足立山・小文字山2015年(あだちやま・こもじやま)福岡県北九州市

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2008年4月20日の戸ノ上山〜足立山登山を見る

2015年2月21日

妙見宮 →0:50→ 砲台山 →0:20→ 妙見宮上宮 →0:20→ 足立山

 →0:10→ 上宮分岐 →0:50→ 小文字山 →0:50→ 妙見宮

全歩行時間 3時間20分

登山行程図(地図をクリックすると拡大)

 山と渓谷社の分県シリーズ「福岡県の山」の登山を今年2015年1月に終了した。振り返ってみれば、最初に福岡県の山へ登ったのは2008年4月20日。北九州市の風師山から戸ノ上山を経由して足立山まで縦走した。とても明るい日で、初めての福岡県の山で、美しい風景に感動し続けたものである。福岡県の登山初日から約7年を経過して、再び最初に登った足立山へ向かうことにする。

足立山の山頂には霧がかかっている 忠霊鎮護之地の石碑が目印

 この足立山は文武の二忠臣、和気清麻呂公ゆかりの山で、日本三悪人の一人、弓削道鏡(ゆげのどうきょう)が皇位に就こうとした野望を阻止したのが清麻呂公である。登山口は小倉北区の足立山妙見宮(御祖神社)、大鳥居横に設置された妙見宮境内案内図によれば、妙見上宮までは80分、妙見山に祀られた上宮までが境内となっている。

足立山妙見宮・御祖神社 駒イノシシ

 鳥居を潜って階段を登り、登山前に御祖神社へ参拝しておく。上の段へ着くと狛犬ならぬ「駒イノシシ」が左右に置かれていた。この風景は昨年岡山県の和気アルプス(神ノ上山・和気富士)を周回した後に参拝した和気神社で眺めたものと同じである。境内の案内にはこのイノシシの故事が説明されている。

御祖神社へ参拝 登山口へ移動

 更に階段を登り御祖神社へ参拝、登山の無事などを祈願した後、足立山へ向けて出発する。駒イノシシの置かれた段へ戻り、進路を北へ採る。右に御祖神社(足立山妙見宮)由緒略記を眺め、石段を下れば右にきれいなトイレを過ごす。更に朱の灯籠の間につけられた石畳みを進むと、右(東)にイノシシの背中に乗った和気清麻呂公像が見えてくる。

企救自然歩道入口 イノシシに乗った和気清麻呂公

 手前右にはこのイノシシの故事の説明板、左には企救自然歩道(妙見山登山口)の案内が置かれ、足立山山頂までは所要時間80分と書かれている。まずは和気清麻呂公へご挨拶だが、前回お会いした時より左右に置かれた樹林の背丈が格段に伸びている。以前は正面から何の障害物もなくイノシシに乗った像を眺めた記憶だが、今回は木の葉越しの清麻呂公となっていた。

自然林の下を進む 補助ロープの渡された道

 足立山へ向かう登山道はこの像の後(南東)側に続いており、すぐに自然林に入る。背後には百万都市、北九州の市街が広がっているにもかかわらず、この一角はとても閑静なたたずまいである。赤土の目立つ登山道には木の根が張り出し、雨上がりにはスリップしそうな道だが、少し進むと擬木の階段も用意されており、滑りそうな所には補助のロープが設置されている。

山腹を折り返しながら高度を稼ぐ 岩の目立つ場所を越える

 やがて周囲の植生は自然林から植林帯へ変わり、山腹に続く道を折り返し、一気に高度を上げる。周囲の植生が自然林に戻れば、大岩の目立つ場所を幾度か乗り越え、頭上に尾根が近づくと、間もなく砲台山への分岐へ着く。ここでは足立山へ向かう前に砲台山へ立ち寄ることにする。

砲台山と足立山の分岐 鮮やかな赤土

 分岐を右折し西へ進路を採る。左に石垣を眺め、わずかに高度を上げれば、左側に大岩がそびえている。更に進み、鮮やかな色をした赤土の先に、広く平坦な砲台山が広がっている。東を眺めれば、足立山が大きく遠い印象である。日本海で巻き上げられた雨雲はこの足立山と西にそびえる妙見山に遮られ、山頂付近には霧が発生していることが多い。本日も山頂付近には霧がかかっており、すっきりした展望とは言いがたい。

平坦な砲台山山頂 妙見山と足立山(クリックで拡大)

 さて、砲台山の西側には反射板が設置されており、反射板先からの展望を確認するため、笹をかき分けて反射板の所まで行ったが、満足できる展望ではなかった。再び砲台山の山頂まで引き返し、南側に広がる展望と妙見山、足立山の勇姿を眺めて分岐まで引き返す。

反射板 反射板付近からの展望

 「至足立山・妙見山」の案内を確認して分岐を出発、進路を東へ採る。左にコンクリート施設の跡を過ごし、緩やかな傾斜の坂を進むと、南側に展望の開ける場所に着く。ただし、展望自体は霞みがちである。足下に岩の目立つ場所を過ごし、ヤセ尾根につけられた細い道を進む。

展望地 ヤセ尾根
分岐 分岐先の水場

 間もなく足立山へ向かって左上に折り返す場所へ着くが、直進方向へわずかに進んだところには、水場が用意されていた。妙見山の山頂にかなり近い場所だが、こんな高所でも清水が湧き出していることに驚く。さて、分岐を折り返し自然林の下につけられた道を辿れば、間もなく直進方向と右への分岐へ着く、この分岐を右折すれば足立山だが、その前に妙見宮の上宮へ参拝するため、分岐を直進する。

直進は上宮・右は足立山 上宮の大鳥居と狛犬

 歴史を感じさせる石段を登れば、左右に狛犬を過ごし、大鳥居を潜れば妙見宮上宮の境内に入る。コンクリート舗装の道を進んでいると奥に大きな石祠が祀られていることに気づく。この祠こそが上宮なのだろうが、祠へゆっくり向かっていると、祠の背後にそびえる大木群も含め、妙見山全体が上宮という方が正しいようだ。すぐに拝殿へ到着、上宮へ参拝した。妙見宮の祀られた妙見山は、落ち着いた神域という感じの山頂である。

妙見山全体が上宮 上宮へ参拝

 妙見宮上宮へ参拝したので次は足立山へ向かう。先ほどの分岐まで引き返し、企救自然歩道の案内を確認し、進路を東へ採る。もう足立山山頂までは400m、砥上山までは5.9kmである。足立山へ向かって最後の急登へ立ち向かう。整備された登山道には横木の階段が渡してあり、急な傾斜をゆっくり登る。

足立山と小文字山の分岐 足立山へ向かう急坂

 当日は福岡教育大学附属小倉中学校の生徒が足立山へ向かっており、賑やかな生徒の列の前後で急登を踏ん張る。急な斜面には補助のロープが渡されており、とても助かる。足立山まで残り200m地点を通過、坂の傾斜はわずかに緩むがこの先が最後の坂。横木の階段を登れば、足立山の山頂へ無事到着した。

間もなく山頂 足立山へ到着

霧により展望は望めない 防火帯の先も霧に覆われている

 山頂からは眼下に小倉市街の展望が広がっているものの、山頂付近に流れる霧のおかげで全体的に霞んでおり、この山が霧ヶ丘と称される意味がようやく理解できた。東へ続く防火帯も、遠くになるほど霞みがちである。大きな一等三角点の前で記念撮影、おなかがすいたので昼食を摂ろうとしたが、中学生が山頂のベンチなどを独占しているため、展望のみを確認して次の目的地の小文字山へ向かうことにした。

賑やかな山頂

晴れた日の足立山山頂

 急な斜面を引き返し、妙見宮への分岐を通過、進路を北へ採り妙見山の下につけられた歩道を進む。自然林の下で少し高度を下げると、刈り払われた防火帯に飛び出る。この先からは防火帯と樹林の下につけられた登山道の選択ができる。私は明るい防火帯を選択、明るい風景を眺めながらのんびり進む。

分岐から小文字山へ向かう 明るい防火帯を進む(クリックで拡大)

 時折足立山や足立山から戸ノ上山へ続く縦走路を眺めるが、高度の高いところは霧に覆われている。その中でも妙見山だけは時折霞が取れて、その山容を現すことがある。試しに樹林の下に続く登山道に入れば、こちらにも快適な道が続いており、間もなく足立山から1.1km、小文字山へ900m地点を過ごす。やがて登山道は防火帯から樹林の下に変わり、右に金網のフェンスを見ながらピークへ向かうことになる。

足立山から戸ノ上山への縦走路 樹林の下の登山道

フェンスを右に見る 妙見山は霧に包まれている

 間もなく休憩用のベンチの置かれた小ピークへ到着、背後に見える足立山は相変わらず霧に包まれているが、晴れていれば間違いなく素晴らしい展望だろう。なお、このピークの西側の樹林の中にも休憩用のベンチが用意されていた。丁度風よけになるので、ベンチに腰掛けおむすびをほおばる。その間に足立山の山頂にいた中学生がピークの前を通過した。

ベンチの置かれた休憩地 小倉市街

 昼食後ピークを出発、坂を登っていると西に小倉市街の展望が広がっている。左右を笹に囲まれた433mピークを通過、足下に庭園用の柘植などの木々が見えてくれば小文字山へ400m地点を通過、この先の右側には休憩用のベンチが設置されていた。

433mピーク 休憩地
小倉市街を見晴らす展望地 急な坂を下る

 ベンチを過ごし、少し坂を下ると眼下に小倉市街を見晴らす展望地に出た。久しぶりの展望に頬が緩むが、この先には急な斜面が待っており、慎重に坂を下る。ほんのわずかな間だが、町並みを見下ろしながら歩くのはとても気持ちが良い。西にアンテナの置かれた双耳峰の皿倉山を確認、岩の露出した斜面を下っていると、前方にようやく草原の小文字山が見えてきた。

小文字山の先に見える港 小文字山手前

 その先に広がる北九州工業地帯の風景も素晴らしく、次回は是非とも晴れた日にこの小文字山経由で足立山を目指したいものである。間もなく小文字山の山頂へ到着、眼下に広がる工業地帯の展望は素晴らしいの一言に尽きる。本日のような曇天にもかかわらず、眼下に広がる大都会の展望を眺めていれば、何の不満もない。

小文字山から眺める風景(クリックで拡大)

433mピーク 小文字山を下る

 標高わずか366mの小文字山から眺める展望を充分に堪能、背後には先ほどまで立っていた433mピーク、足立山は霧に隠れているが、その横には尖峰妙見山、平坦な尾根の先には砲台山が顔を出している。いつまで眺めていても見飽きない展望とはこのようなことを言うのだろう。それほどに感動的な風景を脳裏に記憶して小文字山から下山を開始する。

簡単な鎖場 ワイルドな登山道

 横木の階段を下って樹林の中に入り、岩や木の根の露出したワイルドな道を辿る。大岩の前には鎖も用意されており、簡単な鎖場を体験することもできる。整備された横木の階段を下れば、直進方向と左の分岐に着く。直進方向は小文字山登山口のメモリアルクロスまで400m、左は足立山森林公園なので、登山口の妙見宮へ向かって分岐を左折する。

妙見宮は分岐を左折(クリックで拡大) 遊歩道を左折(クリックで拡大)

 樹林帯の下につけられた歩道を下ればすぐに広い遊歩道へ出る。ここで進路を南(左)に採り、快適な遊歩道を道なりに進む。足下は竹チップ舗装なので、アスファルトとは違って衝撃が弱く快適に歩くことができる。やがて舗装道へ着くと、この入口には森のプロムナードと案内されていた。

森のプロムナード 舗装道へ出る(クリックで別角度)
皿倉山 歩いた稜線(クリックで拡大)

 もう登山口は間近で、眼下に小倉の市街地を眺めながら舗装道を進み、間もなく登山口の妙見宮へ着いた。再度妙見宮御祖神社へ参拝し、足立山の周回登山を終了した。その後、和気清麻呂公の足を治したと伝えられる霊泉を求めて湯川の水神社へ向かった。霊池では今でも霊泉が湧き出し、和気清麻呂公の故事を今に伝えているようだ。和気清麻呂公像の置かれた霊池を見学後、水神社へ参拝して足立山の故事を訪ねる旅は終了した。

湯川水神社 和気清麻呂公の足を立たせた霊泉

神社へ参拝 和気清麻呂公

 次は遅い昼食を採るためラーメンの店を求めて移動、「どとんこつの久留米ラーメン」という看板が気になり、魁龍という店へ入るとすごい豚骨臭。この店のスープは相当濃厚だという期待を持った。そこで魁龍ラーメンを注文したら期待以上に濃厚な豚骨スープ。山に登った後に食べるおいしいラーメンはたまらないおいしさである。

魁龍さんのどトンコツラーメン(魁龍ラーメン)

和気清麻呂公(2008年撮影)

砲台山

妙見宮上宮

足立山山頂

防火帯

小文字山から小倉市街の展望

 前の山 矢筈ヶ岳2015年 を見る

 次の山 楞厳寺山2015年 を見る

歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 福岡県北九州市 足立山 登山口付近のMAP

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