奉納山(ほうのうざん)島根県出雲市

トップに戻る              登った山のリストを見る           山名アイウエオ順

2012年6月23日

出雲大社駐車場 →0:15→ 奉納山公園入口 →0:10→ 山頂

 →0:10→ 出雲の阿国の墓 →0:10→ 駐車場

全歩行時間 45分

 竜山登山口のうさぎ森林公園を出発、坪背山の山頂から眼下に眺めていた稲佐の浜へ向かう。なお、古事記には、大国主命に国譲りを迫るため、天照大神の命を受けた天鳥船神(あめのとりふね)と建御雷神(たけみかずち)が伊奈佐の浜に下り立ったとされている。

稲佐の浜から眺める坪背山 稲佐の浜

 稲佐の浜海水浴場へ着き、北を眺めると、坪背山の山頂を眺めることができる。やはり外敵に備えるための位置にあることがよく分かった。時間があるので周辺散策、稲佐の浜に浮かぶ弁天島を眺める。と、その右には海水浴ではないが、海に入っている若い女性を見つけた。本日は確かに暑いが、まだ泳ぐには早いような気がした。

稲佐の浜に浮かぶ弁天島 海水浴?

 さて、坪背山を眺めていると、その右手前の山頂付近に展望台を見つけた。位置からすると奉納山である。標高73mの低山ではあるが、歴史ある山なので登ることにした。

出雲の阿国の墓所から眺める奉納山 「奉納山・歌舞伎の始祖出雲於國の塔」の石碑

 奉納山へは、出雲大社を登山口とする。出雲大社の正面前の大鳥居前を通過し、稲佐の浜方面へ向かう。最初に現れる信号のある交差点を右折し、出雲大社の駐車場へ車を置く。

奉納山登山口 於国塔

 交差点まで戻り、西へ向かって舗装道を600m進めば、奉納山バス停があり、この先の分岐を右に採れば「奉納山、歌舞伎の始祖出雲於國の塔」と刻まれた石碑が置かれている。奉納山経筒の案内によれば、中世の頃、廻国聖によって全国六十六ヵ国の聖地に経文を経筒に入れ埋経した。出雲ではこの山に奉納されたので奉納山と呼ばれるようになったそうだ。

出雲阿国像 周囲を取り囲む玉垣

 正面の階段右に奉納山公園、左に出雲阿國終焉地碑の石碑を眺めて階段に取り付く。右の案内には出雲阿国の塔200m、国引きの浜展望台まで400mと案内されている。階段を登ればすぐに阿国塔へ到着、塔には阿国の姿が刻まれており、周囲を取り囲む玉垣には、寄進をされた中村歌右衛門、市川猿之助、片岡仁佐衛門など歌舞伎界で有名な名前が刻まれており、ひとつ一つの玉垣を眺めていると、著名な名前に思わず足が止まる。

奉納山経塚の木柱 坪背山

 また、阿国塔には出雲の阿国について、「出雲のお国は大社の巫女にして、同社の鍛冶職中村三右衛門の女なり。京都に出でて念仏踊を演じて公衆の見せ物とす」などと詳細に書かれている。阿国塔を出発し、右に奉納山経塚の木柱を見る。この先より舗装道となり、少しの坂を登って行けば、北に馬見烽の坪背山が迫ってくる。この先で反対側から上がってきた車道と合流し、進路を右に採る。更に道なりに進むと奉納山の山頂へ到着する。

出雲手斧神社 山頂に建つ展望台

 奉納山の東端には出雲手斧神社が祀られている。この神社は、建設業者の守護神として霊験あらたかとのことである。山頂の中央へ向かえば二階建ての展望台が設置されている。この上に立てば、 出雲神話の世界が一望である。

出雲市街の展望

 その昔、出雲の国は狭いので、他の国の余った土地を引き、広くしようとした国引き神話の八束水臣津野命が、遠い新羅の国の余りを「国来、国来」と引き寄せられた。それが杵築の岬で、その時に使われた網が園の長浜(稲佐の浜)、そして引いてきた国を動かさないようにつなぎ止められた杭が三瓶山である。

弥山 稲佐の浜

 展望台の上から周囲を眺めれば、東に尖峰の弥山、北には烽火山の坪背山、西には稲佐の浜と弁天島、南には雄大な三瓶山、眼下には平坦な出雲平野と、いつまで眺めていても見飽きない展望が広がっている。

 展望台から下り、山頂の西の端から眼下には稲佐の浜と弁天島を眺める。やはり出雲は神話の国であることを痛感した。山頂を出発、公園入口まで下りて出雲大社の駐車場を目指すが、途中の右手に出雲阿国の墓所があるので立ち寄ってみる。

出雲阿国の墓入口 出雲阿国の墓

 入口には「歌舞伎の創始者出雲阿国の墓」と案内されており、石段を登れば歴史を感じさせる出雲阿国の墓に着く。近くの案内には、日本を代表する芸能・歌舞伎の始祖として知られている出雲阿国は、大社町鍛冶職中村三右衛門の子で、出雲大社の巫女であったと伝えられている。天正の頃、出雲大社本殿の修復勧進のため、京都へ上り、世にいう歌舞伎踊りを創始した。豊臣秀吉や徳川家康の御前でも、この歌舞伎踊りを披露するほどに名をあげ、世に「天下一阿国」として知られた。また、阿国と名護屋山三との熱愛ぶりも今の世に語り継がれているそうだ。

 墓は平岩のようだが、亀裂が入っているように見える。出雲の散策も終えたので最後の楽しみは出雲そば、今回は「出雲文化創造の郷」の敷地内にある「そば縁」さんへ立ち寄る。

そば縁 十六島海苔そば

 注文したのは夏季限定の十六島海苔そば。出雲名物の釜揚げそばに十六島鼻で採れる岩のりが入った逸品である。だしも入れずにそのままそばと十六島海苔を頂くと、ほんのり塩の味がしてとても美味しい。本日も美味しいそばを食べることができて満足な山旅であった。

稲佐の浜と弁天島

阿国塔

出雲阿国像

展望

 前の山 竜山 を見る

 次の山 展望台の文珠山・嘉納山 を見る

歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 島根県出雲市 奉納山 登山口付近のMAP

登山リスト(あいうえお順)に戻る

登った山のリストに戻る

トップに戻る