権現山・天井山・西山・大谷山・大滝・小吹山縦走 山口県美祢市・萩市

2005年11月5日(土曜日)

権現山(萩市)・天井山・西山・大谷山・大滝・小吹山縦走

登山口 大水垰トンネル手前駐車場

ガイド本 金光康資著 防長山野へのいざない

大水垰駐車場出発 7:43 大水垰到着 8:13 権現山到着 8:52 権現山出発 9:06

 大水垰到着 9:27 天井山到着 10:25 天井山出発 10:47 大谷垰到着 10:59

 509ピーク到着 11:31 西山到着 11:51 西山出発 12:01 大谷山到着 12:33

 大谷山出発 12:51 大滝到着 13:55 小吹山到着 14:38 57番鉄塔到着 14:52

 登山終了(半田公会堂到着) 16:01   

大水垰駐車場出発 →0:30→ 大水垰到着 →0:39→ 権現山到着

 →0:14→ 権現山出発 →0:21→ 大水垰到着 →0:58→ 天井山到着

 →0:22→ 天井山出発 →0:12→ 大谷垰到着 →0:32→ 509ピーク到着

 →0:20→ 西山到着 →0:10→ 西山出発 0:32 大谷山到着

 →0:18→ 大谷山出発 →1:04(※30分以上の迷走時間を含む)→ 大滝到着

 →0:43→ 小吹山到着 →0:14→ 57番鉄塔到着 →1:09→ 登山終了(半田公会堂到着)   

所要時間数 8:18

 秋芳町の大滝・天井山・権現山への縦走を目指して5時に柳井を出発、山口バイパスから国道435号に入り、美東町を経由し秋芳洞入口を抜け、県道31号・36号を乗り継ぎ、秋芳町に入った。秋芳洞入口を過ぎる頃から霧が出てきたので少し不安になる。

猿田彦大神に参拝 下山場所の半田公会堂

 霧はだんだん濃くなり、日吉山王社を過ぎる頃には視界は100m以下となりライトを点灯しての走行が続く。半田公会堂には7時15分到着、縦走が完了した場合に備えて移動用のバイクを置く。前回は縦走を断念して大谷山で引き返したため、今回は半田公会堂前の猿田彦大神に縦走が完了するよう念入りに祈願する。この付近の視界は50m程度となりスピードを充分に落として進み、桂木山白糸の滝の看板の先にある須賀社に参拝し登山の無事を祈願した後、いよいよ大水垰トンネル手前の駐車場に到着した。

霧の濃い大水垰トンネル 霧に遮られた陽差し

※大水垰を出発

 すぐに登山準備をするが周囲の霧が気になる。天井山に着く頃には霧が晴れている事を期待して7時43分登山を開始する。駐車場から少し県道を戻ると天井山登山口大水垰コースの標識があり、すぐに左折して厚東川にかかる地吉橋を渡る。

天井山登山口標識 イノシシの罠を左に見る

 道の突き当たりを左に向かい、右に民家を見送るとその先から林道に入る。林道の左には鹿かイノシシの罠が仕掛けてあり民家に近いこの付近での農作物の被害は甚大であることが想像された。

林道を進む 道は少し荒れてきた

 荒れた林道はそのうちコンクリートの道となり左右に杉の植林帯を見ながらゆっくりと高度を上げて行く。右に堰堤を見て、その先に右への分岐が現れるがかまわず直進する。その先の堰堤を過ぎると少し草が茂る道となるが再びコンクリート道となり前方左側には天井山に向かう登山道が見えてくる。

大水垰に向かい分岐を左折 踏み跡は確か

 この分岐にもちゃんと道標が立ててあるので道を間違えることはない。道標に従って左の登山道に入り登山開始から25分、ようやく林道と別れる。明確な登山道をゆっくり歩くこと5分で大水垰に到着、峠のお地蔵様と対面した。峠の道標には権現山30分・天井山1時間と書いてあり、峠から権現山までは意外と近いことが分かった。

大水垰に到着 峠のお地蔵様

※権現山に向かう

 お地蔵様に登山の無事をお祈りし、まずは権現山を目指す。写真を撮っても自動的にフラッシュが光る薄暗い雑木林の中をゆっくりと進んで行く。登山道は広く、よく踏まれており、歩きやすくて迷うことはない。周囲の展望は無いが道案内の地籍調査杭を見ながら安心して進んで行くことができる。

緑が美しい 先には伐採地がある

 緑の美しい雑木林を左右に見ながら進んでいると一旦峠を下る感覚があり、登り返して行く。最初は緩やかな坂だが段々坂は急になり、ゆっくり登って行くこと20分程度で地籍調査三角点の立つ伐採地に到着した。ここから木の間越しに初めて権現山の山頂を望むことが出来た。

伐採地の地籍調査三角点 権現山の山頂方向

 権現山まではもう残りわずか、すぐに歩き始める。緩やかな坂を少しずつ登って行き、最後の急坂を我慢して進むと三隅権現山山頂に到着した。権現山山頂からの展望は全く無く、木の間越しに西方面の山が望めそうだが深い霧に覆われてさっぱり見えない。

権現山山頂風景

 山頂は茅の原でゆっくりと腰を降ろす場所は無く、すぐに大水垰に向かって降りて行く。気持ちの良い雑木林の中を一気に降りて行くこと25分で大水垰に到着、再びお地蔵様に挨拶をし、天井山に向かって出発する。道標には天井山まで1950mと書いてある。

※天井山に向かう

 大水垰を後にして登山道を進むとすぐに急な岩山が待っており、右の細い道を通って先に進む。登山道はその先だんだん痩せてきて、短い間ではあるが痩せた尾根歩きができるのが嬉しい。天井山への登山道は明確で、よく踏まれており迷うところはない。

天井山へ1950m標識 痩せた尾根道

 大水垰から20分で地籍調査三角点を右に見送り、残り1000m標識も右に見る。登山道の左側は秋芳町、右側は三隅町となっており秋芳町側には檜の植林帯が続き、三隅町側には雑木林が広がっている。更に20分で大水垰トンネル近道の道標を左に見る。この近道は縦走を断念した場合に通ることにする。この分岐を過ぎると一旦坂を下ることになり、下ったところから天井山まで残り360mで12分と道標に書いてある。ようやく天井山の山頂を木の間越しから見ることができた。

地籍調査三角点 大水垰への近道分岐
天井山への坂道が始まる ロープの渡された道を登る

 いよいよ天井山に向かって最後の登りにとりかかる。急な坂が待っているようで、山頂まで長いロープが続いている。急な坂を一歩一歩ゆっくりと登って行く。途中で後ろを振り返ると改めて坂が急であることと権現山が大きいことが分かる。山頂手前で坂が緩やかになりその先には待望の天井山山頂が待っていた。

天井山山頂

 二週間を掛けて登った天井山山頂からは長門の海がすぐ近くに見える。薄い霧のため霞んではいるが海を走る船を双眼鏡ではっきりと見ることができて感激した。広いカヤトの山頂に腰を降ろして登頂ノートを見ると、朝日新聞の山歩きを見て登った人が何人かいた。

 天井山山頂から見る長門の海や鯨ヶ岳・桂木山・如意岳・大滝・大谷山の展望は素晴らしく、また登山道も充分に整備されているのに何故マイナーな山に甘んじているのだろうかと少し不思議な気持ちがした。

天井山山頂から長門の海の展望

 山頂ノートを書いている途中に親子の登山客が登ってきた。下関の竜王山以来久しぶりに山で人に出会ったことになる。時刻はまだ11時前、縦走の目的を達成するため次の西山に向かう。

※西山に向かう

 西山への縦走路に入るためには少し藪を掻き分けて南東方向に向かうとすぐに明確な道が見つかる。急な坂を大谷垰に向かって下りて行き、急な坂を我慢して下りること12分で大谷垰に到着した。

最初は少しヤブの中に入る 大谷峠に向かって下りる

大谷垰まで林道が続いている

 大谷垰には「西夫岳(607M)経由荒ヶ岳 天井山」の鉄製標識が木に取り付けてある。林道はすぐ目の前まで続いており、林道周辺では杉の木が伐採されていた。大谷垰から下中辺まで3kmと書かれた道標を右に見て西山に向かい大谷垰を出発する。

大谷峠に到着 中辺コースへの下り

 少し坂を登るとそこは展望の伐採地となっており、背後には天井山が綺麗に見えた。また、これから向かう西山と大谷山の位置もはっきりと確認することができたので少し安心した。正面に桂木山・如意岳を見ながら伐採地にて昼食を取る。

西山への道 伐採地を進む

伐採地から西山(山頂が左に少し見える)と大谷山(右側)の展望

 展望の開けた場所でないと落ち着いて食べることができないような気がする。縦走にどれだけの時間を要するか不安なので珈琲タイムを省いて出発する。大谷垰から西山に向かう縦走路はほとんど伐採地を通り抜けることになり、鯨ヶ岳・桂木山・如意岳を左に見ながら明確な縦走路を進んで行く。

天井山を振り返る 地積調査三角点を過ごす

 後ろを振り返れば天井山を見ることができるので自分がどこを歩いているのかも分かり安心して歩くことができる。右に地籍調査三角点を見送り伐採地から再び雑木林に入る。よく踏まれた道を進むと大谷垰から32分で509ピークを通過する。その先は再び伐採地となり、明るい伐採地からの展望を楽しみながら歩くこと更に20分で西山に到着した。

509ピークに向かう 伐採地から大谷山方面

伐採地から桂木山方面の展望

西山山頂 西山からの展望はない

※大谷山に向かう

 西山からの展望はほとんど無く、すぐに大谷山への縦走路を探す。尾根道を右側に降りて行くと少し薮となり、茨の道に怯むがかまわず降りて行く。やはり西山から大谷山への道は手強いのかと薮を掻き分けて進む。縦走路が分からず右に行ったり左に行ったりするが左右に道が続いていないことは分かった。

草の道を下りる 大谷山を見上げる

 突然足下に地籍調査杭を発見、道は間違っていない気がする。残りは真っ直ぐの道しか無く、薮を抜けると視界が開けた。ゆっくりと目印を探しながら進むとようやく目印のテープを発見、もう一度西山まで戻り落ち着いてゆっくり周囲を見回すと薮の手前に目印のテープがしっかりと巻き付けてあった。目印に従って鞍部まで降りて行き、大谷山に向かって最後の登りにかかる。

目印のテープに従い下る 西山と大谷山の鞍部に到着 地籍調査杭がある

 登山道の随所に白いビニールテープが巻いてあり、迷うことはない。ビニールテープに従って慎重に坂を登って行く。道が段々はっきりしてきたのでもう大谷山は目の前だとワクワクしながら進み、歩行速度も速くなる。

桂木山方面の展望 歩きにくい道を一がんばり

 少し藪がきつくなり、更にビニールテープに従って迷うことなく登って行くと最後に先週見た風景が広がり、その先の薮を掻き分けて登るともう何回も見たなつかしい大谷山山頂に到着した。これででようやく先週まで歩いた道と繋がり感激した。本日のここまでの縦走路を思い出しながら、しばらく大谷山に腰を降ろして休憩を取る。

大谷山山頂に向かって登る 大谷山山頂到着

※大滝に向かう

 もう大谷山からは前回通った道なので安心して進むことができる。とは言っても先週大谷山からの下山途中すぐに道を外したため地籍調査杭を探しながら慎重に降りて行く。

大谷山を下りて行く この分岐を右に取る

 この先本日の縦走における最大の危機が訪れた。順調に地籍調査の杭を追いながら降りて行くのだが、赤い地籍調査の杭を起点に右に降りるところを左に降りてしまい、また道を外してしまった。

 悪いことに左の道にも地籍調査の杭が続いており、道を外していることになかなか気がつかなかったが、方向がずれていることと急に高度を下げ始めたのでこれはおかしいと言うことに気がつき引き返した。大滝から大谷山に向かう際には登りのため間違うことはないが、逆に大谷山から大滝に向かう際には最大の注意ポイントである。

この赤い地積調査杭を右折する

 地籍調査杭の付近にはちゃんと目印のテープがあるため注意して見ればすぐに分かるはずである。このポイントを過ぎれば10分程度で本縦走路のハイライトである大滝への急激な登りにかかる。とてつもなく急な坂をゆっくりゆっくり登り、高度を稼いで行くのはとても嬉しい。急な坂と言っても15分も歩けば大滝山頂到着、山頂では黒い招き猫が待っていた。

厳しい坂に取り付く 大滝山頂の黒い招き猫

※小吹山に向かう

 休む間もなく縦走最後の山である小吹山に向かって降りて行く。急な斜面を慎重にゆっくりと降りて行き、山頂から10分程度で坂が緩やかになり、その先の松のところで左に折れて再び急な坂を下りて行く。これから先はほぼ道なりに進み、松の所から更に10分で荒ヶ垰〜天井山縦走路標識の場所に到着、分岐を左折する。

大滝からの下りは急坂 樹林帯を進む
荒ヶ垰〜天井山縦走路標識を左折 背後に大滝が美しい

 少し進むと草が被り加減となるが正面には桂木山を見ることができる。この分岐を右折するとまた明確な縦走路にたどり着く。後ろには大滝、前には小吹山の姿が美しい。この後倒木帯の中のアップダウンを繰り返しながら進むこと15分で切り開かれた場所に到着する。

小吹山 倒木帯を抜ける

 真っ直ぐ進めば57番鉄塔方面だがここで縦走路最後の山である小吹山に向かう。右上に向かって坂が続いており、坂を道なりに進んで行き、草の茂る薮の中に入ると茅に覆われた小吹山四等三角点に到着した。

小吹山四等三角点 木の間越しの大滝

 展望は木の間越しに大滝が見えるだけだが、大滝が特別美しい。先週来たときにはそうも思わなかったが今回小吹山から眺める大滝が一番美しく感じる。充分に大滝の姿を満喫した後下山を開始する。

※57番鉄塔を経由して半田公会堂に下りる

 小吹山から57番鉄塔を目指す。縦走路に戻り倒木帯をゆっくりと降りて行く。倒木帯の中、木を跨いだり、木の下をぐったり、また迂回をしながらゆっくりと高度を下げて行く。倒木帯を降りるのに少し時間を取られるが目の前には段々57番鉄塔が近づいてくる。鉄塔に近づくにつれて少し草が茂り加減になるが鉄塔に向かって降りて行けば大丈夫、難なく57番鉄塔まで降りることができる。

小吹山から57番鉄塔に向かう 花尾山の展望

 目の前には如意岳が広がり、鉄塔に近づいて行けば次第に桂木山から鯨ヶ岳への展望が広がり本縦走中の最後の展望地となる。

桂木山から如意岳方面の展望

 しばらく展望を楽しんだ後、中国電力の鉄塔巡視路を下る。巡視路は鉄塔の真下を走っており、巡視路を左に取りゆっくりと半田部落を眺めながら進んで行く。少し進むと下に向かう道が現れ、後は巡視路をジクザグに降りて行くと林道終点に到着、その先には58番鉄塔が立っている。

巡視路と58番鉄塔 林道終点に到着

 58番鉄塔を過ぎると林道はコンクリートの舗装道となり、緩やかに半田公会堂に向かって降りて行く。しばらく展望は無く、檜林帯を黙々と降りて行くことになる。右側に作業小屋を見る所まで降りると展望が広がり再び目の前に如意岳が大きい。

赤い実 クサギ

 少しずつ半田公会堂に向かって降りて行きながら後ろを振り向くと57番鉄塔と58番鉄塔の間に小吹山、正面には大滝の美しい姿を望むことが出来る。57番鉄塔から1時間をかけて半田公会堂に到着本日の縦走は無事終了した。

左に小吹山・右に大滝

 登山時間8時間以上の大変長い縦走だったが初心者の単独行でも充分に権現山から小吹山まで縦走できることがわかり安心した。半田公会堂前の猿田彦大神に登山の無事を報告した後バイクに乗り、途中須賀社にも参拝して大水垰トンネル手前の駐車場に到着した。

猿田彦大神に参拝 新柏木橋から見る権現山

※縦走路について

 先週大谷山から西山に向かう際の目印を見つけることができず、逆回りなら登山道の目印を見つける事ができるのでは? ということから今回のルートを通ってみた。

 大水垰トンネル手前の駐車場に設置してある「秋芳町自治研水環部 秋芳八代振興会」の皆様の手による手製道標が天井山山頂までの要所に設置してあり、登山道もよく踏まれて分かり易く、登山初心者でも迷う心配は無いものと思われる。また、権現山への道も同様で、大水垰以外に道標は無いが、山頂までほぼ一本道なので迷うことも無く危険な場所は見あたらなかった。

 天井山から大谷垰を経由しての西山まで縦走路は、天井山から大谷垰に降りる道を探すのに少し薮の茂った場所に入ることになるが、踏み跡を辿ればすぐに見つかる。後は一気に大谷垰に降りるだけである。

 西山から大谷山に抜ける登山道は、少し薮が茂っているので判りづらい気がしたが、目印の白いビニールテープがしっかりと導いてくれるので全く問題が無く、一旦鞍部に下りて大谷山に向かう登りの道もしっかりと目印があり、迷わず大谷山山頂まで導いてくれる。その後の大谷山から大滝に向かう注意ポイントに気をつければ難なく縦走はできる。

 また、大谷山から西山への縦走路についても今ではしっかりと大谷山山頂から西山山頂まで目印が続いているため、安心して縦走ができる道となっている。但し、大谷山山頂から直角に右に下りる登山道に、薮が少し茂っているので最初は少し我慢が必要である。同様に西山山頂付近も少し薮が茂っているのでここも少し我慢が必要である。

 以上の注意点を頭に入れておけば、小吹山から大滝・大谷山・西山・天井山・権現山ルート、またはこの逆ルートの快適な縦走が楽しめる。

 縦走ルートとしては、今回最後に58番鉄塔から半田公会堂へのコンクリート道を降りたが、コンクリート道は最初に通り、最後に大水垰を下る方が疲労感が少ないかも知れない。どちらのルートを取るにしても縦走にはたっぷり時間がかかりそうなので事前に入念な計画を立てられることをお勧めします。

朝日

お地蔵様

権現山山頂

天井山山頂

天井山から日本海

大谷峠から天井山

伐採地から大滝・大谷山

西山山頂

大谷山

大谷山山頂

大滝山頂

美しい大滝

小吹山

小吹山山頂

如意ヶ岳

林道から大滝

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歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 天井山 登山口付近のMAP

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