爪ヶ城(つめがじょう)岡山県津山市

2006年9月23日

爪ヶ城(広戸仙)

参考コースタイム

滝山山頂 →0:15→ 鎖の渡された階段道 →0:15→ 爪ヶ城に向かう急斜面の始まり

 →0:25→ 鞍部(ふるさとコース合流点 ) →0:50→ 爪ヶ城山頂 →0:10→ 第三展望所

 →0:20→ 第二展望所 →0:20→ 第一展望所→0:35→声ヶ乢(こえがたわ)

全歩行時間 3時間10分

 那岐山から滝山を経て爪ヶ城に縦走するためには、通常車が2台必要なのでチャレンジをする人が少ないようだ。さあ、いよいよ本縦走最後の爪ヶ城に向かって出発することにした。滝山山頂標識にタッチして西に向かう。すぐに縦走路の標識を過ごすと背の高い笹が迎えてくれた。 

爪ヶ城への縦走路の始まり 笹をかき分けて進む

 適度に繁った笹をかき分けながら進むのがとても嬉しくなる。突然キャラボクが現れびっくりしたが、この木は高い場所に自生しているのだろうか。キャラボクを過ごすと緩やかに高度を下げて行くようになり、笹の茂る足下には横木の階段が設置してあるものだから足を踏み外しそうになる。

キャラボクを過ごす 笹の茂る足下には横木の階段

 慎重に階段を踏みしめながら下りて行くので丁度良いタイミングで歩いて行くことができる。笹の原を下りて行き、途中から見える那岐山・滝山縦走路を眺めたり、眼下の奈義の町並みを眺めたりの縦走を楽しんでいるといよいよ目の前に爪ヶ城の端正な山容が見えてきた。

眼下に広がる奈義の町並み 縦走路途中からピークを振り返る

 ところがここに来て、天狗岩経由の滝山行きとなる登山口分岐を見落としていることに気が付いた。途中にはっきりした分岐の標識があったのだろうか?。さっぱり気が付かずに歩いてきたことを後悔、確認のために引き返すのも大変そうなのでそのまま先に向かうことにした。

展望地より爪ヶ城山頂方面 展望地より急な斜面を下る

 この爪ヶ城の展望地まで滝山からは丁度30分、いよいよ爪ヶ城の鞍部に向かって急な下りが始まる。気合いを入れて下りて行くことにした。

 すぐに大きな石が周囲に転がり始め、横木の階段道は角度がきついものだから段差も大きくなっている。少しずつ高度を下げて行くことにより、眼前の爪ヶ城の山並みは目線より高くなって行く。この感覚はとても嬉しいもので、一旦坂を下がらなければ山頂には登って行けないのだ。

急な階段を下る 爪ヶ城の山並みが目線より高くなる

 坂を下り始めて20分で滝山と爪ヶ城の鞍部に到着、鞍部から北方面には「ふるさとコースの東廻り入口」が続いている。ここから西回り入口までは全長約6000m、歩行時間は4時間から5時間かかるらしく、最後に爪ヶ城山頂を経由して帰れば丸一日楽しめるコースのようだ。ここでは素直に爪ヶ城に向かって登って行くことにする。

鞍部に到着 爪ヶ城に向かって登り始める

 爪ヶ城への登り道は先ほど滝山から降りた道に比較すると非常に登り易く整備されており、逆方向からの縦走より格段に歩きやすいことを実感した。横木の階段道は特に急斜面という事もなく快適に高度を上げている。

縦走路途中から北方面 縦走路途中から滝山方面を振り返る

 鞍部から30分で右手に黄色の「ふるさとコース標識」を過ごすと、更に5分で右手に石碑を見る。この付近が一つのピークとなっており、小休止を取る。もう山頂まではあとわずか、すぐに「山頂まで300m標識」を過ごし、横木の階段道をゆっくりと進んで行くとピーク手前付近に石碑を見る。

展望が広がってきた 山頂まで300m標識を過ごす

 この先には再び笹原の道が続いており、この付近から振り返る滝山が素晴らしく、滝山を眺める展望地となっているようだ。しっかりと滝山の展望を脳裏に刻み、少し進むともうそこは爪ヶ城の山頂だ。

背後に広がる滝山への縦走路 

 爪ヶ城山頂には広戸仙山頂標高1,114.5m、声ヶ乢へ3.0km、滝山へ3.0kmと標識に書いてある。この標識の横にはふるさと登山コースの案内板があり、この標識から南方面の岩場がいわゆる爪ヶ城の山頂となっている。

爪ヶ城山頂 山頂の岩

山頂から滝山方面の展望

山頂から西方面の展望

 山頂からは東から南・西方面の展望が素晴らしく、いつまで見ていても見飽きない展望が広がり、山頂に吹く風がとてもさわやかだ。この山が本日の最終目的地であり、これから先はゆっくりと下りて行くだけ、本当に今日はのんびりした山歩きを続けている。山頂にて水分を補給、再び元気になったので下山を開始することにした。

山頂の岩へは直登できる 急な坂を下る

 山頂を正面に見て右の迂回路から降りていると山頂には後ろ(声ヶ乢からは正面)から岩を伝って直登する事ができるようだ。その先急な横木の階段道を下りて行くことになるが、この階段がなかなか手強いようだ。すぐに「声ヶ乢へ2700m標識」を左手に過ごすと山頂からは10分で爪ヶ城跡の説明板、爪ヶ城三角点、第三展望所の並ぶ場所に到着した。

横木の階段道が続く 途中の岩場を過ごす

 爪ヶ城跡の説明には次のように記載されている。

「爪ヶ城跡 矢櫃城跡(標高910m)よりの峰続き広戸仙の1075.5mの地点にこの砦岩があり、俗に詰ヶ城(後に爪ヶ城)と呼んで居り、字の如く最後の拠点とされたところといわれる」

 「美作古城史」より

第三展望所の標識 第三展望所

 三角点にて記念撮影後、第三展望所に上がってみる。この展望所は爪ヶ城の山頂よりも素晴らしい展望だ。展望所は山頂から比べると少し南に張り出しており、山頂からはっきり見えなかった氷ノ山・後山・日名倉山が東方面にくっきりと見えている。正しく絶景である。

爪ヶ城第三展望所から滝山・那岐山の展望

 

第三展望所から眼下の展望

 南方面を眺めると奈義町・旧勝北町(現津山市)の町並みが美しく、陸上自衛隊日本原演習場も一望であり、そのはるか南には四国の山々が続いている。西の方面には山形仙が美しく、遠く北西方面には蒜山も見えている。しばらく美しい展望を堪能した後、更に下山を続ける。

第三展望所から階段を下りる 絶壁の展望所

 横木の階段を下りること6分で右手に黄色い「展望所の標識」を見る。少し草の茂る道を北に向かうとそこには大好きな絶壁が待っており、北方面の展望が開けている。大山には雲がかかっており、同定はできなかったがさすがに雲に隠れる高い山であることは判った。北方面の素晴らしい展望を確認、東には爪ヶ城の姿が美しい。絶壁から足下を見下ろすとやはりへっぴり腰となる。

展望所から北方面

展望所から爪ヶ城 展望所から眼下の稜線

 絶景地を後にして更に下山を続けて行く。周囲には大きな石が目立ち、岩の間を下りて行くことになる。平坦な登山道からは眼下の町並みが美しい。歩きながら最高の展望を楽しんでいる。「標高1000mの標識」を過ごすとここは素晴らしい展望地、下から上がってくるとベンチも設置してあるので丁度良い休憩地のようだ。ここから再び急な坂を下りることになる。

標高1000m付近から旧勝北町と人形仙の展望

 前方に広がる人形仙を眺めながら下りて行くのがとても気持ちが良い。このあたりで登山路の左右に栗の実がなっている。熊さんが食べるのだろうか?。更に斜面を降りていると鎖の渡された場所に着き、鎖の助けを借りて下りて行くことになる。その先には「標高850m・山頂まで1200m標識」が立っており、そのまま進むと第二展望所と下山口の分岐に到着、まっすぐ第二展望所に向かう。

鎖の渡された道を降りる 第二展望所に向かう

 途中左手にはトイレも設置してあり、とても施設が整備されていることが判る。第二展望所からは眼下の旧勝北町の市街が一望であり、山形仙の山容が美しく、山頂方面の降りてきた道を感慨深く振り返ることになる。

第二展望所 ふるさと登山コース西廻り起点

第二展望所から勝北町の展望

 第二展望台の左手からはふるさと登山コースの西廻りコースが続いており、この道が全長6000mのコースの起点となっているようだ。分岐まで引き返して「下山道1800mの標識」に従い下山を続けるが、すぐ左方向の30m先に水場があるとのことなので向かってみる。

足下にはホトトギスの花 水場にて美味しい清水を頂く

 途中の足下では再び新しい花を見つけたので寄り道をして良かったと思いながら進む。まもなく水場に着き美味しい清水を頂く、この清水が疲れた体に染み渡る。たっぷりと水分を補給して登山路に戻る。

 この先はもう下る一方で、きれいな花を鑑賞しながらのゆっくり歩きが続く。第二展望所から15分で第一展望所・雲海の丘に到着、眼下の町並みの展望を眺めながら小休止を取る。特に眼下の池が近くなっていることに気が付く。

第一展望所 雲海の丘 眼下の池が近くなっている

雲海の丘からの展望

 もうこの先は整備された遊歩道のような感じで緩やかな傾斜の歩道をゆっくりと下りて行き、横木の階段道を降りるようになるともう登山口は近い。第一展望所からは35分で声ヶ乢の登山口に到着、周囲の標識を眺める。

階段道を下りて行く 展望が素晴らしい

 この登山口の標高は530m、第一展望所までは1400mと書いてある。登山口の向かいには人形仙の吹上展望台への道が続いており、行ってみようかとも思ったが、登山路が不明だし時刻も午後5時前なのでさすがにやめた。車でもあれば迷わず向かうのだが今日は那岐山に置いてあるためこれも断念、最初の選択を間違えていることに気が付いた。

声ヶ乢の爪ヶ城登山口

 そうだ、車を声ヶ乢に置き、タクシーで那岐山の登山口まで行けば良かったのだ。まあ過ぎたことを後悔しても仕方がない、舗装路を少し降りて峠の茶屋に向かう。峠の茶屋は午後5時までは空いているそうなので楽しみに向かうと・・・・閉まっている。

峠の茶屋は閉まっている 峠の茶屋から勝北の町並み

 時刻はまだ午後4時45分なのに・・・・・残念、もうする事がないので日本原タクシーを呼ぶ。数日前に声ヶ乢まで迎えに来るのに要する時間を聞くと15分程度とのこと、茶屋の付近を散策していると10分も掛からずにタクシーが到着、あまりの早さにびっくり、タクシーに乗り込み、那岐山登山口の第三駐車場に向かう。

那岐山三山を振り返る

 途中あまりに那岐山連山が美しいのでタクシーを停めて頂き写真を撮る。稲刈りの終わった田圃とその奥に控える那岐山、滝山・那岐山には雲が掛かり始めており、声がでないくらいの美しさだ。しばらく美しい景色を眺めた後、第三駐車場の車の所まで戻った。

 声ヶ乢からの移動時間は約25分、料金は3990円だった。車の中にリュックを入れ、急いで那岐山の展望を眺めるため国道まで降りる。国道53号から眺める那岐山はすばらしく、国道から少し入った塩手池の手前から眺める広戸仙・滝山・那岐山は本当に素晴らしい。

国道から眺める那岐山 池と爪ヶ城

塩手池と那岐山三山

 いつまでも夕焼け雲の那岐山連山を鑑賞していると時刻はいつの間にか午後6時を過ぎており、いよいよ那岐山の見える場所から出発することにした。今日もたっぷりと汗をかいたのでまずは温泉に入り汗を流すことにする。

 明日の登山予定は東粟倉村の後山、あわくら温泉も入ってみたいが午後8時までの営業がネックである。そこで本日も船岡美人温泉に向かうことにした。なぜこの温泉を選ぶかというと、営業時間が午後10時までなのでゆっくり食事をして温泉に入ることができるからである。また、付近の郡家町には沢山のレストランもあるので食事の選択にも困らない。

 再びループ橋を超え、岡山県から鳥取県智頭町に入り郡家町にて豪華夕食のラーメンライス、これが最高の贅沢である。食事の後は船岡美人温泉、やはりヌルヌルの温泉に大満足、温泉にてゆっくりした後本日の宿舎である西粟倉村の道の駅あわくらんどに向かう。

 いつもとは違うコンビニにて食料を調達、国道53号を走り、智頭町からは国道373号に分岐、通称智頭街道を南下すると道の駅あわくらんどに到着した。

 すでに4台ほどの車が駐車しており、みなさん同じ目的で泊まっているようだ。ここには美味しい水も流れており、焼酎の水割りを作るのには最適な場所である。宿泊の用意をして早めの休息と行きたい所だがテレビの電波状況が悪くDVDの鑑賞をすることになった。

爪ヶ城手前から滝山を振り返る

爪ヶ城山頂の岩

爪ヶ城山頂岩から滝山・那岐山方面

第三展望所から滝山・那岐山

第三展望所から勝北町の町並み

第一展望所 雲海の丘から眼下の展望

声ヶ乢の爪ヶ城登山口

タクシーの途中から

那岐山

 前の山 滝山を見る

 次の山 後山・駒の尾山を見る

歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 岡山県津山市 爪ヶ城 登山口付近のMAP

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