水ノ尾山(みずのおやま) 山口県岩国市錦町

2005年1月30日(日曜日)

水ノ尾山 124回目 144座目 山口県の100山では84番目

登山口 吉川林業事務所

ガイド本 中島篤巳著 山口県百名山(発行所 葦書房)

登山開始 9:59 山頂到着 12:27 下山開始 13:05 下山終了 14:33

登山時間 2:28  山頂滞在時間 0:38 下山時間 1:28

所要時間数 4:34

 昨日の緑山登山の失敗を教訓に登山の試験を兼ねて錦町の水ノ尾山に行くことにした。家を8時過ぎに出発し、登山口の吉川林業前には10時前に着いた。登山の前に香椎神社に参拝し、登山の無事等を祈願して登山を開始した。

香椎神社に参拝 吉川林業の横から出発

 吉川林業の横の階段を登り、明るい斜面を進んで行くと檜林の中に入り、緩やかな坂を登って行く。ところが、10分も歩くとすさまじいガレ場があり、しかも真ん中には大きな枯れ木が道を塞いでおり、枯れ木に当たると下まで落ちてしまうような状況となっていた。

植林帯を進む 危険な道を渡る

 枯れ木を跨ぎ、両手はしっかりと斜面の岩をつかみ、落ちないように気をつけながら渡りきった。帰りもここには苦労するだろうと思いながら先に進む。5分も過ぎると坂を登るようになりこの先は倒木を避けながらの登山となる。

急な坂を登る 倒木帯を抜ける

 少し進むと石垣があり、造林にも手がかけられていることがわかる。道は歩きやすい道となりきれいな檜林を見ながらの快適登山となる。出発から30分を過ぎると尾根に向かう道となり、少し藪の中を歩き出した。木の間越しに向かいの馬糞ヶ岳方面が少し見える程度の展望を得るが道はますます藪となる。道の途中に古い熊の糞らしきものも見ることができたので、歩みが慎重になる。

石垣を過ごす 木の間越しの展望

 出発から50分で木の伐採場所に出た。明るく展望の良い場所でしばらく展望を楽しんだ。林道を進んでいると、南方面の山頂に小屋らしきものが見えたので双眼鏡で見てみると長野山の小屋と思われるものが確認できた。

伐採地からの展望 馬糞ヶ岳と長野山

 伐採場所から林道に入り、林道横の目印の所から急な坂を登ることになる。坂の上を見るとまるで空に向かって歩くような急な坂が待ちかまえていた。ここから先は歩みがのろくなる。少しずつ笹が増えてきてますます坂も急になる。笹の尾根に進む少し前が絶好の展望地となっている。

林道の分岐に向かう 林道横から斜面を登る
急な斜面だ 眼下に新しい道が見える

 平瀬ダム建設に伴う新しい橋が見える場所まで進み、休憩する。周囲は檜の植林が進んでおり、まだまだ高さが1m未満の檜林となっている。この展望地からは馬糞ヶ岳・長野山方面の稜線がくっきりときれいに見えると同時に縦走路が雪ではっきりと確認できた。この展望地の付近には奇岩があり、断崖に突き出たような印象を受けた。

展望地からの景色

断崖に突き出たような岩

 展望を楽しんだ後水ノ尾山名物の笹こぎに向かったが、いつまでたっても笹が深くならず、その代わりに雪が笹の上を覆い、藪こぎならぬ雪こぎが始まった。雪の深さが50cm程度となってきたので昔買っていたライトスパッツなるものを装備し雪をかき分けて進んだ。踏み跡は全く無く、テープを頼りに雪を踏みこんで先に進む。雪が深いので足を大きく上げながら、坂も急なので滑らないように木をつかみながらでいろいろなことをしながら高度を上げていった。

笹は雪を被っている 山頂への標識

山頂には雪道が続いている

 最初は前も後ろも雪なのではしゃぎながら進んでいたが、足がだんだん重くなり、休憩が増えてきた。おまけに熊にも注意を払うので速度はどんどん遅くなる。いつのまにか周囲の木には葉がなくなっており、丸裸の広葉樹ばかりとなっている。雪を踏み込んでの雪中行軍50分で水ノ尾山の分岐点まで着いた。

水ノ尾山分岐 水ノ尾山には雪道を一旦下って上り返す

 もう疲れはピークとなっている。急な下り坂を右に分岐する。降りるのは楽かと思ったら大間違いで、雪は膝の上までの深さがあり、一歩一歩足が雪の中に沈んでゆく。一旦降りて今度は山頂への登りとなるがこれも一歩一歩雪を踏みしめながらの登りとなる。分岐から10分もかからずに水ノ尾山山頂に到着、周囲の展望が無く空を見上げると青い空に雲が流れている。

後ろには足跡が残る 雪の水ノ尾山山頂
南方面 木の間越しの展望 西方面 木の間越しの展望

 しばらく山頂にて休憩し昼食を取る。山頂で食事をするのは久しぶりのことである。雪の中にペットボトルを置いておくとよく冷える。展望のない山でも空は見えるし、山の音を楽しむ。これが登山者の最高の贅沢かもしれない。雪道の下りを考えて早々に山頂を引き上げることにした。

水ノ尾山 雪の踏み跡 ズボッ!

 リュックを担ぐと藪を漕ぐときに使った鎌が無くなっていることに気がついた。帰りにどこかに落ちているだろうと気にせず下山を開始する。雪の中を来る時と同様にゆっくりと雪を踏みしめながら一旦降りて登り返す。右に行くと平家ヶ岳への縦走路となっている。山頂に行くときには踏み跡のない雪原だったが帰りには自分の足跡だけが増えている。他に誰もいないことを実感した。

下山分岐を左に下りる 踏み跡を辿れば戻ることができる

 分岐を左に向かい下山を開始した。すぐに先程落とした鎌を見つけた。リュックに鎌を仕舞って降りて行く。雪山の下山で楽なところは、踏み跡をそのまま降りて行けば道を間違えることはないということで、目印のテープを探す手間が無く意外と早く降りることができた。

笹が増えてきた 雪道から解放された

 下山開始から30分で雪が完全になくなり展望地まで戻った。展望地から先は急な坂の下りで滑らないよう注意しながら降りて行った。展望地を少し降りた絶壁のような場所に大きな松が立っているのが印象的である。林道を経由し伐採地を抜け藪道をどんどん進んで下山する。きれいな檜林を抜けて行き、少し安心した。

下界が見えるところまで下りた 印象的な松の木
伐採地の林道に着いた 伐採地から山道に入る

 昨日緑山方面で2時間30分歩き、本日はすでに4時間を歩いている。この調子で行けばもう一つの藪山である容谷山もなんとか登れるめどがついたと思った矢先、右太股に猛烈な痛みが走り、歩けなくなってしまった。足に力を入れれば入れるほど痙攣がひどくなってきたので、リュックに常備してあるサロンパスを振りかけてしばらく待った。地面が昨日の雨で濡れているので座ることができず、足を揉んでいるとなんとか痛みが引いてきた。

藪を下る 植林帯を抜ける

 下り坂を力を抜いて歩いているとなんとか歩けだしたのでほっとした。そのまま下り、石垣の中も通り抜けてようやく平地に戻ったと思ったら、最後にあの危険なガレ場が現れた。両足を踏ん張り、指で岩をつかみなんとか木を跨ぎ、反対側まであと少しのところで今度は両足の膝の裏に猛烈な痛みがきた。ここに留まっても下に滑り落ちるだけなので手で振りをつけて反対側まで行くことができた。再度サロンパスを両足に振りかけ休憩した。

この斜面を抜ける途中で・・・ 倒木も邪魔だ 木谷の宮モミジ 左後ろは吉川林業社屋

 しばらく休憩していると足の痛みが治まったので下山を開始した。ガレ場から10分程度で吉川林業の社屋まで戻った。ハードな登山だった。一番きつかったのは雪中行軍だった。この行軍により足が引き攣ってしまったのだろう。香椎神社に登山の無事を報告し、吉川林業を後にした。帰りは錦町の市街を抜けてどんどん進み、あっという間に玖珂の市街まで着いた。ところが玖珂の市街の信号で止まっている間に右足の痙攣が始まり、家に帰るまで難渋した。日頃の運動不足を痛感する登山であった。本日の登山は雪中行軍の経験もしたし、熊除け対策の笛・ラジオ及びベルの装備、救急セット・ライトスパッツの使用、藪山用の鎌の使用等持っているいろいろなものを使用した。今までの集大成の登山かもしれない。

伐採地から眺める馬糞ヶ岳と長野山

広い林道

展望地から眺める馬糞ヶ岳と長野山

岩国方面の展望

雪の笹藪を進む

分岐から水ノ尾山に向かう

水ノ尾山山頂

印象的な松の木

最後の難所を抜ける

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登山口周辺の地図はこちら 水ノ尾山 登山口付近のMAP

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