２０１０年　６月１７日の登山記を読む

２００６年　５月２１日の登山記を読む

２００８年　２月２４日

　ネットでお世話になっている大星さんより雪山へのお誘いを受け、広島県と島根県の県境の雲月山へ向かう。雪山初心者なのでどんな装備が必要か分からず、事前に沢山の荷物を用意しておいた。午前７時前に大星さんが迎えに来たので柳井を出発、玖珂インター手前のコンビニにて昼食用のお弁当等を調達し、玖珂インターから高速道路を走り中国自動車道の戸河内インターで下りる。そのまま国道・県道を経由して登山口である広島県北広島町の土橋地区に到着、芸北消防団第４分団３班の屯所の向かいに車を置き登山準備をする。

登山口の土橋地区、芸北消防団第４分団３班の屯所	雲月山まで２．４ｋｍ

　昨年購入したワカンを持って来たが、大星さんよりスノーシューを勧められたので、今日はスノーシューで歩く事にした。大星さんが準備されたスノーシューを登山靴に装着し登山口の土橋を出発、冬期通行不能区間である今福芸北線に向かう。

今福芸北線に入る	右上に頌�ｺ碑を過ごす

　雲月山へ２．４ｋｍの標識を横に見て雪道を進んで行く。すぐにスノーシューは違和感なく自分の足となった。右手上に頌�ｺ碑を過ごすと眼下に雪景色の集落が見え始め、真っ白い世界の中に入り込んだ気がする。雪道は広く快適な道で、積雪は１ｍ以上ありそうだがスノーシューを履いているためほとんど沈まない。

眼下に雪景色の集落

　前方に踏み跡は無く、背後に踏み跡が残って行く。当たり前の事ではあるが新雪を踏みしめて歩くのは気持ちが良い。間もなく正面には雲月山の白い山並みが見えてきた。大して高低差が無い事もわかり少し安心、緩やかな坂道なので苦もなく進んで行く。

雲月山の白い山並み	青空と雪

　周囲に光が差し込んでくると、とても美しい景色に変わる。やはり雪の世界に日差しがないと少し地味である。雪道を快適に進んで行き、移り変わる周囲の展望を楽しむ。大好きな冬枯れの展望を満喫しながら進んでいると途中では雪の切れ落ちている場所をいくつか眺める事が出来た。道の端を歩くと、雪が滑り落ちる事もあるそうなので道の中央を進む事にした。

来た方向を振り返る	雪の切れ落ちている場所を過ぎる

　少しずつ雲月山の白い山並みが近くなるので歩く速度も速くなる。右手に松の木が多くなると、その先は広い駐車場であり、雲月山が目の前に見えてきた。ところがこの場所には強風が吹き、とても寒くて足下はアイスバーンになっている。

松の木の先を右に向くと	アイスバーンの駐車場

駐車場から眺める雪の雲月山（写真上の左側）

岩倉山（右側）

　強風の中しばらく雲月山と周囲の山並みを眺めた後、更に車道を進んで行く事にした。左上に東屋を眺めながら先へ進むと右側の道が大きく切れ落ちているのでびっくり、うっかり踏み外すと下から這い上がるのが大変だ。

道の右側が切れ落ちている	来た道を振り返る

　左手に白い岩倉山を眺めながら進んでいるとだんだん降る雪の量が増えてきた。周囲の雪が美しく、左手には懐かしい雲月山の標識が見えてきた。この標識の前には避難小屋があり、小屋の中に入って小休止を取る事にした。

風雪が強くなってきた

雪の雲月山標識	避難小屋

　小屋の入口にはつららが美しく、この場所の寒さを実感する。小屋の中でお湯を沸かしてコーヒーを飲み、一息ついたので雲月山を目指す事にした。小屋にリュックを置き、身軽な格好で進んで行く。

小屋のつらら	避難小屋の中

避難小屋前から眺める展望

　雲月山の標識を右手に過ごし、急な斜面に残る踏み跡に従って登って行く。スノーシューは快調に雪を掴み、一気に高度を上げる事が出来る。順調に急斜面を登っていると風雪が激しくなり、眼下に見えていた旧芸北町のマークが雪のため見えなくなってきた。それでも上に向かえば岩倉山なのでかまわずどんどん登って行く。

遠くまで展望が開けた	風雪の強い中を登る

　左前方に向かっていた道は少し右に向き、まもなく尾根道に着く事が出来た。尾根付近では木に積もった雪が美しくモノクロの世界を充分に堪能する事が出る。尾根道を雲月山に向かって進み、丁度岩倉山の山頂付近に着いたと同時に風雪が更に強くなり、目の前が真っ白になってきた。

木に積もった雪	風雪が強くなってきた

　しばらく風と雪が収まるのを待っていたが、歩いてきた踏み跡さえも消え始めたのでこれ以上進むのは中止し、元来た道を引き返す事にした。消えかけた踏み跡を確認しながら戻り、先ほどの小屋へ戻る方向への踏み跡を確認したので一安心。大きく見えていた芸北町のマークは全く見えないが、これから下りて行けば元の位置に戻る事が出来る。

旧芸北町のマークが少しずつ見えてきた

　慎重に足場を選びながら下りて行くと間もなく芸北町のマークがうっすらと見え始め、マークの方向に下りて行くと先ほどの避難小屋に着く事が出来た。今度は車道を北に向かい県境方面に行くとすぐに広島県と島根県の県境に着き、島根県浜田市に入ってすぐに広島県北広島町に戻った。

広島県北広島町から島根県浜田市に入る	お湯を沸かしてコーヒーを飲む

　時刻は１２時を過ぎているので小屋の中に入り昼食を摂る。こんな寒いときにはカップ麺が一番のごちそうだ。暖かいお湯をカップに注ぎおむすびを頬張りながらスープをすする。そのうち体の芯からポカポカしてきた。食後には最近仕入れたゴディバのコーヒー、ヘーゼルナッツの甘い香りを楽しみながら美味しいコーヒーを堪能した。

雪の上を走る！

　楽しみにしていた雲月水は雪の中に埋もれており、今回は持ち帰る事が出来ないのが唯一の心残り。雲月山の標識をバックに二人で記念撮影、その後標識前を出発する。南には美しい山並みが広がっており、展望を眺めながら下りて行く。東にはユートピアサイオトスキー場が見えており、この方向の展望も素晴らしい。

美しい山並みが広がる

遠くにはサイオトスキー場　

　右上の東屋に行き周囲を眺めていると再び風雪が激しくなってきた。今日は天候が猫の目のように変わるみたいだ。寒くなってきたので東屋を出発し車道に向かって下りて行く。東屋から下りて雲月山を眺めるが、雪が激しくて山頂が見えなくなっていた。アイスバーンの場所を進むとすぐに風裏となり、この先からは快適に下りる事が出来る。

東屋から下りる	踏み跡は消えかけている

　登るときに付けた踏み跡の上には既に新雪が積もり、踏み跡の不明な場所も多いが、林道歩きなので道を間違える心配も無く、安心して下りる事が出来る。大好きな冬枯れの景色を眺めながら下りていると眼下に民家が見えてきた。ちゃんと車も置いてあるので人が住んでいるようだ。雪深い場所に住むのは大変なのだろうと思いながら下山を続ける。

美しい雪道	ガードレールは雪で隠れている

　車道の横にガードレールが見えているので寄ってみると、この付近の積雪が多いため、ガードレール自体が雪の中に隠れている事が分かった。雪の深さに改めてびっくり。楽しい雪道歩きを続ける事４５分で登山口の土橋に到着、お世話になったスノーシューの雪を払って車に乗り込んだ。

大雪の中登山口に到着

　帰りに深入山の南登山口付近を周回し、キャンプ場等を眺めた。周囲の木々にはヤドリギが沢山見えており、ヤドリギの実のような物を見る事が出来た。最後に深入山の南登山口を確認して深入山を出発、戸河内インターから朝来たルートを引き返す。

丸く見えるのがヤドリギ	ヤドリギの実？

南登山口から眺める深入山

　と言っても全て運転は大星さんで、私はずーと助手席で雪景色を眺めては感激のし通しだった。大星さん、一日楽しい雪山歩きを楽しませて頂きありがとうございました。今回は雪山の美しさと厳しさをはっきりと体感できた山歩きでした。またのお誘いを楽しみにしております。

日差し

雲月山

岩倉山

雲月山標識

展望

スキー場

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歩いた足跡　　

登山口周辺の地図はこちら　北広島町　雲月山 登山口付近のＭＡＰ

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登山開始　→１７：３５→　岩倉山到着　→１７：４１→　高山到着　→１７：５１→　雲月山到着

　→１８：０５→雲月山出発　→１８：１２→　鞍部到着　→１８：３１→　広場到着

　→１８：４０→駐車場広場出発→１８：４５→→登山終了→１８：５０

参考コースタイム

登山開始　→０：０５→　岩倉山　→０：１０→　高山　→０：１５→　雲月山山頂

　→０：２０→　鞍部　→０：１０→　駐車場広場　→０：０５→　登山口

全歩行時間１時間５分（少し急ぎ足）

　金木山を下りて周辺散策をすると、金木山進入路から少し東側に最中山神社が建っており、この神社には「日本新劇の父」と言われる「島村抱月」の文学散歩コースの説明板が掲示してあった。

最中山神社に参拝	最中山神社説明（写真をクリックすると拡大）

　この旧金城町は島村抱月の出身地であり、手前の小国郷には生誕地の記念館も建っている。最中山神社に参拝し、そのまま山口まで帰ることにしたが、雲月山の登山口までは１５分程度なので登山口を確認して帰ることにした。

　県道５２号を進み、上ノ谷地区から県道を南に向かい、曲がりくねった道を進んで行くと島根県から県境を越えて広島県に入る。右手の草原の中には西中国山地国定公園「雲月山」の標識が立っていた。

雲月山標識	雲月水

　左にはトイレと水場が整備されており、この付近は夏場にはキャンプで賑わう場所のようだ。右の草原下には夏場でも涸れることのない雲月水が流れており、冷たくて美味しい清水をたっぷりといただく。

　とっくに午後５時を過ぎており、もう少しすると夕闇迫る美しい草原に変わるのだろう、県道をもう少し下りて行き、東の方向を眺めるとユートピアサイオトのスキー場、天狗石山が広がっている。美しい展望を楽しみながら、次回雲月山に来るときにもこんな良い天気を期待する。

県道から岩倉山を見上げる	ユートピアサイオトスキー場

　ふと・・・後ろを振り返ると岩倉山の素晴らしい草山が広がっている。なんて綺麗なんだ・・・。

　もう少し県道を下りると東屋の建つ展望地の下には広い駐車場広場があり、この付近から雲月山を眺める。この付近まで来て、雲月山の周辺が草原の原であることに気が付き、山頂に向かう道に大きなアップダウンもないことが判った。

　草原を見ているとむずむず・・、時間はもう午後５時半・・・、でも樹林の中を歩くわけでなく、草原なので夕暮れになってもヘッドライトがあれば迷うことはない・・・。

　よし！・・・登ろう。元の雲月水の場所まで戻り登山準備をし、すぐに出発。登山口は雲月水の出る駐車場の右側と左側にあるが、今回は左側の登山口から踏み跡のある道を登って行くことにした。

草原の中を出発	岩倉山のベンチ

　右であろうと左であろうと登った先は岩倉山なのでどちらから登っても大して違いはないようだ。草原の道を少しずつ登って行くのがとても気持ちがよい。何人もの人がこの道を踏み固めてきたことが判り、自分がその中の一人になることでますます歩くのが嬉しくなる。

岩倉山から眼下に旧芸北町のマーク、その先にユートピアサイオトスキー場方面を眺める

背後には旧芸北町のシンボルマークが広がってきた。その先に広がる天狗石山・毛無山方面の展望が素晴らしい。６分で岩倉山に到着、岩倉山には展望を楽しむためのベンチが設置してあり、ゆっくりと展望を楽しむのに丁度良い場所になっている。

岩倉山から眺める雲月山

ツツジの花を観賞する	岩倉山から高山に向かう

　縦走路は少し南西方向に向かっており、正面には目指す雲月山が見えてきた。あの山が本日の最終目的地なのだ。縦走路はその後少し右にカーブし、真西に向かって延びており、一旦坂を下ることになる。

縦走路途中から島根県（北）方面を眺める	立ち枯れた木が並んでいる

　右方向を見てみると、沢山の立ち枯れた木が並んでいる。草原を吹き荒れた強風により、こんな姿になったのだろうか、とても印象的な景色広がっている。立ち枯れた木の向こうには島根県の山々が広がっており、とても美しい展望が広がっている。

高山に向かう草原は輝いている	背後には夕陽を浴びた岩倉山

　一旦鞍部に下りると再び登り返して行くのだが、これから高山に向かって進む道が素晴らしい。草原は夕陽を浴びて輝いており、折からのさわやかな風に笹が揺れてとてもキラキラしている。夕陽の中の草原をたった一人で歩いている。山の本を開いてこんな場面を何度か想像したことはあるけれど、実際に自分がその中にいるとは不思議な気持ちだ。

　草原には山頂に向かう道がたった一本繋がっているだけ、この道の先には高山が待っている。こんな雰囲気に浸りながらゆっくり歩きを続ける。背後に広がる岩倉山の光のコントラストが美しく、いつまでも幸せな時間が続いている。

高山から雲月山に向かう	雲月山に向かう縦走路

　ゆっくり歩きでもいつのまにか高山到着、背後の岩倉山・南に広がる雲月山と素晴らしい景色の中を楽しみながら進む。少し角度が変わっただけで同じ風景が全然変わった景色に変化している。

縦走路でツツジの花を眺める	高山・岩倉山の双耳峰

　さあ、いよいよ雲月山に向かって出発する。一旦高山から坂を下りて再び登り返す、この先見えるもの全てが新鮮な感激の連続となり、周囲を眺めては息を呑む。背後には高山・岩倉山の双耳峰が素晴らしい。

高山から東の展望

　東の方向には天狗石山・毛無山から手前のサイオトスキー場の展望が広がり、何度見ていても見飽きない展望を楽しんでいるととうとう雲月山山頂に到着した。

雲月山山頂	雲月山からは天狗石山とスキー場が一望

　雲月山山頂には山頂標識と三角点が並んでおり、山頂は広い原となっている。周囲の展望は申し分なし、いつまで居ても楽しい山頂だ。

雲月山山頂から北方面の展望

雲月山山頂から南方面の展望、これから下りて行く道が見える

　周囲の展望を眺めていると、だんだん夕闇が迫って来ていることが判った。名残惜しいが、遅い時間の登山であるため山頂を出発する時間が迫ってきた。一周回りのコースを山頂から確認して右手の道を下りて行く。

雲月山を出発する	鞍部から雲月山を見上げる

　下りて行く途中の展望も素晴らしく、どの角度からも見ても雲月山の展望は素晴らしい。一周回りの登山路を辿って進んで行くと、少しずつ高度を下げて行く事になり、雲月山山頂を出発して２０分で鞍部に到着、これから坂を登り返して東屋下の駐車場に向かって急な斜面を登ることになった。

鞍部から東屋の方向に登り返す	白い花を楽しむ

　急な斜面には階段道が続いており、慎重に一歩一歩登って行くと鞍部からは１０分も掛からずに東屋の下に到着した。東屋の下から歩いた行程を振り返る、右手には岩倉山、高山から雲月山に繋がる縦走路、雲月山から一周回りの縦走路をこの場所から確認することができる。

鞍部から登る途中に見る雲月山・高山・岩倉山の稜線

　この縦走路を一周したんだという新たな感激を噛みしめながら、雲月山方面を見ると夕陽が今、正に雲月山に沈もうとしている。しばらく声も出ない状況で厳粛な夕陽を眺めていた。今日の夕陽は私にとって特別な夕陽であり、しばらく忘れることはできない思い出となりそうだ。

夕日の雲月山

　雲月山に沈む夕陽を眺めた後、舗装路に戻り、登山口の駐車場に向かって緩やかな坂を登る。舗装路を歩きながら、今日一日の行程を思い出す。

　臥龍山から掛頭山への縦走、掛頭山からの臥龍山の展望、金木山の急登、最後の雲月山の綺麗な草原、どれを取っても素晴らしい思い出である。

　今日も楽しい思い出を与えてくれた山々に感謝をしながら雲月山の登山を終了した。お土産に雲月水を汲み、一路山口を目指して帰ってゆく。午後７時に雲月山登山口を出発、柳井に着いたのは１０時を過ぎていた。素晴らしい山行きができたことに今日も感謝する。

岩倉山を振り返る

双耳峰

歩いた足跡　　

登山口周辺の地図はこちら　北広島町　雲月山 登山口付近のＭＡＰ

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