沖の郷山(おきのごうやま)島根県飯南町

2008年7月27日

沖の郷山  標高957.1m

登山口駐車場 →0:05→ 沖の郷山木製標識 →0:08→ 最後の水場(沢)

 →0:27→ 分岐  →0:05→ 沖の郷神社 →0:03→ 分岐 →0:15→ 沖の郷山

 →0:12→ 分岐  →0:15→ 水場 →0:10→ 登山口駐車場

全歩行時間 1時間40分

 今回向かう沖の郷山は島根県飯南町都加賀地区にあり、この辺りには承久の変で敗れ、隠岐の島に流配された後鳥羽上皇にちなんだ地名がつけられている。

 承久3年(1221年)後鳥羽上皇が隠岐への流配の途中、この地を通られた際、お供をしていた者とこの高い沖(隠岐)の郷山に登ると、はるか向こうに日本海が見え、隠岐の島も見えた。上皇はたいそうお喜びになり、山の名前を隠岐の郷と名付けられ、麓の原を隠岐原と名付けられた。また、麓の村を見て加賀の都のようだと話され、この地を都加賀と名付けられたと伝えられている。

 今回も有名なN先生と一緒の山歩き、午前7時半に由宇を出発、岩国インターより高速道路に乗り、三次からは国道54号出雲街道を島根県へと向かう。赤名峠を越えて島根県飯南町に入り、道の駅頓原を過ぎた先で晴雲トンネルに入る。

晴雲トンネルに入る 晴雲トンネル先を右折する

 この晴雲トンネルを抜けて100m先を右折、よく整備された道を進むと左手に都加賀地区の周辺案内図と、沖の郷山まで2.5kmの標識が立っている。更に舗装路を道なりに1km進むと殿居地区、正面には沖の郷山が見えてくる。殿居バス停を右折すればバス停から登山道入口までは1.5km。そのまま舗装路を進むと右に残り700m標識を過ごせば正面に廃屋が見えてくる。

左手に都加賀地区の周辺案内図 殿居地区を右折

 廃屋の手前に立つ「沖の郷登山道入口 山頂まで2km」の標識に従い左折、少し坂を下りると右手に広場があるので車を置く。時刻は10時40分、ここで早めの昼食の後、沖の郷山へ向かう。天気予報では降水確率40%だったが少しずつ天候が回復している。

廃屋手前を左折 広場に駐車

 登山開始は午前11時、駐車地から10m程度進み、橋を渡った分岐を右折、広く平坦な林道を南東に向かって進む。10分も歩くと林道終点に到着、付近には広場もあるので最低地上高の高い車(四輪駆動等)であれば林道終点まで進入し、駐車することが出来る。

橋を渡った分岐を右折 平坦な林道
林道終点、右手に駐車スペースあり 沖の郷山の木製標識

 沖の郷山への木製標識を過ごすと山道に入り、緩やかな傾斜の植林帯を進んで行く。足下は綺麗に刈り払われており、とても快適な登山道となっている。

足下の草は刈り払われている 緩やかな傾斜の植林帯

 右手に最後の水場(沢)を過ごせば登山道は北へ向き、少しの傾斜を登ると尾根道に着く。これから先は木漏れ日の差す自然林の下を快適に登って行く。周囲に展望はなく、登山道は少しずつ傾斜が増し、ジグザグに折り返しながら一気に高度を上げ始めると登るスピードも遅くなる。

最後の水場(沢) 急な坂を登る

 登山開始から45分で神社と山頂の分岐に到着、分岐からは神社まで160m、山頂までは600m、この分岐に腰を下ろし水分を摂る。吹き抜ける風が涼しくて気持ちよく、ゆっくり休憩を取った後、沖の郷神社に向かって出発する。

分岐手前 分岐に到着

 綺麗に刈り払われ、整備された参道を進むこと5分で沖の郷神社に到着、神社と言っても小さな祠と変わらず、祠の扉を開けると石像が安置されていた。石像の基部には都加賀村の記載もあり、眼下に広がる都加賀村などの集落を護っている神社のようだ。

神社へ向かう道 沖の郷神社

 神社の裏に立つ立派な東屋に向かうと、ここには登山ノートが置かれており、7月22日に「都加賀郷づくりの会」の6名の方により草刈りが実施されたことが書いてあった。草刈りのおかげで快適な登山が出来たことに感謝、N先生が草刈りのお礼を登山ノートに書き込まれた。東屋からの展望は、南に琴引山が近く、眼下には頓原の集落が広がっている。北西には都加賀地区の殿居や隠岐原の集落が木の間越しに広がり、快適な東屋にて小休止を取る。

神社裏の東屋 都加賀地区の殿居や隠岐原の集落

東屋から眺める琴引山と周囲の展望

 沖の郷神社に参拝の次は山頂を目指す。神社を出発し3分で分岐を通過、よく刈り払われた登山道を進んで行く。最初は緩やかだった尾根道は少しずつ傾斜を増し、左右に笹と樹林を眺めながら高度を稼ぐと、分岐から10分で北に兜山方面の展望が広がり、眼下には民谷川が流れている。宍道湖に流れ込む斐伊川河口を目印に、日本海を望むと隠岐の島が見えるはずなのだが、本日は霞が掛かっており、遠望することは出来なかった。

笹の刈り払われた道 展望を眺める

兜山と宍道湖方面の展望

 木漏れ日の射す登山道を更に進み、一旦ピークを過ごして少し下り、再び登り返すと右手にトイレを過ごす。更に笹道を登ると頭上の樹林が切れて笹の刈り払われた場所に着く。さあ、山頂はもうすぐだ。真夏の日射しを浴びながら最後の傾斜を登ると標高957.1mの沖の郷山山頂に到着した。

沖の郷山山頂

大万木山

琴引山

 山頂からは周囲に展望が開けており、東に大万木山、南には草の城山から琴引山へと続く稜線が美しく、西には三瓶山が大きく聳えている。三瓶山の左手遠くには大江高山が見えるはずなのだが、今日は霞んでいるため、はっきり確認することは出来なかった。北には宍道湖が霞んでおり、やはり隠岐の島を眺めることは出来ない。

三瓶山方面 

山頂にてN先生と記念写真を撮った後、真夏の日射しがきついので日陰に隠れて小休止、冷たい水分を補給した後、沖の郷山を出発した。下山は早く、この山が急登の山であることを実感することになった。

 神社との分岐を過ぎ、急な下り坂を急降下、水場を過ごし植林帯を通過し林道終点に到着。平坦な林道を真夏の日射しを浴びながら登山口まで戻った。

途中で眺めた花

 山頂方面の写真を撮るため殿居地区まで引き返し、山頂を眺めると緑の中に一部茶色の場所を見つけた。双眼鏡で眺めるとこの場所には沖の郷神社の東屋が立っていた。この地区の人々は朝な夕なにあの神社に向かい、神仏に感謝していることだろう。後鳥羽上皇の伝説の残る沖の郷山は、想像していた以上に素晴らしい山だった。

沖の郷山

山頂手前

大万木山

琴引山

三瓶山

沖の郷山山頂から周囲の展望

兜山

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歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 島根県飯南町 沖の郷山 登山口付近のMAP

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