草添山(くさぞえやま) 山口県長門市

平成19年3月11日

草添山 奥畑コースの登山記を見る

ガイド本 金光康資著 防長山野へのいざない 改訂版第1集

参考コースタイム

全歩行時間

登山口 →0:05→ 御所原大神宮 →0:05→ 林道入口 →0:20→ 林道終点

 →0:30→ 飯森山コースと合流点 →0:20→ 北ピーク →0:10→ 展望地

 →0:05→ 山頂 →0:05→ 展望地 →0:10→ 北ピーク →0:15→ コース分岐

 →0:35→ 飯森山 →0:15→ 県道出会い →0:15→ 登山口

全歩行時間 3時間10分

 朝5時前に起き出し、空を見ると晴れている。天気予報を見ると北長門方面は午後から天気が回復するそうだ。下関地区に二週続けて行くのも感動が薄れそうなので、やはり長門を目指して出発する。午前5時半に柳井を出発、熊毛インターから高速道路を走り、美祢インターで下りる。そのまま国道316号を北上、外気温は2℃でとても寒そうだ。

 長門市に入り、JR板持駅手前の信号を右折、次の分岐も右折して高架を走り、西深川地区に向かう。左手を注意しながら進んでいると、国道316号にかかる高架から1.5km程度進んだ場所に今回の下山口である飯森山の入口標識を見る。更に400m程度進むと右手に御所原大神宮の標識を見るのでこの交差点を右折する。

JR板持駅手前の信号を右折する 次の分岐も右折して高架橋を渡る

 間もなく左手に大神宮を見るのだが、駐車地を求めて更に五十鈴川沿いに進み、石の鳥居のある付近に車を置き登山を開始する。遠くに草添山の山頂が見えており、これから向かう山頂に心が躍る。舗装道を西方面に引き返すと御所原大神宮に到着した。

御所原大神宮へ向かって右折する 御所原大神宮に向かう

 この大神宮は伊勢の内宮・外宮を奉祀する長門國唯一の大神宮であり、称徳天皇天平神護年中の創建と伝えられているそうだ。早速大神宮に参拝、登山の無事を祈願する。大神宮を出発し、更に舗装道を進むと先程の農道に到着、農道を横切り右手にJA長門大津営農センターを過ごし林道に入る。

大神宮に参拝 JA長門大津営農センターを過ごし林道に入る

 この林道に入るとすぐに未舗装となるがその先で舗装道に戻る。緩やかな右カーブを描いて進んで行くと右手に最初のため池を見る。ため池にて寄り道をし、草添山を眺めると、少し曇っているが、ため池の先に美しい草添山の山容を見ることが出来て嬉しくなる。更に林道を進んで行くと奥のため池に着く。

ため池と草添山

 この奥の池と池から眺める草添山の美しさをうまく表現することが出来ないのが残念だ。池の色はどこまでも深い色で、周囲の森の色がそのまま池に写っているようでとても美しい。アプローチから息を飲むような美しい景色に出会うことが出来てとても幸せだ。

左右にカヤトを見る 堰堤が続く

 奥の池を過ごし、舗装道に戻り緩やかな坂道を進んで行くと、左手にはシダの繁る山肌が広がり、右手に保安林の標識を過ごす。更に進むと堰堤の続く場所となり、左右にカヤトを見ながら進んで行く。その先に更に美しい堰堤を見るようになると、そろそろ林道終点に到着だ。

美しい堰堤を見る 林道終点

 突然コンクリートの道が切れるが、ここまで車で来ることも出来るし、十分な駐車スペースもある。コンクリートの道が切れた先には踏み跡が続いており、踏み跡の先は杉の植林帯となる。入口には登山口らしく白いビニールが巻かれている。

来た道を振り返る 草添山の登山口

 植林帯の中を進んで行くと足下には確かな踏み跡があり、赤いテープが続いているので安心して進むことが出来る。すぐに木の橋を渡ることになるが、この橋は古くなっており、危なっかしいので橋の下を通ることにした。この先で左(東方面)に折り返すようになるのだが、ここで懐かしい「山楽山歩(さんがくさんぽ)」の標識に出会い一安心。懐かしい標識に出会えたことが格別に嬉しい。久しぶりに山口県の山を歩いているという実感が湧いてきた。

木の橋の下を通る  山楽山歩の標識

 左手に美しい植林帯を眺めながら踏み跡確かなシダ道を爽快に進む。周囲が明るくなると再び右(南方面)に向かうことになり、足下には地積調査の杭が見えてきたのでもう安心である。シダの道をゆっくり進むとそろそろ明るい道と分かれて植林帯の中に入ることになる。

足下には地積調査の杭 シダの道を進む

 登山道は少しずつ傾斜がきつくなるのだが、ゆっくり進むので大丈夫、赤いテープを確認しながら急な斜面に取り付く。足下は滑りやすく転がりやすい石が続いているので注意しながら進む。そのうちに赤いテープが無くなり、前方に白いテープが見えてきたのだが、このあたりで踏み跡が少し怪しい。

急な斜面となる 足下は滑りやすい石が転がっている

 ・・・もう一度赤いテープの場所まで戻って周囲を確認、そのまま進むと白いテープの道方向なのだが、そうすると左手に斜面を横切ることになる。落ち着いてテープの先を目で追うと青いテープが続いている。やはり向かって左手方向に進むように道が続いていることを確認、眼下に急な斜面を見下ろしながら進むとすぐに整備された飯森山コースと合流した。

左手斜面を横切る 飯森山コースとの合流点

 合流点にはやはり山楽山歩の黄色い標識が置かれていた。このような標識を見ると本当に安心する。この先は山頂への標識に従い進んで行くのだが、急な坂が待っている。

山頂方面への標識 ロープの道の始まり

 すぐにロープの渡された場所となり、登るたびに厳しくなる傾斜に感激しながら登って行く。本日一山目、まだまだ元気に快調に高度を稼ぐことが出来る。一気に高度を上げて行く楽しさは格別であり、ロープの助けを借りながら進んでいると周囲が急に明るくなってきた。天気の回復が早まったようでますます嬉しくなる。

周囲に陽が射してきた ロープ終点

 明るい斜面を駆け抜けるように・・・とは行かないが間もなくロープの終点に到着、残念ながらまだ周囲に展望はない。その先に踏み跡確かなシダの道を登り、更に高度を稼いでいるとようやく木々の間から青い空が見えてきた。

シダの道を進む 明るい道を進む

 間もなく北ピークに到着、平坦なピークにて少し休憩。右手には奥原コースからの道が続いており、少し下りてみると石の杭がある。その先は下り道となっていたがやはり展望を望むことは出来ない。

北ピークに到着 山頂に向かって一旦下る

 山頂へは北ピークから左方向(南)に向かって一旦下りることになり、鞍部からは緩やかな坂道を登り返すことになる。これまでの急な坂に比べれば本当に緩やかな坂道であり、疲れることなく進むことが出来る。右手に鹿除けネットを見るようになるともう展望地は近い。北ピークから10分でカヤトの原の展望地に到着した。

鹿除けネット沿いに進む カヤトの原の展望地

 展望地からは眼下に日本海、青海島、長門の町並みが箱庭のように広がり素晴らしい展望だ。また、正面に鉄割山、その奥には長門の山々が広がっている。展望は後ほどゆっくり楽しむことにしてまずは山頂を目指すことにする。

青海島 長門の市街地

 山頂に向かう細いトンネルに入ると正面に草添山の山頂が見えてきた。もう山頂まであとわずかだ、はやる気持ちを抑えきれず、自然と歩みが早くなるのだが、このあたりから左右に鹿除けネットが張られており、リュックに装着したストック三脚がネットに絡まり立ち往生、仕方がないのでストックと三脚を手に持ち鹿除けネットを避けながら進むことになった。意外なことに苦労しながら間もなく草添山山頂に到着、山頂は三角点の立つ狭い場所だった。

正面に草添山の山頂 草添山三角点

 山頂から周囲を見回すが木の間からは、雨乞岳方面の風車をわずかに見ることが出来る程度だ。山頂より少し西に倒木があるので、不安定だがこの木の上に立ち、周囲を見回す。やはり木の間からの展望となるが見えているのは北西方向に雨乞岳のような感じだ。更に西方面には特徴的な尖峰を見るのだが、山名までは確認することができなかった。しばらく山頂にて周囲を眺めた後、下山を開始することにした。

北西方面に妙見山と雨乞山 西に尖峰

 鹿除けネットに難渋しながら下りて行き、途中の展望を楽しむことにする。まずは北西方面に雨乞岳と眼下の油谷の町並み、更に西の方面には先程山頂から眺めた尖峰が美しい。美しい稜線を鑑賞した後、更に下山を続けるとカヤトの展望地に帰った。

途中の展望地より西から北西方面の展望

 眼下の深川湾はクリームソーダのような鮮やかな色をしており、まさしくソーダ水。時折陽差しが入ると輝きが増し、素晴らしい展望が広がっている。正面に鉄割山、南東方向には木の間からであるが、特徴的な天井山・桂木山も美しい姿を見せている。登山口方面にはため池も確認をすることが出来た。

青海島と深川湾

長門の町並み

 しばらく周囲の展望を満喫した後、展望地を出発することにする。北ピークまで戻ると白い馬酔木の花が咲いていることに気がつく、うっかり見逃すことのないよう自戒するのだが、肝心の写真は予備用カメラなのでうまく写っていなかった。北ピークを出発、急な斜面を一気に下りて行く。

馬酔木の花 北ピークから眺める青海島

 ロープの渡された場所から見下ろすとすごい斜面であることを再確認することになる。ロープの助けを借りて慎重に下りて行き、崩の河内ため池コースの分岐を過ぎ、飯森山コースを下りて行く。広く快適な道を下りて行くと落葉の広葉樹林帯を過ぎ、その先では檜の植林帯を進むことになる。

ロープの助けを借りて下る 快適な飯森山コースを下る

 植林帯から南方面を眺めると素晴らしい稜線が広がっていた。更に檜の植林帯を進むと間もなく伐採地に到着、地積調査の杭に従って左の尾根沿いに進むと左手下に登山時の林道終点、堰堤の続く地点が見えてきた。

植林帯から南方面を眺める 登山時の林道終点、堰堤の続く地点を見下ろす

 眼下に広がる堰堤を眺めてびっくり、吸い込まれそうな展望だ。更に尾根を進んで行くこと2分程度で前方の踏み跡が怪しくなる。草が茂ってきたなと感じたので左手を見ると目印のテープがあり、この付近から左に進路を取ることになる。

明るい道を下る 左手に赤いテープを見て左折する

 この先は明確なる踏み跡に沿って進んで行く。シダの道を少し登って背後を振り向くと草添山が美しい。更にシダの勢いが強くなるのだが、踏み跡ははっきりしているので迷うことはない。下りるたびにシダの勢いが強くなるのがだんだん嬉しくなり、ワイルドな山歩きという感じが素晴らしい。

背後に草添山 シダの道を下る

 シダの道に慣れてきた頃にベンチの渡された飯森山の奥の展望所に到着した。枯れた松の立つ素晴らしい展望地から長門の市街の展望を楽しんだ後、いよいよ飯森山に向かって下りて行く。

ベンチの渡された飯森山の奥の展望所に到着

 整備された快適な道を下りて行くとすぐに旗のなびく飯森山山頂に到着した。飯森山からは北にアンテナの矢ヶ浦山、眼下に青海島と長門の市街、鉄割山から桂木山・天井山・大谷山・大滝・花尾山に向かう稜線が美しい。素晴らしい展望を肴に昼食を取ることにした。

飯森山山頂

矢ヶ浦山

深川湾

青海島と深川湾、長門の市街

鉄割山から桂木山・天井山・大谷山・大滝

 長門の山々を眺めながらの昼食タイムの後はコバルトブルーの海を眺めながらのコーヒータイム、素晴らしい休憩時間だ。周囲の展望を満喫したのでいよいよ飯森山を出発、最後に草添山の美しい姿を眺めて下りて行く事にした。少し下りて振り向く飯森山は素晴らしい山である。

草添山を眺める 飯森山を振り返る

 間もなく鹿除けネットに沿って下りて行くことになり、途中で分岐が出てくるがこの分岐を左に取ることにした。但し、このルートは周回ルートなのでどちらを取っても下りることが出来そうだ。そのまま道なりに下りて行くと階段道が現れ、すぐに舗装道に到着、舗装道手前には飯森山Aコース、Bコースの標識が立っていた。

鹿除けネットが張られている 飯森山A・Bコースの標識

 舗装道を左折し農道に向かうと、分岐点には飯森山入口の標識が立っている。農道を左折し登山口に向かうと、大津営農センター手前の右手に牛舎を見る。のんびりと牛が休んでいる姿を見ていると穏やかな気持ちになる。しばらく牛を眺めていると牛がだんだん近づいてきたのでお互いに、にらめっこ状態となる。

舗装路の飯森山入口標識 右に牛を見る

 その先の交差点を右折すると間もなく御所原大神宮、大神宮に登山の無事を報告し駐車地に戻った。草添山と飯森山、長門の山々の素晴らしい展望と青海島の青い海を堪能した山旅であった。

奥のため池から草添山

草添山の展望地から長門市街

妙見山

飯森山

飯森山から深川湾

飯森山から青海島

長門の山々

 

 前の山 蓮台寺山 を見る

 次の 矢ヶ浦山 を見る

歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 山口県長門市 草添山 登山口付近のMAP

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