人形仙(にんぎょうせん)岡山県鏡野町

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2015年4月18日

登山口 →0:15→ 湿原の分岐 →0:15→ 母子地蔵往復

 →0:45→ 山頂 →0:50→ 登山口

全歩行時間 2時間 5分

登山行程図(地図をクリックすると拡大)

 山と渓谷社の分県シリーズ「岡山県の山」を歩いている。午前中に鏡野町の富栄山と大空山の登山を終え、午後は鏡野町にそびえる最後の山の人形仙へ向かう。人形仙へ向かう起点を岡山県鏡野町と鳥取県三朝町の境界の人形峠とすれば、峠から広域基幹林道美作北2号線に入り、進路を南へ採る。なお、この人形峠は国産ウランの鉱床が発見された場所で、アトムサイエンス館などの施設が設置されている。

アトムサイエンス館 広域基幹林道美作北2号線に入る

 さて、林道を道なりに約4km進めば、上斎原への分岐へ着き、更に西へ200mのところが人形仙の登山口である。左には2本の大杉がそびえているので登山口の目印となる。少し先の左側に広くなったところがあるので、スリップしない場所を選んで駐車する。

上斎原への分岐を通過(クリックで分岐標識) 人形仙登山口

 登山口には人形仙と母子地蔵への案内は置かれているが、以前眺めた母子地蔵の伝説に関する説明板は無くなっていた。なお、人形峠の伝説とは次のようなものである。

 人形峠で赤子を連れた婦人が休んでいて、ふと目を覚ますと子どもが人形にすりかわっており、女の人も子供をさがして迷い、行方知れずになったそうだ。母子地蔵はこれを供養して作られたものと言われている。

作業道のように広い登山道 雪渓の残る道

 さあ、人形仙へ向かうことにしよう。登山口を出発、平坦な作業道のような道に入る。足下は湿地帯なので、足をぬかるみに取られないよう慎重に進む。少しの坂を越えれば雪渓の残る湿地帯を通過、ネマガリダケを左右に見ながら平坦な道を辿れば、湿地帯の分岐へ着く。

湿原の分岐(クリックで拡大) 母子地蔵へ向かう(クリックで案内板)

 分岐を直進方向(北)へ採れば母子地蔵、左(北西方向)へ採れば山形仙である。ここでは最初に母子地蔵へ参拝しておく。北へ進路を採りわずかな傾斜の坂を登る。西には山形仙の手前のピークが見えており、ピークへ向かう道筋では、笹が風になびいてきらきらしている。

人形仙(クリックで拡大) 峠の母子地蔵

 間もなく峠へ着けば、人形仙母子地蔵が祀られていた。母子地蔵はとても柔和な顔をされており、その基部には文化五戌辰(1808)年六月吉日と彫られている。この人形仙越は、江戸時代に倉吉から津山へ抜ける津山往来3ルート(西から打札越、人形仙越、田代峠)の一つとして拓かれ、最短距離で最も往来が多いものの険路だったそうだ。

母子地蔵へ参拝(クリックで拡大) 母子地蔵から眺める人形仙

 この母子地蔵は、大勢の旅人の往来を見守ってきたことだろう。母子地蔵から西にそびえる山形仙へ向かうルートを眺め、湿地帯まで引き返した。今度は山形仙へ向かって進路を北西へ採る。

湿原から人形仙へ向かう ネマガリタケの間を進む

 左右にネマガリダケを眺めて緩やかな傾斜へ向かえば、間もなく一本杉が見えてくる。この付近が一本杉の展望所で、泉山、角ヶ仙、花知ヶ仙、三十人ヶ仙など岡山県北部の名峰が一望である。北には先程まで立っていた母子地蔵が見えており、少し高度が上がっただけなのに展望はすこぶる広がる。

一本杉の展望地(クリックで展望) 雪の残る三国山(クリックで拡大)

 展望所にて小休止の後、山頂へ向かう急登に取りかかる。ネマガリタケの刈り払われた斜面なのでとても滑り易い。足下に注意を払いながら牛歩のごとくスローに高度を上げる。背後を振り返れば、一歩進む度に展望が格段に広がり、展望を眺めながら高度を上げると、やがて傾斜が緩み周囲270度の展望を目の当たりにする。

ネマガリタケの茂る急登 振り返れば急斜面を登ったことが分かる

泉山、角ヶ仙、花知ヶ仙、三十人ヶ仙など(クリックで拡大)

 北東にはそれまで見えなかった三国山が顔を出し、山腹に雪の残る山容が美しい。笹原につけられた一本の道を辿り、人形仙の手前ピークへ着いた。もう山頂まではわずかな距離で、大した高度差も無い。

少し傾斜が緩む 山頂が見えてきた(クリックで拡大)

 左右にネマガリダケを眺めながら西へ向かう。わずかに高度を下げれば樹林の目立つ場所を通過、再び高度を上げて尾根へ着く。ここでタコ入道のようなブナを過ごし、平坦な尾根道を辿れば、人形仙の山頂へ到着である。

樹林の間を登る タコ入道
人形仙山頂 人形仙から花知ヶ山など

 三等三角点の置かれた山頂からは、周囲にネマガリダケの背が高いものの、東には花知ヶ仙や泉山などがそびえている。山頂にて小休止を採った後、下山を開始する。登山時に苦労した急斜面だが、下山は快適で、あっという間に湿地帯を経由して登山口まで下り立った。

なつ旨ラーメン幸雅さんの牛骨ラーメン

 明日の天候が不安定なので、たぶん今回遠征はこの人形仙が最後だろう。登山口を出発して三朝温泉を通過、倉吉まで行き、牛骨ラーメンで有名なラーメン幸雅さんへ向かった。このお店で「なつ旨ラーメン」と焼きめしを注文、とても美味しかったので、次回も訪問したいものである。

せきがね湯命館で花火鑑賞

 倉吉を出発し、汗を流すため関金温泉のせきがね湯命館へ立ち寄り湯。入口周辺が混雑しているので戸惑ったが、ここでは午後8時過ぎから花火大会があり、運良く見学することができた。これで今回の岡山遠征は無事終了した。

母子地蔵

人形仙

三国山方面

三国山

花知ヶ山

手前ピークから人形仙山頂

人形仙山頂

 前の山 富栄山・大空山 を見る

 次の山 雨乞山 を見る

歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 岡山県鏡野町 人形仙 登山口付近のMAP

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