2006年3月5日(日曜日)

甲山(豊浦室津)

登山口 豊浦町海浜環境活用総合管理センター横駐車場

ガイド本 金光康資著 防長山野へのいざない

登山開始 →12:09→ 山頂到着 →12:36→ 山頂出発 →13:11→ 下山終了 13:29

参考コースタイム

登山開始 →0:27→ 山頂到着 →0:35→ 山頂出発 →0:18→ 下山終了

登山時間 1:23

 山頂からの展望を求めて室津の甲山に向かう。

 金怡城山の麓、長谷池を後にして県道261号を川棚温泉方面に戻り、国道191号を下関方面に下り、JRくろいむら駅を過ぎた先の交差点を右折し、黒井川に沿って室津漁港に向かう。間もなく前方にすっきりした山容の室津甲山が現れる。

甲山全景

 整備されたフィッシャリーナむろつのヨットハーバー手前、豊浦町海浜環境活用総合管理センター前に駐車し登山を開始する。

甲山の標識に従い右折し、民家の横を抜ける

 まずは海側に向かいヨットハーバーを見学した後、西方向に向かって進む。右手北側には甲山の姿が広がり、これから向かう山頂方向をしばし見つめる。小川に沿って進むと右手民家の手前に甲山登山口の標識が立っており、石の橋を渡り小径に入る。

作業小屋の横を抜けて山道に入る

 少し進むと右手に作業小屋があり、作業小屋左手の「甲山山頂に」の道標に従い、右上の畑に向かってつけられた道を進む。細い道だがよく踏まれており、明るい道を進んで行く。道端には可憐な花も咲いており心が和む。背後には鬼ヶ城と狩音山が広がり、後ろから後押しをしてくれているようだ。

樹木に覆われた登山道に入る

 すぐに樹木に覆われた登山道に入り、周囲の展望は無くなるが相変わらず明るい道が続く。要所々に置かれた至れり尽くせりの標識により迷うことはなく、少し傾斜があれば親切にロープが渡してある。それまで西に向かっていた登山道はロープの渡された場所から東に折り返す。

傾斜のある場所にはロープが渡されている

 相変わらず左右には樹木が茂り、展望は望めないが明るい道を少しずつ高度を上げて行く。左手に木の間越しの海が広がると足下にはいくつかの岩を見る。コナラなどの樹木標識を眺めながら進んでいると、この時期はヤブ椿が咲いていることに気が付いた。綺麗な椿を鑑賞し、周囲をきょろきょろしながら進んで行く。足下の落ち葉をザクザクと踏みしめて歩く感触が耳にも足にも心地よい。

足下にいくつかの岩を見る

 道の途中にある少し大きな岩を越した先には再びロープが渡されており、このロープの場所を過ぎると道は少し右に向き、正面には大きな木が倒れていた。よほど強い風が吹いたのだろう木の側に寄ってみて木の大きさに改めてびっくりした。但し、この木はまだ倒れている側の根で生きているらしく、枯れてはいなかった。木の生命力に再度びっくりする。

大きな木が1本倒れていた

 倒れた木を過ぎると木のトンネル状態の場所に出て、この坂を抜けると待望の甲山山頂に到着した。山頂には祠が1基立っており、早速に参拝をする。

山頂の石祠に参拝

 山頂からの展望は素晴らしいもので、言葉では言い表せない感動を受け、「うぉーー」とか「うわーー」と叫んでいた。 落ち着いて眺めてみると、北方面に角島が平べったい姿を現し、その手前には男島・女島が浮かんでいる。その右手にはマリンピアくろい跡、小串地区の後ろには狗留孫山が広がり、その右には華山のアンテナが見え、その手前には先程登った金怡城山と思われる山が見える。

正面にはマリンピアくろい跡、小串地区の後ろには狗留孫山が広がる

 周囲を綺麗な松林に囲まれた下関カントリークラブが眼下に広がり、その背後には少しずつ高度を上げた稜線の先に狩音山・鬼ヶ城・その右手には竜王山と続いている。真下には室津地区の集落と漁港がまるで箱庭のように綺麗だ。

眼下には室津地区の集落、後ろには狩音山・鬼ヶ城・その右手には竜王山

 甲山山頂にはビニールパイプが刺してあり、周囲の山の標高や最寄りの地区までの直線距離が書いてあり、近くに見えても距離は遠いと言うことが分かるようになっている。平らで広い山頂をあちこち動き回っているとサクランボの花がいくつか咲いていた。

 山頂からの展望に満足したので、石祠に再度お参りして下山を開始する。一周回りに降りて行くことができるので、そのまま東方向への踏み跡を辿り、ゆっくりと降りて行くとすぐに急なシダの道の斜面となる。逆に登る場合には難儀だと思われるような、急な坂道をゆっくりと滑らないように降りて行く。山頂方向を見上げると改めて急な斜面であることが判った。

急な坂を降りて行く、振り返ると急斜面を実感

 道は少し薮気味ではあるが道を間違えるような所もなく、よく踏まれた道なので安心して降りて行く。そのまま道なりに木に掴まりながら降りて行くと山頂からは8分で整備された遊歩道に到着した。いかに急な坂を降りてきたかがよく分かった。

遊歩道の先の泊ヶ鼻

 遊歩道の先には泊ヶ鼻が広がり、眼下の海の色がとても綺麗だ。遊歩道を歩いて豊浦町海浜環境活用総合管理センターまで戻り、センターの向かいに立つ蛭子社に参拝、引き続き左手の坂を登り金比羅社に向かう。

蛭子社に参拝

 少し坂を進むと小さな金比羅社が立っており、社には「恵比寿社」の石の額が立てかけてあった。甲山から無事に下山したことを報告し登山を終了した。

泊ヶ鼻台場跡

 再び豊浦町海浜環境活用総合管理センター先に戻り説明板を読むと、先程遊歩道から眺めていた泊ヶ鼻方面に旧豊浦町の指定史跡があるそうなので再度遊歩道に向かう。遊歩道を北に向かうと幕末に砲台が設置されていた「泊ヶ鼻台場跡」とその向かいには室津湾に出入りする船が航海の安全を祈って祭りをした址が残っている「湊祭祀遺跡」の標識がある。

「湊祭祀遺跡」から見る甲山

 甲山は、麓から見ても美しい山で、山頂からの展望も素晴らしく、正に「見て良し、登って良し」の山だった。登山道もしっかりと整備されているので山頂からの展望を楽しんで頂きたい。但し、東方面に下る道は少し荒れており、急な下り坂でもあるためご家族連れの場合は来た道を引き返す方が無難だと思われる。

 この甲山の麓の室津地区についての説明板を見つけたので最後に記載しておく。

室津 室のように入り込んだ波静かな港ということで「むろつ」と呼ばれ、承平5年(935)ごろ編纂された『和妙抄』にすでに「室津郷」と、その地名が見られます。健治元年(1275)には、元(中国の国名)の使者がこの港に上陸し、捕らえられて鎌倉に送られました。波止の外の丸い岩が、この時船をつないだ岩といわれています。このように大陸との交通や貿易で栄えた重要な港といえます。百基近くもある甲山の古墳は、こうした古代の貿易に関係した人達のお墓かもしれません。

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歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 甲山 登山口付近のMAP

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