嶽山(だけやま) 山口県周南市

2006年3月25日

ガイド本 金光康資著 防長山野へのいざない

登山開始 →14:33→ 山頂到着 →15:36→ 山頂出発

 →16:35 → 下山終了 17:14

参考コースタイム

登山開始 →1:03→ 山頂到着 →0:59→ 山頂出発 →0:39→ 下山終了

登山時間 2:41

 工業地帯と瀬戸の展望を求めて旧新南陽市嶽山に向かう

土曜日午後より出発し、近くの展望の良い山に向かうことにした。瀬戸の島々と工場群が一望の展望地周南市(旧新南陽市)の嶽山に向かうことにする。周南バイパスを下松から西に向かい、永源山公園の交差点を過ぎて更に1.5km程度西に進むと頭上に陸橋が二つ渡されている所がある。

陸橋が二つ渡されている(防府方面から撮影)

 この陸橋を渡って山に向かえば嶽山に行くことができる。手前(東)側の陸橋の山側には市営光万寺墓地があり、墓地の反対側に周南市落迫配水池の駐車場があるので車を置き登山を開始する。

お地蔵様と遺徳の碑の後ろに周南市落迫配水池

 結果的にはこのまま舗装道を北上し、林道の先から中電巡視路に入り嶽山に向かう事もできるのだが、この時点ではまだこのルートのことは判らず、登山開始点を富田西小学校にするため、一旦歩道橋を渡り富田西小学校に向かう。間もなく小学校の北門に到着、西に向かうと嶽山(平野山)登山口の大きな標識を見る。

富田西小学校横の登山口標識

 登山口の標識に従い北に向かう道に入ると、右手に会社の社宅を見てその先左手に墓地を過ごし、周南バイパスに渡された歩道橋を渡る。歩道橋の先には「嶽山登口363m」標識を見る。少し左に登り口の坂があり、そのまま畑のあぜ道を通って嶽山に向かう。

畑の間を登って行く

 左右に畑が広がり、のどかな風景を見ながら進んで行く。背後の近代的な工場群とイノシシ除けのトタン板に囲まれた畑とのギャップがとても印象的だ。この辺りから見る仙島・黒神島はとても綺麗だ。新南陽の街並みと永源山の風車を眺めていよいよ樹木に覆われた山道に入る。

背後には新南陽の工場群と街並みが広がっている

 山道に入るとすぐに富田西青年団の皆様により設置された「山頂まで1.100m」の道標を右手に見る。すぐに倒木の跡らしき場所を通るが登山道は充分に整備されており、倒木も歩くのに邪魔にならないように伐採されている。

山頂まで1,100mの道標

 登山道にはゴロ石が転がっており、つまずかないように注意しながら進んで行くと左右は竹藪帯となり、竹藪帯を抜けると残り900m標識が立っていた。この標識は昭和62年10月に設置されており、既に19年が経過している。登山道自体は明るく左側に溜池の跡がいくつかあり、溜池側に落ちないように鉄の柵が設置してあるが、かなり古くなって錆びているので、すがらないよう注意が必要だ。

溜池側に落ちないように鉄の柵が設置してある

 今でこそ必要は無くなっているが、水を確保するために石を組んで溜池を整備していた先人の苦労が偲ばれる。溜池跡を過ごすと残り630m標識を過ぎるが、ここで背後を振り返る。富田西小学校から約25分経過、相変わらず周囲に展望は無く、山道に入り一本調子の登り坂が続いていることにようやく気が付いた。更に坂道は続き、630m標識から10分でNTTの反射板の立つ広場に到着した。

NTT反射板から南方面の展望 大華山・仙島・黒神島と広がっている

 この鉄塔広場からは南方面の展望が広がっており、久しぶりの展望を楽しむ。東の大華山の麓には石油タンクが整然と並び、海を隔てて仙島、その右手に黒神島、それらの手前には新南陽の工場群が広がっている。瀬戸の展望はやはり素晴らしく、しばし楽しんだ後、登山道に戻る。

石鎚権現の祠

 登山道に戻ると前方が明るくなっている。もう山頂なのかなと思いながら進むと一帯が広く整備されており、右手にベンチが置かれ正面には祠が二基立っている。早速祠に参拝し、よく観察してみると石鎚権現を祀った祠のようだ。左手の古い祠の中には「石槌」と彫られた石が安置されており、右手の新しい祠は平成6年2月に建てられたようだ。

木の間越しに西方面の展望が広がる

 この広場から西方向に下りる道もあり、この道を取ると湯田・福川方面に下りることができるようだ。もうこの広場から頂上までは200m、北方向に向かって出発する。少し進むとロープの渡された場所があり、この付近からは西の福川地区の展望が木の間越しに広がっている。

ようこそ嶽山へ 嶽山山頂に到着

 尾根道を更に進んで行くと周囲に柵を張り巡らせた砦のような嶽山山頂に到着した。入口には「ようこそ嶽山へ」の横断幕ならぬステンレス製の横断板が掛けられており、さすが工場の町新南陽の山に登ったという感覚が楽しい。山頂にはテーブル・椅子が整備されており、家族でゆっくりできる場所となっている。

嶽山山頂の風景

 大きな三角点の横には嶽山(平野山)363mの標識もあり、山頂らしい山頂である。嶽山からの展望は東の方向が特に美しいが、まずは木の間越しに広がる西方面の展望を確認する。眼下には福川地区の街並みと夜市川、その先に大津島が見える。

 山頂から東方面を見ると、手前の消防無線用の反射板が目障りになるかも知れないが、この反射板の下に行き、東方面を見ると素晴らしい展望を楽しむことができる。丁度東ピークが邪魔をして四熊岳が見えないのは残念だが、竹藪の後ろには炭倉山山頂の茶色い山肌が見え、そのまま稜線を右に向かって眺めてゆくと、とおの山が続いており、その先虎ヶ岳から茶臼山へと続くライン、眼下の工場群と街並みが箱庭のようでとても綺麗だ。

嶽山山頂からの展望 消防無線用の反射板下より

 以前それぞれの山に登り、この嶽山の方向は何回も見ており、四熊岳はすぐに判ったのだが、その先の山の中央部に茶色の場所のある山名が判らなかった。本日嶽山に登り、山名は当然であるが茶色の原因は真砂土等を採った跡かと思っていたが、実際には大量に枯れた竹林であることが判った。原因は以前の台風なのだろうか。

 山頂にて記念写真を撮っていると背後より年輩の方が登ってきた。お話を伺うと市内福川に在住の方で、陶の道を通り、若山に登り小畑地区を抜け、金明水で有名な四熊岳に登り、最後に嶽山を経由して福川まで帰るという事で、午前10時ごろに出発したそうだ。既に6時間近く歩いておられることになる。年に1回このルートを通り毎年の山歩きの準備をすると言うことだ。

 日本100名山はとっくに踏破、200名山・300名山も既に踏破済みという大先輩に失礼ながら山小屋に泊まる方法等、初歩的なことをお伺いした。夏場に縦走ルートを採ると効率よく百名山に登れることなど教えて頂いた。少し先に東ピークがあるので向かうことにして、この方と別れ出発する。

東ピークからの展望

 一旦山頂を下り、竹藪の倒木帯の下を潜り、再び登り返すと東ピークに到着するが周囲は木々に囲まれて展望がない。大きな桜の木も立っているがまだ蕾のままである。東方向には「ひらの」と赤いペンキで書かれており、北方面にも下山口があるようだ。陶の道と書いてある、若山・法師山・四熊岳の標識を見て再び嶽山山頂に戻る。

 嶽山山頂には犬を連れた方が休んでいたのでお話をお聞きする。この方はすぐ麓に住んで居られ、犬の散歩がてら嶽山にも登られているそうだ。この方が小学生の頃(50年位前)には、丁度竹が生えている場所から瓦を作るための土をケーブルカーで降ろしていたそうだ。また、東ピークから尾根を伝わって下りる道があり、この道はかなりの急斜面だということを聞く。

 駐車場所を説明するとその場所に出ると言うことなので、帰りは一周回りに下りて行くことにした。嶽山山頂にて地元の方と別れて再び東ピークに向かう。東ピークから南方面に下りる道を確認するとペンキでやはり「ひらの」と書かれている。ひらのというのは富田西小学校のある富田地区の南に位置する平野地区のことを指しているのかも知れない。

東ピークより下山開始

 目印のテープ等に導かれて下りて行くが、とてもよく踏まれた道が続いている。確かに急な斜面が続くので周囲の木に掴まりながらゆっくりと下りて行く。急な坂が続くので膝を痛めないように慎重に下りることが重要である。登山道自体は何の問題もなく、ただただ急な斜面であることだけだ。周囲には目印のテープが沢山あるので道に迷うこともなく安心して下りることができる。

ケルンを過ぎると急斜面が待っている

 急な斜面が平坦な道となり、少し安心していると左手にケルンがあり、この場所を過ぎると更に急な斜面が待っていた。斜面を滑らないように慎重に下りて行くと木の間越しの展望を見て少し休憩を取る。更に5分程度下りると大きな岩を通り過ぎる。ここでようやく平坦な道に到着し安心する。

大岩を過ぎると緩やかな道となる

 大岩を過ぎると5分程度で中電の鉄塔に出会い、この付近で巡視路に入っていることが判った。更に3分程度で林道に到着、手前の木には嶽山50分の小さな標識が掛けてあった。この場所については後ほどおさらいをすることにして、林道を右(南)に取り、明るい方向に向かって下りて行く。すぐに舗装道となり、周囲には畑が広がっている。

林道に到着

 背後には嶽山と東ピークが美しい。ようやく下界からでも嶽山の位置が判別できるようになってきた。更に舗装道を下って行くと左手に市営光万寺墓地、反対側には周南市落迫配水池があり、登山口に到着、一周回りの縦走をする事ができた。東方面には永源山公園の風車が見えるが、出発時と変わっているのは風車が止まっていることだ。

嶽山山頂と東ピークを振り返る

 眼下の工場群の煙突からは相変わらず煙が上がっており、周囲に広がる街並みの風景は確実に夕暮れに向かっている。

 周南市落迫配水池先の登山口について

 富田西小学校の北門先から北に向かう舗装道を進んで行き、周南バイパスを横切る陸橋を渡る。道は左右に続いており、右の道に向かうとすぐに左上に向かうことになる。左右に墓地が広がるが、左手のお地蔵様と遺徳の碑を見てその先左側奥に「周南市水道局 落迫配水池」を見る。また、右手には「周南市営 光万寺墓地」と専用の駐車場がある。

周南市営 光万寺墓地から北方面に向かう

 更に左右に畑の広がる舗装道を北に向かい進んで行くが、一本道なので迷うことはない。北西方向山手には嶽山山頂と右側に東ピーク、その間には茶色の竹藪を確認することができる。左手に携帯電話のアンテナを過ごし、前方上に中電の鉄塔を見る。いずれこの鉄塔の下を通るが、鉄塔下よりの展望は無いので位置関係を確認しておくと良い。

林道が大きく左にカーブする場所の手前を左に入る

 舗装道を進むと樹木に覆われた林道の中に入って行く。左手に等間隔に植えられた檜林を見て進み、林道が大きく左にカーブする場所の手前を左に入ると嶽山への登山道となる。入口少し上には目印のテープ等もあり登山道はすぐに確認できると思われる。

 これから先はまず中電の巡視路を経由し、嶽山に至る登山道となっている。目印のテープ等がしっかりと張られているので道を間違えることなく、踏み跡も確かである。但し、急な斜面を登ることになるので焦らず登ることをお勧めする。

 前の山 岩屋山 を見る

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歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 新南陽 嶽山 登山口付近のMAP

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