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→0:20→ 国道186号出合 →0:08→ 登山口
当日は小瀬川ダム管理事務所の駐車場に車を置かせて頂き登山を開始した。なお、同事務所のきれいな水洗トイレは使用可能である。国道186号を岩国側へ引き返し、小瀬川ダム横を進むと、駐車場を兼ねた公園があり小さな紅葉が見頃を迎えていた。
公園から国道を横切ると冠岳登山口の案内が置かれていた。これは以前鬼ヶ城山からの帰りに見つけた案内で、今回の登山のきっかけになったありがたい案内である。案内を過ごし北へ向かう登山道に入る。
最初こそ滑りやすい急な坂にとりつくが、すぐに坂の傾斜が緩みアンテナ施設の左側を通過する。足下には背の低いシダなどが続いているが踏み跡は鮮明で、目印テープも巻かれているため道に迷う心配は無い。
美しい紅葉を眺めながら一旦坂を下りすぐに登り返す。樹間越しに南を眺めれば尖峰の大師山、山頂部が平坦な白滝山が顔を出していた。当日は霞み気味の天候なので鮮明な展望を得られないのが唯一残念なところである。
樹間越しに見えていた山頂部が突然顔を出し、これから向かう岩峰に期待が高まる。再び頭上は樹林に覆われ、ほとんど傾斜を感じない快適な登山道を進む。やがて少し傾斜を感じ始めるのが標高380m付近で、もう山頂まで標高差100m程度となっている。
自然林の下、真砂の道を進んでいると前方にシダが目立ってきた。シダの横に続く急登に取りかかるが、反対側には手がかりとなる木が多いため、木々をつかんで少しずつ高度を稼ぐ。当日は頭上に広がる紅葉が美しく、紅葉観賞に意外と時間がかかってしまう。
前方には大岩が垣間見え、もう岩場が近いことがわかる。すぐに大岩が右に現れその大きさに感激、これから先が冠岳のハイライト。まず右に岩を見ながら折り返すように南へ進路をとれば、最初の展望岩の上に立つ。紅葉の先に小瀬川ダム湖、左に宝田山、南にそびえる大師山・白滝山・黒滝山は霞みながらも存在感を示している。
東には三倉岳がそびえているが少々逆光気味である。展望岩を出発し岩の間を縫って高度を上げる。これから先は奇岩大岩鑑賞が続く。三角の岩の左から下に続く分岐を見つけたが、これは国道に下る道かも知れない。足下に背の低いシダを見ながら高度を上げる。
急傾斜が続くも足下はしっかりしているため滑る心配は無い。ただし、歩いてきた道はとても急なので、改めてびっくりする。ここで前方の景色に気をとられていたことがわかり、慎重に歩を進めなければならないと自覚する。大岩が絶壁にそそり立ち、それぞれの場所に立てば展望が素晴らしい。
いよいよ山頂に続く岩の斜面に着いた。風化した花崗岩を乗り越え一気に高度を上げる、途中で背後を振り返ったら足がすくんでしまった。少しでも足が滑れば岩の下に滑落、ここまで戻るのには時間がかかりそうだ。
目の前に大岩がそびえ立てば冠岳山頂に到着、岩の右側から細い道を反時計回りに進めば、簡単に大岩の上に立つことができた。北には一段高い岩がそびえているが、この上には今の体力で登ることができず断念するしかない。
手前の岩上が冠岳とされているためこれで山頂にに立ったということにしよう。山頂からは周囲360度のパノラマが広がり、申し分の無い展望が素晴らしい。北には大峰山などの山脈が続き、南へ向かって二代木山、宝田山、大師山、白滝山、黒滝山、更に東へ向かって瓦小屋山、三倉岳と続く。
特に登ってきた岩道は登山時には気づかなかったがとても急峻で滑りやすく見え、思わずへっぴり腰になってしまう。素晴らしい展望を時間を掛けて楽しんだ後、下山を開始する。下山は元来た道を引き返すのが絶対にお勧めで安全だが、今回は初めての登山なので周回をしてみることにした。
山頂から左に大岩を眺めながら東へ続く急な坂を下る。すぐに手製の案内が木に掛けてあり、国道186号へ向かって進路を南へ変える。自然林の下に続く明確な道を下っていると登山道の左右にシダが現れる。背後には青空の下に冠岳が現れ、とても美しい山容である。
この先で左に沢が現れ炭焼き窯跡に出会う。これから先は沢に沿って下る。沢沿いに明確な目印が続き、進行方向に目印を追えば難なく進むことができるし、時折現れる手製の案内が心強い。清流を眺めながら沢沿いを下っていると途中から沢を離れ右上へ続く道に入る。この付近にもしっかり目印テープが巻かれているので迷うことは無いだろう。
そのまま明確な道を辿れば国道186号のガードレールに到着、入口から少し入った所にはビニール製の下地に冠岳登山口の案内が木に掛けてあった。外からは見えにくいので知る人ぞ知るの登山道出入口なのだろう。
国道に出て登山口の小瀬川ダムへ向かう。途中で大竹市と廿日市市の市境案内を通過、冠岳登山口を過ごし、駐車地の小瀬川ダム管理事務所に帰り着いた。岩峰と360度の展望が素晴らしい冠岳登山であった。
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