塔ノ岳・丹沢山(とうのたけ・たんざわやま)神奈川県秦野市・清川村他

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2014年5月24日

登山口 →0:40→ 雑事場の平 →0:35→ 駒止茶屋 →1:00→ 花立山荘

 →0:30→ 塔ノ岳山頂 →0:40→ 竜ヶ馬場 →0:20→ 丹沢山 →0:10→ 竜ヶ馬場

 →0:30→ 塔ノ岳 →0:25→ 花立山荘 →0:35→ 駒止茶屋 →0:20→ 雑事場の平

 →0:05→ 大観望 →0:30→ 登山口

全歩行時間 6時間20分

登山行程図(地図をクリックすると拡大)

 神奈川県の北西部に広がる丹沢山地は、山梨県と静岡県にもまたがり、東西およそ40kmに渡って連なっている。この山地にそびえる丹沢山は標高1,567mの山で、一等三角点が置かれている。なお、深田久哉の取り上げた丹沢山は、この山塊中の一峰ではなく、全体としての立派さからであると、その著書に記している。

 このように丹沢山は、丹沢中央部に連なる山々の総称といわれており、これらの山々を走破するには数日の日程がかかる。従って遠方から丹沢山を目指す場合、その登山計画が重要であり、できれば最短距離で、丹沢山の一番きれいなところを眺めておきたい。そこで今回計画したのは、展望の素晴らしい塔ノ岳と丹沢の名前を頂いた丹沢山の両方の山頂を目指すものである。

渋沢駅前からバスに乗り込む 登山口の秦野ビジターセンター

 早朝JR平塚駅から小田原駅へ移動、小田原駅からは小田急線に乗り換え、渋沢駅へ向かう。渋沢駅で電車を降りると、今日は登山者が多いせいか、通常の始発は6時48分発だが、10分以上前に臨時便は出発、登山口の秦野ビジターセンターへは7時前に着くことができた。

案内に従い舗装道を進む 丹沢大山国定公園の案内(クリックで拡大)

 塔ノ岳への案内に従い、すぐビジターセンターを出発、舗装道を北へ向かう。やがて右に丹沢大山国定公園の案内を過ごすと、塔ノ岳へ6.4kmの案内が立っている。なお、この地点からバス停までは0.6kmと案内されており、バス停から塔ノ岳までは丁度7kmの距離である。

植林帯の下に続く道 観音茶屋(クリックで下山時の風景)

 周囲に植林帯を眺めながら緩やかな傾斜の道に入る。なお、このあたりにはヤマヒルが多いと注意されている。足下は舗装道から未舗装道に変わり、小石混じりの道となる。少々歩き難く感じるが、このような道は長く続かない。少し進むと遊歩道のように整備された道に変わり、とても歩きやすくなる。

大観望の分岐(クリックで案内) 清水の場所

 間もなく観音茶屋の前を過ごすが、時刻は午前7時半なので、まだ空いていない。この地点は塔ノ岳へ5.4km、大倉バス停からは1.6km地点である。植林帯の下、ジグザグを描きながら高度を上げると、直進方向に「大観望へ500m」と案内されている。この道を採れば、「大倉高原山の家」経由で塔ノ岳へ着くようだが、ここでは右方向の近道を採り、大観望には下山時に立ち寄ることにする。

雑事場の平(クリックで案内) 見晴茶屋(クリックで展望)

 緩やかな傾斜の道を辿っていると、足下には清水の湧き出す場所があり、お賽銭も置かれているので、神聖な清水なのかも知れない。間もなく大観望を経由する道と合流すれば、この地点が「雑事場の平」といわれる場所である。ベンチの置かれた平坦な場所を出発、明るい木漏れ日を感じながら平坦な道を進むと、前方には見晴茶屋が建っている。

岩の目立つ道 木道

 市街地を見晴らす展望地に建つ見晴らし茶屋は、小休止を採るのに一番の場所である。見晴茶屋を過ごせば、足下に大小の岩が目立ち、足場を選びながら高度を上げる。尾根道につけられた横木の階段を辿り、一気に高度を上げると、頭上には新緑が朝日に照らされて映えている。

ベンチの置かれた休憩所 植林帯につけられた道

 木道の整備された道を進むと、周囲に紅葉が目立ち、秋の紅葉シーズンには堪えられない美しい風景が広がることだろう。やがて塔ノ岳へ4km地点の一本松を過ごすが、一本松がどこにあるかはわからない。このあたりで少し坂の傾斜が緩み、ベンチの置かれた休憩地を過ごす。

木漏れ日差す登山道 駒止茶屋

 右植林帯、左自然林と明確に区分された植生を眺めながら、緩やかな傾斜の道を進むと、頭上は植林帯に変わり、足下が横木の階段に変われば、坂の傾斜がきつくなる。やがて駒止茶屋を通過、整備された木道を辿り、右側の展望が開けてくると、向かいの山に見えている建物がとても気になる。

遠くに尾根を眺める 堀山の家

 この先で塔ノ岳へ2.8kmの案内を過ごし、平坦な尾根道を進む。間もなく「堀山の家」を通過、ここまで来ればもう塔ノ岳まで2.3kmとなっている。堀山の家を過ごすと坂の傾斜はきつくなり、足下には石や岩が目立ち始める。西には山頂に雪を頂いた富士山の展望が広がり、美しい山容に思わず足が止まる。

この日初めて眺める富士山 階段を登り高度を上げる

眼下に広がる山並みと富士山(クリックで拡大)

 階段状の道を慎重に高度を上げ、塔ノ岳まで1.8km地点を通過すれば、今まで頭上を覆っていた樹林が切れて青空が顔を出した。足下に木道が現れ、休憩用のベンチなどを過ごす。この先より木の根の張り出す道を過ごし、足下が岩や石の点在する道にかわれば、再び富士山の展望が広がる。眼下に広がる展望が素晴らしく、思わず立ち止まる。

階段先の休憩地 富士山がはっきり見える

 周囲に広がる展望に満足。本日は少々霞気味の展望だが、それでも充分に満足できる展望である。新緑の広がる展望を眺めながら少しずつ高度を上げ、間もなく花立山荘へ到着した。山荘からは富士山が向かいの山裾に広がり、反対側には大山がそびえている。眼下に市街地の広がる素晴らしい展望地なので、ベンチに腰掛けてゆっくり休憩する。

長く急な階段 花立山荘

大山には雲がかかっている バイオトイレ

 この山莊ではかき氷を販売しているので、ほてった体を冷やすため食べてみた。冷たい氷が気持ちよく、これからのシーズンにはこの氷が一番のごちそうである。少し雲のかかる大山を眺めて、花立山荘を出発、すぐ左にバイオトイレを過ごす。花立山荘から少し高度を上げれば、富士山、市街地、大山と周囲を見晴らす展望地に出る。

山荘上の展望地(クリックで大山の展望) 遠くに塔ノ岳
ピンクのツツジ 金冷の分岐(クリックで案内)

 もう塔ノ岳へは800m、展望広がる場所を通過し、崩落地につけられた仮設の階段を下る。少し登り返せば金冷の分岐を右折、この地点から塔ノ岳へは600m、鍋割山へは2.2kmと案内されている。ツツジなどを眺めながら進むと、前方に塔ノ岳の山頂が見えてきた。もう山頂まではわずかとなり、気がはやる。

まもなく塔ノ岳山頂 山頂手前の階段
塔ノ岳山頂 塔ノ岳から眺める富士山

塔ノ岳から眺める富士山(クリックで拡大)

 山頂へ続く木道の階段を辿り、着実に高度を上げれば、尊仏山荘の建つ塔ノ岳山頂へ到着した。広く平坦な山頂からは西に富士山が美しく、東には名峰大山がそびえている。快晴の素晴らしい展望に感動を覚えながら小休止。登山口からの標高差は1200m以上、山頂まで至る達成感はひとしおである。さて、本日の目的地はこの塔ノ岳だけではなく日本百名山の丹沢山である。

大山 尊仏山莊

 尊仏山莊の左側から「丹沢山へ2.6km」の案内に従い、更に縦走を続ける。坂を下る途中、前方には丹沢山の山頂部が顔を出している。また、その左には蛭ヶ岳へ続く稜線が見えているようだ。尾根道にはシロヤシオが満開で、明るい日差しに透明感のある白い花が映えている。

丹沢山へ向けて出発 丹沢山へ向かう稜線

丹沢の山々(クリックで拡大)

シロヤシオ(クリックで拡大) 富士山(クリックで拡大)

 西には相変わらず富士山が顔を見ているが、少しずつ周囲に雲が増えている。尾根道を辿っていると、崩落地の鞍部を過ごし、登り返す付近ではシロヤシオが群生している。明るい尾根道に建つ案内に丹沢山へ1.8kmを確認、少しずつ百名山の山頂へ近づいている。

竜ヶ馬場から大山方面 塔ノ岳を振り返る

 尾根道のピークを過ごし、周囲に広がる展望を眺めるのも楽しい作業である。アップダウンを繰り返しながら木道の整備された道を辿る。やがて展望広がる竜ヶ馬場を通過、背後に塔ノ岳、東に大山の展望を眺めながら小休止を取る。ここにはベンチなども整備されているので休憩するには一番の場所である。

これから向かう稜線 休憩地

 左右に笹の茂る道を進み、西には富士山を眺める。眼下には岩の目立つ沢が見えており、周囲の新緑も相まって美しい風景が広がっている。木道が終われば山頂まで100mの案内を過ごし、わずかな傾斜を登ると最初に見えてくるのは太陽光の発電施設。この施設を過ごすと手前に置かれているのが丹沢山の一等三角点、その先には清川村により設置された日本百名山の標識が立っている。

眼下に岩の目立つ谷が見える 丹沢山山頂

広い山頂広場 みやま山荘

丹沢山の風景(クリックで拡大)

 丹沢山の山頂から西には富士山がそびえ、広く平坦な山頂には大勢の登山者が休憩している。丹沢山の山頂からの展望は、周囲を木々が覆っているためすっきりした展望とは言いがたいが、富士山が見えるだけでも素晴らしいものである。丁度12時を過ぎたところなのでおむすびをほおばり昼食とする。

丹沢山から眺める富士山 丹沢山から眺める塔ノ岳

 丹沢山から先の蛭ヶ岳へは2.5km、本日の登山予定はこの丹沢山で終了とし、下山を開始する。明るい山頂を出発し元来た道を引き返す。下山の最中には、竜ヶ馬場で大山と塔ノ岳の展望を眺める。午後になってこの方面の展望がぐんと広がり、午前中は雲に覆われていた大山はその美しい山容を惜しげも無く見せている。

大山 塔ノ岳

大山と塔ノ岳の風景(クリックで拡大)

 更にシロヤシオの群生地を鑑賞し、塔ノ岳まで引き返す。尊仏山莊前には相変わらず大勢の登山者が休憩しており、周囲に広がる展望は午前中と変わらず美しい。大山と富士山の展望を眺めて塔ノ岳山頂を出発、途中に咲くツツジを眺め、坂を下る。

塔ノ岳山頂 塔ノ岳を出発

 塔ノ岳から800m下った花立山荘上の展望地で小休止、この展望地から眺める大山、眼下に広がる市街地、西にそびえる富士山、北にそびえる塔ノ岳とここから眺める風景は一番印象に残るものである。後は登山口まで標高差1200mを下るのみだが、標高差の大きい山は下るのにも時間のかかるものである。

眼下に市街地 バックは大山

展望地から市街地の風景(クリックで拡大)

展望地から大山と市街地の風景(クリックで拡大)

 下山途中で大観望の案内に従い、分岐を直進する。するとこの先にキャンプ場があり、少し下ったところには「大倉高原の家」が建っている。この付近からは眼下に市街地が広がっており、これが大観望といわれる景色と思われる。ここには高原の名水が引いてあり、名水は20円で頂くことができる。

大観望へ 展望地から市街地の風景

 ここでおいしい名水を頂き更に下山を続けるとすぐに先ほど分かれた道と合流する。そのまま坂を下れば、午後4時前に登山口の秦野ビジターセンターへ到着した。久しぶりに標高差千メーター越えの登山だったが、全く疲労感は無かった。

市街地

富士山

塔ノ岳山頂

丹沢山系

シロヤシオ

大山

丹沢山

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歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 神奈川県清川村 丹沢山 登山口付近のMAP

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