槍ヶ岳 上高地〜槍沢ロッヂまで(やりがたけ)長野県松本市・大町市、岐阜県高山市

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2011年9月16日

上高地観光センター →0:45→ 明神 →1:00→ 徳澤園 →1:00→ 横尾

             →1:00→ 一ノ俣 →0:45→ 槍沢ロッヂ

全歩行時間 4時間30分

 いよいよ今年一番の登山、槍ヶ岳へ向かう。前日に岐阜県高山市の奥飛騨温泉郷へ入り、アカンダナ市営駐車場よりバス停へ移動。バスセンターにて1,130円で上高地行きの切符を購入。6時20分にアカンダナ駐車場バス停を出発して上高地へ向かった。上高地バスセンターには6時55分に到着、上高地登山相談所へ入山届けを提出し、北アルプス登山が始まった。

上高地観光センター   河童橋

  上高地観光センター前から背後を振り返れば西には焼岳が朝日を浴び、美しくそびえている。左右に勢いのある笹を眺め、平坦な遊歩道を進む、目の前に現れたのは河童食堂と五千尺ホテル、ホテルの左には有名な河童橋。正面の北東方面には明神岳が美しい山容を見せている。梓川に架かる河童橋から南西方向には先ほど観光センターの屋根越しに見えていた焼岳、北から北東方面にかけて奥穂高岳と明神岳、最初から感動的な景色に感激。北アルプスの展望は、わざわざ10時間以上かけて来るだけの価値がある。

河童橋から眺める焼岳 五千尺ホテル

 河童橋から400m進むと上高地キャンプセンター前を通過、明神までは2.7km、徳沢までは6.2kmである。木の間越しに明神岳を仰ぎ、木漏れ日の差す美しい遊歩道を進む。透明度の高い梓川の畔から眺める明神岳はとても美しい山容をしており、たびたび足が止まる。

遊歩道 朝焼けの宿
穂高奥宮 明神橋

 間もなく明神地区へ到着、北に明神岳を眺めながら穂高奥宮の案内に従い、梓川方面へ向かう。すぐに梓川へ到着、目の前には明神岳が気高くそびえており、明神橋をバックにした山容は更に美しく見える。元の道まで引き返し、朝焼けの宿「神河内明神館」を過ごす。ここではペットボトルの飲料水が200円、対して高い値段ではない。明神から次のポイントの徳沢までは3.4kmと案内されている。なお、上高地バス停から明神までは3kmの行程だった。

サラシナショウマ トリカブト

 木漏れ日の差すカラマツ林の下を進めば、時折樹林の切れる場所から眺める明神岳がとても明るい。すぐに徳本峠への分岐を過ぎ、周囲にサラシナショウマやトリカブトの花を眺めながら砂利の敷かれた遊歩道を進む。やがて梓川の畔に出れば、明神岳の右手に前穂高岳が見え始めた。

徳沢キャンプ場 氷壁の宿 徳澤園

 間もなくトイレの横を抜けて徳沢地区へ到着、ここには井上靖の山岳小説「氷壁」の舞台となった徳沢園があり、その前はキャンプ場となっている。徳沢を出発、この先の分岐を右に採り横尾方面へ向かう。少し進むと左に梓川に架かる新村橋が見えてくる。この橋は昭和初期の登山家、新村正一氏の功績を偲んで架けられたもので、正面に前穂高岳を望むことができる。

新村橋と梓川

 橋の上からは美しい景色が広がり、いつまで眺めていても見飽きることはない。しばらく橋の上から周囲に広がる景色を眺めて新村橋を出発。再び樹林の中につけられた道に戻り、遊歩道沿いに咲く花を眺める。梓川沿いに上流へ向かえば、再び樹林が切れる。この場所から眺める前穂高岳は更に美しい山容をしており、梓川の流れはとても澄んでいる。

前穂高岳と清流

 気持ちの良い景色を眺めながらの遊歩道歩きはまだまだ続き、足下に小さな花を眺め、散歩気分で歩くことができる。梓川の上流、進行方向の北方面にはひときわ高い中山がそびえ、西に広がる前穂高岳は、手前の山裾に少しずつ視界をさえぎられ始めた。

中山 屏風岩

 再び北方面を眺めれば、左側の山裾に屏風岩が見え始め、その先にそびえているのは西岳か大天井岳と思われる。このように少し場所を移動するたびに新しい景色が広がる。やはりこの周辺はどこを歩いても感激の展望が続いている。

横尾山荘 横尾大橋と穂高連峰

 間もなく横尾へ到着、横尾大橋の手前から眺める前穂高岳は青空の下にとても映えている。この場所には横尾山荘があり、広い休憩地では多くの人が昼食を摂っている。この横尾は槍ヶ岳を目指す登山者と、涸沢を経て穂高連峰を目指す登山者が分れる北アルプスの十字路と説明されている。お昼になったので我々もここで昼食を摂ることにした。

横尾を出発 登山道から眺める清流

 日陰の中に入り、カップヌードルと昨日購入しておいたおむすびを2個食べる。食後にはお手軽にアールグレイの紅茶を飲んで仕上げとし、水を補給して横尾を出発。横尾大橋と前穂高岳の風景は、やはり美しい風景である。背後を振り返りながら横尾を離れる。なお、この地は槍ヶ岳へも上高地にも丁度11km地点であり、蝶ヶ岳までは3.4kmの位置にある。

平坦な山頂部 明るい道が続く

 屏風岩を進行方向の左(西)に眺め、その先には山頂部が水平に見える山が顔を出している。位置からすれば南岳なのだが、断定するほどの自信はない。しばらく平坦な樹林の下を進むが、この辺りからは周囲に展望が無くなり、少々単調な歩きとなる。一旦川から離れて少し高度を上げるが、すぐに川の横に戻る。足下は岩を組んだ整備された道に変わり、周囲に水場が増えてくる。試しにこの水を組んで飲んでみると、とても冷たくて美味しい。

水場 槍見河原から眺める槍ヶ岳

 階段状に組まれた石段を登って行けば、目の前に山が近くなってきた。これは遠くから眺めていた中山のようだ。間もなく槍見河原へ到着、槍ヶ岳が見えるか周囲を眺めていると、木の間越しながら槍ヶ岳の尖峰を眺めることができた。初めて眺める槍ヶ岳はとても感動するくらい美しい。

柱状節理? のような岩 一の俣橋

 槍見河原を出発、すぐに柱状節理の岩を過ごし、快適な遊歩道を進めば橋を渡る。ここは一ノ俣谷で、周囲は涼しげな沢音でにぎやかだ。河原に下りてみるとコバルトブルーの水面が美しく、まるでソーダ水のように見える。川の横につけられた道を進めば、間もなく二の俣の橋を渡り、左に川を眺めながら進んでいると、対岸の横尾尾根が高く見え始める。

コバルトブルーの流れ 二の俣橋

 小規模な水力発電施設を左に過ごし、樹林の下につけられた道を進み高度を上げれば、待望の槍沢ロッヂが見えてきた。すぐに槍沢ロッヂに到着、ここから槍ヶ岳までは5.9kmの行程である。少し進んだ場所に望遠鏡が置かれており、これを覗いてみると、なんと槍ヶ岳が目の前に見える。山頂に立っている登山者も確認、いよいよ明日はこの山頂に立つことができそうだ。

槍沢沿いを進む 水力発電装置

 槍沢ロッヂ到着時刻は午後1時40分、上高地の出発時刻が午前7時10分だったので休憩を含めての総所要時間は6時間30分だった。受付にて一泊二食の宿泊料金9千円を支払い荷物を部屋へ持ちこむ。この槍沢ロッヂでは携帯電話はつながらず、周囲を散策しようにも川に下りるか、キャンプ場方面へ行く程度で、他にすることがない。従って1本500円のビールで大星さんと乾杯、のんびりと時を過ごすことにした。

槍沢ロッヂ 槍ヶ岳を眺める望遠鏡

 そのうちにヘリコプターが荷物を持って来るというので待っていたら、あっという間にヘリコプターが飛んできて、多くの荷物を下ろして帰っていった。また、このロッヂにはお風呂があるので汗を流すことができた。温めの湯に浸かっていると、とても気持ちが良く、香川から来た方、東京から来た方といろいろな話をした。風呂から上がってもまだまだ時間は早い。

槍沢ロッヂから眺める槍ヶ岳 今晩の宿泊場所

 ちびちびとビールを飲んで過ごしていたら、ようやく午後5時となり、夕食時間となった。野菜まで入っている豪華な夕食にびっくり、ご飯のお代わりまで頂いて満腹となった。それでも午後5時半には夕食は終了、これから消灯時刻の午後8時半まで外で時間をつぶすことにした。持参したジャックダニエルをちびちび飲みながら、空を眺めると空は雲に覆われて何も見えず、明日の天候が心配になってくるが、天気予報を気にしてもしょうがない。

お風呂(浴槽は2つ) 豪華夕食

 ロッヂに入るとインターネットがつながっているようなので、明日の天気を確認すると曇りのち雨となっていた。やはり明日の天気は期待できないようだ。談話室にてテレビを見ていたら8時半になり、突然電気が切れた。これは大変だと寝床に入るがなかなか寝付けない。やはり富士山または玉山(新高山)でも同じだったが、山小屋ではゆっくり寝ることはできないような気がする。

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歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 槍ヶ岳 登山口付近のMAP

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