久住山(くじゅうさん) 大分県竹田市

2008年 3月 9日

久住山

牧の戸登山口 →0:25→ 沓掛山 →0:45→ 扇ヶ鼻分岐 →0:35→ 久住別れ避難小屋

  →0:30→ 久住山 →0:20→ 御池 →0:10→ 避難小屋

 →0:25→ 久住別れ避難小屋  →0:25→ 扇ヶ鼻分岐 →1:00→ 登山口

全歩行時間 4時間35分

 昨日から続く九州の山歩き、阿蘇山の次は大分県の久住山に登る。長者原の駐車場にて6時過ぎに起床、天気予報では午後から雨になると言うので早めに長者原駐車場を出発、牧ノ戸登山口に向かった。登山口付近にはガスが懸かっており、視界が不良だが出発することにした。

朝の長者原駐車場 周囲の山は霞んでいる

 牧ノ戸登山口を出発し階段に向かうと、雪が積もっているので最初からアイゼンを装着する。このアイゼン、必要に迫られて使用するのは今回が初めてとなる。昨年の道後山で練習したとおりにうまく装着し、登山届けを書いて登山口を出発、すぐにお茶を忘れていたことに気が付き車まで引き返す。これは大変重要なことである。再出発は丁度午前8時、雪の積もった階段を登って行く。

牧ノ戸峠 登山口を出発

 階段の上には東屋が設置してあり、この付近に着いたと同時に周囲に展望が開け、遠くには先端だけがぽっかり浮かんだ由布岳を眺めることも出来た。気まぐれな風のおかげで素晴らしい展望を得たことに感謝。眼下には硫黄の噴煙の立ち上る場所もあり、少し登っただけで素晴らしい展望が広がっている。

東屋からの展望

 興奮冷めやらぬ中、東屋を出発、まだまだ続く階段に取りかかる。真っ直ぐな階段は左に角度を変え、手すりの付けられた木製階段を登ると大きな岩の目立つ展望地に着いた。ここには牧ノ戸から0.7km、久住山まで3.4kmの標識が立っている。久住山・星生山などの方角を示す標識が置かれているが深い霧のため全く展望を得ることは出来ない。

木製階段を登る 大岩前の標識

 少し進むと寒暖計があり、現在の気温はマイナス1度になっている。風も吹いているので体感温度はもう少し寒い感じがする。足下には踏み固められた雪が積もっており、とても歩きやすく、大きな岩の間をすり抜けて進んでいる。空を見上げると一部晴れているところも見受けられ、少しでも天候が回復して欲しいと祈りながら進んでいる。大岩の周囲には笹が美しく、少し進むと登り専用道の標識が立ち、この標識に従い登って行く。

寒暖計はマイナス1度 笹を見ながら進む

 岩を伝って登るとすぐに沓掛山(1503m)の山頂に到着、やはり周囲に展望はない。沓掛山からは梯子の道を下りて行き、その先でロープの渡された岩を下りて行くことになる。下から沓掛山を振り返ると急な斜面を下りてきたことが解った。

沓掛山(1503m)山頂 階段を下る
下りてきた道を振り返る ロープの渡された道

 鞍部に下りると牧ノ戸から1km、久住山までは3.1kmの標識を過ごす。これからしばらくは緩やかな斜面を進んで行く。もう沓掛山の山頂は霞んできており、周囲の視界はだんだん狭くなっているようだ。岩の多い場所を抜けると登山道の広くなった場所に出た。お花見シーズンには道一杯に登山者が溢れるという話を聞いてびっくりする。

沓掛山の山頂は霞んでいる 大岩の間を進む
広い登山道 馬酔木

 周囲には馬酔木が多いが、まだつぼみの状態で花が開くまでには、まだまだ日数がかかりそうだ。引き続き足下は凍結状態でアイゼンがしっかり雪をつかむので歩きやすい。左右に笹の茂る場所を通り抜けると、最近登山道が整備された場所を過ごす。この付近で既に登山開始から1時間が経過している。

快適な雪道 アイゼン

 相変わらず緩やかな坂道を踏み跡を頼りに進んでおり、周囲の視界は50m程度である。雪・雪・雪の展望を新鮮な気持ちで眺めながらワクワクする雪道歩きが続いている。登山道の整備された場所から20分で扇ヶ鼻への分岐に到着、晴れた日には展望が素晴らしいということだが、本日は視界不良のためそのまま久住山を目指して進む。ただ、扇ヶ鼻方面への分岐先にはモノクロの素晴らしい展望が広がっており、景色を鑑賞するだけでも嬉しくなる場所だ。

視界不良 モノクロの世界

 足下にはアイスバーンの場所もあるがアイゼンのおかげで全く滑る心配はない。すぐ先で再び扇ヶ鼻への分岐を過ごし、分岐の先では牧ノ戸峠2.9km、久住山1.7kmの標識を過ごす。もう山頂までは残りの距離の方が少なくなってきた。

牧ノ戸峠2.9km、久住山1.7kmの標識 平坦な道を進む

 更に進むと星生山への分岐を過ごし、その先では広く平坦な道を進んで行く。こんな所に原っぱがあるような錯覚に陥りながら進んで行くと、周囲には大きな岩が目立って来た。岩には黄色いペンキが丸く塗られており、これから進む方向を示しているようだ。目印を追いながら岩の間を抜けて行き、途中で岩に積もった雪の形を眺めているといろいろな形に見えてくるから不思議だ。

岩の目立つ道を進む 雪は踏みしめられている

雪模様

 枝に積もった雪も幻想的で、こんな場所まで来ないと見ることが出来ないものばかりだ。間もなく岩道のピークに到着、これから先は岩の点在する道を下りて行く。相変わらず視界が悪く、踏み跡を頼りに進んで行く状況が続く。

視界不良は続く 岩にできたつらら

 大星さんがこの先に避難小屋があると言うので指し示す方向を見るのだが、さっぱり見えない。少しずつ近寄って行くとぼんやりと建物の形が見え始め、突然霧の中からトイレと避難小屋が現れた。但し、トイレはこの時期使用禁止となっていた。

トイレと久住別れ避難小屋

 大勢の人が避難小屋に入っているようなので避難小屋を通過、そのまま久住山に向かうことにした。視界不良の中、少しずつ斜面を進むと標識の立つ久住分れに到着、標識に従って斜面に向かう。歩きやすい雪の上を進んで行くと中岳と久住山の標識に出合い、ここで標識に従って雪道を横断、岩の上にロープの渡された道に着いた。周囲の展望を眺めていると少しは霞が晴れているような気がする。これも気のせいかもしれない。

久住別れ ロープの渡された道

 斜面を少しずつ登って行くと眼下に日射しを浴びた雪山が見えてきた。これは奇跡が起きるかも。久住山下の久住別れの標識に着き、周囲の展望を眺めると明らかに霞が吹き飛ばされているようだ。久住山方面も最初は下の部分しか見えなかったものが少しずつ上まで見え始めてきた。そしてとうとう山頂を覆っていた霞が無くなり久住山の全容を眺めることが出来た。

眼下に日射しを浴びた雪山

右が久住山山頂 

 さあ、久住山に向かおう。雪の斜面に渡されたロープを目印にどんどん登って行く。背後を眺めると日射しを浴びた山並みを眺めることが出来る。美しい展望を満喫しながら登って行き、とうとう久住山の山頂に到着した。眼下にはわずかに日射しが残っており、山頂からも周囲の展望を眺めることが出来た。急いで大星さんと記念写真を撮り、三角点も確認、久住山に登ったという実感が湧いてきた。

山頂方面

山頂から眼下の展望

南方面の展望

山頂 三角点

 落ち着いて周囲の写真を撮り始めたと同時に、周囲には霧がかかり、あっという間に展望と視界が無くなった。正しく山の天気は変わりやすい。山頂を出発し次は中岳を目指して下りて行く。ロープの渡された雪道を下りていると下から沢山の人が登っている。さすがに百名山、こんな視界の悪い日でも登山者が沢山だ。

中岳へ向かう

 再び久住分れに戻ると周囲の展望が開けてきた。久住分れから雪の道を天狗ヶ城方面に向かって真っ直ぐ下り、天狗ヶ城との分岐を中岳方面に採る。天狗ヶ城の先端には岩がせり上がっているように見える。

天狗ヶ城を見上げる

 中岳へと導くペンキに従って進んで行くと小ピークに到着、眼下には御池と呼ばれる池が広がっている。池と言っても全体が凍っており池の上は歩けそうだ。池の氷はかなりの厚みがあるようだが、中央まで歩いて行く勇気はない。池の端を渡って対岸に進むと左手の大岩の下で大勢の人が昼食を摂っていた。

御池

中岳はもう間近 天狗ヶ城

 ここで昼食を・・・、とも思ったのだがこの先に避難小屋があるというので先へと進み、避難小屋の中に入って昼食の準備を始めた。すぐに別のグループが小屋の前で昼食を摂り始めた。昼食はカップ麺と昨日の夕食時に食堂で作ってもらったおむすび、1個のおむすびを二人で分けて食べるのだが、大星さんはカップ麺のスープを再び温めて雑炊を作り始めた。これは使える料理だ、次回この雑炊は試してみる価値がある。

避難小屋 キムチ雑炊

 そのうち雪が大量に降り始めたので外に居たグループが避難小屋の中に入って来た。食事の後はいつものコーヒータイム、美味しい珈琲をゆっくりと飲んだ。昼食が終了したので避難小屋を出発する。小屋の外に出ると雪が降り続き、視界も悪くなったので中岳はあきらめて引き返すことにした。

避難小屋を出発 御池の端を通る

 御池の端を通り、天狗ヶ城分岐を通過、視界が段々悪くなる。踏み後に従って下りて行き、久住別れ避難小屋まで戻った。行く時避難小屋を通過したので避難小屋の中を観察、中はまずまず広いようだ。すぐに避難小屋を出発し、これから先は黄色いペンキに従って岩の点在する場所を通過する。

標識には雪がついている 久住別れ避難小屋の中

 登山時以上に視界の悪い中を引き返しているが、踏み跡はしっかり確認できるので迷う事はない。ピークを過ごし、平坦な場所を軽快に進むと間もなく扇ヶ鼻分岐を通過、新たに雪が降ったため足下は少し綺麗になっている。左右に笹の茂る場所を通過する頃から雪は雨へと変わり、足下の雪が溶けて登山道はぬかるみ始めてきた。

踏み跡はしっかり確認できる 視界は悪い

 沓掛山に近づき始める頃から雨は小降りとなり、周囲の展望を眺める余裕が出来た。ここまで戻れば残りは1km、沓掛山へと続く急な斜面に向かって行く。間もなく岩の目立つ山頂を経由し、周囲の展望を楽しみながら下りて行く。寒暖計はプラス1度で、登山時と比べると2度上がっていた。

周囲の展望が開けてきた 沓掛山へ向かう

 展望地の大岩を過ごし、階段を下り、東屋の場所まで到着、もう少しで駐車場だ。東屋から最後に周囲の展望を眺めた後、階段を下りて行く。もう久住山登山も最後、すぐに駐車場に到着、無事久住山登山が終了した。中岳を目前にしての下山であったがこれは正しい選択だった。

大岩を過ごす 美しい展望

 牧ノ戸登山口を出発し、県道11号(やまなみハイウェイ)を湯布院に向かって進み、水分峠から国道210号に入り、中川地区にある中川温泉に着いた。この温泉はPH8.5のアルカリ温泉であり、窓を開けると由布岳を眺める事ができる。温泉に浸かると早速のヌルヌル感に感激、やっぱりヌルヌル温泉は大好きだ。しっかりと体を温めて温泉を出発した。

アルカリ温泉の中川温泉(湯布院)

 湯布院インターから高速道路を走り、宇佐別府道路、国道10号と乗り継いで、小倉東インターから再び高速道路を走る。柳井に着いたら10時過ぎ、楽しい二日間の休日は、あっという間に終わってしまった。

山頂からの展望

中岳

九重 “夢” 大吊橋

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歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 大分県竹田市 久住山 登山口付近のMAP

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