地倉沼から奥山へ 中国自然歩道津和野コース(ちくらぬま・おくやま)島根県津和野町

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2006年7月15日の登山記を見る

2012年11月10日

駐車地 →0:35→ 作業道出会 →0:25→ 地倉峠 →0:10→ 千倉権現

 →0:10→ 地倉峠 →0:35→ 奥山分岐の峠 →0:14→ 奥山

 →0:06→ 峠 →0:30→ 地倉峠 →0:25→ 作業道別れ

 →0:15→ 作業道入口 →0:15→ 駐車地

全歩行時間 3時間40分

 山口県の山(山と渓谷社)の著者、中島先生のご案内により、今回は中国自然歩道の津和野コースを歩く。登山の起点は島根県津和野町のJR青野山駅の手前。JR山口線の津和野駅を出発し、津和野川に架かる橋を渡って国道9号を東へ向かう。

JR青野山駅 国道9号から青野山駅方面へ右折

 津和野駅から5分程度乗用車で走ると直地地区に入り、右側にJR青野山駅への案内標識が現れる。この案内に従って右折し、舗装道を南下すると津和野川に架かる橋を渡る。少し先の右カーブ付近にゴミステーションがあり、適当なところへ車を置いて登山を開始する。

地倉沼へは分岐を左折 これから向かう地倉沼方面

 駐車地からわずかに国道側へ引き返し、分岐を右折、少し進むと右に墓地があり、その左に中国自然歩道津和野コース(全体図)が掲示されている。現在地から地倉沼を経て、奥山の峠を通過。更に鍋山の麓の島地区を通り、清流高津川の流れる左鎧(さぶみ)地区まで歩くことができる。左鎧地区の国道187号から鍋山付近まで、舗装路が続いているので、帰りにこの付近まで車で進入し、散策を予定する。

 駐車地から少し戻って右折 中国自然歩道案内図(写真をクリックすると拡大)

 さて、案内板を過ごし、やがて現れる直地踏切を渡らず、中国自然歩道「地倉沼」の案内に従い、踏切手前を左折する。進行方向には朱の鳥居が建っているものの、鳥居自体は痛んでおり、いつ倒れてもおかしくない。従ってこの鳥居は目印にならない可能性が高い。

踏切手前を左折 茶畑を過ごした先で鉄橋を潜る

 左に収穫後の田んぼ、綺麗に刈られた茶畑、その先には清流津和野川と周辺にはのどかな田園風景が広がっている。JR山口線の鉄橋下を潜り、木製の橋を渡って対岸へ移動。周囲には柑橘系の果物がたわわに実っている。

木製の橋を渡る 果樹園の中を通る

 地倉沼1.8kmの案内を見て果樹園前を通過、この先から足下に夏草の名残を踏みしめながら自然歩道の中に入る。南には青野山がとても大きい。左の石垣の組まれた道の先には、前回登山の際に眺めた廃屋が残っており、更に進むと朱の鳥居を1つ過ごす。前回登山の時には3つ並んでいたが、2つは壊れてしまったようだ。

石垣の横を進む 鳥居を潜る

 間もなく展望と別れて樹林の中に入る。足下に自然歩道の階段を踏みしめれば、左に中国電力の巡視路を過ごし、もう少し進むと四等三角点の置かれた場所に着く。何も展望もないこんな所に、なぜ三角点が置かれたのだろうか。とても気になる。さて、この先展望のない樹林帯の中を黙々と歩く。

自然林の下を進む 途中に置かれた四等三角点

 本日は晴れの天気予報だったのだが、実際には曇り空。紅葉の季節なので、晴れてさえいればこの自然林は、素晴らしい感動の自然歩道だと思われる。自然林は間もなく植林帯へ変わり、やがて第一休憩所へ到着。周囲には紅葉の始まりが見受けられる。

第一休憩所と紅葉 横木の階段の中国自然歩道

 紅葉を眺めながら小休止の後、第一休憩所を出発、横木の階段はまだまだ続く。と、突然作業道へ出た。こんなすごく広い作業道は記憶の中にない。従って、この作業道は6年以内に作られたのだろう。地倉沼へは1.2km、この地点がもう一箇所の登山口との合流点となる。

作業道に出る 作業道から別れて左の道へ

 何の心配もない林道歩きはすぐに中断、左へ続く自然歩道へ入る。この地点から地倉沼へ1km、この間の作業道歩きは200mだった。更に200mで第二休憩所を通過、やはり展望はない。ただし、周辺には紅葉の始まりが美しく、これだけでも自然歩道を歩く価値がある。

第二休憩所 第二休憩所から眺める紅葉

 作業道を横目で眺めながら更に進むと、再び作業道と交差、頭上に美しい紅葉を眺めながらの自然歩道歩きが続く。この地点の案内には地倉沼へ0.8kmと案内されている。すぐに第三休憩所を通過、真っ直ぐ続く階段登りを踏ん張ると再び作業道へ。

作業道を横切る 第三休憩所を過ごす
三度目の作業道 作業道から眺める紅葉の始まり

 地倉沼へはもう0.7km、少しずつ最初の目的地へ近づいている。この付近は紅葉が進んでおり、歩いているだけで楽しくなる。広く安全な作業道を進めば、やがて車道終点へ到着。車道終点には駐車スペースがあるものの、ここまで車で進入するためには車高の高い四駆で無いと不安な気がする。

車道終点 地倉峠

 さて、朱の鳥居を潜れば、すぐに地倉峠へ到着、この地点から島まで3km、地倉権現(千倉権現)まで400mと案内されている。広い歩道を進めば、周囲に広がる紅葉が美しい。遊歩道が左右に分岐する中央付近から、地倉沼へ下りることができる。沼に下りてみると、草原状態で全く水が無い。前回満々と水を湛えた地倉沼がとても印象的だっただけに、今回の風景はとても新鮮である。果たしての水の無いのは、珍しいのか当たり前なのか。沼の中央まで進み、向かいにそびえる奥山を眺める。地倉沼の中央から眺める紅葉の進んだ奥山はとても美しい。

水のない地倉沼の風景 正面奥に見えているのは奥山

真夏の地倉沼

 地倉沼の案内によれば、地倉沼は周囲を標高500m〜700mの山に囲まれた天然の湖沼。沼底の標高は約430m、面積は約4万u。水位は季節によって大きく変動し、梅雨時期には満々と水を湛えているが、秋から冬場は沼に水はなく、平坦な草原が広がっている。地倉峠はかっては谷の出口だったが、数10万年前に地倉沼北側の地倉山(標高622m)から噴出した溶岩が、この谷口を埋めたため地倉沼ができたと案内されている。

案内と休憩用のベンチ 紅葉

 美しい紅葉を眺めながら広い歩道を進むと、朱の鳥居の前へ到着、左に建つ龍堂を過ごして千倉(地倉)権現へ向かう。前回に比べて鳥居が増えたようだ。足下はコンクリートの道に変わり、右に大岩を眺めながら進むと、頭上に千倉権現が見えてくる。

千倉権現へ向かう 頭上に見える千倉権現

 下から右へ回り込んで千倉権現の前に到着。左手には蝋燭台が置かれ、祭壇らしき平らなコンクリートの上に鎮座する地倉権現は、以前より新しくなったように見える。しばらく千倉権現前で小休止、周囲に広がる風景を観賞した後、千倉権現を出発。

蝋燭台 千倉権現

千倉権現の風景(動画)

 龍堂まで下りて、記帳ノートに記載した前回のコメントを捜すが、平成18年度のノートだけが見つからなかった。その後紅葉を眺めながら地倉峠へ向かう。時刻は丁度12時だが。まだおなかが空かないので奥山へ向かって進む。

龍堂 岩の目立つ場所を通る

 峠を出発し、平坦な自然歩道を進む。地倉峠を越えてわずかの間こそ、足下に岩が目立つが、すぐに歩きやすい自然歩道へ戻る。木の間越しに紅葉の美しい奥山山頂が見えており、まるでおいでおいでと招いているように思える。

頭上に紅葉を眺める 案内とベンチ

 美しい紅葉の下を進めば、中国自然歩道の案内や地倉沼の方向を示す案内を過ごす。休憩用のベンチを過ごした先からは、緩やかな傾斜の坂道が続いている。ところがいつまで経っても地図上の破線と違って、進行方向が変わらず尾根にも出ない。しばらく歩いた後で、地図上の破線の場所と違うところを歩いていることに気がついた。

中国自然歩道は快適な道 峠へ到着

 少し坂の傾斜を感じ始めると、地倉沼と島地区の中間点に位置する峠へ到着、地倉峠からは35分の行程である。峠には休憩用のテーブルとベンチが置かれており、この場所は奥山への分岐点でもある。ベンチに腰掛け遅めの昼食、久しぶりにカップヌードルを食べる。

ベンチの置かれた峠 峠から奥山へ向かう

 昼食後にいよいよ奥山へ向かって出発、少し荒れ加減の山道だが、山口県の里山歩き同様の懐かしい道が続いている。奥山へ向かう踏み跡はまずまず確かで、要所には目印のテープが巻いてある。我々も新しいテープを巻いて、後続のための案内とする。疎林の中なのでとても視界が良く、踏み跡や目印のテープを確認しながら進んでいると、この奥山登山で一番の奇岩、祠岩に着く。この岩は進行方向から眺めるとまるで祠に見える。そんなありがたいような岩である。

奇岩 祠岩 自然林の下を進む

 祠岩を過ごし、自然林の下を少しずつ高度を上げる。やがて周囲に岩が目立ち始めると坂の傾斜がきつくなる。足下に笹が増えれば、周囲の木々をつかみ一気に高度を上げる。やがて坂の傾斜が緩やかになり、三等三角点の置かれた奥山へ到着。

山頂手前の急登 奥山山頂

奥山の山頂風景(動画)

 三角点の周囲のみ刈り払われた山頂からは、木々に視界をさえぎられ、展望は望めない。しかしながらこの時期には紅葉が美しく、登って良かったという満足感を得る。静かな山頂にて小休止の後、下山を開始する。

山頂から眺める風景 作業道別れ

 急な斜面を下り、祠岩を再度眺めてべンチの置かれた自然歩道まで引き返す。そのまま地倉峠を経由、作業道を交差しながら下り、作業道別れの場所からは作業道を辿って下りる。この季節には、作業道から向かいの山々に紅葉が美しく、特に青野山が大きい。

作業道から眺める青野山 紅葉が進んでいる

 緩やかな作業道を下れば、作業道別れからは20分で朱の鳥居の建つ作業道入口へ到着。入口には、千倉権現総代より「この道路は公道では有りません 通行は自由ですが 落石。事故等の責任は一切負いません」と書かれている。この先で本来の直地地区から続く林道と合流する。

朱の鳥居を潜る 作業道入口

 作業道入口付近には駐車スペースがあり、夏草の茂る時期には、この付近まで車で進入し、登山をする方が快適と思われる。鳥居から先にも広い作業道が続いているが、乗用車で向かう場合は、車高の高い四輪駆動車でないと心細い。

もう一つの登山口(駐車地あり) 橋を渡る

 作業道から別れて林道歩きを始める。すぐに橋を過ごせば、美しい紅葉を見る。この先は平坦な林道なので快適に下る。やがて視界が開けてのどかな田園風景が現れる。向かいの山の鞍部には地倉峠、その左に地倉山を眺め、直地踏切を渡れば、登山口の駐車地へ到着した。

橋の側の紅葉 歩いた行程を眺める

 登山口を出発、今度は左鎧地区まで乗用車で移動し、中国自然歩道の島地区へ向かう。左鎧付近で国道187号と別れて橋を渡り、舗装道を北西へ向かう。すると紅葉の美しい鍋山が現れた。この山は直径400m、標高614mの小さな火山。山頂付近が平坦で、本当にお鍋を伏せたような形をしている。

左鎧地区より島地区へ向かう 鍋山

 鍋山を右に見ながら峠を越え、少し下ると左に中国自然歩道の入口が現れた。案内には地倉沼まで3km、小直(おただ・津和野町)まで5.7km、左鎧までは5.2kmと書かれている。時間が遅いので中に入るわけには行かないが、入口を見る限り自然歩道は生きているように見える。

中国自然歩道出口(入口) 島高原から眺める鍋山

 我々はもう少し先へ行き、島高原と言われる場所へ着いた。高原は平坦で、モトクロスの練習場になっているそうだ。島高原から眺める鍋山は、まさに鍋の形で、とても美しい山容をしている。

吉賀町のラーメンとおでん

 左鎧まで引き返し、吉賀町のラーメン屋で夕食を摂る。この店の味噌ラーメンは辛いのだが、とても美味しい。おでんも頂き満腹になる。

駐車地から眺める青野山

地倉沼と奥山

地倉沼の紅葉

千倉(地倉)権現

中国自然歩道の紅葉

祠岩

作業道付近の紅葉

鍋山

 前の山 宝満山 を見る

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歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 島根県津和野町 奥山 登山口付近のMAP

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