第二回漂流記 |
第二回漂流記 第一回漂流から約20年の歳月が経ち、私もそろそろ趣味の釣りを始めようと平成10年8月8日に中古の三つ折りボートを購入、進水式をしようと前回漂流したときの船長を招待し、翌日の夕方二人で海に向かった。 柳井港から眺める大島大橋 場所は柳井市の阿月海岸の先である。早速ボートを組み立て、5馬力の船外機を装着し海岸を出発した。今回は燃料を満タン、天気も良く小型船舶の免許も所持しており、万全の体勢でエンジンを掛ける。 エンジンは一発始動で快調そのもの、波を切って滑るように進んで行く。この風を切る感覚がたまらなく素晴らしく、ワクワクしながら目の前の烏島に向かっていると、突然エンジンが停止した。 あれ!、なんで!。その後は何度もエンジンを掛けようとするのだが、そのたびに空回り、おまけに風が吹き始め、沖へ沖へと流され始めた。ここでも前回の船長は、さすが修羅場をくぐってきただけの事はあり、この状況下でエンジンを分解し整備し始めた。 私は・・・と言えば全く無駄な努力なのだが、素手で水かきをしていた。その絶望的な場面で遠くに一隻の船が見えてきた。この船を逃してはいけないと、赤い消火用バケツを振りながら「おーい! 助けてくれー!」叫んでいると、向こうの船も気が付いたようで、近寄ってきた。 親切な船長さんに事情を説明し、付近の港に船を曳航してもらい事なきを得た。後日原因を究明すると、燃料タンクの中に古い燃料が混じっており、燃料タンクの途中から詰まっていたそうだ。 その後三つ折りボートにていろいろな場所で釣りを続けていたが、釣り場を固定した方が効率も良いので、翌年普通のボートに買い換え、周防大島の友人の倉庫にボートを置く事にした。 ボートの置いてある津海木地区
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