トップに戻る 2021年に登った山リストへ戻る 山名アイウエオ順
→0:10→ 金松岩下の河原 →0:30→ 水力発電施設跡 →0:30→ 金松岩下の河原
→0:50→ 下降開始点 →0:25→ 林道終点 →0:30→ 駐車地
駐車地 →0:09→ 奧沢田 →0:06→ 駐車地
奧沢田往復時間 0時間15分
参加させて頂いたのは、北浦自然観察会の金郷渓陸上ルートの行程で、ヤマザキYショップJA山口中央生雲店へ集合し、北浦自然観察会の16名に我々Kグループ7名参加して総勢は23名、今回は大人数である。ヤマザキYショップを出発して県道11号を西へ進み、次の分岐を左折し県道310号に入る。
分岐から県道310号を1.8km南下すると左に生活バスの「西ヶ原バス停」、右には「生雲渓6.5km・生雲中2.0km」の案内が立っている。この案内先の右側へ続く分岐に入り、1km進むと右に作業道が続いている。この作業道を辿り終点まで行けば、広い駐車場が用意されている。駐車場には「長門峡国有林分収育林契約分収林」の案内が置かれていた。
駐車場を出発し西へ続く長門峡林道に入る。入口には車止めが設置され、一般車両進入禁止と案内されているので、これから先には車で進入できない。手作りの「金郷渓猿渓瀑布(かなごうけいえんけいばくふ)」の案内を眺めて林道を進む。すぐに新設作業道が右へ分岐するが、主路をとる。
しばらく林道を辿れば登山口の駐車場で見たのと同様の長門峡国有林分収育林契約分収林の案内(面積は違う)を過ごす。花やイノシシのヌタ場を眺めながら林道を進むと、駐車地から25分で林道終点へ着いた。
更に猿渓瀑布の案内を通過、この先ではイノシシのヌタ場を見る。更に進み標高330m地点で川へ向かって下り始める。この付近に掲示されている注意書きには「これから先の歩行補助用ロープについては安全性を保証するものでは無い」と記載されている。当然のことなが登山中の行動は全て自己責任であり、自分の身は自分で守るしかない。
さて、植林帯の下に続く道を200m以上高度を下げる。ヤセ尾根や急斜面の岩場は見どころ満載だが、昨日の雨により足下が滑りやすくなっているので慎重さが求められる。この途中で名勝境界の石碑に出会った。裏には内務省と彫られており、かなり昔のもののようだ。
この先から補助のロープが続き、慎重に下るため歩行速度が遅くなる。やがて直進と巻き道の案内があり、我々は巻き道を選択し補助のロープを伝って高度を下げた。最後の坂を一気に下れば左右に分岐へ到着。左は江毛九郎堰、右は猿渓瀑布と案内されており、我々は最初に最大の見どころ、猿渓瀑布へ向かう。
左下に炭焼き窯跡を過ごし河原に下りる。昨日の大雨により水量を増した蔵目喜川が我々を威圧するように流れている。上流を眺めれば岩の間から流れ落ちる滝が素晴らしい。川全体が滝という感じで、川幅いっぱいに続く岩場から白い布を垂らしたように水が落下している。これぞ正しく猿渓瀑布である。豪快な滝の流れはいつまで眺めていてもその迫力に見飽きることはない。
蔵目喜川の右側につけられた古い遊歩道を辿る。足下には苔が多く滑りそうに見えるが、意外と苔がしっかりしているので良いクッションになっている。足下が狭くスリルを楽しみながら上流へ移動する。すると滝を真横から眺める場所へ着く。これは豪快だ。ごうごうと流れ落ちる音を聞きながら水流を眺めることは初めての経験である。
何も整備されていない自然そのものの渓谷で、これほど豪快な滝は初めてである。猿渓瀑布見学を終え、遊歩道を辿り下流へ向かう。渓谷を眺めながら進んでいると、北浦自然観察会の皆さん達が遊歩道を整備する際設置されたハシゴの前に着いた。今回の踏破について事前に調べていた際、ネットに掲載されていたハシゴで、ようやくこのハシゴに出会えたことが素直にうれしい。
このハシゴが無ければ段差ある遊歩道に取り付くのはとても苦労しそうだ。右に朽ちた古い手摺りを見る。高島北海達が長門峡開発の際に整備した手摺りで、この渓谷を鑑賞するため、昔は多くの人々が観光に来ていたことが偲ばれる。渓谷を見下ろす景色も素晴らしく、見るもの全てが美しい。
やがて岩と岩の間につけられた階段を登ると左上の岩が落ちそうになっていた。この岩の間の風景が大正期の吉田初三郎による「長門峡鳥瞰図」に描かれた金郷門だろう。慎重に金郷門を通過する。補助のロープを伝って石段を下れば右下に河原が現れた。中央には大岩が座り、この岩上にはロープを伝って上がることができる。
周囲の岩壁にはセッコクが多く咲いているが、距離があるため双眼鏡で眺めた方が良さそうだ。河原から対岸にはそびえるような大岩を見上げる。この大岩が長門峡鳥瞰図にある金松岩だろう。岩の切れ目には白いセッコクが咲いており、まさに自然の織りなす芸術そのものである。
小休止の後、河原を出発し江毛九郎堰(えもくろうぜき)へ向かう。最初に現れるのが岩を手彫りでくり貫いて作られたトンネルで、ロープを補助にトンネル入口まで進む。手彫りのトンネルを抜ければ右に穏やかな渓谷を眺め、この先で左に小滝を眺める。
当初の計画では、この付近で昼食の予定だったが、当日は草が生い茂っていたため、金松岩下の河原に変更した。左上に鉄骨で囲まれた施設跡を眺め、もう少し先へ進むと対岸の県道が見えた。県道右側に江毛九郎堰を眺め、本日の最終目的地を確認した。
山側には鉄製のパイプがはるか上まで続いており、これが発電所跡だった。最後に江毛九郎堰を眺めて元来た道を引き返す。目指すのは古地図に描かれていた金松岩の下に広がる河原である。再び足下の細い道を慎重に進み、手彫りのトンネルを二つ過ごす。間もなく金松岩下の広い河原に着き、昼食後すぐに金郷渓を出発した。
壁のような大岩を右に見ながら細い階段を登る。更に進み手製のハシゴを下れば急斜面へ向かう。今回の金郷渓探勝が普通の登山と違うのは、最後に急斜面を登り返さなければならないこと。急斜面に渡された補助のロープがありがたい。
ロープを伝って高度を上げれば少しずつ出発点へ近づく。標高差230mを登り返せば標高330m地点まで引き返した。ここまで引き返せば残りはわずか。平坦な道を辿り長門峡林道終点まで帰り着いた。この先からはほとんど平坦な林道なので一安心、のんびり談笑しながら駐車地まで引き返した。
ここで北浦自然観察会の皆さんと別れ、我々は近くにある363.3m峰へ向かった。駐車地から東へ進み、右に保安林の黄色い案内を確認して急登へ向かう。すぐに平坦な山頂の端へ着くが周囲に木々の背が高い。
わずかに南へ向かうと、足下には四等三角点が置かれていた。点名は奥沢田、山頂からは樹幹越しに黒獅子山が見えている。今回登った三角点の点名をこの先覚えているか疑問だが、楽しい仲間と山頂に着いたことは何時までも覚えているだろう。 再び駐車地まで引き返し、北浦自然観察会の皆さんと別れてJAヤマサキショップまで引き返し解散した。
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