周防大島八十八ヶ所霊場巡拝記7日目 平成21年3月8日 久し振りの大島八十八ヶ所霊場巡拝。前回は雨の中の巡拝を強行し大変苦労した。苦労だけなら良いのだが、携帯電話は水没し、デジカメの液晶内に雨水が入り壊れてしまった。その後カメラの修理が終わり、携帯は奇跡的な復活をしたが、レンズの中に水が入ってしまったので新しい携帯を買うことになってしまった。
本日の巡拝終了場所を地家室の海雲山に定め、札所の駐車場に車を置き出発。巡拝の開始場所は和佐地区の淡島神社元正寺、次の札所のある小積まではロングコースとなる。元正寺にて最初のお参りをして出発。順路であれば内入から小泊、和佐、片添へと向かうが、馬ヶ原から小泊に向かうルートの景色が素晴らしいとの情報を得たので今回は遠回りをする。
和田を出発し、南に向かい農免道路に着く。前回と同様のコースを採り、石仏を眺めながら馬ヶ原への分岐を右折し進む。本日はサクランボや梅の花を観賞しながら巡拝であり、真冬に始めた巡拝も、いつの間にか暖かい春へと季節が移っていた。
馬ヶ原集落に着き前回左折した分岐を右折、美しい海岸線を進んで行く。分岐には寒椿が満開、やはり暖かくなっていることを実感する。海岸線から東を眺めれば鯛の峰が近く、周防大島の東端から西に向かう旅が続いている。
周囲にはタラの芽も出ており、もう大島では一足早い春模様。舗装道歩きは続くが、周囲に広がる展望を眺めていれば、時間の経つのも早い。眼下にはエメラルドグリーンの海が広がり、美しい砂浜の手前にはリゾート地が開けていた。カラフルな建物が多く見えてきたが、果たして人がいるものかと眺めていたら、多くの人が住んでいることが分かってびっくり。こんな場所に人が住んでいるとは思わなかった。
エメラルドリゾートと呼ばれる場所を通過、確かに美しい砂浜と海岸が広がっていた。次の砂浜もやはり美しく、この付近には美しい場所が多いようだ。遠く東には鯛の峰が見えており、この山が周防大島の要所であることを感じながら歩いている。峠を越えれば西には小泊の集落が見えてきた。遠くには白木山、麓には片添ヶ浜と美しい景色が広がる。
少し高度を上げていたが少しずつ坂を下り海岸線に到着、もう少し進めば岩場が見えてきた。時刻は12時を過ぎたので岩場にて昼食を摂る。昼食を終え、海岸線を進めば間もなく小泊集落に到着、前回分岐した民宿の前を通過する。ここまで馬ヶ原を経由して1時間55分、内入よりの通常ルートであれば1時間25分の行程である。
周囲には野ダイコンの花が美しく、確実に春は近くなっている。すぐに小泊バス停を通過、天満宮を過ごしその先でバス停小泊港を通過、道なりに右へと向かい小泊郵便局を過ごして峠を越える。峠を越えれば左手にガードレールの切れた場所を確認、この間の階段を下りて行けば和佐の海岸線に到着、徒歩ならでは自由な歩きを続ける。海の向こう、西には白木山が聳えている。海を眺めればモーターボートで水上スキーを楽しむ人もいる。
コンクリートブロックにはカモメが整列しており、なんとも微笑ましい景色だ。和佐の集落を通過、この先は海岸線に着けられた坂道を進んで行く。水上スキーはまだまだ続き空中で一回転、なかなか楽しそうだ。舗装された坂道を上り、西の風景を眺めれば白木山が遠くに見えている。南には霧に霞んでいた四国が少しずつ姿を現してきた。黄砂や花粉の季節が終わればスッキリした四国が現れるのだが、いまは春霞のシーズンなので輪郭が見えるだけでもありがたい。
峠を越えれば眼下には片添ヶ浜海水浴場、大島一美しい場所が開けてきた。正面には美しい白木山、大好きな風景を眺めながら下りて行けば、間もなく片添ヶ浜海水浴場に到着、南国のような風景が更に美しい。片添ヶ浜バス停を通過、更に海岸を進めば片添ランド前バス停を過ごし、これから坂道に向かって行く。木の間越しに片添ヶ浜の展望を眺めながら進めば、間もなく道なりに右へカープし、目の前には小積地区が見えてきた。
眼下に広がる美しい海岸を眺めながら進めば、右手にカープミラーの設置された場所に到着。この分岐を右折すれば河津桜の美しい地区に着く。昨日上関の河津桜を観光したが、ほとんど散っていた。あまり期待せずに向かったら、ここの河津桜はまだ残っていた。暫く美しい桜を観賞し元の道に戻った。
海岸線に戻り次の分岐を右折。この場所は小積バス停の手前となる。そのまま坂道を進んでいるとたくさんの伊予柑を運んでいる方に会い、雑談を交わした。すると伊予柑をあげようと言われたので、巡拝中初めての御接待を頂いた。お礼を述べて別れ、更に坂道を登る。変則四差路に着けば左折し、道なりに進めば右手に分岐し、少しの坂道を登れば第65札所二尊院に到着した。
二尊院にお参りし、そのまま埋設された上下水道の配管に沿って降りれば、小積バス停の先に着いた。このまま県道60号を西に進む。右手に小積小学校の建物を過ごせば、左手には厳島神社の朱の鳥居が建っている。厳島神社を過ごし大積バス停の手前の分岐を右折する。そのまま道なりに北へと向かって進み、左手に郵便ポストを過ごした先で右へ分岐、少し進んだ先の分岐を左折すれば、集会所に着く。この集会所の50m上に向かい右手の階段を登れば第79番所実相庵、くれぐれも間違えないよう注意されたい。
大積の実相庵を出発、少し降りていると千眼観音を民家の前に見る。何気なく通り過ぎようとして、目の悪くなっている方を思い出した。この方の目が治ることを祈願しお参りをする。すぐに海岸線の県道に到着、緩やかな坂道を登って行く。この先から道沿いに桜並木が続き、もう少し先には満開の桜が空を覆うことだろう。眼下には数件の民家が見えている。この付近は五条、従って周囲の桜は五条の千本桜と言われる花見の名所である。背後にはまだ油宇の鯛の峰が見えているが、この先のカーブを曲がれば、しばらく鯛の峰とお別れだ。
正面には沖家室島が見えており、カーブの手前に標識が立っている。近寄って眺めれば「シーボルト上陸の地」、記録によれば1926年3月4日にシーボルトがこの付近に上陸したそうだ。左手に沖家室島を眺めながら更に進む。間もなく左手に沖家室の瀬戸と沖家室大橋を過ごす。
この先は佐連集落、対岸には地家室の集落も見えている。いよいよ本日の終着点が見えてきた。県道60号を更に進めばすぐに佐連集落に到着。佐連バス停を過ごし、左手に佐連会館を見て櫓の立つ分岐を右折、少し進めば右手に第80番札所地蔵堂が待っていた。地蔵堂に参拝し、少し東側を眺めていると墓地の先にお堂が見える。お堂に着くとここは霊場80番奥の院だった。中に入ってお参りしようとしたが、扉は閉ざされていたので、外でお参りをした。
奥の院を出発、県道に戻り東へ進む。周囲を見回せば佐連地区には民宿の多いことに気がつく。釣り客目当ての宿かも知れない。県道を進めば沖家室島が遠くなり、この島が橋で繋がっていることがよく分かる。地家室集落が近くなり、眼下に広がる静かな湾は、曇っているにも拘わらず美しい。ここで対岸に見えるお堂を見てガイドを開けば、このお堂は第83番札所の泉福寺、なんと本日の終了予定である第82番札所の次は伊崎と思っていたら、こんなに近くに札所があるとは。いかにガイドを読んでいないか実感することになった。
間もなく地家室集落に入り、バス停地家室を過ごす。下田に向かう県道108号に入れば車を配置した本日の終点82番札所だが、その前に83番に行こうか迷う。でも次回もあるし、午後5時を過ぎているので今回は予定通り82番へ向かうことにした。県道108号地家室白木港線に入り、舗装された坂道を登れば間もなく「地家室の石風呂」の石碑に到着、その横には南北朝時代の「加室合戦戦跡之地」の石碑が立っている。
石碑の横を抜けて行けば、左手に地家室の石風呂があり、手前には休憩室らしき建物がある。もう少し進めば美しい沢の先に滝があり、手水鉢を過ごせば第82番札所の海雲山に到着した。海雲山にお参りすれば午後5時25分、周囲はもう薄暗くなっていた。
|