極楽寺山(ごくらくじやま) 広島県廿日市市

2007年2月12日

極楽寺山

平良登山口 →0:10→ 旧道分岐 →0:15→ 極楽寺橋 →0:05→ 展望地 →0:10→ あと60分標識

 →0:20→ 廿六丁の地蔵様→ 0:15→ 原コース分岐 →0:15→ 仁王門 →0:05→極楽寺

 →0:05→ 極楽寺山山頂 →0:10→ 仁王門 →0:05→ 急階段 →0:15→ 沢を渡る

 →0:10→佐方分岐 →0:15→ 佐方橋 →0:15→ 佐方コース登山口

 →0:10→ 佐方第2号トンネル →0:20→ 平良第3号トンネル →0:05→ 平良登山口

全歩行時間 3時間25分

 昨日300山の達成ができなかったので本日こそは気合いを入れる。本日は島の山歩きを楽しむためバイクを置いて出発、蒲刈島の七国見山、江田島の火山を目指して高速道路を進んでいると、また大竹インター付近から見る宮島は霞んでいる。しまった、今日も後日車で山頂まで行くことのできる山に登らないと勿体ない。でもどこにしようかと思いながら走っていると廿日市インターを過ぎてしまった。すぐ先の宮島SAに停車し、登山計画書を見直す。

 河内インター付近の篁山も考えたが、登山計画書の中から廿日市市の極楽寺山を選定、五日市インターを下りて引き返し、国道2号の広島西バイパスを走り、上平良交差点を左折、次の信号も左折しその先の平良保育園西交差点を左折する。

平良保育園西交差点を左折 右折して細い道に入る

 そのまま道なりに進んで行くと左手に極楽寺山登山口標識の立つ、広島西バイパス下の平良第3号トンネルを正面に見る。なお、この標識には「頂上まで徒歩120分」と書いてある。第3号トンネルを潜り、更にその先を道なりに進んで行くと少し道幅が狭くなり、右手に極楽寺山の平良登山口が見えてきた。

平良第3号トンネルを潜る 頂上まで徒歩120分

 この登山口を過ごして100m程度進むと右手に広くなった場所があるので車を置いて登山を開始する。先程見た登山口まで歩いて行き、登山口の標識を確認すると「あと110分」、さあ299山に向かって出発だー・・・とガイドを見ようとすると・・・無い!またガイドを忘れている。今日は一日一山の、のんびり登山を予定しているので、すごすごと車に戻りガイドを持って再度登山口に向かう。車に戻る間にも沢山の登山者と出会い、極楽寺山が人気のある山であることを認識した。

登山口に向かう 極楽寺山平良登山口、駐車地はこの先

 さて、いかにも里山という感じの道をゆっくり進んで行くと、10分で右手から合流する道を見る。標識によると、「この道は極楽寺山登山道の旧道で、六丁・五丁・四丁の石標柱があり、出口はバイパスの側道、右折して2号トンネルへ」と書いてある。今日はバイクを下山口に配置しておらず、帰りもこの道を取る場合には旧道を歩いてみることにする。

里山という感じの道を進む 掘れた道を進む

 左手に七丁の丁塚を過ごし明るい道を進んでいると右手に三角点があると書いてあるので寄り道をする。この三角点は「下平良」のようだがこの三角点付近からは周囲の展望を得ることはできなかった。元の道に戻ると前方に登山者がいる。寄り道の間に抜かされたようだ。

七丁の塚 下平良の三角点

 10丁の丁塚を過ごし左手に中電の巡視路を見るがこの付近も展望はない。相変わらずよく踏まれた道を快適に進み、10丁から5分で右手に12丁の丁塚を過ごすとその先では鉄塔の下を進むことになる。道は少し左に向き、間もなく山陽自動車道にかかる極楽寺橋を渡り、橋の上から西の方向には宮島SAが見える。

極楽寺橋 西には宮島SA

 この宮島SAを登山口とする場合にはこの先で合流することになる。この場合、宮島SAに車を置くため駐車場の心配が無く、なかなか良い登山口のようだ。さて、極楽寺橋を渡ると階段道を登ることになり、階段道の先の分岐は右が極楽寺山、左が宮島SAとなる。階段下を見ると宮島SA方面から数名の登山者が登ってきている。

極楽寺橋を渡ると階段が待っている 宮島SA方面に下る階段

 極楽寺山に向かって舗装された坂道を更に登って行くと、左右に壁ができたような道を進む。 その先には「左 展望地 テーブル ベンチ」という標識が掛けてあるので展望地に向かってみる。展望地にはテーブルとベンチがあり、既に2名の方が休んでいた。この展望地からは眼下に宮島SA、南方面には廿日市の市街と遠く宮島が見えている。ただ、惜しむらくは霞んでいる。でもこの場所は宮島SAからすぐ近くなので、いずれ来る事ができそうだ。

左右に壁のような道 テーブルとベンチのある展望地
宮島SAと西の展望 野貝原山

 西方面のアンテナ山である野貝原山を眺めた後、展望地を出発し登山道に戻る。登山道に戻ると「頂上残り20丁」の標識を見る。このあたりに20丁の丁塚があるのかと探してみたが無いので、山頂まで20丁(110m×20丁=2200m)の距離があるという意味のようだ (1丁は約110m)。左に18丁の石柱を過ごすと1丁の単位の説明板があり、すぐに19丁を過ごす。

18丁を過ごす 掘れた道

 掘れた道を進んでいると20丁、その先では「極楽寺山まであと60分」の標識を過ごす。沢山の標識や石柱があるので飽きることなく歩くことができる。周囲は木の間越しの展望ではあるが少しずつ明るくなってきた。少し急な坂を登っていると左手に石柱があり、「左廿日市・右速谷神社」と書いてある。この道を下ると神社に着くのだろうか。

20丁とあと60分標識 左廿日市・右速谷神社標識

 この付近から少し坂の傾斜がきつくなり、ゆっくりと登ることになる。その先で22丁を過ごし、木の間越しに野貝原山を眺めることができた。間もなく極楽寺山まで14丁の標識を過ごし、掘れた道を登ると24丁の丁塚と「極楽寺山まで残り40分」の標識を過ごす。

少し坂の傾斜がきつくなる 周囲に岩が増えてきた

 確実に極楽寺山の山頂に近づいていることがわかる。木の間からは「広島はつかいち大橋」が美しい姿を見せているのだが霞がかかっており、この姿もモノクロで味がある。24丁の先の周囲には、大きな岩が目立ち始め、だんだん嬉しくなってくる。残り11丁の標識を過ごし、石段の道を登って行くと26丁の丁塚と平成17年5月に改修されたお堂に着く。

左に岩を巻いて進む お地蔵様にお参りする

 お堂のお地蔵様にお参りし、南方面を眺めると素晴らしい展望地である。眼下には廿日市の市街と広島はつかいち大橋・五日市港が広がっている。モノクロの世界はかえって幻想的な展望となり、いつまで見ていても見飽きない。背後から登山者が続々と登ってきているので展望地を出発する。左手の岩の上に見える27丁の丁塚を過ごし、その先右手に四等三角点を見る。この三角点は「極楽寺」のようだ。

広島はつかいち大橋 岩の上の27丁

 更に29丁を通過、再び坂の傾斜が急になり、木の階段道が増えてくる。国立公園極楽寺の標識を見て左に向き、その先で30丁を過ごすと「標高661m、あと7丁」の標識を見て、左手からの原コースと合流した。ここまで来るともう残りはわずか、「もうすぐ会えるよ、大仏様に あと20分」の標識に元気づけられ更に進んで行く。

明るい道を進む 原コースの分岐と合流

 この先緩やかな右カーブを描いて進み、山腹に付けられた平坦な道を進むことになる。周囲に展望は無いのだが、木漏れ日の射す気持ちの良い道だ。木のトンネルを抜けているような感覚で歩いていると正面に極楽寺山が見えてきた。左手にお地蔵様を見るのでお参りをし、34丁を過ごすとその先では岩を踏みしめて坂を少し上り、すぐに35丁を過ごす。

山腹につけられた道を進む お地蔵様にお参りする

 左手にキャンプ場の分岐を過ごすと足下には36丁、道案内の石柱もこれが最後、大竹市からの中国自然歩道と出会い、極楽寺山まで150mの標識を見て左手の仁王門に向かう。極楽寺縁起の説明板を眺めてこれから向かう極楽寺の知識を仕入れ、次に左右の仁王様を眺めていよいよ仁王門を潜る。

仁王門 安藝西国第四番霊場

 極楽寺縁起の説明板には次のように書いてある

 当山は高野山真言宗別格本山、上不見山、浄土王院、極楽寺と号し、本尊千手観音菩薩は天平3年(731)行基菩薩が霊木大杉を以て彫刻し安置する。後、大同元年(806)弘法大師、観世音菩薩の古像を修飾再び開眼供養されたと伝えられる。文治3年(1187)後鳥羽上皇(ごとばじょうこう)より「上不見山」勅額(ちょくがく)を賜わり寺宝として保存されている。又青銅の鰐口(わにぐち)は明応2年(1493)の刻銘があり直径45cmで普通のものの倍以上の大きさである。本堂建造物は永禄5年(1562)毛利元就公の寄進による。本堂と鰐口は共に昭和42年5月広島県重要文化財に指定されている。

左の仁王様 右の仁王様 仁王門後ろのお地蔵様

 仁王門の先にはお地蔵様が鎮座されており、お参りして坂道に取り付く。少し登って振り返る仁王門が美しい。広い参道を一人でゆっくり歩いている。いま自分一人のためにこの参道があるかのように。

仁王門を振り返る 参道の後にも先にも誰もいない

 まもなく極楽寺に続く石段が見えてきた。とても急な石段だ、まるで極楽浄土に続いているかのようだ。さあ、待望の極楽寺に向かうのだ。石段を踏みしめて登った先の左右には大きな杉の木が立っている。杉の木を下から見上げるとその大きさに改めて驚く。大杉の横に立つ文化財説明板を眺めた後、ようやく真言宗上不見山浄土王院極楽寺に到着した。

急な石段 天に向かう大杉

 別格本山極楽寺の石柱先にある展望台の標識に従い、右に向かうと手前に鐘楼、その先には東屋が立っている。東屋の先からは南の展望が広がっており、眼下に五日市港が、その先には瀬戸内海が広がっている。晴れていれば宮島弥山、大・小黒神島、絵の島、東・西能美島の大展望が広がっているはずである。この展望は後日車で登り、楽しむことにする。

展望台の東屋 鐘楼

 さあ、本堂にお参りしよう。展望地を後にして本堂に向かって進んで行く。すぐに広島県重要文化財の本堂に到着、たくさんのお願いをする。本堂右手には厄除け三福カエル(無事カエル 若カエル 使ったお金がまたカエル)が座っている。その左手に鐘、修行大師と並んでおり、更に進んで行くと左手には十三仏、その先正面には西国三十三ヶ所観音霊場が並んでいる。この間を通り抜けると三十三ヶ所巡りが簡単にできるようだ。

極楽寺本堂 三福カエル
十三仏 西国三十三ヶ所観音霊場

 観音霊場の上にはお堂があり、その右手にも立派な建物が立っている。建物の裏手に行くと社があり、最奥には一願堂がある。額には一願和尚と書かれており、一願和尚の由来によると、「一願堂の五輪塔の地中には極楽寺住職で有った高野山真言宗大僧正佐和隆恵師が遺言により法衣を付けたお姿で入っておられる」との事である。また、「隆恵僧正は此処へ来て南無一願大和尚と唱え、一人一願だけ頼めば必ず成就すると言って他界されました」とも書いてある。私にはお願い事が多いのでたっぷりと時間を掛けてお願いをする。

一願堂と五輪塔

  一願堂を下りて更に舗装道を進むとすぐに駐車場に着く。右手に横木の階段を見るので、ゆっくりと登って行き、最後の階段を登りきると極楽寺山最高点の693m、そこは東屋の立つ展望地である。ただし、展望自体は極楽寺から南方面の展望の方が優れているようだ。その先で蛇の池へ0.5kmの標識を見るが、いずれ展望の優れた日に散策をすることにする。

横木の階段を登る 極楽寺山最高点693mの展望台

 周囲の散策を終えたので本堂に向かって戻ることにした。西国三十三ヶ所を引き返し、本堂には十三仏の道を通り抜けて戻り、本堂横の阿弥陀堂にお参りする。阿弥陀堂には穏やかな顔をされた阿弥陀如来の大仏様が座っておられたのでまたまた沢山のお願いをした。

阿弥陀堂 阿弥陀如来に参拝

 阿弥陀堂を出て手前の地蔵菩薩にお参りし、東屋にて昼食を取る事にした。東屋に行くと、極楽寺橋先の展望地にてお会いした年輩の方が登ってきていたので少しお話をする。お年を聞くと82歳、お元気なものである。

 さて、東屋では陽差しはあるのだが、少し風もあるためじっとしていると寒くなる。暖かいカップヌードルで体を温め、食後のコーヒーを・・・・と無い!、コーヒーが無い。登山準備の際に車の中に落としたようだ。仕方がないのでお湯を飲む、うーん暖かいので水よりはましな程度かな。

展望台から南方面は霞んでいる 極楽寺を出発する

 昼食後再び周辺散策、思い残すことがないようもう一度本堂にお参りし、下山方向に向かうと大杉が素晴らしい。しばらく大杉を眺めた後、階段をゆっくりと下りて行くとすぐに仁王門に到着した。

 さて、分岐に着いて一思案、右に向くと元来た道と途中には原コースの分岐となる。左に向かうと中国自然歩道、大竹方面に向かうことになる。時刻は12時を少し過ぎたところ、この展望では他の山に登ることはできないので左の中国自然歩道へ向かうことにした。

木の階段道を下りる 急な階段道

 まずは階段道を下りることになり、その先では右手に柵が設置してあり、とても整備されている。仁王門から5分程度歩いていると急な階段道に着く。この付近から眼下には宮島カントリー・広島工業大学方面が開けている。急な階段道を慎重に下りて行くとその先は石段道となっている。この付近で登山者とすれ違うが、この人達は急な坂を登るものだと感心しながら見送る。

海上保安本部の反射板 反射板の下には東屋

 更に数分で左手に海上保安本部の反射板を過ごすとその右手には東屋が設置されており、休憩ができるようになっていた。この先石の転がる道や階段道が続くのだが、いずれも急な斜面であり、下山時にこの道を通って正解であると感じた。しばらく下りていると「この先急勾配」の標識の先に木の階段道が現れ、その下で沢を渡る事になる。ようやくアクセントのある場所に着いた気がした。

沢に向かう階段道 枯沢を渡る

 沢を渡り振り向くと再び標識があり、この標識には「この先渓流 足下注意」と先程の沢のことが書いてある。この先は緩やかな坂道となり、快適な下山道となった。その先で明るい道に出るとようやく中国自然歩道の標識に出会う。

 左手に堰堤を見て進んだ先には分岐があり、「真っ直ぐ行くと植物公園、右に向かうと佐方」の標識、足下には廿日市(佐方バイパスへ)とも書いてある。佐方というのは登山口に近いところなのでこの分岐を右に向かうことにした。

佐方への分岐を右折する 右廿日市・左五日市道り石柱

 正面にお地蔵様を見るのでお参りし、お地蔵様に向かって左の道に向かう(道なりに進む)。すぐ左手には石柱が斜めに立っており、右廿日市・左五日市道、昭和十年三月と書かれている。72年前の石柱がしっかりと残っており、やはり石に彫られた文字は長く残るものである。

 この先で枯れ沢を過ごすと杉林帯に入るのだがこの林がとても苔むしており、素晴らしい。後で聞いた話ではこの林の中にイノシシのヌタ場があるそうだ。明るい道を進んで行くと間もなく舗装された道になり、その先で山陽自動車道の佐方橋を渡ることになる。佐方橋を渡った場所から極楽寺山を振り返ると、いままでどこが山頂か判らなかった極楽寺山だがもう山頂は完全に見分けることができる。やはり実際に登ってみないことには自信持って山の同定はできないことを実感する。

苔むした林を抜ける 佐方橋から極楽寺山を振り返る

 佐方橋を過ごし平坦道を下りて行き、右手に中電の鉄塔を過ごす。登山道は大きく右にカーブし、緩やかに下りた先は、朽ちた極楽寺山の登山口標識の立つ、「極楽寺山佐方コース登山口」であった。左手の電柱には「中電 サガタ支41」「NTT佐方七23」 と書かれている。

「極楽寺山佐方コース登山口」に到着

 佐方コースの登山口に下りると、墓地の分岐を左に取り、南に向かって進んで行く。間もなく国道2号廿日市バイパス手前に出るので右折、その先の「佐方第2号トンネル」をくぐり、信号を右折しバイパスに沿って南西方向に進んで行く。右手に佐方第3号トンネル・平良第1号トンネル・平良第2号トンネルと過ごすと、その次は朝通った平良第3号トンネルである。

墓地の分岐を左折 国道2号廿日市バイパス手前を右折

 このトンネルを右折してくぐり抜け、登山口に向かって進んで行く。間もなく極楽寺山登山口を右手に過ごし、その先に置いた車に到着、無事登山を終了した。極楽寺山へは素晴らしい信仰の道が続いていた。

広島はつかいち大橋

仁王門

極楽寺本堂

十三仏

西国三十三ヶ所観音霊場

一願堂

阿弥陀堂

雨に濡れた本堂

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歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 広島県廿日市市 極楽寺山 登山口付近のMAP

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