叶岳・高地山・高祖山(かのうだけ・こうちやま・たかすやま)福岡県福岡市

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2014年10月7日

野外活動センター駐車場 →0:07→ 叶岳登山口 →0:48→ 叶岳山頂

 →0:40→ 高地山 →1:10→ 高祖山 →0:05→ 下ノ城跡 →0:10→ 第一分岐

 →0:50→ 野外活動センター駐車場

全歩行時間 3時間50分

登山行程図(地図をクリックすると拡大)

 久しぶりに福岡県の山へ復帰、今回は福岡市西区今宿の今宿野外活動センター前を登山口として叶岳、高地山、高祖山を周回する。野外活動センター駐車場に車を置き登山開始、左の電話ボックス手前に今宿野外活動センターバス停を過ごし、北へ向かって緩やかな傾斜の舗装道を下る。

麓から眺める叶岳と高地山へ向かう稜線 叶岳登山口(クリックで別角度)

 やがて叶岳登山口へ到着、大鳥居を潜って階段を登れば、多くの鳥居が奉納されていた。階段状の参道にはプラスチック階段が設置され、山口県であれば、鉄塔の巡視路を想像するるが、ここは九州福岡県なので、九州電力の巡視路かどうかは判断できない。

奉納された鳥居が続く 植林帯に入る

 しばらく自然林の下を進んでいると前方に植林帯が現れる。背後には朝日に照らされた稜線が美しく、手前には住宅街を見下ろす。登山道の傾斜が緩くなり、ほとんど平坦な道に変わると、道の中央にモニュメントのような岩が置かれている。進路はこの先右方向へ変わり、叶嶽神社本殿参道の案内に従い、鳥居を潜って参道を進む。

背後に広がる展望 モニュメントのような岩

 この先から階段へ取り付くと、鳥居の先には風化した花崗岩質の道が続いている。中央部の掘られたような道を辿り、少しずつ高度を上げると叶嶽神社の鳥居が建ち、北西方面には糸島半島の山々が顔を出している。ここで「火の用心」と書かれた西消防署の標識に「6/14」と記載されていることに気づいた。これは叶岳の山頂まで導く案内と思われる。

鳥居を潜る プラスチック階段が続く

 更に坂道を進むと、右側に展望台の案内が掲示されていた。展望台には東屋が設置され、北西にそびえる糸島半島の山々を見晴らす。展望台から再び登山道に戻り、少し進むと五合目と書かれた石柱を通過する。この先で西消防署の8/14の案内を通過、少しずつ山頂へ近づいている。

展望地から糸島半島(クリックで拡大) 五合目を過ごす

 朽ちた金属製の鳥居を過ごせば六合目の石柱を通過、少し上にはお坊さんにも見えるユーモラスな自然岩のモニュメントが立っている。風化した花崗岩質の地点を過ごすと長いプラスチック階段が待っている。ここで10/14の案内を通過、もう山頂までわずかの位置になっていることがわかる。

金属製の鳥居 お坊さん

 すぐに七合目を通過、西消防署の11/14の案内を過ごせば、足下は掘られたような道に変わり、わずかに進むと8合目を通過。整備された登山道を辿り、12/14の案内を過ごすと左には不動岩の案内が立ち、左へ24歩と案内されている。

7合目を通過 不動岩へ向かって左へ24歩(クリックで案内)

 この案内に従い分岐を左折すると、それこそすぐに大岩が見えてきた。この岩には不動明王の壁画が残っており、それで不動岩と呼ばれているのだろう。大きな不動岩を眺め、元の分岐まで戻ると、今度は九合目の石柱を過ごす。

不動岩と不動明王

 間もなく14/14の地点へ到着、野方への分岐を左に過ごし、石段を登って大鳥居を潜れば、叶岳山頂の叶嶽神社へ着いた。山頂に掲示されている叶嶽神社のいわれには、「往昔、山の名を天狗山と申しけるが、神功皇后、三韓進出のみぎり、この所に御心願あらせ給しに、御心叶ひけりとて、山の名を変へて叶嶽と名付け給ふ(筑前国続風土記など)」と説明されている。

叶嶽神社へ向かって石段を登る 山頂に祀られた叶嶽神社

 叶嶽神社の主神は勝軍地蔵で、この神社は今から約600年ほど前、猛烈な地蔵信仰で知られた将軍足利義満の家来すじにあたる、上原の豪族吉住因幡守忠親が、義満に倣い、京都の愛宕権現より勝軍地蔵の分霊を勧進し奉り、建立してたもので、霊験いみもじくもあらたかなりとのことである。霊験あらたかなる神社へ参拝し、多くのお願いをする。
 さて、叶岳の山頂はこの神社からもう少し 南へ進んだところで、途中左にトイレを過ごす。遊歩道の途中という感じの山頂には、休憩用のベンチとテーブルなどが置かれ、叶岳山頂の標識も立っている。

叶岳山頂風景

 周囲の木々の背が高く、展望を得ることはできないが、木漏れ日が美しく、森林浴を楽しむには最高の環境である。山頂に置かれた距離表示によると、叶嶽宮前バス停から1.2km、高祖山まで4.1km、下ノ城址まで4.2km。この先からは下ノ城址への距離表示を見ながら縦走を楽しむ。

福岡市街の展望 飯森山

 火の用心の標識にA11の表示を眺めて叶岳山頂を出発、木の間越しながら東側に広がる展望を眺める。残念ながらpm2.5に霞む景色なので、しっかりと位置関係を確認することはできなかった。間もなく右に野外活動センターへの分岐を過ごすと、南東側には美しい山容が見えてくる。方角からすれば飯森山と思われ、次に向かう高地山の西に位置しているはずである。すぐに叶岳から200m、下ノ城址へ4kmの案内を過ごすと、火の用心の案内はA9に変わっている。

急な坂を下る 野外活動センターへの吉野谷コース分岐

 間もなく急な下り坂が現れ、足下に注意するよう案内されている。左側に大岩が見えてくると、西消防署のA8標識があり、岩の間にはミニ観音様が祀られている。叶岳山頂かから約500mの地点で右に野外活動センターへの吉野谷コース、反対側には壱岐ヶ丘中学校方面へのコースが分岐する。木の間越しに西方面の展望が開けるものの、大展望とはならない。

自然林の下を快適に進む ベンチの置かれた休憩地

 緩やかなアップダウンを繰り返しながら縦走路を進み、木の間越しの展望を楽しむ。やがてベンチとテーブルの置かれた展望地へ着き、福岡市街の展望を眺める。福岡タワーや玄界灘を眺めることもできるが、本日はPm2.5の影響により霞気味であることは否めない。眼下に広がる展望を眺めた後、縦走を続ける。

福岡市街の展望(クリックで拡大) 高地山山頂

 すぐに叶岳から1.4km標識を通過、少しの坂を登ると本縦走路中の最高峰、三等三角点の置かれた高地山山頂へ着く。高地山は道の途中の小ピークという印象で展望はなく、ぽつんと三角点が置かれているだけである。高地山を出発し、少し坂を下るとベンチとテーブルの置かれた小広場へ着く。ここには左右の分岐があり、左は35分で飯森山と案内されていた。ここでは進路を右に採り、高祖山へ向かって一旦高度を下げる。

ベンチの置かれた飯森山分岐 高祖山へ向けて分岐を右折

 間もなく叶岳から1.6km、下ノ城址へ2.6km地点を通過、更に200m進むと、頭上を樹林帯に覆われ、しばらく木漏れ日を浴びながら進む。九州電力西福岡今宿線49号鉄塔への案内を過ごせば、叶岳から2.2km、下ノ城址までは2kmで、縦走路の中間点を過ごしている。間もなく右に50号鉄塔を過ごし、少し先では野外活動センターへ1.3kmの案内を過ごす。こうしてみると、野外活動センターからはいろいろな地点へ道がつながっていることがわかる。

展望は木の間越し 一気に高度を下げる
50号鉄塔を過ごす 高祖山へ左道を採る

 もう下ノ城址までは1.7km、山腹につけられた道をジグザグを描きながら高度を上げる。やがて作業道跡のような平坦な場所に着き、進路を左に採る。次に階段状の坂を上り、すぐに進路を右に採る。もう下ノ城址までは1.4kmとなり、木漏れ日を感じながら軽快な登山が続く。

広い作業道のような道を左折 木漏れ日の下を進む

 下ノ城址まで1kmを過ごせば、右に志賀見台への分岐を見送り、花崗岩の風化した道を辿って標高385m地点へ着く。ここに置かれた西消防署の標識にはC9と書かれており、右方向には高祖自然観察路の案内が立ち、この道を採れば更に野外活動センターへと続いているようだ。下ノ城址へ0.6kmの案内を過ごすと、ガイドに「第一分岐」と案内されている分岐へ着く。この分岐が本日下山の際に使う道であり、縦走路上には西消防署のC12、右の野外活動センター側にはD13の案内が立っている。従ってこの地点から野外活動センターまでは約1300mと言うことがわかる。

標高385m地点 野外活動センターDコース(クリックで別角度)

 分岐から更に高祖山へ向けて進み、すぐに下ノ城址へ0.4kmの案内を過ごす。西消防署のC14を過ごし左側に注意していると、大きな横穴が二つ残っていた。中に何があるのか気になるが、単独行なので中に立ち入ることは控えた。間もなく下ノ城址まで0.2kmの案内を通過、この先で進路は左方向へ変わり、すぐに現れる左右の分岐は、高祖山へ向かって左を採る。なお、右方向はずっと案内に記載されている下ノ城址である。

横穴(クリックで拡大) 高祖山へ向かって左折(クリックで別角度)

 さて、高祖山へ向かって少しの傾斜の坂を登る。山頂手前で木の根の張り出す道となり、朽ちた花崗岩質の道を辿ると、上ノ城址の高祖山山頂へ着く。山頂は広く平坦で山頂に置かれた案内には中世山城跡と説明されている。

山頂手前 高祖山山頂(クリックで拡大)

 展望は周囲の木々の背が高く、北方面のみ木の間越しに市街地が覗いている。また、北には遠く背振山、金山などが見えているが、こちらも展望は限られている。山頂の案内によると高祖城は中世糸島地方を治めていた原田氏の居城で、上ノ城と下ノ城を中心に郭群を形成しており、天正15(1587)年、豊臣秀吉軍の攻撃によって落城したそうだ。

山頂風景

山頂からの展望 背振山と金山

 山頂で小休止の後、下ノ城址へ移動する。山頂から元来た道を引き返し、縦走路を北西へ進む。すぐに下ノ城址へ到着、こちらにも平坦な郭跡が残っていた。下ノ城址を確認したので高祖山の周回は無事終了、第一分岐まで引き返し、野外活動センターへ向かう。

下ノ城跡の風景(クリックで拡大)

 この途中、木の間越しながら福岡市街の展望を眺めることができた。従って、展望を覆っている木々が無ければ、眼下を一望に見下ろす展望地であり、高祖城が山城として適当な位置にあることがわかる。

木の間越しに福岡市街の展望 第一分岐へ向かって左折

 さて、第一分岐から北へ向かう道に入る。急な傾斜の坂を下り、高祖山自然観察路を辿る。今まで歩いてきた道とは違って少しワイルドな道だが、西消防署の案内もあり、危険な箇所には補助のロープも渡されているので道に迷う心配はない。道の途中に大岩を鑑賞、一枚岩の滑滝等見所も多く飽きることはない。

野外活動センターへ向かって下る 途中には案内が多い

 植林帯の地点では左右にシダの目立つ場所を通過するが、歩行に支障はない。やがて西消防署のD6の案内を過ごせば、鉢伏山観音堂へ到着した。筑前国続風土記によれば、神功皇后の怡土巡遊の聖跡をしのび、聖武天皇が怡土郡に七個寺の勅願寺を建立されたと伝えられており、ここはその七個寺の一つ、鉢伏山金剛寺の跡である。

シダの茂る箇所 鉢伏山観音堂

 観音堂へ参拝の後、野外活動センターへ向かう。観音堂を過ごせば、野外センターまでは残り約500m、この先からはほとんど平坦な道が続き、快適な遊歩道を進めば、能古見台への分岐を通過。突然前方が開けると、目の前が野外活動センターだった。高祖山からの下山に使用したコースはDコースと案内されており、この起点には高祖山・鉢伏観音登山口の案内が立っていた。

高祖山登山口(クリックで別角度) 叶岳方面

 野外活動センター前を通過して階段を下れば、正面の入口前へ着き、舗装道を下るとトイレの先の駐車場へ到着。これで一周回りの登山は無事終了した。駐車場を出発し、途中から叶岳、高地山方面を振り返る。一周した行程はなかなか楽しい遊歩道だった。

麓から眺める叶岳

不動岩と不動明王

叶嶽神社

福岡市街の展望

背振山と金山

糸島半島

 前の山 恵那山 を見る

 次の山 荒平山 を見る

歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 福岡県福岡市 高祖山 登山口付近のMAP

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