箱根山 浅間山・鷹ノ巣山・湯坂路(せんげんざん・たかのすやま・ゆさかじ)神奈川県箱根町

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2014年5月10日

小涌谷駅 →0:25→ 千条の滝 →0:40→ 鷹ノ巣山 →0:20→ 浅間山

 →1:10→ 湯坂城跡 →0:20→ 国道出合 →0:10→ 箱根湯本駅

全歩行時間 3時間 5分

登山行程図(地図をクリックすると拡大)

 神奈川県の箱根山登山を続けている。金時山、箱根丸岳の登山を終えて桃源台駅へ到着。時刻は午後1時45分でまだ日は高い。本日最後の行程は、まず箱根登山鉄道の小涌谷駅を登山口として、鷹ノ巣山と浅間山の山頂を踏むこと。時間次第で、802年の富士山噴火により、足柄道が通れなくなった際、代わりに開かれたと言われる湯坂路を通って箱根湯本へ向かう予定とする。

 桃源台から箱根ロープウエイに乗り込み大涌谷へ向かう。ロープウエイから眼下に広がる芦ノ湖の風景、大涌谷の上にそびえる冠ヶ岳、高度が上がるに連れ、少しずつ姿を現す富士山に箱根丸岳、どれをとっても感動的な風景ばかり。

芦ノ湖湖畔の桃源台駅 ロープウエイに乗車
ロープウエイから富士山 大涌谷の上にそびえる冠ヶ岳(クリックで拡大)

 途中で標高878mの姥子駅を通過し、標高1044mの大涌谷駅へ着く。ここで途中下車し、駅前から大涌谷とその上にそびえる冠ヶ岳を眺める。快晴の空の下、美しい風景なので、大涌谷へ向かう衝動に駆られるが、今回の目的は登山なので観光は後回し。早雲山・強羅方面へ向かうロープウエイに乗り込み空中散歩。

眼下に硫黄採掘施設 金時山

箱根ロープウエイから眺める風景

 大涌谷や金時山などを眺めながら早雲山駅へ到着、ここで登山ケーブルカーに乗り換え強羅へ向かう。このケーブルカーは途中で登りのケーブルカーとうまく離合するのがおもしろい。間もなく標高541mの強羅駅へ着き、今度は箱根登山電車に乗り換え標高523mの小涌谷で下車。

箱根登山ケーブルカーの風景

早雲山駅からケーブルカーへ乗り換え 強羅駅から箱根登山鉄道へ乗り換え

ケーブルカーのすれ違いの風景

 この時点で時刻は丁度午後3時、これから鷹ノ巣山・浅間山を経て箱根湯本まで向かう行程を考えると、少々無理のある計画だが、初夏なので午後7時までは明るいはずである。そこで、本日最後の登山口の小涌谷駅を出発することにした。

登山口の小涌谷駅 交差点を直進

 駅前から少し進むと交差点へ着き、この入口に掲示されているハイキングコースの案内を眺める。ここから千条の滝まで20分、浅間山までは50分なので山頂までの往復なら充分時間の余裕がある。そこで交差点を直進し、まずは千条の滝へ向かう。道の横に掲示されたハイキングコースの案内に従い、コンクリート舗装の道を進む。

千条の滝へ向かって左折(クリックで案内) 千条の滝(クリックで拡大)

千条の滝の風景

 道ばたにはこの時期に咲く清楚なシャガの花が美しい。間もなく現れる千条への滝への案内に従い分岐を左折、平坦な道を進めば、やがて千条の滝の前に着く。この滝は蛇骨川の上流に位置し、苔むした岩肌を伝って流れ落ちるさまは、いく条もの糸のように見え、いつのころからか「千条の滝」と呼ばれるようになったこと。その名にふさわしく優しく幽玄な雰囲気を醸し出していると案内されている。確かに豪快ではないけれど、優しく穏やかなとても印象に残る滝である。

千条の滝を出発 鷹ノ巣山へ向かって右折

 少々遅い時間ではあるが、この滝の観光に来ている人がいると言うことは、有名な滝なのだろう。千条の滝を鑑賞した後、いよいよ登山を開始する。滝の前に架かる橋を渡り分岐の前に立つ。右道は鷹ノ巣山、左道は浅間山への直登道となる。ここまで来たのだから両方の山へ登りたいので右道を採り、最初に鷹ノ巣山を目指すことにした。なお、浅間山へは30分、鷹ノ巣山へは40分、箱根湯本には浅間山経由で130分と案内されている。

滝を眺める 神山が見える

 木漏れ日差す登山道を進んでいると、右下には美しい滝が見えている。足下の土質は少し赤みを帯びているように感じる。美しい新緑を眺めながら緩やかな坂を登る。遠くには平坦な山容の山が見えているが、この時点ではどこの山なのかわからない。植林帯の下など展望の少ない道をたどれば、やがて浅間山(10分)と鷹ノ巣山(15分)の分岐へ着いた。

鷹ノ巣山へは分岐を右折(クリックで案内) 湯坂路の名残の石畳

 ここで分岐を右折し鷹ノ巣山へ向かう。間もなく目の前には階段が現れ、その右には石畳が続いている。これは昔整備された湯坂路の名残だろう。石畳を歩くのは足に負担がかかるので、階段側の道を辿り、少しずつ高度を上げる。山頂手前で少し坂の傾斜が増すものの、これを乗り越えれば平坦な道に変わり、更に奥へ進むと広く平坦な鷹ノ巣山の山頂へ到着した。

浅間山山頂

鷹ノ巣山山頂の風景

 明るい日差しの差す山頂で、ベンチに腰掛けて小休止を取る。鷹の巣城跡の案内には、秀吉の小田原攻めに備えて、後北条氏が建築した箱根山の諸城の一つで,天正18年(1590)秀吉の小田原攻めが始まり、同年3月下旬には秀吉は箱根山に入ったと思われる。この時、秀吉に従って参陣した家康も、しばらくこの城に滞在したという記録がある。しかし、その城跡については位置、規模など不明の点が多いそうだ。

鷹ノ巣山から眺める浅間山 先ほどの分岐まで引き返す

 時刻は午後4時を少し過ぎたところで、向かいの北東には浅間山手前の平坦地が見えている。細長く平坦な鷹ノ巣山からの展望は限られているので、すぐ山頂を出発。元来た道を引き返し、先ほどの分岐点まで戻り、今度は北東方向の浅間山へ向かう。

椿の群生地 千条の滝から分岐した道と合流(クリックで案内)

 分岐から浅間山までは10分と案内されており、椿の群生地の間につけられた緩やかな傾斜の道を辿る。500m程度進むと平坦な草原へ着き、ここで左から千条の滝から分岐した道と合流する。本日の目的地の湯本までは100分と案内されており、現在の時刻から推定すると、到着時刻は午後6時20分となる。

広い山頂広場 浅間山山頂

浅間山山頂の風景

 すぐに浅間山へ到着、案内によれば昔は下鷹巣山と言われており、江戸時代の富士山信仰から浅間信仰が起こり、この山の中腹に浅間神社を祭ってから、浅間山と呼ばれるようになった。鷹巣城があったのはこの山と思われるそうだ。

浅間山を出発 大平台への分岐を過ごす(クリックで案内)

 露出した三角点を確認して記念撮影、すぐに湯坂路をたどる山旅を続ける。ベンチ等の置かれた浅間山を出発、広く緩やかな傾斜の道を下っていると左に大平台への分岐を過ごす。やがて送電鉄塔を左に過ごし、快適な道をたどっていると、湯坂城へ30分、湯本へ60分の案内を過ごす。

鉄塔下を通過 途中に立つ案内

 なおも新緑の美しい道を下り、植林帯の中に入る。やがて足下に石畳が続き始める。これが湯坂路の名残で、803年の富士山の大噴火により従来の箱根越えの道が使えなくなり、新しく開通したのが「旧東海道」開通以前に歩かれた箱根越えルート「湯坂路」で、鎌倉古道ともよばれているそうだ。かつては人馬が行き交った古道と案内されている。なお、この石畳は昭和の初期に敷設されたものらしい。

湯坂路の石畳 湯坂城跡

 歩きにくい石畳の道を下っていると、湯坂城跡へ到着する。城跡の案内には次のように記されている。
 湯坂城は室町時代御厨(御殿場地方)から西相模一円に勢力を張った大森氏が築城した城で、この大森氏は明応4年(1495)相模支配を狙う伊勢宗瑞(北条早雲)に倒され、代わって箱根山は後北条氏の支配下になった。天正後年豊臣秀吉と後北条氏の確執が激しくなると、後北条氏は秀吉との対決を予測し、小田原防衛のため箱根な山に多くの山城を築くが、湯坂城もその時整備されたものと思われる。その規模については不明の点も多いが、残された土塁から当時の山城の姿が偲ばれる。

湯本まで20分 石畳を歩く

 湯坂城跡を通過すれば、湯本まで20分の案内が現れる。足下には石畳が続き、下山途中には石畳の名残の石が点在し、歩きにくくなる。やがて周囲に石垣などが見えてくると終点は近い。やがて降り立ったところは国道1号で、この入口には湯坂路(鎌倉古道)の案内が立ち、湯坂山までは130分と書かれている。

国道1号出合 湯坂路入口

 これで本日の予定の行程は無事終了した。少し箱根湯本側へ移動すると日帰り温泉の和泉があったのでこの温泉に浸かることにした。この温泉はすべすべの温泉で一日の疲れが取れた気がした。残念ながらあまりにもくつろぎすぎて、時計を忘れてしまったため、明日回収することになった。これは致命的なロスタイムになってしまった。何はともあれ一日よく歩いたものである。

大涌谷と冠ヶ岳

金時山

千条の滝

鷹ノ巣山

浅間山

湯坂路の石畳

 前の山 箱根・丸岳 を見る

 次の山 箱根山 神山・駒ヶ岳 を見る

歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 神奈川県箱根町 浅間山 登山口付近のMAP

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