皿倉山・権現山(さらくらやま・ごんげんやま)福岡県北九州市

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2013年11月

山麓駅 →0:40→ 皿倉の泉 →0:20→ 皿倉平 →0:20→ 皿倉山

 →0:40→ 権現山 →0:40→ 皿倉山

全歩行時間 2時間40分

登山行程図(地図をクリックすると拡大)

 北九州市の山歩きを続けている。午前中に小倉南区の貫山へ登り、登山口の茶屋ヶ床園地への到着時刻は午後1時前。中途半端な時間だが、暗くなってもケーブルカーで下ることのできる、八幡東区にそびえる皿倉山へ向かうことにした。

麓から眺める皿倉山 帆柱ケーブル山麓駅

 JR八幡駅から南を眺めると、アンテナを乗せた山が見えている。この山が皿倉山で、その奥には権現山がそびえている。登山口は帆柱ケーブル山麓駅の下にある無料駐車場で、土・日・祝日は利用時間が23時までと案内されている。

山麓駅を出発 煌彩の森コース(尾倉登山口)

 山麓駅を午後2時過ぎに出発、舗装道をわずかに進むと、舗装道右側に煌彩の森コース(尾倉登山口)の案内が立っている。案内に従い登山道へ入ると、すぐに水道施設を右に過ごし、岩の多いワイルドな道が現れる。百万都市の裏庭的な場所だが、とても自然溢れる登山道に最初からうれしくなる。足下の岩には小さな穴が空いており、自然の作り出した芸術品を眺めているようだ。

ワイルドな道 多孔質の岩

 更に奥へ進むと、左の舗装道から続く道と合流し、少しずつ高度を上げる。すぐに手摺りの施された階段を登ると舗装道へ着き、左カーブの先で右の登山道へ入る。整備された遊歩道の先に大木を眺めると、間もなく左の舗装道へ近づくが、今回は舗装道を通らず奥へ向かう。

階段を登る 舗装道の先で遊歩道に入る

 入口には高野山真言宗法輪禅寺、旧松広寺と木札が掛けられており、足下に祀られた石仏に会釈して奥へ進めば、右手にお寺が見えてくる。左に修行大師の像を過ごし、木の根の張り出す道を踏ん張ると、舗装道を横切り、遊歩道の前方には石組みで作られた堰堤が見えてくる。

修行大師を過ごす 舗装道を横切る

 頭上を見上げれば、皿倉山のアンテナが目に入るが、まだまだ山頂までは距離がある。石組みの堰堤を右に過ごせば擬木の手すりが設置されているけれど、これはわずかの距離である。この付近で赤い実がなっているので、小休止を兼ねて眺める。なかなか色鮮やかな赤い実である。

石組みの堰堤 赤い実
整備された階段 駐車場の先が遊歩道入口

 この先では足下に横木の階段が整備され、階段を登りきると今まで横切っていた舗装道とは違う作業道に出る。この分岐を左折すれば、「国見岩コース・だんだん広場」方面だが、ここでは右折し、煌彩の森コース・ふれあいの家方面へ向かう。すぐに広い駐車場に着き、前方にはふれあいの家が建ち並んでいる。ここで左側より続く登山道へ入るが、案内には皿倉平まで1440Mと書かれている。

遊歩道入口 左は帆柱稲成登山口方面

 周囲は自然林に囲まれ、都会の山とは思えない自然あふれる遊歩道歩きが続く。すぐに左への分岐を過ごすが、こちらは「帆柱稲成登山口方面」である。案内を過ごし、足下に石や岩、砂利などが目立ち始めると、右手に市街地の展望が開けた。久しぶりの展望を眺めながら小休止を取るのも楽しいひとときである。

足下に石や岩が目立つ 眼下に展望が広がる

 展望地を出発すれば、皿倉山登山の難所の見返坂へ到着した。但し、左には迂回路が用意されており、迂回路の距離は330Mと案内されている。これから先が勝負所、横木の階段の整備された坂へ立ち向かう。本日はストックを忘れているため、全て自分の足だけの力で登らなければならない。

難所の見返坂・左に迂回路が続く 急な階段を登る

 一歩、また一歩と歩を重ねるのだが、ストックのありがたさを再認識させてくれる見返坂である。見返坂を8分で登り切れば、平坦な道へ到着する。この先で左に「国見岩」への分岐を過ごし、緩やかな傾斜の道を進むと、間もなく皿倉の泉へ到着。おいしい清水をたっぷり頂き、先ほどの見返坂で失った水分をすぐに補給することができた。

見返坂が終わればのどかな道が続く  皿倉の泉

皿倉の泉の風景

 皿倉の泉を出発すれば、皿倉平までは残り920M、少し進むと木の間越しに市街地の展望を眺めることができた。時折木漏れ日の差す遊歩道は快適で、何の心配もなく歩くことができる。平坦な道を進むと間もなく橋を渡り、舗装道へ着けば、右側が皿倉平である。

木漏れ日差す遊歩道 公園化された皿倉平

 平坦な公園の先にはアンテナを頂いた権現山がそびえているが、先に皿倉山の山頂を目指すことにする。舗装道を北東方向へ進むと、右側に「新日本三大夜景 皿倉山八合目」の案内が立ち、九州自然歩道の案内に従い進む。手すりの整備された横木の階段を登るとすぐに舗装道を横切り、階段を登れば皿倉山ビジターセンターへ着く。

皿倉山へ続く遊歩道 皿倉山ビジターセンター

 ビジターセンターの前を通過し、右上に見える冒険の森の門を潜る。なお、この付近の紅葉はもう間もなく見頃を迎えそうだ。緩やかな傾斜の道を進むと、左からの遊歩道と合流、そのまま分岐を右折し、手すりの施された遊歩道歩きを続ける。やがて展望台と皿倉山山頂の分岐へ出るので左折して山頂を目指す。頭上には背の高いアンテナがそびえ、途中で左に雨情道路への道、右へ天空ドームへの道が分岐するが、構わず山頂へ向かって直進。

冒険の森入口 権現山

 南に権現山の展望が広がればもう山頂は間近、すぐに広く平坦な皿倉山の山頂へ到着した。山頂には麓から見えていたとおり、アンテナが林立しており、眼下を見晴らす展望台へ移動すれば、眼下には百万都市の北九州市の風景が広がり、有名な遊戯施設のスペースワールドも確認することができた。

皿倉山山頂広場

 山頂の案内によれば、神功皇后が西征のおり、この山に登り、大岩の上から日暮れまで国々を眺望し、下山のとき更に夕闇が深まっていたので「更に暮れたり」といわれたという。このことから更暮山あるいは更暗山と呼ばれ、それが更倉山に転じたと伝えられている。皇后が立たれたという大岩は山頂の東肩にあり、この伝説にちなんで国見岩と呼ばれているそうだ。

皿倉山から眺める風景

 山頂から東側を眺めると、以前登った足立山がそびえており、その先には戸の上山、風師山と名峰が続いている。また、南東方面へ目をやれば、午前中に登った貫山の平坦な山頂部、南を眺めると、こちらには先週登った福智山の山容が見えている。このようにして一つの山へ登ることにより位置関係を覚えて行くことになる。

足立山方面 貫山方面

 山頂から少し東方面へ移動し階段を下りてみると、こちらには昆虫碑が置かれており、パラグライダー皿倉山エリアの案内も立っていた。少しずつ夕闇が迫って来たので次は向かいの権現山へ向かう。

昆虫碑 雨情詩碑(写真をクリックで拡大)

 雨情道路の案内に従い整備された道を下ると、雨情詩碑が置かれている。案内によれば、「青い目のお人形、からす、あの町この町、雨ふりお月さん、こがねむし」などの童謡を作られた詩人野口雨情は、昭和7年5月に門下阿南哲朗と帆柱山へ登り、神功皇后西征による伝説を聞き、帆柱山『くきの海辺の船もよい 船も帆がなきゃ行かれない お供についたくまわにが 山で帆柱きりました その時きった帆柱は 帆柱山の杉でした』の詩を作った。「くきの海辺」は、洞海湾のこと、「くまわに」とは土地の豪族熊鰐のことである。

ケーブルカー乗場 権現山と帆柱山

 雨情詩碑を過ごし更に階段を下るとケーブルカー乗場へ到着、本日は土曜日なので20分間隔で運行されており、最終は22時である。そこで、この先のんびりと権現山を散策後、皿倉山へ引き返して夜景を見学、下山はケーブルカー利用とする。ケーブルカー乗り場の先から権現山と帆柱山を眺め、皿倉平まで引き返す。

皿倉平から眺める皿倉山 権現山へ向かう舗装道

 国見峠の石柱を左に過ごして舗装道に入るが、入口には権現山へ500m、20分と案内されている。右に帆柱キャンプ場への分岐を過ごせば、左に帆柱権現山神社の大鳥居が現れた。祭神は伊邪那美命(いざなみのみこと)、速玉男命(はやたまおのみこと)、事解男命(ことさかおのみこと)。役行者が熊野山で三所権現の招請を祈願したとき、神殿から飛び立った多くの鷹がこの山に飛来したので、山頂に石祠を祀り、鷹見山大権現と号したのが始まりとのことである。

キャンプ場入口 帆柱権現山神社大鳥居

 大鳥居を潜り白い手すりの施された階段を登ると、二階建てのような神社の前に到着。神社へ参拝後、そのまま神社の右側から奥へ向かって進み、少しずつ高度を上げる。石組みのある場所を過ごすと、前方に石垣が見えてきた。しかしながら、この石垣の背は高いので左側へ迂回、間もなく舗装道へ出ることができた。この時点で時刻は午後5時、すでに周囲は暗くなっている。

帆柱権現山神社へ参拝 権現山山頂

権現山の山頂風景

 舗装道を辿れば間もなく権現山の山頂へ到着、広い山頂の中央付近には権現山の山頂標識と二等三角点が置かれている。皿倉山方面には展望台が設置されているものの、老朽化しているためか立入は規制されている。三角点の前で記念撮影の後、西の展望台へ向かってみる。

西の展望台 展望台から眺める風景

西の展望台から眺める風景

 西の展望台に上がれば眼下は夜景の始まりで、少しずつ灯りが増えている。周囲に広がる展望を眺めていると、あたりは当然暗くなっている。そこで、権現山を経由して皿倉平を目指すのだが、やはり樹林の下は真っ暗である。そこでヘッドライトを点灯し、足下を確認しながら皿倉平へ到着、更に薄暗い遊歩道を歩いて皿倉山の山頂へ着いた。

皿倉山から眺める新日本三大夜景

 山頂到着は18時過ぎ、少しずつ町の灯りが目立ち始めている。山頂では風が強く、寒くなってきたのでホットコーヒーを作り暖を取る。美しい新日本三大夜景を眺めながらのコーヒーは最高の味である。山頂に置かれた案内を眺めていると、皿倉山の標高は有名な東京スカイツリーの標高(634m)とほぼ同じなので、スカイツリーと同じ高さを体験することが出るし、眼下に見えているのはスカイツリーから眺める夜景と言っても大差ない。

スペースワールド方面の夜景 ケーブルカーで下山

ケーブルカーの車内から眺める風景

 山頂から美しい夜景を1時間程度観賞してケーブルカー乗場へ移動、ケーブルカーに乗ればわずか5分で山麓駅へ到着した。皿倉山は、美しい自然林と夜景の両方を観賞できる素晴らしい山である。

皿倉山山頂

皿倉山から眺める風景

権現山と帆柱山

権現山山頂

権現山西の展望台から眺める風景

皿倉山の夜景

新日本三大夜景

 前の山 貫山 を見る

 次の山 西目山 を見る

歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 福岡県北九州市 皿倉山 登山口付近のMAP

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