蔵王連峰 蔵王山(ざおうさん)山形県山形市他・宮城県蔵王町他

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2012年8月4日

刈田リフト山上駅 →0:05→ お釜 →0:30→ 避難小屋前 →0:08→ 熊野岳

 →0:07→ 避難小屋前 →0:05→ コマクサ群生地

 →0:45→ 刈田岳 →0:20→ 刈田リフト駐車場

全歩行時間 2時間 0分

 今回は初めての東北山形行き、東京駅を9時24分発のつばさに乗り込む。天気予報では山形最終日の8月6日の天候が不安定なので、本日午後は日本百名山の蔵王山へ行くことを計画する。山形新幹線のホームへ行くと、後ろに東北新幹線の車両が連結されており、こちらは福島で切り離されるとのこと。なかなか興味深い車両である。また、車両は左右2席ずつで、とてもゆったりしている。

東京駅 山形新幹線 つばさ

 つばさは定刻通り東京駅を出発、東京より北の路線は初めての旅なのでワクワク。東京駅から福島駅までの所要時間は1時間25分、10時49分に福島駅へ到着。ただし、福島駅を過ぎると同時に、速度は急に遅くなった気がした。周囲に広がるのどかな展望を眺めていると11時23分に米沢駅へ着き、11時53分に待望の山形駅に到着した。東京駅からの所要時間はわずか2時間半、とても近い気がする。

つばさの車内 福島駅で東北新幹線と別れる

 新幹線ホームから出て改札を抜ければ、頭上には抜けるような青い空。真夏なので東北地方といえどもとても暑い。予約してあったレンタカーの場所を探すが、地理不明のため交番に立ち寄り確認、すぐにレンタカーの店へ着く。所定の事項を記入して車両の引き渡しを受け、今回向かう主要な箇所をナビに登録する。

山形駅の改札 JR山形駅前

 最初に向かう予定の蔵王山、出羽三山霊場の月山、羽黒山、湯殿山、松尾芭蕉の奥の細道で有名な山寺、食泊予定のホテルなどを入力後、一路蔵王山へ向かう。本日は午後からの登山であり、時間に限りがあるため一番簡単な刈田岳付近から有名なお釜を眺め、そのまま蔵王連峰最高峰の熊野岳へ向かうコースを採る。

快適な蔵王エコーライン 刈田リフト乗り場

 山形駅から訳も分からないままナビの指示の通りに国道13号を進み、途中からは蔵王エコーラインの県道12号へ向かって左折。しばらくは、長く続く坂を登る。蔵王坊平高原を過ごせばお釜までは残り12km、明日日曜日にはこの付近でマラソン大会が開催されるそうだ。美しい風景を眺め、快適に坂を登れば、突然宮城県七ヶ宿町へ入る。このあたりは県境が入り組んでいるのかも知れない。県境の少し先でお釜行きの刈田リフト乗り場を見つけたので、のどかなリフトに揺られながら山頂を目指すことにする。

売店では玉こんにゃくを売っている 刈田リフトから眺める風景

 標高約1600mの刈田駐車場に車を置き、リフト券を販売している店の中に入ると、山形名物の玉こんにゃくが売られていた。山形県ではこのこんにゃくを多くの観光地で見かける。リフトの料金は片道420円、往復700円であるが、営業時間は午後4時半まで。明るい時間にここへ戻ることは無いと思い、片道乗車券を購入する。

宮城県から山形県へ入る レストハウスと刈田岳

 早速リフトに乗り込み、リフトの上から明るい展望を眺める。こんな晴天の日に蔵王山へ向かうことが出来てとてもありがたい。リフトに乗ったまま宮城県から山形県に入り、すぐに終点の山上駅に到着した。右手の刈田岳手前には、有料道路蔵王ハイライン終点のレストハウスが建ち、その上には刈田嶺神社が祀られている。

左は蔵王連峰最高峰の熊野岳、正面はお釜

 リフトの山上駅から刈田岳方面を眺めると、刈田岳はとても高い場所に位置しているように見える。さあ、いよいよ日本百名山、蔵王山の散策を開始、まずはお釜へ向かう。刈田リフト山上駅の左に小さな鳥居とお地蔵様を過ごせば、前方の草原の先には雲が流れている。いきなり高所に立ったので実感は湧かないが、現在地は標高1700m付近であることにようやく気づく。

分岐へ着く お釜へ向かう

 コンクリート舗装の遊歩道を東へ向かうと分岐が現れ、右へ進めばレストハウス前を通って刈田岳へ、左へ進めば蔵王連峰最高峰の熊野岳、正面へ向かうとお釜である。お釜へ向かって緩やかな坂を下ると、断崖の手前には偽木の柵が渡されており、その先にエメラルドグリーンの美しい池が現れる。これが有名な火口湖で、五色沼とも案内されている。

エメラルドグリーンのお釜と五色岳

 沼の上には五色岳(1672m)と呼ばれる丘陵がなだらかなラインを描き、湖の色と五色岳壁面の濃い色が際だって美しい。火口湖と外輪山の姿は、少し角度が変わるだけで、大きく印象も変わり、その変化は感動さえも覚える。火口湖と火口湖の壁面、五色岳など多くの色彩の組み合わせを眺めていると、いつまで眺めていても見飽きることはない。

刈田岳へ続く道 馬の背へ

 南に刈田岳と刈田嶽神社を望み、北の馬の背先に熊野岳と熊野神社を望む。こんな贅沢な展望に満足しながらゆっくり進路を北へ向ける。それでもお釜の美しさに魅入られている私は、偽木沿いに北を目指す。小石をちりばめたような白っぽい道を進むと、やがて馬の背の入口へ。

登山道には太い柱が目立つ 馬の背から眺めるお釜

 登山道には背が高く、太い木柱が埋め込んであり、道に迷う心配はない。むしろこの木は、冬季に迷わないための措置かも知れない。ワイルドな岩壁と美しい湖、見るもの全てが素晴らしい。やがて馬の背のゆるやかな坂を進み、南を眺めれば今まで高く見えた刈田岳が目線の先になだらかな稜線を見せている。

馬の背を進む 刈田岳を振り返る

 このあたり、眺める角度や日の当たり方により、いろいろ変化する印象を受ける。また、立ち位置よりも雲の位置は明らかに低く、蔵王連峰の高さを実感する。真下に見えるお釜もまた違った風景となり、突然雲が流れる風景も美しい。やはり蔵王山はのんびり散策が良い。

雲の位置が低い 避難小屋へ向かう

 やがて北に避難小屋、北西に蔵王山神社の分岐に着き、ここは北の避難小屋へ向かってみる。少しの坂を登り、背後を振り返れば、今まで歩いてきた登山道が一望、しかもとても緩やかなラインであることが分かる。足下にはこれこそ溶岩という道が続き、ごつごつした道がとても新鮮である。この溶岩道の先に避難小屋が建っており、小屋の中にはストーブまで置かれていた。

溶岩状の道 避難小屋

 避難小屋から熊野十字路を経由し、広く平坦な道を西へ向かう。右に地蔵山(1735m)などを眺めていると、すぐに蔵王山神社(熊野神社)前へ到着。まずはスサノオノミコトを祀る蔵王山神社へ参拝し、次に熊野岳の山頂に立つ。二等三角点の置かれた蔵王連峰の最高峰からは、周囲に美しい展望が広がっている。

蔵王山神社(熊野神社) 蔵王連峰最高峰の熊野岳
遠くに上山温泉街 地蔵山方面

 西には上山温泉の市街、北には地蔵岳、南には刈田岳など、東面を除く270度の展望にとても満足。石の上に腰掛け、しばらく周囲に広がる展望を満喫。西には斎藤茂吉の歌碑(陸奥を ふたわけざまに 聳えたまふ 蔵王の山の 雲の中に立つ)が置かれており、この前から西に広がる上山温泉の街並みを眺める。周囲にはトンボが多く飛んでおり、高原では夏の終わりも早いのかも知れない。

刈田岳と南蔵王方面 斉藤茂吉の歌碑

 展望広がる山頂を出発、次は蔵王山に咲く有名なコマクサ観賞をする。避難小屋まで引き返し、避難小屋の先から北東の名号峰方面へ下れば、コマクサの群落があると言うので向かってみる。二年前に乗鞍岳でコマクサを眺めたことはあるが、その際には人に教えてもらって花を眺めたもので、自分で探したものではない。

コマクサの群生地

 今回はどこにコマクサが咲いているのか、周囲を確認しながら下りて行く。するとすぐに多くのコマクサを見つけ、眺めることができた。こんな貴重な花を眺めることができたのは、とてもうれしいことである。時を忘れてコマクサ観賞、こちらでものんびり楽しい時間を過ごす。

馬の背 馬の背のコマクサ

馬の背に群生するコマクサ

 コマクサ観賞も無事終了。次は刈田岳へ向かう。避難小屋手前に置かれた北蔵王縦走路分岐まで戻り、そのまま馬の背を下る。それにしてもお釜は美しい。足下を注意すれば、多くのコマクサが咲いており、ほんの少し注意してみれば、あちこちにコマクサが群生していたことが分かった。

雪渓 馬の背から眺めるお釜

 馬の背の先端からお釜の西側斜面を眺めると、谷には雪渓が多く残っている。馬の背の先端から眺める風景も、とても素晴らしいものである。大した標高差もない山歩きだが、少し歩くたびに感動の風景に出会っている。多くのコマクサを眺めながらお釜の展望地へ到着。しばらくお釜の風景を楽しんだ後、馬の背から南へ進む。

刈田岳へ向かう 五色岳とお釜

 やがて刈田リフトの分岐を通過、右にレストハウスを過ごし、足下が整備された参道へと変われば、もう刈田岳へ100m。快適な参道を進むと、途中でお釜と五色岳の展望地を過ごし、間もなく平坦な刈田岳の山頂へ到着。刈田岳の山頂の東側には伊達宗高公命顧之跡の立派な石碑が立ち、石碑の前から眺める熊野岳からお釜、五色岳と続く展望も素晴らしい。山頂から南へ移動すれば、南蔵王の杉ヶ峰、屏風岳、後烏帽子岳などが一望、時間があればこちらの山々へ向かう予定だったが本日は時間切れ。

刈田嶺神社 伊達宗高公命顧之跡の石碑

刈田岳の山頂から広がる展望

 時折流れる雲も、展望に良くあっており、こちらも見飽きない風景である。刈田嶺神社の奥の院へ参拝し、合わせて記帳をした。これで本日の予定は無事終了。刈田嶺神社の前で熊野岳をバックに記念写真。とても贅沢な風景をカメラに収めて下山を開始。後で思い起こせば、刈田嶺神社でご朱印を頂いておけばもっと良かったと反省。今回の山形登山では、今後御朱印が頂けるところでは、ご朱印を頂くことにする。

刈田岳から南蔵王連峰の南蔵王の後烏帽子岳、屏風岳、杉ヶ峰

 そのまま刈田リフトの山上駅まで戻れば、もうリフトの営業は終了。そこで、リフト下をのんびり歩いて駐車場まで引き返し、無事蔵王登山を終了した。期待以上の蔵王の美しさに、また来てみたいと思わされた山である。駐車場を出発、山形初日はのんびりと蔵王散策を楽しむことが出来た。

お釜

熊野岳山頂

蔵王山神社(熊野神社)

コマクサ

刈田岳から眺めるお釜と熊野岳

 前の山 中白根山・間ノ岳・農鳥岳 を見る

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登山口周辺の地図はこちら 山形県山形市 蔵王山(熊野岳) 登山口付近のMAP

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