2006年1月15日(日曜日)

高千穂峰

登山口 高千穂河原ビジターセンター

ガイド本 無し

登山開始 7:41 山頂到着 9:05 山頂出発 9:51 下山終了 11:04

参考コースタイム

登山開始 →0:16→ 石畳終点 →0:29→ 御鉢到着 →0:22→ 背門の丘到着

 →0:17→ 高千穂峰到着 →0:46→ 高千穂峰下山開始

 →0:15→ 背門の丘到着 →0:15→ 御鉢下山 →0:26→ 石畳到着

 →0:12→ 古宮址到着 →0:05→ 登山終了

登山時間 3:23

 朝早く指宿を出発し、高千穂峰の登山口の高千穂河原に向かう。鹿児島インターから高速道路を通り、溝辺鹿児島空港インターを降りて霧島町に入り、正面に霧島神社を見るが、神社への参拝は登山の後にゆっくり観光も兼ねて行こうと、霧島神社の交差点を右折し、いよいよ高千穂河原に向かう。曲がりくねった道を進んで行き、7時20分にようやく高千穂河原ビジターセンターに到着した。

薄暗い高千穂河原ビジターセンター前の古宮址

 すぐに登山準備をしているとカメラの三脚が無い。昨日開聞岳のふれあいセンターに忘れたようだ。仕方がないので携帯用三脚を使う事にして更に登山準備をする。忘れ物がないか、登山靴を履いているか等慎重に確認をして登山を開始した。

高千穂河原自然研究路入口 高千穂峰登山口を出発

 登山開始は霧島神社古宮址の鳥居の手前を右折して「高千穂河原自然研究路入口 高千穂峰登山口」標識を左に見て進んで行く。登山道は石畳みたいで気を抜くと滑りやすい。道の側の注意書きには御鉢の噴気に注意することと火口内及び南側火口縁には立ち入らないよう注意書きが書いてある。

朝日を浴びた新燃岳 高千穂峰の影が映る

 少し進むと北方面の木の間越しに新燃岳(しんもえだけ)が見えてきた。素晴らしい新燃岳の展望に感激し、少しでも早く障害物無しに新燃岳を見ようと歩を進める。登山開始から10分でミヤマキリシマの群生地に着くがこの季節は冬枯れており、素晴らしい満開のミヤマキリシマは春までお預けである。

冬枯れのミヤマキリシマの群生地

 ミヤマキリシマ群生地から少し進むと北方面に新燃岳の素晴らしい展望が広がってきた。美しい山容にしばらく見とれる。展望地から南西方面には霧島の街並みが見渡せるがこの時間はまだ靄がかかっている。正面には御鉢が大きく広がっており、これから登って行く先の展望をしっかりと頭に入れ込む。

 展望台先を左折し、一旦坂を下り再び石の階段道を登り返した先に分岐がある。分岐を真っ直ぐ行けば古宮址、右折すると高千穂峰で、この分岐を右折して高千穂峰に向かう。更に石の階段道を進んで行くと赤茶色の溶岩帯に到着する。いよいよこれから山道に入ることになる。この溶岩帯まで登山口から16分の行程である。

 正面の御鉢に向かっていよいよ突き進む事になる。手前には白い雪も残っており、標高が高いことが改めて判る。新燃岳を見ると高千穂峰の影が綺麗に映っている。御鉢に向かって滑りやすい急斜面を登って行くのだが、これが登山道というはっきりした道はなく、ただただ真っ直ぐ御鉢に向かって適当な滑らない場所を選んで登って行く感じで歩いて行く。

御鉢に向かって滑る道を進む

 よく考えてみると、いままで登ってきた山のほとんどは登山道がしっかりとしており、道を外して薮を突き進む以外は大抵先人の歩んできた踏み固められた道を歩いていた。しかしながら今日の御鉢への道は、登る人が自由に自分の登山道を作ることができることに思い当たった。

溶岩の上を歩く

 滑る砂利状の斜面を難渋して進むのだが、ふと南側を見ると溶岩帯があるので、南側斜面に向かい、滑りにくい溶岩の上を慎重に進むことにした。やはり標高1200m付近までは向かって右側の溶岩の上を登って行かないとずるずると滑ってしまうようだ。

 少し高度が上がると全般に溶岩が点在しているので溶岩の上をゆっくりと歩き高度を稼ぐ。丁度御鉢への道の中間地点まで来ると、新燃岳の後ろには韓国岳が見えてくる。素晴らしい展望に見とれるが足下は滑りやすい道なので慎重に歩を進める。

御鉢の南側には噴気が立ち上がっている

 溶岩道に入り29分で御鉢に到着した。御鉢の南側には噴気が立ち上り、御鉢の底が平らなことがよく分かった。御鉢の南側には立入禁止となっているので北側を進む。御鉢から見る高千穂峰がとても綺麗だ。今日はとても風が強く、帽子が吹き飛ばされそうな勢いだが、体も道の細い馬の背の上では、御鉢の底に流されそうな勢いである。

御鉢の底は平坦

 正面には高千穂峰の北斜面がとても綺麗な形状をしているのが見える。御鉢の崖の上の絶壁には今にも落ちそうな大岩が立っている。もし地震でも起きたら真っ逆様に下に落ちそうで怖い。

細い馬の背を振り返る

 馬の背は道幅が2〜3mの所もあり、左右は絶壁、風も強いので腰を落としてへっぴり腰で歩いて行く。御鉢に到着して22分で背門の丘への道標を見て分岐を降りる。背門の丘にはいくつかのケルンが積まれている。背門の丘からこれから登って行く高千穂峰を見上げる。すごい急斜面でいかにも滑りそうだ。山頂まで続いているような横木の階段が登山道の目印となっているようだ。

背門の丘から急斜面に取り付く

 一息入れた後、山頂に向かって急斜面に取り付く。細かい石がゴロゴロしておりやはり滑る。ストックを使って慎重に足場を確保しながら少しずつ高度を上げて行く。上を見上げるとすごい急斜面と言うことが判る。高度を上げる毎に御鉢の姿が小さくなり形が良くなる。

眼下には御鉢の綺麗な展望

 高千穂峰には赤茶けた滑る登山道を慎重に進んで行く。足を踏み外すと下まで落ちそうな急な斜面を横切るとき、道が異常に狭くなっているのでびっくり、急いで安全な場所まで進む。少しずつ南東方面に光が差して来たので少し安心する。

一歩間違えれば真っ逆様に落ちる道

 正面には山頂らしきポールが見えてきたので嬉しくなる。もうあと少しで山頂到着と自然に歩く速度が速くなる。程なく山頂に逆鉾の立つ高千穂峰に到着した。背門の丘から17分の行程だった。

高千穂峰山頂全景

 山頂は北風が非常に強く、半袖ではとても寒い。周囲の写真を撮り、山頂での記念写真を撮り終わると同時に突風が吹き、カメラが転倒し液晶が壊れてしまった。これから先は携帯電話をカメラ代わりに使おうと周囲の写真を撮る。

新しいモニュメントのような碑 最初に「葦原野瑞穂」から始まる文字が刻まれている

 山頂の後ろには新しいモニュメントのような碑が建っており、「葦原野瑞穂」から始まる文字が刻まれており、天孫降臨に関連したものかも知れない。モニュメントの横には二等三角点が立っている。

天の逆鉾

 再び正面に戻るとポールの下には天孫瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)降臨之霊峯のプレートが貼ってある。東方面から天の逆鉾をじっくりと見ると鉾の鍔の所に天狗の顔のような彫り物があった。

天狗の顔のような彫り物

 東方面の眼下には二子岩に向かって登山道が続いていることが判る。そのまま下ってみたい衝動にも駆られるがここはじっと我慢する事にした。ふと韓国岳を見るといつの間にか山頂に雲が立ち上っている。いつもの山頂独り占めだが、素晴らしい高千穂峰の山頂の独り占めは格別である。

眼下には二子岩の展望

 美味しいコーヒーを入れて眼下の展望を楽しみながら体を温める。天の逆鉾を風除けにしてゆっくりとした時を過ごす。南方面の直下にはだんだん雲が現れてきた。いよいよ下山を開始すると言う時に登山者が1名登ってきた。早速に写真を撮ってもらい安心して下山を開始する。

南方面の展望 眼下には山小屋

 降りて行く方向を見ると、改めて急な斜面であることが判る。急な斜面をゆっくりと慎重に降りて行く。眼下の御鉢の姿が本当に美しいことが判る。韓国岳山頂付近には相変わらず雲が懸かっており、立ち止まっては素晴らしい展望を満喫する。山を下りるのが勿体ないような展望が続き、立ち止まる時間が長くなる。

韓国岳には雲が懸かっている

 眼下の御鉢と韓国岳を交互に見ながら胸の空く展望を楽しむ。時折山頂を見上げて高千穂峰の美しい姿を確認しながら少しずつ降りて行く。山頂から17分で背門の丘に到着、高千穂峰を振り返るとやはり美しい。

背門の丘から高千穂峰を振り返る

 背門の丘から御鉢に戻り、やはり綺麗な韓国岳を見るが山頂にはまだ雲が掛かっている。狭い馬の背を慎重に降りて行き、途中の展望を楽しむ。馬の背を歩いていると本当に道幅が狭いことがよく分かった。また、途中には赤茶けた道もあり、カラフルな道に興味を持ちながら下山を続ける。

明るい馬の背を降りて行く

 御鉢の方面にも赤い地面は続いており、場所によっていろいろな色の道になっていることがよく判る。背門の丘から15分で御鉢を通り過ぎ、いよいよ御鉢から降りることになった。すぐ右側には赤い壁状の溶岩が現れ、溶岩の道を滑らないように慎重に降りて行く。この溶岩道は本当に滑りやすく、途中で登山者とすれ違う際に石を落とさないよう非常に気を遣う。従って、近くに登山者が居ると先に登ってもらった方が安心できることがよく分かった。

御鉢から下山を開始する

 上り優先とはこう言うことかも知れないと変に感心しながら降りて行く。滑りやすい砂利道を避けて溶岩の上を慎重に下り、ようやく平坦な場所まで無事滑ることなく、転倒することなく降りることができて安心した。すぐに石畳の道にたどり着き、分岐を今度は古宮址(ふるみやあと)に向かうため右に取る。分岐から石畳を下ること12分で古宮址に到着した。

古宮址から見る御鉢

 古宮址とは古宮址天孫降臨神籬斎場(ふるみやあとてんそんこうりんかもろぎきさいじょう)のことで、ここ高千穂河原は文暦元年(1234年)まで霧島神宮のあった処で、霧島山の大噴火により社殿を田口に移しているが、高千穂河原は神籬斎場として現在も祭祀が継続されているそうだ。大鳥居をくぐり、古宮址に参拝して本日の登山の無事を報告した。正面には御鉢、北方面には新燃岳が美しい。

古宮址から見る新燃岳

 再び石畳を降りて行き、高千穂河原の大鳥居に到着し、高千穂峰登山を終了した。帰る準備をし、ビジターセンターに向かおうとすると昨日開聞岳で出会った北海道から来た2人と偶然出会った。彼らはえびの高原から韓国岳に登り高千穂河原まで縦走してきたところだった。

 これから御鉢まで行くが今日北海道に帰らないといけないので、高千穂峰までは登れないと話していた。えびの高原から高千穂河原まで4時間程度で縦走したそうで、すごい早さにびっくりした。ビジターセンターを見学した後、高千穂河原を出発し、霧島神宮に参拝をした。

霧島神宮に参拝

 日曜日の昼なので霧島神宮には沢山の参拝客が押し寄せて賑やかだった。おみくじを引いてみると「雲霧に隠れたる月の如し」と昨日とは全く反対のおみくじだった。最初に霧島神宮を通り過ぎたのが本日の最大の失敗かも知れないと思いながら霧島神宮を出発した。

 前の山 開聞岳 を見る

 次の山 鷲頭山 を見る

歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 高千穂峰 登山口付近のMAP

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