神ノ倉山(かんのくらやま)広島県広島市

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2009年8月2日

井原大橋 →0:30→ 神之水の水場 →0:15→ 尾神峠 →0:30→ 露岩の展望台

 →0:10→ パラグライダー離陸基地 →0:35→ 鍋谷城址

 →0:25→ 墓地横の舗装路 →0:25→ 井原大橋

全歩行時間 2時間50分

 鷹ノ巣山に引き続き井原市の神ノ倉山へ向かう。林道久芳別府線を下り途中で前回同様祠に参拝、もう少し下って背後を振り返れば鷹ノ巣山が大きい。今回ははっきりと鷹ノ巣山を確認することが出来た。県道375号を左折し案内標識に従い三次方面へ向かう。右にアンテナの立つ板鍋山を眺めながら田園地帯を進み、乃美交差点を左折、県道29号吉田豊栄線に入る。田園地帯から眺めるカンノ木山・鷹ノ巣山は緑に映えて美しい。

アンテナの立つ板鍋山 カンノ木山と鷹ノ巣山

 県道を西に進み、向原まで行き向原駅前を左折、県道37号に入る。向原の駅前を通過すれば県道の先にアンテナの立つ神ノ倉山が見えてきた。すぐに県道80号の分岐に神ノ倉山への案内標識を見るが、これは山頂へ続く舗装路かも知れない。芸備線沿いに県道を南下し、JR井原市駅前を通過、下山予定場所である江地大橋の袂に周回用のバイクを配置する。

向原駅前を左折 駐車地から神ノ倉山を眺める

 今回の登山口は井原大橋、県道から井原大橋を渡り右折、川沿いに少し進めば広い空地があるので車を置き登山を開始する。井原大橋まで戻り右折、神ノ倉山登山コースの案内に従い東へ進んで行く。この先要所には案内が掲示してあるので迷うことはない。いつの間にか周囲には真夏の日射しが照りつけ、肌をじりじりと焦がすようだ。登山コースの案内に従い舗装路を進めば、林道神ノ倉線に入る。

登山口は井原大橋 登山コースの案内が設置されている

 すぐに携帯電話のアンテナと井原第2ポンプ場の施設が現れ、携帯電話のアンテナ側にコンクリート階段を見つける。これが登山口のように見えるが、周囲に草の勢いが強そうなので、もう少し舗装路を歩くことにした。カーブを少し進めば左手に神ノ倉山登山口の標識が現れたので標識に従い山道に入る。しかしながらすぐに林道に出た。この辺り、林道が登山道を縫って続いている。

田園地帯を進む 携帯のアンテナと井原第2ポンプ場を過ごす
登山口より山道に入る 林道を横切る

 林道には「北田城址すぐそこ」と案内されているが、時間の余裕はないためそのまま登山を続ける。登山道に入り未舗装道を進んでいると、道ばたにピンクの美しい花を過ごす。この先で道が分岐しているように見えたが、このまま直進する道を採る。この辺り、木漏れ日の自然林を歩くのがとても気持ちよい。

ピンクの花 木漏れ日の自然林

 ほとんど平坦な道を進んでいれば、突然視界の開けた場所に出る。北西には赤柴山がその美しい姿を見せている。すぐに石垣の組まれた場所を通過、沢を過ごせば整備された偽木の階段が現れる。この階段を登れば再び林道に出るが、林道は未舗装に変わっていた。登山道を登れば再び未舗装林道、この林道を10m程度下り左に続く山道に入る。

偽木の階段を登る 林道を10m程度下り左に続く山道に入る

 これから先は岩の多い場所を通過、自然林の下を進んで行けば間もなく神之水の水場に着く。バイブから流れ出る銘水を飲み干せば、ただの水がこれほど美味しいと感じる瞬間はない。水場を過ごし神秘的な森の中を少しずつ高度を稼ぐ。植林帯に自生した樹林の緑は苔むして美しく、日常の喧噪を忘れさせてくれる。

岩の多い場所を通過 神之水の水場
神秘的な森の中 明るい植林帯

 間もなく目の前には明るい植林帯が現れ、少しずつ高度を上げれば、大歳神社の祠の建つ尾神峠に到着。なんと峠の先には広く舗装された道が続いている。案内図を確認すれば山頂まで車で乗り入れることが出来るようだ。大歳神社に参拝し、周囲を散策すれば向原コースは左手に続いている。なお、標識には向原駅までは6.5kmの距離と案内されていた。

大歳神社 尾神峠

 大歳神社を出発、右手に続く宇宙広場へ向かう。大きなモニュメントが立ち、整備された公園を通過、2百年桜広場に着き、延命の水を頂く。足下には早速美しい花が登場、真夏にこんな可憐な花が似合うとは思わなかった。

宇宙広場 可憐な花

 延命の水へ向かうとこの清水は懇々と流れ出しており、とても美味しく綺麗な水場である。延命水の場所を出発、大岩に刻まれたモニュメントを眺めながら更に舗装路を進めば一本松、緑の広場に到着、背後には鷹ノ巣山とカンノ木山が大きい。この先で山頂への近道の登山道に入れば、庭園を整備されて居る方に出会った。この方より延命の水の分岐で眺めた花のことやこの周辺にいる鹿・猿・熊についてお話を聞く。なお、神ノ倉山でクマを見かけたことは無いそうだ。

延命の水 一本松 緑の広場
カンノ木山・鷹ノ巣山 左手の階段が近道の登山道

 木漏れ日の美しい遊歩道を進めば、再び舗装路に着き、さくら橋を潜れば、左に神之倉地蔵の分岐を過ごす。音楽広場・神之倉神社の鳥居を過ごせば、すぐに神乃倉山頂碑に到着。この先のアンテナ手前には露岩の展望台が待っている。

さくら橋を潜る 音楽広場
神乃倉山頂碑 露岩の展望台

 岩の上に立てば、眼下に広がる井原市の町並みと中央を流れる三篠川、これは一枚の絵になりそうな美しさだ。三篠川沿いを眺めていると、井原大橋の付近にはわが愛車がぽつんと駐車、下山予定地の江地大橋の袂には周回用のモトコンポがガードレールから覗いている。

露岩の展望台から眺める展望

露岩の展望台(動画)

 素晴らしい展望を満喫しながら山頂に立ち、眼下を見下ろしていると、向原駅を出発した電車が井原市駅を経由し、広島へ向かっている。まるで箱庭のように美しい展望に感動。懐かしい田園風景を満喫することが出来た。

広島へ向かう電車 箱庭のような風景

 山頂碑を出発し更に周回を続ける。山頂の先にはパラグライダーの離陸地点があるそうだ。そのまま進めば頭上に携帯電話のアンテナを過ごし左折、藤ヶ丘へ向かう。平坦な山頂に着くと石垣の組まれた場所に着き、松の木の立つ場所へ向かい、鉄製の階段を登ればなんと三角点が座っていた。階段を登って三角点を確認したのは初めての経験だ。

鉄製の階段を登り三角点を踏む

 藤棚の下に行き、西を眺めると白木山が大きい。藤棚の下のベンチに腰掛け、たっぷり展望を眺めた後で藤ヶ丘を出発。周回コースに戻り、丸山外輪コースと丸山展望台の分岐を通過、舗装道は間もなく未舗装の砂利道に変わり、ハンカイソウの群生地を過ごせば神ノ倉山のパラグライダー離陸基地へ到着した。眼下に広がる井原市の展望、山頂の露岩から眺めた時とはまた違う迫力がある。

ハンカイソウの群生地を過ごす パラグライダー離陸基地
眼下に広がる展望 山頂方面

パラグライダー離陸基地からの展望(動画)

 名残惜しい山頂方面をしっかり眺めた後、いよいよ下山を始める。南へ続く下山道に入れば急な坂道が続く。ところが鞍部に着くと再び登り返すことになり、美しい自然林を進めば神ノ倉山山頂まで1km標識を過ごす。間もなく花崗岩質の真砂土の場所を通過し、もう少し進めば牛の首と言われる標高486mを過ごす。

南へ続く下山道 標高486mの牛の首

 この先で鷹ノ巣山の最後の展望を眺めた後、坂道を下り始める。それまで南に向いていた登山道は突然北西方向へと進路を変え、一気に急な坂道を下りて行く。坂の途中で山頂まで1.5km標識を過ごし左右にシダの茂る急な斜面を真っ直ぐに下る。やがて登山道は山腹に沿ってジクザグに高度を下げ、間もなく大神岩の案内標識を見るも、時間が遅いので更に下山を続ける。

坂道を下り始める 左右にシダの茂る急な斜面

 一旦坂の傾斜が緩くなるがすぐに急斜面に変わり、滑り易い道を慎重に下る。遠くで雷鳴が聞こえてきたので少々不安。ただし、目の前には明るい日射しを浴びた美しい景色が広がっている。山頂へ2km標識を過ごし、更に下山を続ければ間もなく井原氏の居城、堀切・薬研堀を抜けて整備された階段道を進む。

城址への分岐 堀切・薬研堀を抜けて整備された階段道を進む

 城址に出れば鍋谷城址遺構配置図の案内板が立ち、土塁や第一郭から第4郭までが分かり易く解説してある。井原氏の説明によると、井原氏は毛利の幕下に入り、毛利の広島への転移の時に、井原第十代の元尚は毛利輝元の命により広島城築城に腕を振るったそうだ。また、関ヶ原の戦いの後、毛利氏の長州移封に従い、この井原を去り三丘へ移ったそうだ。周南市三丘と言えば、少し前に登った夫婦岩山のある付近である。

鍋谷城址 鍋谷城址遺構配置図

 眼下に井原市の町並みを見晴らす場所には、おにぎりのような形のふんばり石が座っていた。この岩はやはり第十代元尚が弓の稽古をしたと伝えられている。岩の先から西に白木山を確認した後、城址を出発。元の分岐に戻り井原駅の案内に従い坂道を下りる。

おにぎりのような形のふんばり石 白木山

 途中竪堀をいくつか過ごし、鉄パイプ製の手摺りの整備された坂道を下りれば舗装林道に着く。時刻は午後5時を過ぎているが、林道を越えて山道に入る。入口に少し草が被っているが、折り返すように左方向へ進めば植林帯に入り、足下は歩きやすくなる。間もなく山頂まで2.5km標識を過ごし、この先で沢を渡る。

竪堀 林道を通過する

 左の植林帯に「肥いれずの田」の案内を過ごし、この先で登山道は左右に分岐するように見えた。右の案内板の方が目立つので右折すれば、涼み堂跡の案内が立っていた。この案内に従い進めば、祠の建つ涼み堂跡に到着。周囲は薄暗く、なかなか雰囲気の良い場所である。

この先の分岐を右に採れば涼み堂跡 涼み堂跡

 涼み堂跡から寺通り(高源寺)の案内標識に従い左方向へ進めば、どうも真北に向かって進んでいる気がする。しかしながら周囲は少しずつ薄暗くなっているので進行方向に向かって歩を早める。間もなく右手に立派な石組みが現れ、この先の沢を越えれば、苔むした木の橋を渡り、突然明るい場所に出たと思ったら民家の横だった。

寺通り(高源寺)の案内標識に従い進む 石垣を過ごす
出てきた場所を振り返る 山頂方面を振り返る

 民家を左に見ながらもう少し地道を進めば、すぐに舗装路に到着、出たところは墓の横の舗装路だった。舗装路を下りT字路を右折、更に道なりに下りて行けば、石垣越しに見える神ノ倉山方面は晴れていた。更に三篠川へ向かって坂道を下り、川沿いを上流に向かって歩けば、なんと下山予定だった江地大橋は遠く南の下流に見えている。

舗装路に出る 出てきた場所は墓地の横
石垣越しに山頂を見る 川沿いを駐車地まで歩く

 今更下流に向かって引き返すわけには行かない。そのまま駐車場所まで歩き、一周回りの登山は無事終了。田園地帯に聳える神ノ倉山は美しい山である。車に乗り込みバイクを回収。田んぼの脇には石丸良道作詞の「田んぼの詩」が置かれ、その横にはカラスとカエルのモニュメントが立っていた。夕暮れに似合う像は何時まで見ていても良いものだ。

 広島県の山は残すところ東郷山と経小屋山の2山、年内の踏破は時間の問題となりそうだ。

石丸良道作詞の「田んぼの詩」

井原大橋から

自然林

尾神峠

宇宙広場

展望

三角点

フライト基地より

城址

田んぼの詩

 前の山 カンノ木山・鷹ノ巣山 を見る

 次の山 星山・櫃ヶ山 を見る

歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 広島県広島市 神ノ倉山 登山口付近のMAP

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