鎌倉寺山(かまくらじやま) 広島県広島市
2006年6月4日

登山開始 →9:10→ 岩場コース分岐 →9:42→ 穂高コースのヤセ尾根

 →10:00→ 南峰 →10:52→ 十畳岩 →11:18→ 槍ヶ峰

 →1:40→ 分岐の四差路 →12:13→ 鎌倉寺山山頂 →12:27→ 鎌倉寺山出発

 →13;13→ 槍ヶ峰 →13;32→ 十畳岩 →13;46→ 南峯

 →14:02→ ハイライトの岩尾根 →14;16→ 登山終了 →14:46

参考コースタイム

登山口 →0:35→ 岩場コース分岐 →0:10→ 岩尾根 →0:30→ 南峯

 →0:30→ 十畳岩 →0:20→ 槍ヶ峰 →0:30 → 分岐の四差路

 →0:15→ 鎌倉寺山 →0:20→ 槍ヶ峰 →0:15→ 十畳岩→ 0:15→ 南峰

 →0:15→ 岩尾根 →0:30→ 登山口

全歩行時間 4時間25分

 広島県央の山、本日は安佐北区の鎌倉寺山に向かうことにした。国道188号、国道2号を乗り継ぎ広島に入り、国道54号から県道37号を走り、JR芸備線に沿って進む。見覚えのある白木山が正面に見えてきたので白木山の登山口に向かうと、朝早い時間にも拘わらず、もう登山口にはたくさん車が駐車されており、登山者が山に向かう準備をしている。さすがに白木山が人気の山であることを実感した。

白木山の登山口には登山者がいっぱい 三篠川の側には鯉のぼり

 三篠川の側には鯉のぼりがたくさん泳いでおり、さわやかな風を感じることが出来た。更に県道を進んでいると、分岐点の志和口駅に近づいてきた。志和口駅前の白木小越の交差点を右折して県道46号に入り、鎌倉寺山の登山口に向かう。途中、神の倉山への道標の袂には古い道しるべがあり、向原村までの距離などが表示してあった。

 そのまま県道を南下し、白木小越の交差点から3km程度進んだ先の橋を渡ると広島市安佐北区と東広島市の市境があり、右手には「たんぽぽ」というラーメン屋が立っている。

市境の橋の手前の分岐を左折 市の境にはラーメン屋「たんぽぽ」

 鎌倉寺山の登山口に向かうには、まず市境の橋の手前の分岐を左折し牛若地区に入る。この分岐から150m入った右側に3台程度駐車できるスペースがあるので車を駐車することができる。

登山口は左側 「水源かん養保安林」の標識

 駐車地から更に50m進んだ先の左手に「水源かん養保安林」の標識が立っており、これが鎌倉寺山への登山口である。

 と・・・簡単に登山口が見つかったようだが実際にはこの登山口がなかなか判らず、牛若地区の集落奥まで入ったり、県道まで引き返し東広島市の方に向かったり、志和口方面に戻ったりで約50分のロスタイム、一時は鎌倉寺山に向かうのを諦め掛けたほど判り難い登山口である。

牛若地区の集落奥まで行って眺めた岩峰 登山口から入るとすぐに急な岩道

 「水源かん養保安林」の標識の横には本当に小さな登山口標識があり、ようやく登山口を判別することができた。登山口から山の中に入るとすぐにシダの道となり、最初から急な坂と大きな岩を見て、これから進む行程を想像し、ワクワクする。

 反対側の尾根に露岩が見え始めると早くあの場所に着きたいと、自然に足取りが速くなる。足下は滑りやすい道であるが、大きな岩を手と足を使ってよじ登るので不安感はない。10分も急な斜面を登っていると眼下には牛若地区の展望が広がってきた。

いったいどこを登るんだ? コッチダヨー!

 目の前には大きな岩が立ちふさがるように立っている。この岩をどう登るのか?と思っていると左側に道が続いているのが判り安心する。牛若地区方面には絶壁の岩が立ち、恐る恐る下を覗くと腰が引けるような展望だ。また、上の方を見ると露岩が待っているようだ。

眼下には三篠川が小さくなった 雨宿りが出来る広さの大岩

 登山路には目印のテープが張られており、岩を迂回する方向には矢印も書いてあるので迷うことはない。登山開始から30分で標高370m、岩場コースと普通コースの分岐に到着、標識には「ムリしないでネ」と書いてある。一気にここまで登ってきたので絶壁の岩にて小休止を取り、岩場コースに向かう。

岩場コースと普通コースの分岐標識 穂高コースと安全コースの標識

 上には大きな岩が立ち並び、見上げる度に感動する。足下には穂高コースと安全コースの説明図が落ちており、これから向かう岩場にワクワクする。右手から岩を巻いて登り、下を見てびっくり、眼下の展望に足が竦み思わず手に力が入る。

眼下は絶壁 足場はしっかりしている

 このドキドキ感はこんな絶壁でないと味わえない感覚である。もし手が滑ったら?・・・とか足がふらついたら?・・・と考えるとハラハラ、ドキドキの絶壁も楽しい場所である。

穂高コースの絶壁から眼下を眺める 更に急な岩場を登って行く

穂高コースから西方面の展望

 この穂高コースの絶壁を歩くことがうれしくて少し歩いては足下を見る。岩と岩の間をくぐり抜け。その先のヤセ尾根の中を歩いて行く。最後のヤセ尾根を越えると安全コースの登山路と合流するのだが、最後の岩が狭くてこの付近で撤退し、安全コースに戻ることにした。

岩場を登のが楽しい ヤセ尾根を振り返る

 その間に一組のパーティーがヤセ尾根の付近で休憩していた。お話を聞くと、志和口の駅から歩いて登って来たそうで、遅咲きのシャクナゲを見に来たと言うことだった。山頂までの距離を聞くと「まだまだずーと先」と言うことなので先を急ごうとしたが、「まあゆっくり」とお抹茶を勧められたので頂くことにした。

見上げるほどの岩場にも巻道がある 登ってきた尾根を見下ろす

 お抹茶をゆっくりと頂き、先に向かうことにした。急な斜面を手と足の共同作業により登って行くと大きな岩を目の前に見る。この岩をどこから登って行こうかと見ていると、左側に登る道を見つけた。狭い岩道を確認しながら登って行くと岩の上に松の立っている場所に到着、眼下には登ってきた尾根が広がり目の前にはピークが迫ってきている。

ピークに到着 急な岩場を下りることになる

 ピークに向かうと眼下にはロープが渡してあることに気がつく。ここで先ほど出会ったパーティーが追いついてきたので道を譲る。周囲の展望を楽しみロープを伝わって下りていると、わざわざロープを使わなくても、少し度胸が必要だが、まっすぐ牛若地区方面を見て岩を巻きながら下りられることが判った。

岩場をロープの助けを借りて下る マメヅタラン

 更に次のロープを伝わって下りていると、先行者から珍しい「マメヅタラン」があると教えられたので周囲を見てみるとかわいい黄色の花を見つけた。この花は本当に珍しい花らしい。ロープの途中の岩場にてかわいい花を観賞し、更にピークから下りて行く。

急な岩場を見上げる 先ほどのピークを振り返る

 岩場を下りて上を見上げるとこんな急な岩場を下りてきたのかと思うくらいの斜面なのがとても嬉しい。再び青葉の中の岩場をよじ登って行くと、背後には先ほどの岩場のピークが広がってきた。岩場のピークの下からは5分で標高474mのピーク、南峰に到着した。南峰には大きな石碑のような物が立っており、南峰の標識も掛けてあった。

南峰の石碑 四角い岩

 すぐに南峰を出発し、岩場を下て行くと道の真ん中に石碑のような四角い岩を過ごし、少し先には展望の岩を見つける。(と言ってもこの付近ではどの岩も展望の岩なんだが)この岩から前方に山頂の尖った山を見ることが出来た。おー、ようやく目指す山頂だ・・・・と大喜び(実際には槍ヶ峰だった)。背後の眼下にはこれまでに過ごしてきた岩場が広がっており、よくここまで来たものだとますます嬉しくなってくる。

槍ヶ峰だ! 眼下に志和口の町並み

 岩場を下りて槍ヶ峰に向かう。槍ヶ峰は近づくに従って綺麗な山容となり、見上げるたびに楽しくなる。小ピークを迎えると、進行方向左側(北西方向)には、志和口の町並みが広がっており眼下の関川が三篠川に合流していることが判る。

ピークから下りて行く 岩場を登り返す

 再び小ピークから岩道に下りて行くと、進行方向右手(南東方面)には牛若地区ののどかな田園風景が続いている。岩場とのどかな展望を楽しみながらの岩道は時間を忘れさせてくれる。岩道の先には段差のある場所もあり、大抵はロープが渡されているので困ることはない。

牛若地区の展望

急な岩場を直登する 背後には南峰が美しい

 前方を見上げるといよいよ大きなピークに向かうことが判る。急な岩場にいったん怯むが、これが最後の急斜面、最後は岩場を直登するのだ!・・と岩場に立ち向かう。慎重に足場を選びながら三点確保の要領にて少しずつ高度を上げて行く。

 岩場の途中で足下と背後の展望を確かめることが無上の喜びとなっている。肝を冷やしながら登って行くのがとても嬉しく癖になりそうなシーンである。着いたところは大きな十畳岩が座っている広いピークだ。

この岩場を登ってきた 十畳岩の上にて休憩

 大きな十畳岩に座り目の前の槍ヶ峰を見上げる。もう少しであの山に着くことができる・・・、と感慨深く槍ヶ峰を見上げていた(まだこの時点でも槍ヶ峰を鎌倉寺山と思い込んでいた)。

 背後に広がる南峰も離れて行くに従ってますます美しい山容に変わって行き、この十畳岩から眺める槍ヶ峰と南峰の姿をこの先忘れることはないだろう。前を見ても後ろを見ても感激の景色・展望が広がっている。一つピークを越えればまた次のピークが待っている。一つピークを越えるたびに次の感動を味わうことが出来る。しばらく十畳岩にて休憩後、槍ヶ峰を目指し岩場を下りて行く。

三点確保で登って行く もう少しで槍ヶ峰だ

 すぐに大きな岩を下りることになるがロープが途中から切れており、下りるのに少し難渋したが大丈夫、5分も下りれば鞍部に到着、背後を振り返れば先程まで座っていた十畳岩の後に南峰を見ることが出来る。

切り立った岩が見える 岩と松

 さあいよいよ厳しい岩場の登りに立ち向かう。気合いを入れて鞍部を出発、緑の中の岩場を三点確保にて一気に高度を上げて行く。切り立った岩を構わず直登して行くととても危険な場所に出る。

岩の壁を直登する 登ってきた岩場を見る

 足下にも切り立った岩が見えてきており、少し岩を巻いて迂回する。すぐ目の前には再び岩の壁が立ちふさがってきた。もう最後の岩場だろうとこの壁を真っ直ぐに登って行く。この山に入り、岩場を登ってきたことで、岩をよじ登るのが格段にうまくなったような気がする。

槍ヶ峰の標識 いよいよ鎌倉寺山が見えてきた

 先程の鞍部から登ること15分で537mの槍ヶ峰山頂に到着、思わずあれ・・? まだ先があるの?・・。山頂じゃないのかあー・・・。ということはまだまだ楽しめるのだ。すぐに槍ヶ峰を出発、眼下の森の中に下りて行く。

 この付近には樹木の茂っている場所もあるが、その下にはちゃんと岩やゴロ石が転がっている。すぐに岩の道が続き、岩の上をアスレチックみたいに快適に進んで行く。眼下の志和口の風景は山頂に近づくに従って角度を変えているようだ。この先の岩道では1カ所ものすごく細い岩道があり、右側は絶壁なので体重を左側に掛けながら足下に注意して進む事になる。

細い岩道を下る 綺麗なツツジ

 周辺には綺麗なツツジがたくさん咲いており、ようやく華やかな登山道になった気がする。更に岩道を下っているとようやく鞍部に到着、まだまだ山頂は先なのかなあと樹林の中の左手を見るとピンク色の花が咲いている。

 これはシャクナゲだ、もう鎌倉寺山の山頂は近いと確信、岩道を一気に登ろうとするがこれまでの行程により、少し足が重たくなっている。楽しい岩場はまだまだ続いており、手と足の四本足で立ちふさがる岩を越えて行く。岩にはこれから向かう方向が書いてあり、迷うことなく高度を上げて行く。

シャクナゲと対面 岩場が続く

 ようやく平坦な道に着いたと思ったら、下りの道となり、その先には鎌倉寺山の道標が立つ四差路となっていた。真っ直ぐ行けば鎌倉寺山、右に降れば牛若地区、左に下りればキャンプ場への道のようだ。いよいよ本当に鎌倉寺山山頂への道を登ることが出来る。ここまで来て足がだんだん上がらなくなっている。

向かう方向に矢印がある 鎌倉寺山の標識

 急な坂を上って行くと左手に大きな岩が座っている。疲れた足を休めるためこの大岩に座り込んで小休止、もう山頂は間近なのが判る。大岩を後にして少し進むと倒木帯があり、ここから左手に進めば山頂が待っているのだが、まずは鎌倉寺の跡を散策したくて平坦道を進む。

鎌倉寺の石仏と対面 お参りをする

 少し進むと、まず左手に五輪塔が立ち、周囲に石仏を見ることが出来た。早速石仏に本日の登山の無事を感謝しお参りをする。さあ山頂に向かおう、石仏を左に見て細い道を登って行く。すぐに正面には綺麗なシャクナゲが咲いていた。

 ああ、とうとう鎌倉寺山の山頂に到着した、周囲にはシャクナゲが満開のようだ。先行していた三人組はシャクナゲを観賞しながら昼食を取っていたので、横に座り一緒に昼食を取ることにした。

鎌倉寺山山頂に到着 シャクナゲを見ながら昼食を取る

 本日は時間もたっぷりあるので、久しぶりにコーヒーを沸かして飲むことにする。綺麗な花を観賞しながら取る昼食も、熱いコーヒーもとても美味しい。山頂で話す話題は、自然と山の話をすることになるのだが、この人たちは季節の花を求めて山を散策しているそうだ。

鎌倉寺山のシャクナゲを観賞する

 昼食後は山頂周辺のシャクナゲをしっかりと観賞し、沢山の写真を撮る。山頂での展望は望めないがこれだけの花が咲いていれば充分にすばらしい。しっかりとシャクナゲを鑑賞したので下山を開始することにした。

 三人の方に下山道について聞くと、今回駐車した場所に向かって下りるには、先ほどの分岐を牛若地区に向かって下りると牛若地区の車道に降り立ち、安全に元の駐車地まで降りることが出来る。キャンプ場の方に下りた場合、駐車地までの県道は狭く、車の往来が激しいので危険だと注意を受けた。お礼を述べてこの方達と別れる。三人はもう少し先の方を散策すると言うことだった。

 鎌倉寺山山頂を出発して下山の分岐に向かい、牛若地区に足を踏み入れて一思案、このまま牛若地区に向かって下りる方が時間も早く楽々ではあるが、こんなに楽しい岩尾根にはそうそうお目のかかることは無いだろうし、この先鎌倉寺山に来るとしても当分先になりそうだ。

 みすみすこんな楽しい場所を迂回して帰るなんて勿体ない。岩尾根を引き返すことにした。

 分岐を出発、岩尾根に立ち向かってゆく。岩場をよじ登っている自分の姿を想像して楽しくなる。今日は綺麗なシャクナゲを観賞、大好きな岩場三昧の登山に感激、休むことなく岩尾根のアップダウンを続ける。時計を見ると午後1時半、もうすぐ槍ヶ峰に向かう場所にて10名程度の登山者とすれ違う。この後も更に10名程度の登山者と出会い、この山が本当に人気のある山であることを実感した。

槍ヶ峰 十畳岩

 すぐに槍ヶ峰に到着、ここでは2名の登山者が休憩中であった。休む間もなく槍ヶ峰を出発、十畳岩、南峰を経て再びマメヅタランを鑑賞、その上の岩によじ登ると2人の登山者がギブアップ!と言ってビールを飲んでいた。

南峰 細い岩道

 このピークを下りハイライトの穂高コースの岩尾根を感慨深く眺めた後、安全コースを取り下りて行く。この先からはもう安全な道となるが、それでも慎重に足場を選びながら下りて行き、鎌倉寺山からはほとんど休憩になしに登山口まで歩き続けることができた。

ハイライトの岩尾根 岩の中のツツジ

 また、この間全く疲労感なしに下りることが出来たので、これは大きな自信となりそうだ。最後に牛若地区から見上げる岩尾根が素晴らしかった。美味しい水が流れていたのでペットボトルに詰めて帰ることにした。

絶壁の眼下に広がる展望

岩尾根

槍ヶ峰

槍ヶ峰手前

しゃなげの花

 前の山 雲月山 を見る

 次の山 鷹ノ巣山 を見る

歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 広島市 鎌倉寺山 登山口付近のMAP

登山リスト(あいうえお順)に戻る

登った山のリストに戻る

トップに戻る