いで越えて行くと左手には木の間越しに山並みを眺める事が出来るが、山名まではよく分からない。

倒木の下をくぐる 明るい自然林

 気持ちの良い平坦路を進んで行くと「最初のピーク」からは20分で高岳分岐に到着、登山口からは丁度1時間が経過しているのだが、ここまではあっという間に着いた気がする。高岳分岐付近は平坦な原であり、分岐の周囲では自然林の中に松の木が美しく、素晴らしい樹林の芸術にしばらく立ちつくしてしまう。

   
   

高岳分岐

 広い分岐を出発し、平坦な道を進んで行くと、この先は波を打つような小さな傾斜を繰り返すことになり、横には「三段腹の谷」という標識が立っていた。この名前の由来を考えて思わず納得をした。

三段腹の谷 谷から眺める笹原が美しい

 左右に美しい笹の広がる三段腹の谷を過ごした先は、急な坂となるのでゆっくりと進んで行く。坂道の左右に紅葉の始まりを楽しみながら進んで行くと、高岳分岐からは20分で988mピークに到着、更に10分で次の小ピークを過ぎる。このピーク付近で久しぶりに足下の花を観賞する。本日はほとんど樹林の中を歩いており、周囲に花を見る事が少なく、久しぶりに眺める花がとても新鮮である。

急な坂を登る 紅葉の始まり

久しぶりに足下の花を見る

 小ピークはすでに標高1000mを越えており、この先少し下った後、緩やかに高度を上げて行く。美しい自然林の中に紅葉の始まりを見つけながら進んで行くと間もなく標高1,136mの野田原に到着、この付近からは木の間越しに北方面の山を眺める事が出来る。

岩の場所を過ごす 紅葉を眺める
明るい登山道を進む 野田原に到着

 この野田原の先から登山道は左に向かって下りる事になり、何の気なしに下っていたら倒木の向こう側にヘビが日なたぼっこをしていた。木で突っついて動かそうとするのだが、なかなか動かない。仕方がないので倒木とヘビを飛び越えて先に進む事にした。飛び越えた先からヘビを振り返るとこちらをにらんでいた。安眠を妨げて気を悪くさせてしまったようだ。

ヘビに睨まれる 広い道を下りて行く

美しい樹林と笹原

 美しい樹林を鞍部に向かって下りて行くと、正面にはいよいよ天杉山が木の間越しに見えてきた。しばらく天杉山の全景を確認した後、いよいよ鞍部から登り返す事にする。周囲に広がる笹原の美しさ、紅葉の始まりを感じさせる周囲の樹林に感動しながら高度を上げていると目の前には突然大きな天然杉の御神木が現れた。

木の間越しに天杉山を眺める ようやく青空を見る
笹原を過ごす 御神木

 天然杉の大木は登山道の右手に聳えており、大きな幹回りに感動しながらしばらく御神木を見上げた後、最後の坂を登って行く。左右に美しい笹原を眺めながら少しずつ高度を上げていった先には標高1,173.6m、明るい天杉山の山頂が待っていた。

広く平坦な天杉山山頂

 天杉山山頂からの展望はわずかに東方面の展望が開けており、木の間越しではあるが美しい深入山を眺める事が出来る。ただし、天杉山は展望を楽しむ山では無いようだ。山頂には真新しい山頂標識が立ち、この場所が山頂である事を語っている。

山頂から深入山を眺める

 この山頂標識は2週間前に登った方が設置されたようで、この方は島根県の額々山にも標識を設置されていた。ちなみに額々山ではbS48であったが、天杉山に設置された標識はbT31である。山頂の三角点に腰掛けて昼食を取るのだが、周囲の草はしっかりと刈られており、空気も乾燥しているので本日も火気厳禁、お湯を沸かしてコーヒーを飲む事は諦めた。

天杉山山頂標識 山頂に咲く花

 ゆっくりと昼食を取った後、縦走路の先に向かって少し進むと、この先も登山道はしっかりと整備されていた。本日は往復登山のため、山頂より引き返し、そのまま下山することにした。最後に明るい山頂を振り返った後、登山道を下りて行く。

        明るい山頂から下山を開始する                        天然杉を眺める

天杉山の山頂風景(動画)

 天杉山を象徴する天然杉の大きさを心に刻んで更に下山を続ける。新緑を眺めながら来た道を引き返すのはとても素晴らしく、登山時には気が付かなかった紅葉の始まりを見つけた時のうれしさは格別である。

紅葉の始まりを見つける

 美しい、本当に美しい樹林を眺めながら、とても素晴らしい山歩きを続けている。今回は丁度300回目の山歩き、登って下りてを積み重ね、いつの間にか到達した回数である。登山時間12時間に迫る鳥取県の三鈷峰〜矢筈ヶ岳縦走も1回、わずか21分の山口県の神田山も1回である。

美しい自然林

 下山の際はいつも早く、野田原、高岳分岐と次々に目印を過ごし、森林入口を過ごして樹林を出ると、そこには明るい尾根が待っていた。本日はずっと樹林の中を歩いていたので、尾根に出るととても眩しい。

樹林から明るい道に出る 赤い実が鮮やか

 この先滑りやすい斜面を下り行くと、懐かしい春日山が目の前に広がり、久しぶりの明るい展望がとても嬉しい。更に斜面を慎重に下りて行き、間もなく登山口の駐車場に到着、美しい自然林の散策は無事終了した。

赤松林 滑りやすい道を下る

 と、時間がまだ早いので奥に広がる滝の観賞をする事にした。広い道を沢沿いに進むとまずは右手に「詰立」と言われる場所を見る。この先の左手に三の滝案内図を眺めて進むと、大竜頭の滝まで800mの標識を過ごす。

詰立 赤い橋を渡る

 赤い橋を渡り「桂滝」の標識を見るのだがこの滝を見るためには少し危険な場所に向かう事になるため断念、その先には「飛渡り」と言われる岩の多い場所を右手に見て橋を渡る。橋を渡ると同時に坂の傾斜がきつくなるので少しゆっくり歩きとなる。

桂滝手前の滝 飛渡り

 右手に魚切と言われる場所を過ごすと、大竜頭まではもう残り300mである。更に沢沿いに進み、小竜頭の手前に着いたのだが、小竜頭の滝を眺めるためには滑りやすい岩の上を通過する事になるので諦めて先へ進む。

魚切 岩の向こうが小竜頭

 標識に従い進んで行くと、この先左手には休憩舎が立ち、もう大竜頭までは200m、この付近では毎年5月〜6月頃に美しいホンシャクナゲが咲くそうだ。休憩舎の先では美しい姫滝を過ごし、更に進んで行くと足下の岩に進路が赤ペンキで描かれている場所に到着した。これから先はこの赤ペンキの目印に従って上流に進む事になる。このような沢につけられた岩の道を楽々歩く事が出来るのも少しずつ積み重ねた経験によるもので、300回の山歩きの過程で自然と身に付いたものである。

姫滝 足下の赤ペンキに従い進む

 ワクワクするような岩場歩きを続けて行き、岩の道の先には錆びた鉄の階段が続いている。足下に不安を抱きながら錆びた鉄の階段を登って行くと美しい二段滝を眺める事が出来た。

二段滝の上 鉄の階段を上る

 更に蛇の穴を過ごし、再び二段に渡された鉄の階段を登った先にようやく大竜頭の滝が待っていた。苦労してきた後に眺める素晴らしい大竜頭の滝は、ここまで来る価値がある事を実感させるものである。見上げるほどの高さから流れ落ちる素晴らしい水量と豪快な音に感動する事が出来た。

大竜頭の滝 緑が美しい

大竜頭の滝(動画)

 しばらく時を忘れて大竜頭を観賞、周囲の自然林の美しさも素晴らしく、久しぶりにゆっくりベンチに腰を降ろして周囲を眺める。今日は美しい樹林と滝を充分に堪能した山旅であった。

春日山

美しい自然林

紅葉の始まり

天杉山山頂

天然杉の御神木

大竜頭の滝

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歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 島根県益田市匹見 天杉山 登山口付近のMAP

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