天保山(てんぽうざん)大阪府大阪市港区

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2013年5月23日

大阪港駅1番出口 →0:12→ 天保山山頂 →0:12→ 大阪港駅1番入口

全歩行時間 0時間24分

登山行程図(地図をクリックすると拡大)

 今回は、日本一低い山と言われている大阪市の天保山へ登ってみる。天保山の登山口である大阪港駅へ向かうには、新大阪で新幹線を下りて地下鉄御堂筋線に乗り換える。次に本町で中央線へ乗り換えるが、地下鉄の乗り換えの接続距離はとても長い。中央線に乗り換え大阪港で下車、1番または2番出口で下りる。

大阪港駅 1番出口

 当日はとても晴れており、日差しがとても強い。出口から北へ向かうとすぐに天保山交差点へ着く。前方にとても高く大きな観覧車が見えている。一体ここはどこ?と思っていると、なんと海遊館だった。この先を道なりに右折すると、正面に天保山公園が見えてくる。

海遊館の観覧車 天保山交差点
道なりに右折する 天保山公園入口

 公園入口の右側には、天保山公園の案内が立ち、その左には「天保山登山道のご案内」が掲示されている。「ようこそ日本一低い山へ。階段を登り、そのまま直進。」と案内されており、このコースは西ルートとのこと。山頂までは160mの距離である。そこで、わずかに階段を登り、公園内に入る。

海遊館の観覧車 天保山登山道の案内

 案内によれば、天保山公園は、日本一低い山(国土地理院指定2等三角点)のある公園として、またウオーターフロント開発のメッカとして親しまれている。この天保山は、天保2年(1831)から翌年にかけて安治川浚渫(天保のかわざらえ)が行われた際、排出された土砂が積み上げられてできた山で、当時入船の目印となったことから目印山とも呼ばれた。

 往時は山上や水辺からの眺めが抜群で、桜や松が植えられ、灯籠や桟橋が設けられるなど、大阪近郊の新名所として、人気を博した。現在は、標高4.53mの日本一低い山としてその姿をとどめている。なお、天保山公園は、昭和33年1月に開園され、面積は20,319uである。

本町名所 「大阪天保山」 初代歌川広重 画

 川浚えの土砂を積み上げてできた天保山は、夜間航行の便をはかって高灯籠を設けるなど、船舶入港の目印となると共に遊興地としても整備され、「四時ともに遊興の人絶えることなく」と記されるほど大阪随一の新名所になりました。

 この天保山は、冬の雪見、夏の遊覧あるいは和歌俳諧の会合など遊興客で賑わいました。諸国名所風景を得意とした歌川(安藤)広重もこの本朝名所、「大阪天保山」の他、「諸国名所百景」などでも、この新名所天保山を描いています。

天保山名所図絵 「大浚」

 天保の大浚えは、まったくの人海戦術で行われました。人足が小船に乗り、長い柄の鋤簾を使って浅瀬の砂を浚えて船に積み、岸に揚げ、それを陸の人足が籠や桶、車に積んで安治川河口の八幡屋新田の先に積み上げていきました。船が整列して砂を浚える様子を描いたのが、天保山名所図絵「大浚」です。

 幕府の命により工事の指揮をとったのは、町奉行所の与力や同心でした。500艘もの船を使い、大阪の各町や問屋仲間等からたくさんの人足が加勢として参加し、揃いの衣装に鳴り物入りで大変なお祭り騒ぎになりました。 

浪花天保山風景 歌川貞升 画

 天保山は、当時生駒、金剛、比叡などの山々や、四国、淡路島など四方の眺望に恵まれた景勝の地でした。松や桜を植え、掛茶屋、見晴堂などもでき、庶民憩いの場として大いににぎわいました。

 「浪花天保山風景」は、パノラマ風にその賑わいを描いたもので、天保山で遊ぶ人々の様子など細かく描かれ、休憩所や、石垣で囲まれた船泊まりなども良く分かります。

 これまでほとんど平坦な道を歩いているので、高度を上げるのはこの階段が初めてのような気がする。左右の壁面に「浪花天保山風景」、「浪花百景 天保山」、本朝名所「大阪天保山」、天保山名所図絵「大浚」の絵が掲示されている。絵を観賞しながらこの付近の昔の賑わい想像するのも悪くない。

桜並木の下を北東へ向かう 日中友好の碑

 桜並木の続く平坦な道を北東へ向かって直進する。正面に日中友好の碑が見えてくれば、この碑の左側から緩やかな傾斜の石段を登る。これで高度を上げるのは二回目である。正面には大きな塔が建っており、これは「明治天皇艦観之所碑」であり、この碑の奥が天保山山頂である。

明治天皇艦観之所碑 天保山山頂

天保山登山 標高4.53mへの道

 三角点は、その上部だけが確認できる程度で、大半は地中に隠れ、周囲には石板が埋め込まれている。従って何等三角点なのかは、目視で確認することはできない。樹林の植え込み付近には、「日本一低い山 大阪・天保山山頂/4.53m」と案内板が建っている。

三角点の上部だけが見えている 天保山の山頂標識

日本一低い山 天保山の山頂風景

 周囲には、天保山頂の登山証明書が置かれており、申請すれば、登山証明書が頂けるそうだ。平坦な山頂で記念撮影、なかなかうれしい山頂である。時折観光客が山頂まで来て、写真を撮っており、のどかな公園風景と言った感じである。

大阪築港基石 西村捨三氏の顕彰碑

 日本一低い山頂を出発、少し北へ向かって階段を登れば展望台へ出るが、周囲の木々の背が高く、展望を得ることはできない。展望台から少し東へ移動し、階段を下ると、ここには大阪築港基石が置かれ、その横には、初代大阪築港事務所長で大阪府知事、西村捨三氏の顕彰碑が置かれている。

天保山公園の風景 

 この天保山公園には、トイレや遊具が整備されており、大阪府民の憩いの場となっているようだ。特に桜並木は素晴らしく、春にはお花見客でいっぱいになっていることと思われる。

天保山公園入口

天保山の山頂風景

日本一低い山 天保山

観光船

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歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 大阪府大阪市港区 天保山 登山口付近のMAP

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