天狗城山(てんぐじょうやま) 広島県呉市

2008年2月17日

呉ポートピア駅 →0:07→ 浜崎踏切 →0:05→ 西条登山口(クレアライン下)

 →0:07→ 階段終点 →0:04→ しらつち(馬のケツ) →0:05→ パイン岩(クッパ岩)

 →0:07→ 屏風岩 →0:06→ 腹切り岩展望地 →0:17→ 蛙岩

 →0:02→ 天狗城山山頂 →0:10→ 鞍部 →0:12→ 中天狗

 →0:07→ 深山の滝分岐 →0:07→ 小松尾山 →0:04→ 二艘木分岐

全歩行時間 1時間40分

 空を見ると晴れている。風は冷たそうだがこんな日は展望が良い。山口県西部の下関地区・北部の長門地区にも雪の予報が出ており、この時期晴れているのは山陽側のみ、久しぶりに電車に乗っての山歩きに向かう。今回は広島県呉市の天狗城山から広島市の絵下山に向けて縦走する。

 JR柳井駅から8時37分発の電車に乗り広島に向かう。JR広島駅で10時9分発の呉線に乗り換え、走る電車の中から絵下山を眺めていると、海田市駅付近からは日浦山(ひのうらやま)を眺めることが出来た。いずれ日浦山に登り、下山先のJR安芸中野駅付近から蓮花寺山を目指す山歩きをする予定だ。

 呉線途中の水尻駅で電車が停車、停まっている時間が長いので、目の前に広がる瀬戸内海と江田島・似島方面の展望を眺める。呉線は単線なので途中の駅で列車待ちをすることがあるようだ。

呉ポートピア駅 天狗城山

 絵下山小屋浦コースの登山口でもある小屋浦駅を通過し、次の呉ポートピア駅で下車する。目の前には呉ポートピアパーク、その先には江田島へのフェリーターミナルもある。駅の周辺から北方面を眺めると岩山の天狗城山が美しい。これからあの岩山に登ると思うだけでワクワクしてくる。

駅を出発する 烏帽子岩山

 国道31号を呉方面に向かうと、正面には天応の烏帽子岩山が見えてくる。駅から7分程度で浜崎踏切に着き、国道を離れて左折する。踏切先の左手にはお地蔵様が鎮座されているので頭を下げ、右に万年筆工場を見ながら進むと道は左右に分岐する。左手上には天狗城山が美しく聳えているのでしばらく眺めるが、この分岐は工場に沿って右道を取る。

濱崎踏切を渡る 分岐は工場に沿って右道を取る

 間もなくクレアラインの高架下をくぐり、交差点左手に「天狗城山登山案内板」が掲示されているので、これから進む行程を頭に入れる。目の前に見えている鉄製の階段を登って右手の民家方面に進み、民家の前から左上に続く長い階段を登って行く。

クレアラインの高架下をくぐる これから向かう道

 階段には白い手すりが設置され、とても急な斜面が続いている。階段道は間もなくコンクリートの道に変わり、再び階段へと足下は変化するが急な角度は変わらない。ただし、眼下に広がる展望は一歩登る毎に大きく広がり、周囲の展望の変化が素晴らしい。階段を登り切って小休止、背後に広がる瀬戸の展望を楽しむ。

鉄製階段に向かう 急な階段を登る

階段上からの展望

 階段から離れると同時に展望のない自然林の中を進み始める。すぐに標識が見えてきたので眺めると、登山口の説明板に書いてあった標高115mの「しらつち(馬のケツ)」という場所だ。しらつちを過ぎると周囲にシダが目立ち始め、待望の岩肌が見えてきた。

標高115mの「しらつち(馬のケツ)」 岩が現れた

 背後に広がる瀬戸の展望を、木の間越しに眺めながら快適な山歩きが続く。と・・・、突然ギザギザ岩が現れた。この岩はパイナップルの房の部分に似ているのでパイン岩(別名クッパ岩)と呼ばれているそうだ。大根摺りに使用する下ろし金のような不思議な岩にびっくり、尖った岩に触れて不思議な岩を観察する。これから先は大きな岩を眺めながら進んで行く事が出来る。

パイン岩(別名クッパ岩)

 正面に平岩を見て、左手に背もたれのある岩を過ごすと東に烏帽子岩山が美しい。更に急な斜面を進むと屏風岩と呼ばれる岩の横に出る。この付近は素晴らしい展望地であり、東に聳える烏帽子岩山、瀬戸に浮かぶ江田島、能美島、似島を眺めていると海の青さ、空の青さが目に染みる。

烏帽子岩山 江田島

屏風岩と岩峰 

 屏風岩のみならず周囲には大岩奇岩が立ち並び、眼下に広がる市街地との高低差に目が眩みそうだ。祠のような岩を過ごし、眼下の展望を満喫。次は指定席のような腰掛け岩を見る。腰掛け岩に座り込み、眼下に広がる瀬戸の展望を眺める。こんなに贅沢な椅子に座っていると時の経つのも忘れてしまいそうだ。

岩場を登る 祠のような岩

 瀬戸内海を滑るように進む高速艇を見ていると船の後ろに続く一本の白線が美しく、何時まで見ていても見飽きない。美しい展望に後ろ髪を引かれる思いで山頂に向かう。ワクワクするような登りはまだまだ続き、急な岩峰歩きを堪能する。足下に平岩を過ごした先では天狗の横顔に見える岩を眺める。じっくり眺めていると本当に人の顔に見えてきた。この顔は天狗様なのだろうか。

腰掛け岩 天狗の横顔

腰掛け岩から瀬戸の展望

 天狗の横顔からもう少し進み、山頂右上の大岩を眺める。露岩が美しく、双眼鏡で割れた岩肌を眺める。この岩は腹切り岩と説明されており、中央に走る切れ目が腹を割ったように見える。東に烏帽子岩山を眺め、これから先は再び大好きな岩場に取り付く。岩の間を進んで行くのが嬉しくて、無造作に配置された岩を感激しながら登って行く。

腹切り岩 急な岩斜面

眼下には呉ポートピアパークと瀬戸内海

 急な斜面にはロープが渡してあり、ロープの助けを借りながら登って行くのも最高の気分。眼下には呉ポートピアパークと瀬戸内海、まだまだ山頂までは岩道が続く。上を見ても下を見ても美しく楽しい岩道が続いている。積み木のように置かれた岩の間に隙間のある場所を過ごし、岩、岩、岩の場所を赤ペンキで描かれた矢印に従って登る。

周囲は岩ばかり

 腹切り岩が東の正面に見えてきたので高度が上がってきた事を実感。ロープの渡された斜面を慎重に登って行くと蛙の背中に似ている事から蛙岩と名付けられた大岩に到着した。蛙岩の上に立ち眼下を見下ろすと足が竦んでしまう。蛙岩は下に向かって緩やかに切れ落ちているようだが、見た目以上に急な斜面、おっかなびっくりで岩の上を散策する。

蛙岩の上から江田島

 丁度蛙岩に着いた途端に雪が降り始め、スッキリした展望とは言えないが、烏帽子岩山や瀬戸に広がる多島美を眺める。呉ポートピアを出発したフェリーが雪の中を江田島に向かっており、この風景も美しい。雪景色の広がる瀬戸の展望を楽しんだので山頂に向かう。

江田島に向かうフェリー 蛙岩にて

 蛙岩を出発するとすぐに天狗城山の山頂に到着、広く平坦な山頂には三角点がぽつんと座っているだけで周囲に展望はない。丁度昼になったので展望の良い蛙岩まで引き返し、大岩の上から展望を眺めながらの昼食を取る。おむすびは広島駅で買った小さな鮭のおむすび。まだまだ先が長いのでカップヌードルは絵下山で食べる事にする。

平らな山頂 展望岩

 すぐに昼食を終え山頂を過ごして反対側に向かうと、左手に岩場の展望地を見つける。この場所は似島方面を見晴らす展望地で、少し樹林に妨げられるがまずまずの展望が開けていた。更に進んで行くと左手に大きな展望岩があり、この岩の上に立つと周囲をぐるりと見回す事が出来た。南に江田島・宮島・似島、西に広島市街・眼下に小屋浦・北に絵下山・ぐるっと回って東に灰ヶ峰のレーダードーム、素晴らしい展望に感動。昼食を取るには蛙岩かこの大岩の上が最適の場所である。

展望岩から

灰ヶ峰 絵下山

 雪雲が去ると周囲には日射しが戻り、とても明るい展望が広がる。北方面には中天狗と呼ばれる岩峰が聳えており、その左に小松尾山、後に絵下山、左に明神山と続く稜線を眺める。さあ、これから中天狗に向かおう。中天狗の途中には大きな切り立った岩が見えており、あの上に立ちたいという気持ちが歩を早める。

中天狗と正面に見える切り立った大岩

 天狗城山から急な坂を下りて行くことにより、中天狗が次第に高くなる。左右にシダの茂る明確な道を一気に下りて鞍部に到着、すぐに登り返す坂道が待っている。滑りやすい坂道を少し登ると周囲には岩が目立ってきた。再び雪が降り始め、先程展望を楽しんだ天狗城山の展望岩が背後に見えてくる。ロープの渡された急な岩斜面を登ると、切り立った大岩の付近に着いたことが分かった。但し、岩の上に立つことは怖いので断念する。

天狗城山を振り返る 烏帽子岩山
ロープの助けを借りる 切り立った岩の場所

 更に坂道を踏ん張ると中天狗の山頂335mに到着、中天狗の山頂には丸っこい岩がぽつぽつと配置されただけで山頂からの展望は全くない。山頂を過ぎると北方面には木の間越しに絵下山が近くなったことが分かる。

岩の道を進む 中天狗の山頂335m

 中天狗から斜面を下ると周囲には松の木が多い事に気が付く。この先からは緩やかなアップダウンを繰り返し、とても快適な散歩気分で歩くことが出来る。周囲は木の間越しの展望となり、遠くに大岩を眺めながら進んで行く。中天狗からは7分で赤い標識板の掛けてある場所に着く。この分岐からは深山の滝への近道が続いているようだ。

深山の滝への分岐 中天狗・天狗城山の尖峰

 分岐を過ごし、そのまま道なりに小松尾山方面に向けて出発。周囲に大岩を眺めながら更に進んで行くと、南の木の間越しには先程まで居た中天狗・天狗城山の尖峰が並んで聳えている。東に灰ヶ峰のレーダードームがはっきり見え始めると、いきなり岩が無造作に配置されたような小松尾山の山頂379mに到着した。

小松尾山の山頂と三角点

灰ヶ峰 野呂山

 小松尾山からは東方面の展望が開けており、遠くに野呂山、その右手に灰ヶ峰と続き、手前に烏帽子岩山、輝く瀬戸内海と続く展望はとても贅沢な美しさだ。岩の椅子に腰掛けて小休止を取り周囲の展望を堪能する。

小松尾山から東方面の展望

小松尾山から瀬戸の展望

 小休止の後、北に進むと岩の後には三角点がぽつんと立っており、この先からは絵下山を眺める絶好の展望ポイントが待っている。絵下山の左手にはこれから向かう子の岳が聳えており、これから進む行程をしっかりと頭に入れておく。

小松尾山から眺める絵下山

 小松尾山を出発すると、途中で烏帽子岩山から縦走してきたという5人程度のグループと出会う。この先からの急な坂道は、左右にシダの繁る滑りやすい道だが、とても明るいので大丈夫。すぐに広く整備された中国自然歩道に到着、天狗城山まで2kmの標識に出会った。

シダの道を下りる 天狗城山2km標識

 もう少し進むと二艘木の分岐に到着、大きな案内板を眺めて現在地を確認。このまま北に進めば絵下山まで2.3km、右への分岐を進むと深山の滝へは1.8kmである。また、中国自然歩道を引き返せば小屋浦まで1.3km、この二艘木は周辺散策の要所である。

中国自然歩道 二艘木の分岐に到着

 

天狗城山

パイン岩

屏風岩

江田島と呉ポートピアパーク

天狗の横顔

腹切り岩

小屋浦

灰ヶ峰

小松尾山

野呂山と灰ヶ峰

絵下山

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歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 広島県呉市 天狗城山 登山口付近のMAP

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