大田 中山(おおた なかやま)山口県美祢市美東町大田

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2013年5月25日

鷹の巣バス停 →0:50→ 山頂 →0:40→ 鷹の巣バス停

全歩行時間 1時間30分

登山行程図(地図をクリックすると拡大)

 次はいよいよ山陽小野田市、宇部市、美祢市の山々の登山、最後の山の中山である。登山口へ向かう起点を美東町大田の道の駅「みとう」とすれば、道の駅から県道32号を萩・長門方面へ向かって北上する。

大田交差点を北へ進む 鷹ノ巣バス停先を右折

 大田交差点から1.4km程度進んだ地点に鷹ノ巣バス停があり、このバス停先から右下へ下りる道に入る。なお、この入口には中電電柱の「赤郷5次1と赤郷5次2」が立っている。

季節の花を眺め、道なりに進む Y字分岐は左の道を採る

 そのまま道なりに進むと、右に福永工務店を過ごす。この先のY字分岐は左の道を採り、南に変電施設を眺めながら東へ向かう。もうこの先は山頂へ向かって一本道で、道に迷う恐れはない。

変電施設 この先は一本道
右にため池を過ごす 足下は未舗装道に変わる

 間もなく右にため池が見えてくれば、左に最後の民家を過ごす。左右を植林帯に囲まれると、足下はすぐに舗装道から未舗装道に変わる。涼しい木陰を歩いていると、木の間越しながら北に小山が見えてくる。

向かいに山が見える 気持ちの良い道が続く

 この先周囲の展望はなく、樹林の下を歩くことになるが、吹く風がとても心地よい。林道特有ではあるが、山の斜面に削り取られた岩も美しく、足下に咲く美しい花や植物を観賞しながらハイキングを楽しむ。

切り取られた岩 可憐な花

 木の間越しに向かいの山が見えてきたので目をこらすと、平坦な山頂付近にアンテナが2基見えている。従って、この山は以前登った東山のようだ。やがて右への分岐を過ごし、少し左カーブを描きながら緩やかな傾斜の道を進むと、アンテナ施設の建つ中山の山頂へ到着した。

中山山頂のアンテナ施設と四等三角点

 明るいアンテナ施設の建つ場所から西側の草原へ移動すれば、四等三角点が置かれている。山頂にて記念撮影と思ったが、この時期小さな虫が多く、カメラにまとわりつくようだ。明るい場所へ移動しても虫がついてくるので、記念撮影は断念した。

中山の山頂風景

 この明るい山頂が本年度の目標であった山陽小野田市、宇部市、美祢市の山の最後の山頂である。楽しい想い出の多かった、この地域の山々のことを思い返しながら下山を開始。登山口まで引き返した。

大田金麗社

 本日は少し時間が残っているので、周辺散策をする。最初に向かったのは大田金麗社。この社は慶応元年、大田絵堂の戦いの際、高杉晋作の輩下の正義派諸隊が本陣を置き、奇兵隊の軍鑑山県有朋以下が髪を切って戦勝を祈ったところである。

 明治維新の発祥につながる大田・絵堂の戦いについては次のとおりに案内されている。

 幕末の長州藩は、尊王攘夷論の急先鋒だったが、禁門の変で敗北し、第一次長州征伐の結果、藩の要職は保守派が占めることになった。この事態を憂いた革新派の高杉晋作は、元治元年12月に下関功山寺で決起し、下級武士や農民を主体とした諸隊は萩を目指した。

 一方、保守派の政府軍はこれを鎮圧せんとし、明けて慶応元年(1865)正月、美東町絵堂大田で衝突した。これがいわゆる「大田・絵堂の戦い」である。激戦となったこの戦は、諸隊が勝利し、後に長州藩の藩論が倒幕に一変し、明治維新への道を歩み始めた。

 この地(金麗社)は奇兵隊が本陣を置いたところで、高杉晋作や山県有朋、伊藤博文らが会議をし、戦勝祈願を行った場所である。

金麗種の風景

 境内には殉難十七士之碑などが祀られており、金麗社入口付近には「騎兵隊戦勝灯籠」が置かれている。この灯籠は慶応2年6月の第二次長州征伐(四境の役)の際、高杉晋作指揮の下、関門口を守備した奇兵隊が小倉城を落としたときに小倉延命寺から分捕ったもので、大田・絵堂の戦いの勝利の記念として金麗社へ奉納されたものである。

長登銅山文化交流館 亀山坑跡

 境内を散策後、次は日本最古の銅山跡の長登銅山文化交流館を見学する。ここで目を引いたのは、奈良の大仏と長登の関係で、昭和63年3月、奈良県橿原考古学研究所が東大寺境内の発掘調査を行い、大仏創建時の遺物を化学分析したところ、大仏の銅原料は長登銅山産だと言うことか科学的に実証されたことである。

火縄銃・ミニエール銃 陣笠

 東大寺の再建に使用された木が徳地産であり、大仏の銅が長登産。4月最初に観光した奈良の大仏殿がとても身近に感じられるようになった。また、文化交流館には諸隊の陣笠や火縄銃、ミニエール銃なども展示されており、貴重な歴史遺産を眺めることができる。

雨乞山 鼓ヶ岳

 最後に鉛を算出した亀山坑を見学、昭和前半まで鉛を採掘していた坑道を上から眺めることができた。以上で周辺散策は無事終了。帰りに道の駅みとうへ立ち寄ると、東に雨乞山がそびえ、その左にはアンテナの立つ東山がそびえている。西には鼓ヶ岳がそびえ、この道の駅は、周囲の山々を見晴らす展望地のようだ。

麓から眺める中山

中山山頂

長登銅山跡石碑

 前の山 絵堂鞍掛山 を見る

 次の山 天井山・三隅権現山 を見る

歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 山口県美祢市美東町大田 中山 登山口付近のMAP

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