2006年1月8日(日曜日)

杵崎山

登山口 般若寺

ガイド本 無し

登山開始 12:27 山頂到着 12:52 山頂出発 13:04 下山終了 13:36

登山開始 0:25 山頂到着 0:12 山頂出発 00:32 下山終了

登山時間 1:09

 午前中にコースタイムを測るため鳩ヶ峰に登り、その帰りに大星山を経由して室津半島スカイラインを般若寺方面に走っていると、左の広場に先程鳩ヶ峰で見た風力発電調査用のポールを見る。更に進んでいるとやはり左手の山に同様のポールが立っている。これで大星山山系に3本のポールを見たことになる。

登山口の神峰山用明院般若寺

 本日は般若寺先の三等三角点の山、杵崎山を目指すことにした。登山開始点は平生町の名刹真言宗 御室派、神峰山 用明院 般若寺とし、登山を開始する。般若寺の駐車場を出発し、室津半島スカイラインを杵崎山に向かって進む。最初に右手にお地蔵様を見て南方面に向かい坂を登って行く。

右側の木の柵の西方面に展望が広がる

 5分も歩くと右側に木の柵が現れ、その柵の手前にはお地蔵様が鎮座されている。お地蔵様にお参りをして先を急ぐ。このお地蔵様の先には反射板が立っており、その先からは平生の市街が一望の素晴らしい展望地となっているがこの展望は帰りに楽しむことにする。

お地蔵様に参拝

 スカラインに戻り緩やかな坂を登って行く。頭上にはずっと電柱が続いており、電線の下を進むことになる。左手にデジタルツーカーの携帯アンテナを見送り、一旦大きく坂を下った後再び登り返すともうそこは杵崎山への登山口の林道となる。

杵崎山へ向かう林道

 林道に入り少し進み、スカイライン方向を見るとカーブの所が凍結しており、スピードを出すと大変な状態になっていることが分かった。林道に入って2分程度で左側に中電の電柱(キサキヤマ 67 右 2)を見て林道から別れて左折する。

電柱を左折し尾根道に入る

 林道を離れ尾根道に入り、尾根を外さないようにゆっくりと進む。道は明確で明るく迷うことはない。3分も進むと目印の赤いテープがあちこちに貼りつけてあり、その先には山頂標識がかけてある。この登山日は16年6月1日と書いてある。

上は杵崎山に向かう尾根道 下は杵崎山三等三角点

 山頂付近は倒木被害が深刻で、三角点は倒木に隠れているようだ。測量用のポールも倒れていたので三角点の上に置き記念写真を撮る。山頂からの展望は全く無く、木の間越しの展望を求めて山頂付近を散策する。一ヶ所ほど柳井市街の展望を見ることができて安心した。この場所以外は展望が望めないのですぐに下山を開始する。

山頂から柳井方面の展望

 杵崎山はピークハントを目的とするならば、登山口を室津半島スカイラインの最短部にすると10分で山頂に着くことができるが、般若寺と組み合わせてゆっくりとハイキングを楽しみたいものである。先程の林道まで降りると、林道はまだ上に向かって繋がっているので、この先がどうなっているのか確かめるため坂を登って行く。するとすぐ先に携帯電話のアンテナが立っていた。結局、この林道は携帯アンテナの作業用道路だったようだ。

林道の先には携帯アンテナ

 携帯アンテナ付近で展望を求めるがやはり展望はない。そのまま林道をスカイラインまで降りて行き、般若寺に向かって戻って行く。下山途中の左側には先程のお地蔵様が鎮座されており、その西側に向かって進んで行くと反射板の立つ展望地に到着する。

反射板の後ろから見る平生市街の展望

 反射板の後ろに立ち、平生市街の展望を楽しむ。眼下には平生湾から平生の市街にかけて平生平野の展望が広がり、北西方面には平生町の赤子山、その後ろには旧大和町の石城山が広がっている。本日の杵崎山からの展望が無かった分、この展望地でゆっくりと展望を楽しむ。

赤子山と石城山の展望

 しばらく展望を楽しんだ後、お地蔵様にお参りしてスカイラインに戻る。スカイラインの東方面は木の間越しの展望ではあるが笠佐島と周防大島が見える。舗装されたスカイラインをゆっくりと降りて行き、登山口の般若寺に到着し登山を終了した。

般若寺の観音堂

 登山終了後に般若寺を散策する。般若寺は、その名の通り、用明天皇(聖徳太子の御父君)の勅願で、若くして亡くなられた般若姫の菩提を弔うため、姫の父である豊後の国(大分県)の満野長者が聖徳太子の師、恵慈和尚という方を開山として創建した真言宗の古いお寺である。また、般若寺は中国観音霊場の特別霊場にも指定されている。

山口県指定有形文化財工芸品の般若寺銅鐘

 本堂には平生町指定有形文化財に指定されている金剛力士像が置いてあり、観音堂の先には、慶長7年(1255年)丹治助利により鋳造されたといわれる銅鐘がある。なお、この銅鐘は、山口県指定有形文化財工芸品に指定されている。

 般若寺の建つ神峰山は、龍宮の西の入口と言われ、また航海上の難所であり要所であった「大畠の瀬戸」を通る船の「燈台」として古くより崇められてきた霊山で、わが国における大陸からの文化伝播・海外貿易を可能にした大変重要な場所の一つであったようだ。その時代に古代の女神である般若姫は、瀬戸で命を落とし般若寺に葬られ、観音堂の小山はその古墳となっている。

 駐車場に戻り、みさき観音に参拝する。みさき観音の周囲には阿部なるみ氏の絵による「般若姫 絵ものがたり」が掲示されており、般若寺に残される「満野長者旧記 三巻」をもとにして、絵と共に「般若姫伝説」を紹介している。以前、周防大島町の飯の山に登った際、般若姫社にて見学した般若姫伝説とは内容の異なった般若姫伝説となっているので一読されたい。

みさき観音の周囲には「般若姫 絵ものがたり」が掲示されている

 杵崎山に向かう際には、名刹般若寺を登山口として登り、下山後は境内を散策してゆっくりした一日を過ごして頂きたい。また、般若寺の住職は代を重ねること90代目の住職で般若姫伝説のみならず歴史に詳しく、とても親切な方なので、般若寺散策の際、社務所にてお願いをすれば境内を案内して頂くことができる。

火祭り柴燈護摩(さいとうごま)法要

 般若寺では、毎年2月15日に境内にて「火祭り柴燈護摩(さいとうごま)法要」が行われている。柴燈護摩とは井形に組んだ護摩壇を仏様のお口に見立て、そこに様々なお供え物を供えることにより願望を成就させようというもので、「火渡りの行」としてよく知られているものである。この火渡りをすると一年間無病息災で居られるそうなので、興味のある方は大歓迎、当日は平生方面・柳井方面より無料バスも運行するので是非とも参加して頂きたい。

 前の山 鳩ヶ峰 を見る

 次の山 開聞岳 を見る

歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 杵崎山 登山口付近のMAP

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