高岳・聖山縦走(たかだけ・ひじりやま) 広島県北広島町

2007年8月26日

樽床ダム →0:05→ 聖山登山口 →0:20→ 保健保安林標識 →0:20→ 聖山入口

 →0:30→ 聖山山頂  →0:30→ 998mピーク →0:05→ クマ研究会標識

 →0:25→ 高岳・百本松分岐  →0:35→ 高岳山頂 →0:35→ ひらきばし

 →0:05→ 高岳登山口標識 →0:25→ 樽床ダム

全歩行時間 3時間55分

 朝5時過ぎに島根県益田市匹見の道の駅にて起床、周囲の温度は20度でとても涼しい。朝靄の広がる道の駅にて朝食を取り、引き続いてコーヒーを飲む。周囲を散歩していると朝の空気が気持ち良い。6時半に道の駅を出発、国道191号を聖湖に向かう。島根県から広島県の北広島町に入り聖湖湖畔を通って樽床ダムを目指す。

朝の樽床ダム 樽床ダムから聖湖

 途中には聖湖を見晴らす展望地があるので、美しい湖畔を眺めた後、少し先の樽床ダムの駐車場に車を置き、いよいよ聖山に向かって出発する。聖湖を右手に見ながら東方面に進んで行くと、左手に町立民族博物館の標識を過ごし、右手にトイレを見る。

駐車場を出発 左に民族博物館・右にトイレ
離郷者望郷之碑 西中国山地国定公園聖湖の案内板

 その先左手には西樽床三才記念報徳社の石碑と石碑の上には離郷者望郷之碑が立っている。更に右手には西中国山地国定公園聖湖の案内板が立ち、この場所は聖湖を見晴らす展望地となっている。

聖湖と臥龍山

 更に聖湖を挟んで東側に聳える臥龍山は、山頂に雲を頂きとても美しい。しばらく周囲の展望を眺めた後、聖湖を出発するとすぐ左手に聖山の登山口が見えてきた。

左に聖山の登山口 聖山登山口標識

 足下に美しい花を眺めながら歩いていると舗装路は間もなく未舗装林道となる。周囲の笹原と美しい樹林を眺めながらこの先林道を進んで行く。左手には沢が流れており、時折清水のわき出す場所を見つけることができる。コップを取り出し清水を飲むと、とても冷たく美味しい。本日リュックの中に入っている水分は約5リッター、真夏の山歩きには水分補給はとても重要なのである。

林道にて観賞した花

林道から眺める樹林も美しい 清水の湧き出す場所

 林道途中にはこれといった目印が無く、登山開始から25分で左手に保健保安林の標識を過ごす。周囲にはヤマアジサイ・ヤマホトトギス等の花が美しく、広く快適な林道歩きが続いている。登山開始からは45分で聖山への分岐に到着、この先林道を離れて山道に入る。左右に笹が茂っているがとても歩きやすい道が続いており、木漏れ日の中を快適に進むことができる。

聖山登山口・右へ向かう 笹原を進む

木漏れ日の中を快適に進む

 樹林の下には涼しい風が吹いており、真夏の山歩きとは思えないほどの心地よさだ。緑のシャワーを体全体に浴びながら歩いており、とても幸せな気持ちのまま進んでいる。ほとんど平坦な道を進む感覚で歩いていると、目の前に背丈ほどの笹が茂っており、この笹をかき分けて進むと突然聖山の山頂が現れた。あっけないほどの感覚で山頂に着いたので山頂標識を見てびっくりした。

背の高い笹を進む 山頂の手前の笹

 聖山の山頂は周囲を笹に囲まれた円形の平地で、山頂付近のみ笹が刈られている。山頂からの展望はなく、更に先へと道が続いているので進んで行くと間もなく岩のある展望地に到着した。岩の上に立つと西方面の展望が広がっているのだが、目の前の樹林の背が高いので、近くの山は見ることができず、遠くの山を眺めることしかできない。ただ、足下に美しい花を眺めることができたので、これには大満足である。

山頂先の展望岩 展望岩の上から西方面

展望岩付近で見た花

 さて、これから先しばらくは、ガイドブックを車に置き忘れた、私の揺れる思いである。

 この辺りでガイドブックと地形図を探すのだが、車の中に置き忘れたようだ。そのまま先に進めば何とかなるだろうと、縦走路を探すのだが目印のテープが見つからない。高岳方面への縦走をする人が少ないのだろうかと周辺をうろうろするのだが、さっぱり道が見つからない。

この先行き止まり 展望岩から引き返す

 仕方がないので縦走をあきらめ引き返すことにする。こうなったら一旦林道を下り、聖湖まで下りて高岳へピストンで向かうことに決めた。左右に笹を眺めながら再び聖山の山頂に引き返し、三角点にタッチした後登山口まで引き返すことにした・・・と・・・、引き返しながらも、もしかして縦走路を見過ごしていたのでは無かろうかと周囲を慎重に眺めながら下りて行く。

 聖山の山頂から3分も下ると少し広い場所に着いたので、周囲を慎重に見回すと・・・、下山方向を見て左手(北方面)に小さな「高岳」の標識を発見、この時の喜びは言葉に言い表せない、一人で小躍りし、事情を知らない人が見れば狂ったか!と思われても仕方の無い状況である。

広く開けた場所 分岐の標識を発見

 とにかく、これですごすごと登山口まで戻る必要が無くなった。さて、分岐からはしばらく鞍部に向かって下りることになる。周囲の樹林帯はどこまでも美しく、笹原も素晴らしい。一旦鞍部まで下りると今度は当然登り返すことになる。下りるのは快適なのだが登り返しは少しきつい。

木漏れ日の中を下る 緑のシャワーを浴びながら進む

 本日は真夏の山歩きであるが、真夏にしてはたいした疲労感もなくここまで進んできている。ただ心配は三鈷峰の際に痛めた左膝の後遺症だが、ここまでは違和感なく進んできているので大きな自信となっている。

笹原 樹林帯

 左に植林帯、右に樹林帯の明確に分かれた尾根道を快適に進んでおり、やはり主に眺めるのは右手の樹林帯で、木漏れ日の差す樹林はとても美しい。高岳分岐から25分で996mピークを過ごし、その先5分で西中国山地クマ研究会の標識を過ごし、更に10分で汐谷鞍部に到着する。

西中国山地クマ研究会の標識 汐谷鞍部から急な坂を登る

 この先急な斜面を踏ん張ると一旦ピークに着き、右方向に下りながら進んで行くと高岳分岐からは約1時間で「野田の百本松(奥匹見峡)」の標識に到着、説明板には「西中国山地、聖山分かれ野田の百本松間を地元の協力を得て、分水嶺登山道を復元しました」と書かれている。

奥匹見峡への分岐

 ガイドを持たない私には、そんなことより高岳の標識が何よりの目印、周囲を探すと「日本分水嶺」の標識に「高岳」の文字を発見、この分岐は高岳に向かって右に取ることにした。分岐からはしばらく鞍部に向かって下りて行く。何のことはない周囲の展望だが、これがとても美しい樹林である。

高岳の標識 高岳に向かって笹原を進む

 当たり前のように広がる樹林帯の写真は、家に帰って見ると鮮やかな色彩をしていることが多い。鞍部まで下った後、登り返すとすぐ笹原の先に展望が広がってきた。小休止を取り木の間からの展望を楽しんだ後笹原に入る。

美しい樹林 つかの間の展望

 美しい樹林に笹原、高岳に向かう縦走路はこれらを堪能できる素晴らしい散歩道である。間もなく周囲を覆っていた樹林が無くなり、日差しがきつくなると同時に背丈ほどの笹原が目の前に現れてきた。足下に踏み跡を確かめながら慎重に進んで行き、右に大きくカーブをして再び左上に向かうことになる。笹原の先に間もなくススキがひろがり、ススキの原の先には突然高岳山頂が現れた。

木の間越しの展望 樹林帯を進む
ススキの原を抜ける 高岳山頂

 聖山と同様突然の山頂到着、こんな登頂もなかなか素敵だ。突然広がる展望にも感激、眼下に広がる聖湖、目の前には掛頭山・臥龍山・深入山と素晴らしい展望だ。北には八幡高原・その先には大佐山・雲月山とますます素晴らしい展望に声も出ない。

掛頭山・臥龍山

深入山

聖湖

八幡高原と大佐山・雲月山

 南方面を眺めると手前に聖山、その奥には砥石郷山、正面に見える木を挟んで右手に恐羅漢山と続く展望は本当に贅沢の極みである。この高岳は西中国山地を見晴らす指定席のような場所である。リュックを降ろしてしばらくは周囲の展望を場所移動しながら楽しむ。こんな贅沢な展望を眺めるのは久しぶりだ。

左手に聖山、その奥に砥石郷山、正面の木を挟んで右手に恐羅漢山と続く展望

 特に眼下に広がる聖湖と正面に見る掛頭山・臥龍山・深入山は何時まで見ていても見飽きない展望である。ところで、ここまで縦走してきているのだが、誰とも出会っていない。写真を沢山撮りながらの最近の行程は極端に遅くなっているのだが、12時を前にしても誰にも出会わないし、追い越されないと言うことは、真夏の山歩きを皆さん避けているのか、それともこの縦走路に人気がないのか。

掛頭山・臥龍山・深入山

 しっかりと周囲の展望を満喫したのでそろそろ高岳を下りることにする。山頂より5分程度下りた地点にて1組6〜8名程度のパーティーとすれ違う。本日初めて出会った登山者である。この先急な斜面を慎重に下りて行くのだが、特に目印という地点が無く、ただただ急な斜面を下りて行くことになる。従って高岳にこの登山道から向かう場合にはかなり急な斜面を取り付くことになりそうだ。

下山を開始する 急な斜面を下る
樹林を眺めながら下る 笹原が続く

 高岳を出発して35分で右手に沢を見ることになり、その先では沢に架かる「ひらきぱし」を渡り、更に下りて行くと正面に畑を見ることができた。その先を少し右方面にカーブするとようやく登山口の標識を過ごす。更に未舗装の道を進んで行くと舗装路に着き、舗装路には高岳登山口のりっぱな標識が立っていた。

右に沢を見る ひらきばしを渡る

舗装路の登山口標識

 この先左手には樽床橋が架けられており、橋から高岳方面を眺め、聖湖を観賞した後舗装路を登山口まで引き返す。時々周囲に咲く花を楽しみながらの散策はとても楽しいもので、途中では聖山の山頂を確認することができた。

樽床橋から聖湖を眺める 聖山

 舗装路を更に進み、聖湖の標識の場所に着くと沢山の登山者が聖湖を眺めながら昼食を取っていた。この方達は午前中に聖山を往復したそうで、昼食後は三段峡を楽しむそうだ。皆さんとても健脚で、恐れ入ってしまった。そのまま樽床ダムの登山口まで引き返し、ダムから高岳山頂方面を眺める。やはり一旦山頂に立つと、山頂の場所がよく分かるものである

臥龍山を眺める ダムから高岳を眺める

 樽床ダムの駐車場に戻り、リュックを車に納めていると目の前に「名勝 三段峡」の石碑を見る。樽床ダムは三段峡の上に位置していることを改めて確認、下に5分下りると三ツ滝があるそうなのでゆっくり観賞することにした。

樽床ダムから三段峡を見下ろす 三段峡へ向かう

 足下にかわいい花を眺めながら石段を下りて行くと正面に美しい滝が見えてきた。真夏にこのような滝を眺めると、とても涼しくなる。石を渡り歩いて滝に近づき体いっぱいに滝と緑のシャワーを感じる。

三ツ滝

 噴き出ていた汗も一気に引いてしまったようだ。豪快な滝の音を聞きながら河原に座り込み、何も考えずに眺める滝は心を洗われるようだ。しばらく滝の前にて涼んだ後、樽床ダムまで引き返した。山歩きの途中に、このような名勝地を観光できることも楽しみの一つである。

縦走路に咲く花

聖湖

三ツ滝 

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歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 広島県北広島町 高岳 登山口付近のMAP

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