比婆山連峰縦走2 烏帽子山〜比婆山御陵〜池の段〜立烏帽子山〜公園センター 広島県庄原市

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2013年7月14日

比婆山連峰縦走1

公園センター →0:57→ 分岐 →0:10→ 牛曳山 →0:09→ 分岐 →0:12→ 伊良谷山

         →0:42→ 毛無山 →0:35→ 出雲峠

歩行時間 2時間45分

比婆山連峰縦走2

出雲峠 →0:51→ 烏帽子山 →0:27→ 御陵 →0:40→ 池の段

 →0:20→ 立烏帽子山 →0:12→ 駐車場 →1:00→ 公園センター

歩行時間 3時間30分

全歩行時間 6時間15分

登山行程図(地図をクリックすると拡大)

 二回目の比婆山縦走、前回は秋の紅葉の中を登ったが、今回は真夏の登山。牛曳山の山頂を踏み、次に島根県奥出雲町の蛇の目山の山頂を往復。その後伊良谷山・毛無山を縦走し、出雲峠へ下り立った。昼食を摂り、不足した水分を補給し、後半の登山へ向かう。

出雲峠を出発 植林帯の下を進む

 出雲峠まで引き返し、烏帽子山へ1.6kmの案内を確認して登山を再開する。参考までに、出雲峠から公園センターまでは2.4kmの行程である。木漏れ日の差す植林帯の下を進めば、少し坂の傾斜が増すけれど、整備された遊歩道なので安心して進むことができる。山腹につけられた道を進み、周囲にアジサイの花が増えると、進行方向の左側に沢の音がする。

涼しげな沢とあじさい 苔むす遊歩道

 やがて沢を渡るが、冷たい水で顔を洗うととても気持ちがよい。この先からは頭上を自然林が覆い、快適な遊歩道歩きとなる。少し岩の多い場所を抜けると、出雲峠から0.6km地点を過ごす。もう烏帽子山までは1kmである。苔むす岩の美しい道を進み、自然林の美しさに感動しながらの遊歩道歩きが続く。

遠くに仏山 烏帽子山の山頂から眺める比婆山

烏帽子山の山頂風景

 何時しか頭上を覆っていた樹林が薄くなり、やがて視界が開けてくる。背後を振り返れば、毛無山の先に現れてきたのは仏山。苦労と骨折の痛みの後に出会えた感動の観音像等、懐かしい想い出がいっぱいの山である。間もなく広く平坦な烏帽子山の山頂へ到着、正面には比婆山御陵が大きい。

出雲烏帽子岩 吾妻山

 山頂には既に大勢の登山者が休憩中で、比婆山周回はとても人気のあるコースであることが分かる。広い山頂広場から吾妻山側へ向かうと大きな岩が見えてくる。これが烏帽子岩である。案内によれば、比婆山連峰には、烏帽子の形に似た巨石が神格化され、烏帽子岩と呼ばれるものがいくつかある。御陵の峰にある太鼓岩、その南方、立烏帽子山にある備後烏帽子岩に対し、島根県に接する烏帽子山の頂にあるひときわ神秘的なこの石を出雲烏帽子岩と呼ぶそうだ。出雲烏帽子岩の上に立てば、目の前には吾妻山が一望、山頂に向かってなだらかな稜線が続いているが、この坂は割ときつかったような気がする。

出雲烏帽子岩と吾妻山の風景

 出雲烏帽子岩から比婆山方面へ移動すると、条溝石へ20mの案内が置かれている。案内に従い進めば、すぐに条溝石の前へ到着、大岩に溝の彫られた跡があり、これが人工的なものなのか、自然に作られたものなのか、はっきりしていなそうだ。

 岩の前に置かれた条溝石の案内には、「比婆山一帯には、人工的に刻んだとも思われる不思議な巨石が数多く発見されている。この謎の巨石には、幅5〜10p、深さ2〜5pの溝が真っ直ぐに比婆山御陵をさしていることがはっきりわかる。自然の摂理によるものとも、御陵にかかる古代信仰の名残、呪術習俗の跡とも言われているが、はっきりしたことはわからない。」と書かれている。

条溝石 溝は真っ直ぐ御陵を指している

 さあ、いよいよ比婆山御陵へ向かって出発する。案内には比婆山御陵へ0.9km、吾妻山へ向かう途中の大膳原へ1.3kmと記されている。少し坂を下れば目の前に比婆山が大きく、北には毛無山、伊良谷山、牛曳山の山脈が美しい。眼下に公園センターの建物まで眺め、更に坂を下る。すぐに頭上を樹林が覆い、左右の分岐へ着く、右は西回り烏帽子山山頂方面、左が比婆山である。

伊良谷山から牛曳山へ続く稜線と比婆山へ続く稜線

 間もなく平坦な場所の交差点へ到着。ここには御陵へ0.7km・立烏帽子山へ3.1km、管理センターへ2.8km、大膳原への近道1.6kmの案内を過ごす。途中で要塞のような石組みを眺め、ブナ林の下を更に進むと、木の上にキノコが群生している。これは間違いなくヒラタケであるが、公園内のものなので、写真を撮るだけにしておく。

要塞のような岩 ヒラタケ(写真をクリックで拡大)

 平坦な道を進み、産子の岩戸への案内を過ごせば、比婆山御陵に到着した。御陵の周辺には鎖が渡され立入禁止となっており、御陵の入口には比婆山伝説地の詳細な案内が置かれている。案内によれば、御陵の中央には伊邪那美命の陵墓とされる苔むした巨岩が横たわり、この巨岩を取り巻くように、周囲には樹齢千年を越える七本のイチイの老木が並んでいるそうだ。

比婆山御陵の風景

比婆山御陵(写真をクリックで案内を表示) 御陵の前で

比婆山の山頂風景

 御陵の前で記念撮影の後、御陵を出発する。少し進むと大きな手水鉢が置かれており、この向かいには石碑が二つ立っている。この先には、昭和15年4月30日に建立された神聖之宿處の石碑が建っている。なお、この昭和15年は丁度皇紀2600年の節目の年である。

手水鉢 神聖之宿處の石碑

 この先には比婆山のイチイ群の案内が置かれ、門栂(もんとが)の説明には、「御陵の南側正面には、一対の大栂が各々巨岩を抱いて繁り、聖域の門戸を形造っている」と書かれている。縦走路を進み、緩やかな傾斜の道を下りていると美しいピンクのササユリと出会うことができた。このあたりで晴れ間が見えてきたので安心して池の段へ向かうことができる。

聖域の門戸を形造っている門栂 ササユリ

 すぐに池の段へ1.7kmの案内を過ごし、左右に笹の茂る道を下る。時折日差しが現れるのでとても安心して歩くことができる。やが分岐が現れ、左が千引岩を経て立烏帽子駐車場へ2kmと案内されている。明るい日差しを感じながら、坂を下ると公園センターへ2.5kmの案内が立っていた。更に坂を下り鞍部へ到着、ここには左右の分岐があり、右が池の段へ0.9km、左は千引岩を経て立烏帽子駐車場へ1.6kmである。

晴れて快適な遊歩道 立烏帽子駐車場と池の段の分岐

 分岐を右折し、池の段を目指す。途中にアジサイなどを眺めながら進んでいると、突然豪雨が頭上を襲ってきた。これも来月の青森行きのトレーニングに丁度良い。すぐにレジ袋を取り出し、登山靴を覆う。そのままカッパの中に足を入れると、登山靴を脱ぐこと無く、すんなり綺麗にカッパを履くことができた。少し雨宿りをしていると、雨の勢いが弱くなってきたので登山を再開する。

濡れた遊歩道を進む 池の段手前

 間もなく竜王山へ3km、御陵へ1.3kmの案内を通過、自然林の下、濡れた足下に注意しながら坂を登る。やがて足下に砂利状の石が目立ち始めると、頭上を覆っていた樹林が切れる。更に坂を登り、背後を振り返ると霧の中に比婆山御陵が霞んでいる。

背後に比婆山 池の段の石盤

池の段の風景

 間もなく方位や周辺の山々の掘られた石板の置かれた池の段へ到着した。周囲を見回すが、生憎霧に覆われて全く展望を得ることはできない。更に雨が強く降り始めたので池の段を出発、立烏帽子山方面へ向かって坂を下る。

花の咲く分岐を左折し鞍部へ 鞍部から立烏帽子山へ向かう

 すぐに鞍部へ到着、この位置から烏帽子山へ0.3km、立烏帽子駐車場へ0.6km、御陵へは2.3kmと案内されている。とにかく地図がないので、記憶を辿りながら前回通ったコースを採り、立烏帽子山へ向かう。霧の中、目の前にそびえる立烏帽子山へ向かって坂を登る。

カワラナデシコ 岩の目立つ立烏帽子山

 足下には雨に濡れた可憐なカワラナデシコが咲いている。岩の目立つ場所を越えるとすぐに立烏帽子山の山頂へ到着、これで比婆山周辺の主要な山頂を踏んだことになる。但し、山頂から周囲の展望は、やはり霧に包まれており、何も見ることができなかった。山頂にて小休止を取っていたら雨ま勢いが強くなってきたので下山を開始、立烏帽子駐車場へ向かって坂を下る。

立烏帽子山山頂 立烏帽子駐車場へ向かう

立烏帽子屋の山頂風景

 坂の途中から西の方面を眺めていると、少しずつ明るくなってきたので、雨脚はいずれ弱くなることが分かった。池の段へ向かう前に別れた分岐より続く道へ合流、ここから千引岩を経て比婆山御陵へ2.5km、今まで立っていた立烏帽子山まで0.5kmと案内されている。

立烏帽子駐車場への分岐 立烏帽子駐車場

 この分岐を過ごすとすぐに駐車場へ到着、ここにはバイオトイレと避難小屋、比婆山のルート案内図等が設置されている。この地点から池の段へ800m、伊邪那美命の隠れ穴へ400mと案内されている。前回は竜王山まで向かったが今回は天候不安定のため、公園センターへ引き返すことにする。

公園センターへ向けて出発 作業道を左折

 管理センターへ3.5kmの案内を確認して広い作業道へ入る。案内に従い、すぐに左方向へ分岐する道に入るがとても広く安全な道が続いている。周囲に咲くあじさいなどを観賞しながら坂を下っていると鞍部へ着き、この先から坂を登り始めた。そこで、この道はしばらくはアップダウンが続くことを思い出した。

あじさい 展望地の分岐

 ブナ林の間につけられた遊歩道は、とても快適だが時折降りしきる雨だけがよけいである。但し、これも青森での予行演習と思えば逆に良い経験となる。やがて周囲を見晴らす展望地を通過すれば、公園センターまで2.2kmの案内を過ごす。先ほどの駐車場から1.3kmの地点である。更に500m進むと、展望地まで0.4kmの案内が見えてきた。この合流点はとても記憶に残っており、この先からは公園センターまで作業道を下るだけである。なお、展望園地まで進んだ場合、そのまま公園センターへ続く道があるはずである。

霧の中を進む 登山口の公園センターへ到着

 私は前回と同様、そのまま作業道を下り、午後4時半に公園センターへ到着した。長い縦走は、途中豪雨にも見舞われたが、無事終了した。夕食の心配があるので急いで濡れた服を着替え、JR木次線の油木駅前を通過、三井野原を抜けて出雲八川駅へ向かう。目指すのは、出雲そばを頂くことのできる最短距離に営業している八川蕎麦である。

おろちループの赤い橋 JR八川駅前の八川そば

 八川駅には午後5時8分に到着、待合室には3組程度のお客さんが順番待ちをしていた。すぐに私の順番が回ってきたので今回はざいごそばを注文、更におむすびも1個注文した。ざいごそばには山菜やわさび、山椒などこの地区で採れた野菜が多く入っており、とてもバラエティに富んだ美味しいそばである。

麦飯おむすび ざいごそば

 夕食なので大盛りそばだが、とても美味しいのですぐに完食した。やはり八川そばは美味しい。次は温泉だが、昨日も入った長者の湯に向かう。この温泉はアルカリ温泉でヌルヌルすべすべ、入浴料は300円ととても安い。さらに、受付付近には産地直産のキュウリやトマトなどの野菜も安く販売している。そこで、酒の肴にするためトマトとキュウリを購入した。

比婆山

吾妻山

出雲烏帽子岩

条溝石と比婆山御陵

御陵

門栂

ササユリ

雨の前

池の段

 前の山 比婆山連峰縦走1 牛曳山〜蛇の目山往復

                        〜伊良谷山〜毛無山〜出雲峠 を見る

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歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 広島県庄原市 比婆山 登山口付近のMAP

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