鬣山(たてがみやま)・砲台山(ほうだいやま) 山口県周南市

2005年9月25日(日曜日)

鬣(たてがみ)山・砲台山(大津山)縦走

登山口 大津島(おおづしま)馬島港

ガイド本 金光康資著 防長山野へのいざない

全行程

大津島到着 → 10:46 → 「回天」発射訓練基地跡到着 → 11:00

  → 鬣山登山口(入口公園)出発 → 11:14 → → 鬣山到着 → 11:31 

→ 鬣山出発 → 11:49 → 海岸線到着 → 12:05 → 砲台山分岐到着 → 12:20

 → 砲台山到着 → 12:53 → 砲台山出発 → 13:23

 → 砲台山分岐到着 → 13:58 → 回天記念館到着 → 14:19

参考コースタイム

大津島到着 → 0:14 → 「回天」発射訓練基地跡到着 → 0:14

 → 鬣山登山口(入口公園)出発 → 0:17 → 鬣山到着 → 0:18

 → 鬣山出発 → 0:16 → 海岸線到着 → 0:15 → 砲台山分岐到着 → 0:33

  → 砲台山到着 → 0:30 → 砲台山出発 → 0:35

 → 砲台山分岐到着 → 0:21 → 回天記念館到着 

所要時間数 3:33

 朝起きると風が冷たく、どうやら秋の風の予感。二日前の下関遠征による疲れも取れてきたので旧徳山市の大津島、鬣(たてがみ)山・砲台山(大津山)の縦走を予定する。先日大星さんに頂いた地図と大津島の案内図をじっくりと研究してこれから向かう島の風景を思い浮かべる。

 徳山港を10時に出発するフェリー新大津島に乗るため、8時過ぎに柳井を出発する。フェリーの待合室に行き往復1,220円の切符を買っていると関連会社のIさん夫婦と出会いびっくり!。Iさん夫婦は回天記念館等の観光に向かうそうだ。

フェリー新大津島に乗り込む 徳山港を出発

 

 定刻10時にフェリー新大津島は徳山港を出発した。白い波を残してフェリーは進んで行き、西方面を見ると四熊ヶ岳がはっきりと見え、東には太華山が聳えている。海上から見る山々も素晴らしい。客室から外に出て周囲の素晴らしい風景を楽しむ。徳山港から30分弱で大津島の刈尾港に到着する。

四熊ヶ岳方面 砲台山

 馬島港から?やってきた巡航船「回天」も同じ港に到着した。巡航船「回天」は動きが早く、あっという間に刈尾港を出発した。一方フェリーはゆっくりと港を出発し更に15分程度の時間を要して午前10時46分、大津島の馬島港に到着した。馬島港に着く間、鬣山と砲台山の位置を舟の上から確認しようとするが、初めての場所なのではっきりと山頂の場所を特定することができないままの上陸となった。

鬣山全景 大津島上陸

 大津島に到着後、Iさん夫婦と大津島の観光案内図を見てこれからの行程を計画する。まずは真っ直ぐに人間魚雷「回天」発射訓練基地跡に向かう。Iさん夫婦は最初に回天記念館を見学する事に決めたようだ。

岩をくり抜いたトンネル トンネルの中に入る

 左に大津島公園を見て進むとその先には岩をくり抜いたトンネルが待っている。回天を乗せたトロッコが通ったトンネルらしい。全長247mの長いトンネルを抜けて行くと異様に明るい回天発射訓練基地に着く。回天に乗り込む際、若者達が最後に見た風景が目の前に広がっていると思うとやはり感傷的な気持ちになる。

人間魚雷「回天」発射訓練基地跡

 回天の説明版をじっくりと読んで訓練基地跡を出発する。トンネルを抜けて出た先の分岐を左折して坂道を登って行き、突き当たりを右折した場所には地獄の石段と呼ばれる階段が残っていた。

地獄の石段と呼ばれる階段

 そのまま整備された坂を登って行くと大津島公園遊歩道展望広場案内図があり、これから進む鬣山方面の行程を頭に思い描く。既に大津島に上陸して30分、案内版を左折して入口広場を通り抜けると山道に入る。すぐに山頂まで600m標識の「頑張らんにゃあのう」の激励を受ける。

 整備された横木の階段道を登って行く。明るい道をジグザグに高度を上げて行くと100m毎に大津島観光協会の皆様の手による標識が立てかけてあり、山口弁での応援が続く。山頂への階段を右に過ごして真っ直ぐに進むと旧軍事施設の回天見晴台が建っている。周囲の木々の背が高くなっているため展望は少し残念な状況だ。

階段が続く 回天見晴台

 来た道を引き返し、山頂に続く階段を登って行くとすぐに整備された山頂広場があり、もう一段高い場所に美しい「未来の風」のモニュメントが立っている。モニュメントはどういう構造なのか分からないが、爽やかな秋の風に吹かれて動いているように感じる。山頂から周囲を見回すと東方面の展望が特に開けており、太華山が美しい。南西方面にも展望はあるものの見えるのは木の間越しの海ばかりで変化には乏しい気がした。

山頂からの展望

「未来の風」のモニュメント

動くモニュメント 広い山頂広場

 山頂の風は爽やかで日射しは強いもののとても気持ちが良い。展望を楽しんだ後、下山を開始する。階段道をゆっくりと降りて行き12分で先程の案内版に着く。坂道を左に登って行けば回天記念館だが、先に砲台山を目指す。坂道を降りて行き分岐を左に取り、地道を歩くとすぐに海岸線の舗装道と合流する。海岸線では風が吹いており、とても気持ちが良い。

海岸線を進む 観音様へ400mの標識

 天ヶ浦集落の側を通り抜け、緩やかな左カーブの坂道を進んで行くと左手に水場とお地蔵様が待っている。美味しい水を頂いて元気になり、再び歩き始めるとすぐに左上に向かう分岐に到着する。海岸線に出てからここまで15分、「大津島砲台跡入口(砲台山)これより2kmです」の道標を確認し、左の分岐に入るとすぐに斎場を正面に見る。

天ヶ浦集落を過ぎる 水場とお地蔵様

 舗装道は斎場の手前を右に向き、緩やかな坂道が続く。右手に三角錐のピラミッド状の岩を確認、その先には「ここまで500m」標識を見る。更に木漏れ日の中をゆっくりと進んで行くと前方に小高い山を見る。砲台山への分岐から18分、ここまで真っ直ぐ北に向かって歩いていたが方向を180゜変えて南に向かって進むことになる。

左の道に入る 三角錐のピラミッド状の岩
カーブ先を180度旋回 道の両側に広がる竹藪

 両側には竹藪が広がり、背の高い竹藪に空を遮られ、木漏れ日の中の幻想的な景色が目の前に広がっている。竹藪を抜け明るい道に出ると、分岐に入って「1500m標識」を右に見る。更に10分歩くと兵舎跡に到着、ここまで舗装道を続いていたが、ようやく山道に入り「高射砲台跡地これより150m上」標識に従って坂道を進んで行く。

兵舎跡に到着 兵舎跡を過ぎて坂道を登る

 薮の中の左手に指揮所跡を見つけ、その先右側には砲台跡が残っている。正面には大津島砲台の説明版が立っていたのでじっくりと説明文を読む。山頂は平らで、前方にも砲台跡が残っている。この時期は夏草が生い茂っており、登山時期としては少し早かったのかも知れない。山頂からは南西の野島方面、東には太華山方面の展望が美しい。素晴らしい展望を肴に遅い昼食を取る。美味しい珈琲を飲んで至福の時を過ごした後、少し下の兵舎跡の広場に戻る。広い兵舎跡からの展望を楽しんだ後下山を開始する。

指揮所跡 砲台跡
東方面の展望 南西方面の展望

 下山途中の北西方面には防府市の大平山を見ることができた。再び両側に竹の茂る舗装道をゆっくりと降りて行き、兵舎跡からは30分で海岸線の道路に到着した。少し先のお地蔵様の前の道路に座り込み、冷たい水を頂き休憩を取る。秋の風を感じながら前方に広がる徳山湾の風景を見ながら休憩し、疲れが取れたので回転記念館に向かって出発をする。

防府市大平山方面 島を眺める

 海岸線を引き返し、鬣山から下りて来た道を戻って行く。そのまま坂を戻って行くと鬣山への分岐に着く。道なりに進むと右手に無料休憩所「養浩館」を過ごした先に回天記念館が建っていた。本日の登山終了点はこの回天記念館とする。

人間魚雷回天の実物大模型 回天慰霊碑に参拝

 記念館の右手には人間魚雷回天の実物大模型が展示してあり、全長14.75mに改めてびっくりした。想像していた以上の長さだった。

 正面の回天慰霊碑に参拝し、記念館を見学した。記念館の中には回天の歴史と戦争の悲惨さを伝える資料、若くして戦地に散った若者達の遺書等が展示してあり、涙を禁じ得なかった。 

回天記念館 大津島を離れる

 平成18年1月より、やはり回天の基地のあった熊毛郡平生町の阿多田交流館前に、横山秀夫氏原作の映画「出口のない海」で使われた実物大の回天が設置されている。こちらは航路と違って天候による交通事情の影響が少ないので、興味のある方は見学をされたい。阿多田交流館内には元隊員の遺品や遺墨などが展示されているので併せて見学することをお勧めする。

発射訓練跡

砲台山からの展望

山頂のモニュメント

水場とお地蔵様

砲台跡

兵舎跡からの展望

回天模型

回天慰霊碑

 前の山 火の山・霊鷲山 を見る

 次の山 小吹山・大滝・大谷山 を見る

歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 鬣山 登山口付近のMAP

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