八甲田山(はっこうださん)青森県青森市

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2013年8月3日

酢ヶ湯温泉登山口 →1:10→ 地獄湯の沢に架かる橋 →0:35→ 八甲田清水(仙人岱)

 →0:35→ 鏡の池 →0:10→ 大岳山頂 →0:25→ 八甲田清水

 →0:20→ 地獄湯の沢 →0:50→ 登山口

全歩行時間 4時間 5分

登山行程図(地図をクリックすると拡大)

 半年前から計画を練っていた青森行きを実施する。岩国空港を出発、中部空港らしき飛行場が眼下に見えてくると、間もなく雲の上に浮かぶ富士山が見えてきた。美しい山容を眺めていると、飛行機は降下を始め、羽田空港へ着陸。次はJALに乗り換えるため第2ターミナルから第1ターミナルへ移動。このターミナルには羽田航空神社が祀られているので参拝。

眼下に見える空港 富士山(写真をクリツクで拡大)
羽田航空神社 山の字に見える山

飛行機から眺める富士山の風景

 羽田空港で青森便へ乗り換え、やはり最初は富士山を眺めながら飛行、青森空港到着前に、雪の残る山を見下ろし、この先では山の形をしている山も見えてきた。間もなく無事青森空港へ到着、すぐにレンタカーに乗り換え最初の目的地の八甲田山へ向かう。

青森空港到着 酸ヶ湯温泉インフォメーションセンター

 酢ヶ湯温泉へナビをセットして一路八甲田山へ。快晴の空の下、八甲田山の登山口の酸ヶ湯温泉へ到着。酸ヶ湯温泉インフォメーションセンターで登山口の確認をし、すぐに登山を開始する。

  八甲田山は青森市にそびえる日本百名山の一つで、「八甲田山」と名のつく山はなく、今回目指すのは三角点の置かれた大岳である。明治35年に青森の歩兵第五連隊が雪中行軍の演習中に吹雪に遭遇し、210名中199名が遭難した。この八甲田山雪中行軍遭難事件は、新田次郎著の「八甲田山死の彷徨」に記載され、後に映画化されている。

八甲田山を目指して出発

 午後2時に駐車場を出発、酸ヶ湯温泉インフォメーションセンター前を通過し道路を横切る。酢ヶ湯自然観察路の大岳登山口の案内に従い進むと、右に登山道が分岐している。入口には「日本山脈縦走起点、青森八甲田−山口県秋吉台五千キロ踏破」の案内がおかれ、その先には大鳥居が建っている。

登山道入口(写真をクリツクで日本山脈の標識) 大鳥居

 鳥居を潜り八甲田山の登山道に入ると、整備された横木の階段が続いている。すぐに←0.3km酢ヶ湯温泉・八甲田大岳3.9km→の案内を過ごす。従って、酢ヶ湯温泉から八甲田山大岳までは4.2kmの行程であることが分かる。左右に笹の茂る道を進んでいると、山頂から下りてくる人と出会う。一様にこれから登るの?、と言う顔をしている。

横木の階段の設置された登山道 距離標識が置かれている

 酢ヶ湯温泉から0.4km、0.6kmの案内を過ごし、左右に笹原を眺めながら進む。登山道には笹などが張り出し、ワイルドな登山の予感。このあたり、足下はふかふかなスポンジ状の道に整備されており、足がとても軽く感じるので歩く速度を抑えるのに苦労する。

頭上に青空が広がる 岩の目立つ道

 一旦伐採地に飛び出るので頭上に青空が広がり、開放感と安心感に包まれる。更に進むと再び頭上を樹林が覆い、足下には丸っこい岩が目立ち始める。足下の岩に気を使いながら登るので、なかなか気が抜けない。

足下に注意を払いながら進む 笹が左右に茂っている

 木の根の張り出す道と、岩の織りなす美しい風景が広がっているので、眺める景色に飽きることはないが、意外と歩行に時間がかかる。やがて1.2kmの案内を通過、相変わらず左右には笹が茂っており、なかなかワイルドな登山道である。

丸い山容 雲が増えている

 少し進むと丸い山容が見えてくる。なんと、地図を忘れたため、現在地がはっきりしないものの、大岳へ続く稜線なのだろうと推測し、丸っこい山に心を癒される。ただし、空を眺めていると白い雲が流れているのがとても気になる。

背丈以上の笹 八甲田山が見えてくる

 間もなく頭上が開け、登山口より1.7kmの案内を過ごし、足下に板の渡された場所を通過する。背の高い背丈ほどもある笹藪を抜けると、急に笹の背が低くなり、更に進むと大岳が突然目の前に現れた。

ガレ場を横切る 地獄湯の沢に架かる橋を渡る

ガレ場の風景

 美しい風景をしばらく眺め、更に進むと登山口から2.2km地点へ到着、南八甲田連峰の案内を眺め、目の前のガレ場へ向かう。そのまま岩海の中を登るのかと思っていたら、登山道は右へ迂回し、地獄湯の沢に架けられた木の橋を渡る。この付近は硫黄のにおいが強く、火山性のガスをどこかで発生させているのだろう。

地獄湯の沢 少しずつ高度を上げる

地獄湯の沢の風景

 地獄湯の沢を通過し、V字谷を少しずつ奥へ向かって詰める。やがて沢を渡って左方向へ進み、酢ヶ湯温泉から2.6kmの案内を通過、いよいよ残りの距離は半分になった。木の橋を渡り、整備された遊歩道を進む。笹の茂る間を抜けて行くといくつか沢を過ごす。この水はとても冷たく、まるで雪解け水のようである。

雪解け水 笹原と踏跡

 笹原の間に渡された木道を進み、沢を渡る。背後を振り返れば笹原が美しく、正面にはずんぐりした大岳がそびえている。山頂までしっかり見えているので、さぞかし展望は素晴らしいことだろう。展望を思い浮かべるだけでワクワクしながら木道を進む。但し、山頂方面は少しずつ雲がかかり始めているのがとても気になる。

八甲田山大岳 仙人岱

仙人岱手前から眺める風景

 木道の周囲に美しい花を観賞、少しずつ登山道を進むと、前方に美しい山容の大岳が見えてきた。木道の周囲で多くの花を観賞、この中には珍しい花もあることだろうが、花の知識が無いのは少々残念である。

八甲田清水(辰五郎清水) 仙人岱から眺める大岳

仙人岱と八甲田山大岳の風景

 さて、仙人岱と呼ばれる場所へ到着、この仙人岱は湿原で、珍しい花々が咲いている。仙人岱ヒュッテへの分岐を過ごすと、右に八甲田清水(辰五郎清水)を見る。枡状の木で囲まれた場所から湧き出る水を頂くと、この水がとても美味しく、アイスクリームを食べた際と同様、頭が痛くなるような状態になる。何杯も清水を頂き小休止、目の前には八甲田山が美しい姿を見せている。

お花畑(チングルマ) 雪渓

 八甲田清水を出発、小岳への分岐を過ごし、大岳山頂を目指す。足下には美しい花が満開で素晴らしい風景が広がっている。左に雪渓を過ごし、木道が終わると再びごつごつした岩道に戻る。

雪渓の横を通り大岳へ ヒナザクラ

 広い雪渓の残る場所を眺めながら少しずつ高度を上げる。周囲にはお花畑が続いているので、名前は分からないが、美しい花に心を癒されながらお花畑を進む。すぐに岩の目立つ場所に入り、間もなくアオモリトドマツの植性についての案内を眺める。このあたりは残雪の多いところなのだろう。

岩の多い急登 山頂方面には雲がかかってきた

八甲田山登山 急登の途中から眺める風景

 既に山頂方面は雲に包まれており、もう少し早く来るべきだったかと、少々悔やむところもある。岩の多い急な坂を慎重に登る。時折雲が切れれば、眼下には仙人岱の美しい風景が広がる。山頂方面も気まぐれな雲のおかげで、青空が見えたり、雲の中に入ったりを繰り返している。

眼下にも霧が増えてきた 雲の切れることもある

 少しずつ高度を上げて行けば、やがて鏡の池へ到着。美しい水面はまるで鏡に映したように美しい。鏡の池の周りでも美しい花を観書し、階段状に整備された遊歩道を一気に高度を上げる。

鏡の池 ウメバチソウ

鏡の池の風景

 周囲はガスに包まれ、決して素晴らしい展望とは言いがたいが、暑い直射日光を浴びるわけではなく、雨も降っておらず、真夏にこれ以上の天候は望むべきではない。遊歩道を進むと間もなく祠の祀られた場所へ到着。由緒ある祠に参拝して更に山頂を目指す。

山頂へ続く道 山頂手前に祀られた祠

山頂手前に祀られた祠の風景

山頂付近に杙が見える 八甲田山山頂の大岳へ到着

 前方に杙の立っているような場所が見えてきたので、あれは何だろうと考えるのも楽しい。やがて山頂へ到着、先ほどまで下から眺めていた杙は境界用の杭だったようだ。広い山頂には八甲田大岳山頂の標識、石積みに置かれた祠、一等三角点、周囲の山々などを示す案内板などが置かれている。

一等三角点 石積みと祠
山頂の案内 方位盤

 空気が澄んでいれば素晴らしい展望が広がっていることだろうが、山頂に着いた時には周囲はガスで覆われていた。時刻は当初の予定通り午後5時前、ガスが無くなるのを待つ時間はなく、一周周りで周回するには微妙な時間である。そこに後方から登山者がやってきて、今日は山頂にて宿泊するとのこと。

八甲田山大岳の山頂風景

 ヘッドライトを灯して周回することを予定していたが、ガスは少しずつ深くなり始めた。そこで、下山をするには確実なコースを選ぶしか無いとの選択で、元来た道を下ることにした。これなら下山時刻は午後6時半頃なので、ぎりぎりライトは必要ないだろう。

登山途中に眺めた花々

 但し、明日は長丁場の白神岳登山が待っているため、慎重に下山を開始する。ところが、少々焦り気味のところもあり、右膝を岩でしたたか打撲してしまった。青森旅行初日で足を痛めるのはとても残念である。そこで、痛み止めを飲み、痛みを鎮めることにした。

 午後6時半には酢ヶ湯温泉付近の登山口へ到着、無事八甲田山の登山は終了した。名湯酢ヶ湯温泉に入りたかったが、外来入浴時間は午後6時までである。付近の名湯を探しながら黒石市まで進み、新屋温泉へ入浴。この温泉はヌルヌルのアルカリ温泉で、まさに美人の湯。のんびり温泉に浸かり、したたか打った膝をマッサージして明日に備える。

 その後スーパーでビールやおつまみなど大量に買い込み、黒石から日本海側へ抜け、津軽市を通過して深浦町に入る。ここで道の駅「かそせいか焼き村」の看板にひかれて駐車場に入る。車内でビールを飲んでいたら、いつの間にか寝ていた。

大岳

地獄湯の沢

仙人岱

仙人岱から眺める八甲田山大岳

鏡の池

山頂

チングルマ

ハクサンチドリ

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歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 青森県青森市 八甲田山 登山口付近のMAP

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