2006年3月19日(日曜日)

串山連峰(善城寺山・行者嶽)〜草山

ガイド本 金光康資著 防長山野へのいざない

登山開始 →8:46→ 善城寺山到着 →9:09→ 山頂出発 →9:22→ 展望地到着

 →9:35→ 展望地出発 →9:45→ 行者嶽到着 →10:10→ 行者嶽出発(行者様参拝)

 →10:31→ 国民宿舎あいお荘到着 →10:54→ 草山公園駐車場到着

 →11:16→ 草山到着 →11:36→ 草山出発 →11:58→ 下山終了 12:14

参考コースタイム

登山開始 →0:23→ 善城寺山到着 →0:13→ 山頂出発 →0:13→ 展望地到着

 →0:10→ 展望地出発 →0:25→ 行者嶽到着 →0:21→ 行者嶽出発(行者様参拝)

 →0:23→ 国民宿舎あいお荘到着 →0:22→ 草山公園駐車場到着

 →0:20→ 草山到着 →0:22→ 草山出発 →0:16→ 下山終了

登山時間 3:28

  庭を見ると昨日の雨露が草木に残っており、周囲には霧も出ているので今日は少し展望に不安を感じる。天気予報は晴れなので、こんな日でも展望の望めそうな山口市秋穂の串山連峰に向かうことにした。国道2号を西に向かい、防府市の大道交差点で左折し県道21号・25号を乗り継ぎ進んでいると山頂に灯台の立つ草山が見えてきた。串山連峰登山の下山終了予定場所である草山公園駐車場を確認し、引き続き登山開始場所である秋穂町コミュニティセンターに向かう。

秋穂町コミュニティセンター(にこにこ館)に到着

 草山公園駐車場から県道に戻り、西方面に進むと道はいつしか海岸通になっており、秋穂湾を左手に見ながら北上し、吉南信用金庫の交差点を右折、東方向に向かう。左手に山口市の秋穂総合支所(旧秋穂町役場)を見た先の右手に登山口の秋穂町コミュニティセンター(にこにこ館)が見えるので駐車場に車を置き登山を開始する。

擬木階段を登って行く

 早速駐車場を出発し、左手の階段を登って行くと右手に独特な形をしたにこにこ館が立っている。正面には串山遊歩道入口の道標を見るので入口を間違えることはない。左手の階段取り付きには「海眺の宿あいお荘3km」の道標が立っており、いよいよ待望の串山連峰に向かっての階段を登り始める。擬木の階段道は最初から急なのでゆっくりと登り始める。登り始めてすぐ右手に慰霊塔のような石碑を見る。

円城比丘供養之碑

 ヤブの中を掻き分けて標識を確認すると「円城比丘供養之碑」と書いてあり、円城比丘というお坊さんの供養碑であることが判った。この秋穂地区には「円城比丘さま伝説」があり、漁民がクラゲの大量発生により漁ができず困っていると、祈祷によりクラゲの難を取り除き、お寺に忍び込んだ盗人を改心させた等の伝説は、今もなお語り継がれているそうだ。伝説の詳細は「秋穂中学校HP」に掲載されており、『円城比丘さま』でネット検索し『禅光院(菩提寺)』を見ると詳しく紹介されているので、興味のある方は確認されたい。

手強い階段をゆっくりと登って行く

 登山道に戻り階段道を登って行くが、この階段がなかなか手強い。背後に広がる亀山の展望を励みにゆっくりと高度を上げて行き、円城比丘さまの供養碑から10分で階段道を登りきる。道の端には「秋穂 花巡礼 八十八ヶ所」の説明碑が置かれ、花の特徴や花ことば等を教えてくれる。

秋穂 花巡礼 八十八ヶ所の説明碑

 また、尾根道には「出会い−88」のモニュメントが設置してあり、石碑のような展示物を左右に見ながら尾根道を進んで行くとすぐに善城寺山の山頂に到着し、山頂からの展望を楽しむ。

善城寺山山頂から東方面の展望 正面に小浜山と日地山、右手に青江湾が広がっている

 善城寺山から周囲を見回すと、北に火の山連峰の亀山、その奥には狐ヶ峰・魚切山が広がり、その右手には大海山が美しい。東には楞厳寺山、その奥にはアンテナの大平山が聳えている。大平山の手前には広い佐波川、右側には小浜山に日地山が続き、青江湾から赤石山に続く稜線が美しく、その向こうには周防灘がキラキラしている。

善城寺山山頂には藤棚の下にテーブルとベンチが置かれている

 最初から素晴らしい展望に出会い幸せな気持ちになる。善城寺山山頂には藤棚の下にテーブルとベンチが置かれており、ゆっくりと休憩できる場所になっている。西の方面に三角点を見つけたので記念撮影をし、三角点先の木の間越しに秋穂湾の展望を見る。

 まるで写真の額に入ったような綺麗な風景に感激、これから進んで行く先に広がる、秋穂湾の素晴らしい展望を楽しみに善城寺山を出発する。

明るい尾根道を進んで行く

 よく整備された明るい道を、展望を期待しながら進んで行く。こんなワクワクした気持ちで歩いて行くのは久しぶりだ。日地山・小浜山を始めとして周囲の風景が歩くたびに変化してゆくのが素晴らしい。間もなく出発地からは1.4km地点、周辺説明板の立つ展望地に到着、西方面の素晴らしい展望に息を呑む。

展望地から西方面の展望

 説明板の写真は良く晴れた日に撮影されたもののようだが本日の展望はそれ以上に本当に素晴らしい。秋穂湾、秋穂二島、山口湾、阿知須方面と西方面に広がる展望、青く澄んだ海、空の青さとも皆美しく、見るもの全てが新鮮だ。

 再び落ち着いて周囲を見回すと、北西方面の椹野川には美しい周防大橋が掛かっている。しばらく展望地の大岩の上に座り込み、美しい展望を堪能した後、出発をする。

大岩の上からの展望 角度が変わると違った美しさとなる

 展望地から少し坂を登り、平らな大岩の上に立ち西方面の展望を再び楽しむ。少し角度が変わっただけでまた素晴らしい展望となる。この付近では周囲を眺めながら進むため極端に歩く速度が遅くなっている。突然前方が開け、正面南側に行者嶽山頂をはっきりと確認できる展望地に着き、東方面の展望を楽しむ。

行者嶽山頂を見上げる

 この後一旦鞍部に降りて行き、再び階段道を登り返して行く。岩の間を通り抜ける場所を過ぎると、もう登山開始点からは2km地点、その先左手に展望の大岩を見つけたので手前の岩の上にへっぴり腰で乗ってみる。展望の岩から東方面の展望を楽しむ。

展望の岩に向かう

 特に日地山から中道海岸に至る展望が素晴らしい。海は相変わらずキラキラしている。縦走路に戻ると右手には岩の上に根ざした松の木があり、この岩の上から西方面を見ると、きらら浜に浮かぶきららドームの白い建物が眩しい。この松の木から更に3分で行者嶽山頂に向かう坂道に到着、坂を登りきって待望の行者嶽山頂に到着した。

岩に根ざした松の木

 山頂は広く整備された場所で、東屋の下にはテーブルとベンチが設置してあり、西の少し高い所に三等三角点がブロックに囲まれて立っている。その上には大きな岩が重ね岩のように立っているのでよじ登ろうとしたが、ズルズル滑るので断念、周囲に柵のある反対側の展望台に向かう。

行者嶽山頂の風景

 展望台からは南方面に燈台を山頂に頂いた草山、右手の周防灘には竹島が浮かび、西方面には宇部の工場群の煙が風になびいている。眼下の海の展望は相変わらずの美しさでいつまで見ていても見飽きない風景が広がっている。

行者嶽から草山の展望

 東屋まで戻り東方面の展望を楽しむ。眼下の中道海岸を見て感激、白砂青松(はくさせいしょう)とはまさしくこの景色のためにあるような素晴らしい展望だ。太陽の光により色々な色に変わる景色に時を忘れて魅入っていた。この景色、カメラではとうてい表現できないものと思われる。

白砂青松の中道海岸

 山頂を行ったり来たりしながら周囲の景色を堪能し、ようやく下山を開始する。帰りの遊歩道は完全に舗装されており、快適な遊歩道を降りて行く。途中「行者様」の説明板があり、遊歩道の奥80m程度先に行者様の祠があると書いてあったので寄り道をする。

 右に分岐する道を進んで行くと間もなく大きな岩の下に祠を見つけ参拝する。祠の中には行者様を中心に蔵王権現・不動明王の三体の石像があり、確認はできなかったが金比羅権現・愛宕権現・秋葉権現のある石版碑があるそうだ。遊歩道の説明板には「この地方の安全のために不動明王と蔵王権現、火災予防に愛宕権現と秋葉権現、また海上安全と廻船・漁船の安全操業を祈願して、金比羅権現を祭っている」と書かれている。

行者様に参拝

 祠の上の大岩には紐状に彫られた跡があり、祠のある広場から下に向かって石の階段が続いている。また、行者様の先には山頂方向に向かってロープが渡されており、そのまま登って行くと行者嶽山頂に向かうことができるようだ。行者様の祠のある場所はとても静かで、不思議に心の落ち着く場所である。

 遊歩道に戻り舗装道を降りて行くと右手に携帯電話のアンテナを過ごし、左手にベンチのある場所を過ごすとすぐに国民宿舎あいお荘に到着した。あいお荘にて観光案内板・やすらぎプロムナード案内板を見学し、更に降りて行く。

国民宿舎 あいお荘に到着

 あいお荘からは10分で県道に到着、県道を左折して東方向に向かい、左手にお地蔵様を見つけたのでお参りをして進む。この付近から見る草山はとても良い形をしている。真っ直ぐ東方面に進んでいると筈倉バス停があり、その先右手にある第五十番御大師堂を右折し、草山公園の道標に従い南方向に進んで行く。

草山公園の道標に従い進んで行く

 間もなく右手に草山公園の駐車場を過ごして進み、車止めを過ぎると道は大きく右に向き西方向に進んで行く。広く整備された遊歩道を遠足気分で登って行くと今度は大きく左に折れ、南方向と東方向の分岐が現れる。この分岐は南方向(右側)に取り緩やかな坂を進んで行くと桜並木となる。

桜並木を通る  残念 ・・・ もう2週間早かった

 桜並木はどこまでも続き、草山公園全体に桜の木が植えられていることに気が付いた。・・ あと2週間遅ければ ・・ 満開の桜に出会うことができたものを ・・ と思いながら草山公園から左手の「草山燈台入口」の標識に従って階段道に取り付く。

きららドームが近く見える

 擬木の階段をゆっくりと登って行き、最初の折り返しの場所から西方面にきららドームの白い建物がよく見える。階段を折り返して少し進むと左手に燈台への近道を見るが、大して距離は違わないので遊歩道を進んで行く。

草山崎燈台に到着

 遊歩道を登りきると正面に白い草山崎燈台が現れてきた。燈台周辺はしっかりと整備され、下草も充分に刈り取られており、寝っ転がることもできる場所となっている。広く整備された燈台の広場はとても気持ちよく、お弁当を食べるのにもってこいの場所となっている。

広く整備された燈台の広場

 草山からの展望は南から西方面の展望が開けており、宇部空港から宇部の工場の煙突まではっきりと見ることができる。また、竹島が一段と近くなり周防灘にぽつんと浮かぶ島の姿がなんともかわいい。三角点を探してみると三角点は燈台の柵の中に入っており、直接触ることができないのが少し残念だ。

草山から宇部方面の展望

 しばらく休憩をした後、草山崎燈台に別れを告げて下山を開始する。帰りは近道を通りあっと言う間に草山公園に降りる。公園ではベンチで食事をしているご夫婦が居られたので挨拶をして降りて行く。草山には沢山の桜の木が植えられており、花見のシーズンは大変にぎわうのだろう。本当に今日は静かな山行きとなってしまった。

 串山連峰でも途中出会った人は1名だけだったし、草山でも1組のご夫婦のみだった。しかしながら展望はこれ以上ない素晴らしいものばかりで感激の縦走をすることができた。展望を求めての山旅はやはり素晴らしい。草山公園駐車場にて登山を終了、バイクに乗り秋穂コミニュティセンターまでゆっくりと引き返した。

 前の山 烏山(黒井) を見る

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歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 行者嶽 登山口付近のMAP

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