蓮台寺山(れんだいじやま) 山口県下関市

平成19年 3月 4日

蓮台寺山

ガイド本 金光康資著 防長山野へのいざない 第1集改訂版

参考コースタイム

登山口 →0:15→ 蓮台寺 →0:20→ 蓮台寺山山頂

 →0:15→ 蓮台寺 →0:15→ 登山口

全歩行時間 1時間 5分

蓮台寺山へのガイド

 下関市の小月方面から蓮台寺へは、木屋川に沿って走る県道33号を進み、木屋川にかかる吉田大橋を渡り、その先の交差点を右折し県道260号に入る。すぐ左手に吉田旧街道の石碑が立っているので、左折してこの分岐に入る。少し進むと左手に高札場の標識が立っている。高札場の反対側には吉田旧街道の石碑が立っており、この分岐に入る。後は説明の通り進めば蓮台寺に着くことができる。

 白山を出発、県道260号を南下し吉田地区に入る。周辺には高杉晋作の墓や東行庵など高杉晋作ゆかりの観光地が多く、歴史大好き、古いもの大好きな私は名所巡りもしたいのだが、時間がある限りは山優先、何があっても山に向かうのだ。

 県道260号に入り、すぐ左手に吉田旧街道の石碑と蓮台寺への標識を見るのでこの分岐に向かって左折する。吉田旧街道の石碑には、「旧山陽道の街道筋にあり、江戸時代毛利藩本藩の所領として吉田宰判の代官所や本陣も置かれ宿場町として栄えた」と記されている。

吉田旧街道の

 少し進むと今度は左手に高札場の標識が立っている。高札場の反対側(右側)には吉田旧街道の石碑も立っているので、右の分岐に入る。高札場が気になったので車を停めて観察する。「高札とは江戸時代から明治三年に廃止されるまでの間、一般の人に法令等を徹底させるために街道の宿場や辻、名主宅前などの目立つ場所に幕府や藩の法度掟書お触書、犯罪人の罪状等を書いて立てられた板札で、これを掲げる場所を高札場といった」と説明されていた。侍映画などでよく見る光景が目の前に浮かんできた。

蛭子神社と高札場跡 古い石碑と吉田旧街道石碑

 高札場から吉田旧街道の道に向かう。手前には右上方道、左萩道と書かれた古い石碑も立っている。この先で左右の分岐が現れるがこの分岐は左の道を取り、その先で埴生12番のガードを潜る。

分岐は標識に従い左に向かう 埴生12番のガード

 次の分岐で蓮台寺の標識を見るので、標識に従い右の細い道に入る。足下には左川久保・右蓮台寺と書かれた道標が立っている。しばらく道なりに進んでいると左手に蓮台寺の標識を見るが駐車地を求めて少し先に進み、左手の少し広くなった場所に車を置き出発する。

分岐を右に入る 足下には左川久保・右蓮台寺と書かれた道標

 少し戻ると石畳の道が続いており、これがガイドにある哲学の道のようだ。落ち葉の敷き詰められた道を進むと右手に蓮台寺の説明板があるのでしっかりと眺めて知識を仕入れる。

駐車地を出発 哲学の道に入る

蓮台寺(黄檗宗)

 寺伝によると今から約一千年前、一條帝の勅使が九州筑紫に航行中、関門海峡で嵐に会い難渋した。勅使が航海の無事を一心不乱に祈願されると突然この山の上空に白蓮の花が咲き間もなく嵐が静まった。勅使の上奏を受けた花山法皇は驚いてこの地を調べたところ、山上に白蓮が咲いていた。法皇は、この白連こそ観世音の化身だとしてここに蓮台寺を建て、十一面観音像を安置するとともに、この山を白華山(びゃくげさん)と名付けた。この十一面観音像は鰐口{わにぐち}(吉田公民館保管)とともに市文化財第一号に指定されている。また、白華山の頂上には不動明王(石造)があり、これに通ずる山道は八十八カ所の観音像をめぐるハイキングコースである。昭和五十九年蓮台寺への参道が整備され、「哲学の道」と名付けられた。竹林にかこまれた閑静なたたずまいは、ここを訪れる人の心を和ませてくれる。

郷土の文化財を守る会

 整備された哲学の道を踏みしめながら、進んでいると右手に少し展望が開けてきた。眼下には竹林や樹林が広がっているようだ。少しずつ陽が傾いているようだが、まだまだ大丈夫、いざとなったら帰りは舗装道を通ることも出来るので少し安心である。

哲学の道を進む 陽は傾いている

 哲学の道にふさわしい美しい石畳を踏みしめながら、たった一人で物思いに耽るのもいいのだろうが、足下にはしっかり注意を払う。竹林を抜けると舗装道を横切ることになる。この舗装道の下には庚申塚があり、大きな岩に庚申と掘られていた。

庚申塚 蓮台寺に向かう

 さて、石畳はそのまま蓮台寺に続いており、坂道を進むと「不許葷酒入山門」の石碑を過ごし、目の前には蓮台寺の山門が待っていた。最後の石段を登り詰めると蓮台寺の境内に到着、本堂には古い額が掛けてあり、この寺の歴史を感じることができる。

「不許葷酒入山門」の石碑 蓮台寺山の山門

 本堂の右手には観音堂が建ち、観音堂の手前には十一面観音の説明板も設置されている。本堂と観音堂の間には明治22年に観音堂建立の記念として植えられた多羅葉(たらよう)の大木が立っている。多羅葉の木の横には百花山復古記念の石碑も立っており、この木は下関市の保存樹木に指定されているそうだ。

蓮台寺本堂 百花山復古記念の石碑
観音堂 陽は更に傾いている

 周囲散策が大急ぎで終了したので、観音堂にお参りした後、不動明王(頂上)へ500mの標識に従い、観音堂の右手から登って行く。すぐにお墓のような石碑を過ごし、竹で作られた階段道を進んで行くことになる。道の横には石に掘られた観音石仏が道案内をしてくれており、観音八十八カ所巡りをしながら山頂に立つことが出来るようだ。

道案内の観音石仏 竹の階段道を進む

 階段道は少しずつきつくなるのだが、ロープが渡してあるので安心して登ることができる。厳しい坂道を観音石仏を眺めながら登るのはなかなか味があるようだ。参拝道は整備されており、とても安心して歩くことが出来る。美しい樹林の中を歩くことが出来るのは本当に幸せなことだと感謝をしながら進んでいる。

気持ちの良い樹林 観音八十八カ所巡り

 間もなく右手からの直登ルートと合流し、左方向に向かって進むことになる。標識らしき板が立っているのだが、何が書いてあるのか判読することは出来なかった。右手に観音石仏の並ぶ広場を過ごすともう不動明王は近い。

直登ルートと合流 右手に観音石仏の並ぶ広場

 少しの坂を踏ん張ると岩の上に不動明王の立つ蓮台寺山の山頂に到着した。立派な不動明王に感激、たくさんのお願いを続けた。広場には木のベンチが置かれているのでゆっくりと休憩を取る。ベンチに座って山頂からの展望を確認すると、木々の隙間から、少し遠くが見える程度で大展望を望むことは出来なかった。

不動明王の立つ蓮台寺山

 眼下にゴルフ場らしき場所を確認し、更に三角点を目指して進もうとして時計を見るともう午後6時前、山頂まで大した距離では無いものの、既に遅い時間なので三角点をあきらめ蓮台寺に引き返すことにした。

木の間から眺める展望 蓮台寺山三角点峰

 帰りの道は先程確認した急な坂を下りるルートを取ることにした。この道も八十八カ所の観音霊場であり、急な斜面を下りて行きながら斜面の急さにびっくりした。逆のルートを取れば山歩きの訓練になりそうだ等とよけいなことを考えながら下りて行く。

急な斜面を下りて行く 蓮台寺から眺める夕陽

 急な斜面なので下りる速度も非常に速い。最後に竹林帯を抜けるともう蓮台寺に到着、境内から雲に隠れた夕陽を眺めることができた。この先階段道を下り、哲学の道をゆっくりと引き返し、周囲が真っ暗闇になる前に出発地に到着することが出来た。

 蓮台寺山は整備された哲学の道と八十八カ所巡りの出来る素晴らしいハイキングコースだった。惜しむらくは三角点・・・・残念。

高札場跡

古い道標

観音堂

蓮台寺山山頂

タラヨウの木

蓮台寺から眺める夕陽

山頂の不動明王

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歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 山口県下関市 蓮台寺山 登山口付近のMAP

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