1400回記念登山 旧海軍遺構の残る昇仙峰(しょうせんぽう) 山口県周南市

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2002年9月21日 昇仙峰 正面コース往復登山を見る
2024年4月28日
駐車地 →0:35→ 山頂 →0:25→ 四郎谷登山口 →0:25→ 駐車地
全歩行時間 1時間25分
登山行程図(地図をクリックすると拡大)

 今回登山は1400回の記念登山、周南市戸田にそびえる昇仙峰に登る。前回登山が2002年9月なので実に22年振りの再登山である。当時は購入したばかりの山口県の山(中島篤巳著)に従って登り、登り23分、下山は17分というハイペースで登ったが、今回はしっかり周囲を観察しながら山頂を目指し、下山は四郎谷に下り、周回する行程をとる。
国道2号から眺める昇仙峰 駐車場に車を置いて登山開始

 登山口は山陽自動車道横の登山口駐車場で、この地点に来るには国道2号の道の駅「ソレーネ周南」を起点として、道の駅から国道を西へわずかに進み、最初の信号を左折する。そのまま道なりに南へ進み、徳山西5のトンネルを潜る。トンネルを抜けた先の右側に昇仙峰の案内が立っているので案内に従い右折し、鋪装道をわずかに進むと正面に昇仙峰の登山口が現れ、この手前左側に数台程度の駐車場が用意されている。

昇仙峰登山口 昇仙峰の案内(クリックで拡大)

 鋪装された登山道の左には昇仙峰の案内が置かれているが、現在では文字がかすれて読みにくくなっていた。参考までに記載されている内容の読める当時の資料を掲示しておく。その先に昇仙峰への距離表示もあるが、こちらもかすれていた。

ツツジ 急登

 周囲にピンクのツツジを観賞しながら急登の鋪装道を登る。取り付きからなかなかきつい坂である。登山道は舗装されて明確で、要所に案内も掲示されているので迷う心配は無い。ただ坂の傾斜が急なだけなのでゆっくり高度を上げれば何も問題は無い。

鋪装道を登る
コンクリート階段 頂上まで0.8km 大将軍の案内(クリックで拡大)
 明るい鋪装道を進んでいると進路は左(南)に向き、頂上まで0.8kmの案内を見つける。案内の置かれている間隔は200m毎なので、登山口から山頂まで約1kmなのだろう。左にコンクリート製の階段が用意されており、その左には大将軍の案内が置かれていた。経典を埋納する経塚について説明してあり、興味のある方のために20年前の資料を掲示しておく。
自然林の下を進む 平坦な耕作地を見る

 この坂を登ればようやく鋪装道と別れる。周囲には自然林が続き、落ち葉の目立つ緩やかな傾斜の道を辿る。右側にはかつての平坦な耕作地跡を眺めることができる。そのまま道なりに進んでいると進路はわずかに右を向く。

コンクリート造りの遺構 頂上まで200m地点
波印海軍省標石 平坦な橋所

 木漏れ日を眺めながら少しずつ高度を上げていると左にコンクリート造りの遺構が現れた。更に道なりに進んでいると頂上まで200mの案内を過ごし、左に平坦な場所を見る。右に倒れかけた波印海軍省標石を見て、少し進むと左にコンクリート造りの建物を見る。これも戦時中に利用されていたものだろう。

コンクリート造りの建物 コンクリート造りの遺構
戦時中の指揮所跡 指揮所跡の内部

 高度を上げながら左にコンクリート造りの遺構を2つ過ごし、周囲に咲くツツジを眺める。この先の左には「憩いの館」と案内される大きなコンクリート施設が残っていた。入口の案内にはこの建物は戦時中指揮所跡として使用されたことが説明されていた。

聴音所跡の聴音機台座 三等三角点
昇仙峰山頂

 元の道に戻り山頂を目指す。広い道を進み、進路が左(南)に変わるところにコンクリートの遺構が残って居た。円形遺構は聴音所跡の聴音機台座である。わずかに坂を登れば、左に三等三角点が置かれていた。

指揮所跡の先に瀬戸内海の展望 山頂に祀られた祠
黒髪島などの展望 1400回目の登山記念
 更に南に向かえば、昇仙峰の案内の立つ平坦な山頂広場に着いた。山頂からは瀬戸内海に浮かぶ黒髪島、仙島、その先に太華山、左には嶽山、四熊ヶ岳を眺めることができた。また、山頂から南に向かえば左に祠が祀られていた。
戸田照聴所の探照灯台座

 更に南へ向かうと石組みの施された道を進み、少し高いところが戸田照聴所の探照灯台座で、周囲は石組みにより支えられていた。山頂に戻り昼食後に山頂を出発、下山は南の四郎谷へ向かう。

「四郎谷口下山道」の案内 戸田照聴所の石組み
自然林の下を下る 波印海軍省標石
岩が増えてくる 瀬戸内海を向いている祠

 戸田照聴所の左を通れば、足下に「四郎谷口下山道」の案内が置かれていた。自然林の下につけられた道を辿り、少しずつ高度を下げる。途中で波印海軍省標石を過ごし、木漏れ日の美しい道を下る。やがて周囲に岩が増えてくれば前方に瀬戸内海の展望が広がり、この瀬戸内海を向いた石祠に出会う。この下の鳥居には明治34年3月吉日と彫られていた。

明治34年3月吉日と彫られた鳥居跡 下山途中で眺める展望
瀬戸内海と四郎谷地区の展望 ツツジ゜

 これから先は眼下に瀬戸内海と四郎谷地区の展望を眺めながら下る。ピンクのツツジが美しく度々足が止まる。倒木を迂回しながら高度を下げていると、前方の大津島が目線の先になる。やがて大岩を過ごせば石鳥居を過ごす。この鳥居には文政8年3月吉日と彫られていた。

明確な道 四郎谷地区の田園風景
文政8年3月吉日と彫られた鳥居 鋪装道に着く
四郎谷口の登山口 耕作放棄地の目立つ棚田

 この石鳥居を過ごせば車道は間近で、自然林の下を進むとすぐに鋪装道に下り立った。少し鋪装道を進むと右に「しろだに棚田」の案内が立っていた。棚田を見下ろす展望地に立つと現在の棚田には耕作放棄地が目立っていた。日本の将来を予測するかのような棚田の風景だった。

棚田20選の案内と耕作放棄地
 鋪装道を辿り高速道路横の登山口まで引き返す。更に引き返していると「やまぐちの棚田20選 四郎谷地区 平成22年3月」と案内されていたが、わずか14年で半分以上の棚田が耕作放棄地化しているのには唖然とする。
峠を越える 峠のお地蔵様

 峠で自然石の石仏を過ごし坂を下っていると眼下に棚田が現れた。峠を挟んで北側の棚田はとてもきれいに草刈りがされており、こちらはまだきれいな棚田が残っていた。足下に咲く花を眺めながら引き返し、高速道路下のトンネル手前で左折、わずかに坂を登れば登山口の駐車場まで引き返した。

峠を越えた先の棚田 トンネル手前を左折し登山口に戻る

 昇仙峰登山は坂の傾斜が意外ときつく、登山時間は少ないが、足に負担のかかる山だった。南側と北側の登山道の状況からすると、南側の四郎谷地区から登る方が変化があり、鋪装道を辿る北側の登山道より楽しそうだ。

指揮所跡は憩いの館
昇仙峰山頂
山頂の休憩所
山頂標識
戸田照聴所の探照灯台座
山頂からの展望
瀬戸内海を向いた祠

四郎谷地区と瀬戸内海

文政8年3月吉日の鳥居

麓の四郎谷にある天野屋利兵衛生誕地の石碑

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歩いた足跡  
登山口周辺の地図はこちら 山口県周南市 昇仙峰登山口 登山口付近のMAP
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