穂高岳・涸沢岳 二日目(ほだかだけ・かれさわだけ)涸沢から山頂まで

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2013年9月29日

涸沢小屋 →1:10→ ザイテングラート入口 →1:30→ 穂高岳山荘 →0:45→ 奥穂高岳

 →0:40→ 穂高岳山荘 →0:25→ 涸沢岳 →0:20→ 穂高岳山荘 →1:45→ 涸沢小屋

全歩行時間 6時間35分

登山行程図(地図をクリックすると拡大)

朝焼けの穂高岳 涸沢小屋の朝食風景

 山小屋の朝は早い。朝4時半には電気が点灯、皆さん荷物を整理している。5時過ぎに外へ出てみると、夜は白々と明け始めている。5時20分に朝食を摂り、5時40分に再び外へ出てみると、穂高岳の朝焼けを眺めることができた。少しずつ日の当たる場所が広くなり、やがて涸沢小屋にも日が差してきた。

朝焼けの涸沢小屋を出発

 6時半に涸沢小屋を出発、トイレの横を抜けると奥穂登山道の案内が置かれている。案内に従い階段を登ると、目の前に穂高岳へ続く稜線が広がってきた。赤い実のなっている木の下を抜け、石の多い道を進むと、有名なザイテングラートと穂高岳山荘の建つ白出のコルが見えてくる。周囲を見回せば、紅葉の始まりと言った状態と思われる。

ザイテングラートへ続く道 涸沢小屋先のガレ場

 足場の悪い岩道を慎重に進み、少しずつ高度を上げる。目の前にはザイテングラートへ向かって山腹に真っ直ぐつけられた道が見えてきた。足下の不安定な岩道を慎重に高度を上げる。前後左右石ばかりだが、一箇所だけ左右に草の茂る場所を通過する。この付近は丁度紅葉が始まり、美しい風景である。

涸沢の紅葉 間もなくザイテングラート
ザイテングラートへ入る 雲海の先に浮かぶ山脈(写真をクリックで拡大)

 やがてザイテングラートへ到着、岩尾根の道を進む。ここで背後を振り返れば、雲海の先に浮かぶ山脈を見ることができる。進行方向の案内に従い、ザイテングラートを進む。岩の多い場所を左右に迂回しながら進むのだが、特に危険な場所にはクサリも渡してある。このクサリはなるべくなら使った方が安全なのだろう。

ザイテングラートの途中の風景

ザイテングラートの難所の風景

 右方向へ迂回する場所をビデオで録画し、この難所へ向かっていると、ズッズ〜と何か滑り落ちる音と、あぁ〜という声。どうも登山者が滑り落ちたようだ。岩場を少しずつ高度を上げていると、上から登山者が下りてきた。その中の一人が滑落した方で、顔に深い傷を負い、服にも裂けた跡が多く見受けられた。足下は確かなようだが、気が張っているから歩けるのだろうか。

難所の先の展望地から眺める風景 穂高岳山荘方面

 もう少し進むと滑った跡が生々しく、クサリの場所からは少し離れていた。このような事故を初めて見たことにより、この先よりいっそう慎重に進む。クサリの渡された場所を通過、少し進んで周囲を眺めれば、すごく美しい風景。まさに北アルプスの一番美しい場所に居ることを実感した。

穂高岳山荘へ20分 更にザイテングラートを進む

 ホタカ小屋まで20分と書かれた場所を通過、もう前方には穂高岳山荘が近くなってきた。間もなく穂高岳山荘へ到着、ベンチに座り穂高岳へ続く岩峰と反対側にそびえる涸沢岳を眺める。大星さんと今後の予定を確認、安全策を採るため、穂高岳へ登った後、涸沢小屋まで戻って今晩は泊まり、明日上高地まで下ることにした。

穂高岳山荘手前の風景 穂高岳山荘の風景

 穂高岳山荘で小休止の後、奥穂高岳へ向かう。岩峰に取り付き、少し高度を上げると二段のハシゴが待っている。このハシゴを登り切れば、次はクサリを補助に右方向へ移動。更に上へ向かって岩を掴んで高度を上げる。全て進行方向の案内があるので慎重に登れば大丈夫。

奥穂高岳へ向かう 二段のハシゴ
次はクサリ場 背後には涸沢岳へ続く登山道が見える

 背後には涸沢岳へ続く道が明瞭に続いており、こちらも登山意欲をかき立たせてくれる。さて、今の目的は奥穂高岳。急な岩場に取り付き、きつい傾斜を登る。ここでヘリコプターが下の方で旋回している。先ほどの負傷者を救出しに来たのだろうか。再び涸沢岳を振り返ると、その先に槍ヶ岳が見えてきた。すごく懐かしい山容にうれしくなる。

急な岩場 穂高岳山荘の上から眺める風景
左から涸沢岳・槍ヶ岳・北穂高岳 山頂へ続く尾根道

 槍ヶ岳の右には北穂高岳が近く、北アルプスの中心部にいることを実感する。尾根道に着いたことにより、足下は少し緩やかな道に変わり、相変わらず岩は多いのだがとても歩きやすくなってきた。やがて進行方向左側に見覚えのある山容、これは富士山である。前回の槍ヶ岳登山の際にこの付近から富士山が見えることは分かっていたが、今回も見ることができたのは、天候の良いおかげ。周囲を眺めながら少しずつ高度を上げるのは幸せな事である。

穂高岳と笠ヶ岳の見える風景 富士山
さびたピッケル 笠ヶ岳とジャンダルムの風景

 右にさびたピッケルが置かれているのは、頂上と小屋への案内で、距離表示は何故か消されていた。ここでもう少し進むと右に岩場の山が見えてきた。これが有名なジャンダルムで、このピークには登山者が登っている。

奥穂高岳山頂

 さあ、目の前に奥穂高岳の山頂が見えてきた。左に祠らしきものが建っており、右のピークにも数人が登っている。岩の道を辿れば、間もなく山頂へ到着。左側には穂高嶺宮の祠が祀られており、右には方位盤が設置されている。まずは奥宮へ参拝し、記念撮影。次に方位盤の上から周囲に広がる展望を眺める。でもどこがどこだかさっぱりわからない。

山頂から眺める風景 大星さんと
眼下に上高地、奥には乗鞍岳と御嶽山 槍ヶ岳

 嶺宮の反対側へ周り、少し広い場所に着く。ここから南には富士山がはっきりと見えており、眼下には上高地の風景が広がっている。富士山の手前にそびえている高い山脈は南アルプスだろう。のんびり周囲の風景を眺めたので下山を開始。行きも帰りも美しい風景が広がっている。

のどかな山頂風景

槍ヶ岳を眺めながら穂高岳山荘へ

穂高岳山荘手前が一番の難所

 穂高岳山荘へ戻り山小屋で作ってもらったお弁当を食べる。おなかが空いてきていたので丁度良い時間であった。大星さんは穂高岳山荘でのんびり休憩の後、涸沢小屋へ下り、私は向かいの涸沢岳へ登ることにする。

穂高岳山荘から涸沢岳へ向けて出発 涸沢岳へ続く岩の道
眼下には穂高岳山荘 涸沢岳登山途中の風景

 穂高岳山荘を出発、リュックを山荘に置いて行くのでとても軽装である。山荘から北へ向かい、左にヘリポートを過ごす。このあたりにはキャンプ場もあり、いくつかのテントが張られている。涸沢岳への道は最初こそしっかりしているのだが、途中から岩が目立ち、踏み跡を確認しながら一気に高度を上げる。

岩の道が続く 向かいには穂高岳(写真をクリツクで拡大)

 西には霊峰白山が顔を出し、なんと素晴らしい風景だろう。頭上を見上げれば、岩・岩・岩の道が山頂まで続いている。久しぶりにワクワクするような高揚感を味わいながら、しゃにむに高度を上げる。南には奥穂高岳へ続く登山道が一望、その先には奥穂高岳の山頂がしっかり確認できる。この涸沢岳登山の行程は、奥穂高岳を見晴らす展望地のようだ。

涸沢岳から眺める富士山 涸沢岳の山頂風景

 間もなく涸沢岳の山頂へ到着、周囲を眺めると、北には槍ヶ岳と北穂高岳が並び、ぐるり一周の展望が広がっている。奥穂高岳方面は山頂にさえぎられているが、北には切れ落ちた絶壁を目の前にすることができる。

涸沢岳山頂 涸沢岳の山頂から眺める風景

 涸沢岳から北穂高岳へ続く稜線に目をやれば、一旦鞍部へ下って登り返す急傾斜が登山意欲をそそる。次回は北穂高岳からこの穂高山荘へのコースも楽しみだ。山頂でのんびりしていると、白山へ雲がかかり始めた。山の天気は変わりやすく、午後になると雲が増えると言うことが目の前で起きている。

槍ヶ岳と北穂高岳

 涸沢岳を出発し、ジャンダルムから西穂高岳へ続く稜線などを眺め、穂高岳山荘へ下れば14時に近くなっていた。ここで穂高岳へ向かう岩峰を見てみると、これは芥川龍之介の小説、蜘蛛の糸の世界。たくさんの人が数珠繋ぎで岩にへばりついている。二段のハシゴとクサリ場により大渋滞が起きているようだ。

涸沢岳を出発 穂高岳へ向かうハシゴとクサリ場の風景

 穂高岳山荘を出発し、ザイテングラートを下る。ここでも山の夕暮れの早いことを実感、涸沢方面は白出のコルの山影となるため、日の当たるところと当たらないところのコントラストが顕著で、向かいの山腹に当たっている日差しの部分は、少しずつ上へ移動している。ここで、急いで下らないと、綺麗な夕陽を見ることができないような気がして少々焦る。

穂高岳山荘から涸沢小屋へ下山 涸沢の展望
ザイテングラートを下る ザイテングラートを下った先の風景

 しかしながらここはザイテングラート、岩の多い道なので慎重に下っていると、いつの間にか周囲は暗くなっている。穂高岳山荘からは1時間半をかけて涸沢小屋へ到着、丁度大星さんが待っていたので一緒にビールで乾杯、夕闇迫るテラスで飲むビールは最高の想い出である。

ハシゴを下る 涸沢小屋で乾杯
紅葉の涸沢小屋の風景 涸沢小屋の夕食(二日目)

 テラスでのんびりした後、リュックなどを寝室へ運ぶ。17時50分より夕食が始まり、豪華な食事に感激、当然ご飯はお代わりをした。穂高岳登山最後の夜なので、テラスで持参したジャックダニエルを飲んでしたら、少しずつ寒くなってきた。そこで喫茶の中に入り、消灯時間の21時を大幅に過ごし、結局23時近くまでのんびりして寝室に向かった。

ザイテングラートへ続く道

涸沢の紅葉

ザイテングラート

涸沢岳と槍ヶ岳

ジャンダルム

笠ヶ岳

山頂

上高地

涸沢岳山頂

涸沢岳から眺める槍ヶ岳

穂高岳へ続く道

 前の山 穂高岳・涸沢岳 初日 上高地から涸沢へ を見る

 次の山 穂高岳・涸沢岳 最終日 涸沢から上高地へ を見る

歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 長野県松本市 穂高岳 登山口付近のMAP

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