御在所岳(ございしょだけ)三重県菰野町・滋賀県東近江市

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2012年8月26日

中登山道入口 →0:20→ 3合目 →0:15→ 4合目おばれ岩 →0:15→ 5合目展望岩

 →0:20→ 地蔵岩 →0:10→ 6合目キレット下 →0:15→ 7合目展望岩

 →0:15→ 8合目展望岩 →0:15→ 富士見岩 →0:05→ 朝陽台広場

 →0:10→ レストランアゼリア前 →0:15→ 一等三角点 →0:03→ 望湖台

 →0:15→ 一ノ谷新道入口 →0:23→ 鷹見岩 →0:20→ 見晴し台標識

 →0:40→ 松茸岩 →0:10→ 中登山道入口 →0:44→ 湯の山温泉バス停

全歩行時間 5時間10分

 今回は日本二百名山、三重県と滋賀県の県境にそびえる御在所岳を目指す。真夏の山歩きなので水分補給が最優先、ポカリスエット500mlを3本、アクエリアスの1Lを1本、水を1L、合計3.5Lをリュックに入れる。山頂付近にレストランはあるが、非常食用におむすび2個とチョコレートも持参する。

近鉄 湯の山温泉駅 御在所岳 中登山道入口

 近鉄名古屋駅から急行に乗り近鉄四日市へ、この駅で電車を乗り換え、湯の山温泉へ着いたら8時9分。昨日予約しておいたタクシーに乗り込んだが、予約しなくても3台程度のタクシーが並んでいた。鈴鹿スカイラインを通り、御在所岳の中登山道へ向かう。タクシーの運転手もこのコースが一番良いと話していた。駅から約20分で登山口へ到着。登山口周辺の道路の空き地に、多くの登山者の車が置かれており、この山の人気が窺われる。

右側が中登山道 手製階段

 登山準備の後、中登山道口の案内に従い登山開始。登山口手前の左側に湯の山温泉への案内が立ち、往復登山の場合にはこの案内に従い進むと、湯の山温泉のバス停へ向かうことができる。登山道へ入ると、いきなり足下には大小の石や岩が転がっている。滑らないよう慎重に坂を登れば、木製の階段が現れる。

ザラメ状の登山道が続く 左側から登る

 階段の先からは、ザラメ状の石粒の蒔かれた滑りやすい道へ変わり、やはり慎重に進まなければならない。もろい岩質の先には、急な斜面が現れ、いったいどちらの方向へ向かえばよいのかと、判断に迷うが、これもルートを探す楽しみ。目印を見つければ、補助のロープが渡してあるので簡単に上の段へ登ることができる。

木の根の張る道 脆い岩質

 木の根のはびこる坂道は、四つんばいになって進む。要所にはロープの補助があり、安心して高度を上げる。終始明るい登山道なので、気持ち良く進むことができる。但し、展望地から山頂方面を眺めると、厚い雲が懸かっている。登頂までのタイミングで、この雲が退いてくれればよいのだが。

標高700m 3合目の案内 岩場を進む

 やがて標高700mの3合目へ到着、この地点は裏道への分岐点である。案内によればここから御在所岳へ95分、湯の山温泉へ50分。少し平坦な道を進み、周囲にガレた岩が見えてくると、頭上にロープウエイが見えてきた。ロープウエイ越しの眼下には、少し霞み気味ながら伊勢湾が見えており、感動的な風景が広がっている。

頭上にロープウエイ 大岩が目立つ

 この先で岩場を抜け、ひとつ上の段に着くと大きな岩が重なり合っている。左側には鯨のような大きな岩が重なっており、反対側へ回り込むと、この大岩が有名なおばれ岩だった。この地点が標高800mの4合目、それにしても大きな岩である。大きな岩が二つ重なり合った姿はとても壮観である。

奇岩 おばれ岩 そそり立つ岩

 しばらくいろいろな角度からおばれ岩を眺めた後、4合目を出発。この上の段からも展望が開けており、四日市方面を眺めることができる。この先緩やかな道を進み、木の根の張り出す道を観察する。山腹につけられた道の先には、山頂方面を見晴らす展望地があるが、やはり山頂は雲の中だった。そんな中でロープウエイだけは多くの人を運んでいる。

標高850mの5合目 展望岩 これから向かうピーク

5合目の展望岩から眺める風景

 再び足下の滑りやすい場所を通過し、高度を上げると標高850m、五合目の岩上に着いた。平坦な岩の上からは四日市方面、眼下に湯の山温泉街、山頂方面、これから向かうピークと周囲360度の展望が美しい。

左におばれ岩 右が5合目の展望岩 奇岩 地蔵岩

地蔵岩と周囲に広がる風景

 五合目を出発、目の前にそびえるピークへ向かう。岩の間を抜け、高度を上げると眼下には4合目おばれ岩、五合目の展望岩がはっきり確認できる。と、足下の笹を眺めると水滴がついている。今朝この付近で雨が降ったのかも知れない。間もなく865mピーク付近に着くと、地蔵岩が向かい側にそびえている。

目のくらみそうな高度感 別の角度から地蔵岩

 この岩はとてもユーモラスな姿をしている。眼下の急斜面に並ぶ大岩を眺めていると、岩の美しさに魅入られてしまいそうな、周囲にはそんな奇岩・大岩が多い。地蔵岩、眼下に見える湯の山温泉街を眺めた後、もう少し先へ進むと、なんと同じ地蔵岩は二つの大岩に支えられた四角の岩であることが分かった。眼下に広がる風景の前にそそり立つ、自然の造形美はとても素晴らしいものである。一旦地蔵岩の場所を出発するが、もう一度目に焼き付けておきたいので、再度展望地に戻り眺めた。それほど特徴的な岩である。

前方に御在所岳 標高900mの6合目 キレット

 地蔵岩を出発し、平坦な道を進むと、進行方向に初めて御在所岳の山頂が姿を現した。山頂部には岩が多く、まるで岩の塊みたいに見える。木の根の張り出す道を進むと標高900m、6合目のキレットへ着く。岩の展望台から御在所岳を眺めていると、ロープウエイは山頂部と思っていた岩山のかなり左側へ向かっている。従って正面にそびえる岩山は御在所岳の山頂ではないのかも知れない。

ロープウエイは岩の左側へ向かう 急な下り斜面に向かう

 さて、岩場から鞍部へ下らないといけない。眼下を見下ろせばすごい高度差を感じ、岩をつかみながら高度を下げる。足を置く場所を慎重に選びながら補助の鎖を利用する。なんとか安全な足場を見つけ、鞍部へ下り立ったが、とてもスリルのある楽しい岩場である。

高度感あるキレット

 キレットを無事通過すれば、再び岩の間を縫って進み、高度を上げる。時折ハシゴも現れ、滑れやすい白いザラメ状の道に入る。間もなく標高1000mの7合目へ到着、目の前にはまだ山頂付近の岩峰が遠い。眼下の展望を眺め、息を整えて7合目を出発する。

キレットから7合目へ向かう 標高1000m 7合目の展望岩
御在所岳の山頂部 岩道を登る

 この先に続くのは岩・岩・岩、先行者は次第に歩くスピードが遅くなり、いつの間にか私が先頭に立ってしまった。後続者は少々バテ気味なので、しっかり写真を撮りながら一気に高度を稼ぐ。それにしてもすごい岩が続く。周囲に笹が増えてきたので岩は終わりかと思えば、更に岩場が続く。

岩の道が続く

 やがて大きな岩を越えれば標高1100mの8合目へ到着。眼下に展望は広がっているが、雲の位置が低くなったように感じる。これは私の高度が上がったためかも知れない。8合目より鎖を伝って少し高度を下げる。

標高1100mの8合目展望岩 8合目から一旦下る

 そのまま左側の岩壁沿いに進む。背後に見える岩場はとても壮観である。右に展望地を過ごし、左右に笹の茂る登山道を進む。いかにも滑りやすそうな岩場に着き、補助のロープを伝って左側から坂を登る。ここにはとても滑りやすい岩があり、特に慎重に岩を越える。

大岩が美しい 途中に張り出す展望岩
滑りやすく危険な箇所 広場前の階段

 岩上に着けばもう大した障害はない。そのまま岩道を進むと階段があり、この階段を登れば、山頂部の端に位置する富士見岩に着く。但し、周囲には雲が多く、展望を得ることはできなかった。理論上はこの岩上から富士山が見えるのかも知れない。ここで御在所岳頂上とロープウエイ山上駅の分岐に着き、にぎやかなロープウエイ方面へ向かうことにした。

富士見岩 山上公園へ向かう

 すぐに見晴台の案内があったので坂を下ると、安全用に鎖の渡された見晴台へ到着。正面に鎌ヶ岳、左前方に伊勢湾を望む場所のようだが、目の前は霞んでおり、わずかにロープウエイの動きと山麓の湯の山温泉街を眺める程度である。

見晴台 記念撮影スポット

朝陽台広場の風景と周囲に広がる展望

 見晴台から引き返し、朝陽台広場を散策。すぐに御在所岳標高1212mの記念撮影の場所に着いた。向かって右側の展望所へ向かうと、遠くアルプスを眺めることもできるそうだ。今年登った南アルプスの農鳥岳も見えると案内されているが、本日は霞んでいる。

朝陽台広場の展望所 雨量計測器
四日市方面の展望 眼下の岩場

 反対方向へ進み、岩の上から眼下の伊勢湾方面を眺めていたら、突然雲が上昇し、眼下に展望が開けた。空は相変わらず雲にさえぎられているが、展望は素晴らしい。この景色を眺めただけで、御在所岳へ登った価値がある。眼下の険しい岩峰を見ていると、岩の上に二人座っていた。なんとも勇気のあることだ。

朝陽台広場の風景 御岳神社

 広場の御岳神社等を眺めてロープウエイの山上公園駅へ向かう。ここでようやくおなかがすいて来たので、ロープウエイ駅の食堂にて冷やした蕎麦を頂いた。その後、レストランアゼリアの前を通り、スキー場のゲレンデを歩く。

御在所岳山頂方面 レストランアゼリア
朝陽台公園方面 ゲレンデを登る

 ロープウエイの山上公園駅方面には気まぐれな日差しが戻ってきたが、本日は風があるためとても寒く感じる。真夏の山歩きなのにこんなに涼しく感じるとは。標高1200mはまさにクーラーの中にいる感じがする。ゲレンデの中を少しずつ高度を上げれば、観光リフト乗り場を過ごし、一等三角点のモニュメントの置かれた平坦な御在所岳山頂に着いた。なお、この山頂は滋賀県と三重県の県境となっている。

リフト降り場 一等三角点のモニュメント

望湖台

望湖台から眺める風景

 周囲を見回していると、少し先にも岩の展望地の望湖台が見えている。高さを比べてみると大して変わらないように見えるので、望湖台へ向かってみる。一旦坂を下り登り返せばあっという間に岩の展望台へ到着。意外と近いのにびっくりした。

望湖台の展望岩と周囲に広がる風景

 望湖台からは周囲360度のパノラマが広がり、美しい展望に感動。望湖台から琵琶湖を眺めることはできなかったが、先ほどのモニュメントの場所よりも遠くまで見晴らせるようだ。さて、望湖台の山頂も踏んだので、そろそろ下山の用意にかかる。

展望台 展望台から眺める風景

 のんびり一等三角点を通過、周囲の展望を眺めながらゲレンデを下り、途中の展望所から伊勢湾方面の風景を眺める。これは素晴らしい展望で、いつまで眺めていても見飽きないほどだった。

にぎやかな広場 一ノ谷新道入口

 坂を登って裏道の入口まで着く。ここで御在所山上公園マップを眺めていたら、先ほど眺めていた展望台の左側から一ノ谷新道の下山口を見つけた。先ほど眺めていた展望にまだ未練があったので、下山はこの一ノ谷新道を取ることにして引き返す。展望台の左手に一ノ谷新道の下山口を確認、入口には笹が茂っている。

笹の茂る道 鎖の渡された斜面

 ん、あまり歩かれていないのかなぁ。等と思いながら坂を下る。すぐに大黒岩の案内があり、案内をよく眺めてみると中級者以上と書いてある。しまった、初心者が大変な登山道に入ってしまったようだ。でも案内はしっかりしており、時間の余裕もあるので、そのままいけるところまで行ってみる。

展望 急斜面を下りる

 少し下りると期待していた展望が現れる。が、その下には急な斜面が待っていた。ほぼ垂直に近い手がかりの乏しい急斜面に鎖が一本垂らされている。足場をどこに置けばよいのか、慎重に足場を選びながら難所を通過。この岩場は、登りは大した苦労はないのだろうが、下りはとても怖かった。

頭上に奇岩・大岩 ロープウエイと展望

 更に急な下りが続くが、周囲に手がかり、足がかりがあるので大して苦労はない。頭上にそびえる大岩やロープウエイを眺めながら下山を続ける。また、周囲にも大岩が続くのでワクワクしながら下るのが楽しい、所々で急な下りや、足の置き場に困るような箇所も見られるが、ひとつ一つをクリアするのも初心者の楽しみ。

岩の間を抜ける 大岩を眺める

 やがてえびす岩と案内のある場所に着くが、いったいえびす岩がどれなのか分からない。木の間越しに岩の多い場所が見えているので。この大岩群のことかも知れない。ここで、初心者にとって一番の難所が現れる。斜めの斜面にロープが2本渡されているのだが、いったいどこに足を置けばよいものやら。

斜面は下から眺めると簡単に登れそう

 しっかり2本のロープを掴み、滑りやすい岩に足を置く。斜めに下りなければと思うのだが、真下の断崖の前の方が足場がしっかりしているように見える。ここはしっかりロープを掴み、断崖の手前まで下りて難所を通過することができた。この難所を振り返ると、何のことはない、手がかりもしっかりしているし、登るについては大して苦労はしない場所のようだ。

鷹見岩

 もうこの先大した障害はなく、快適に坂を下る。鷹見岩に着いたのでこの奥にある大岩を観察。この大岩の後にはロープが渡してあり、上に登ることができそうだ。ただし、今回は単独行なので、無理をせず、登ることは断念。鷹見岩を過ごし更に下山を続ける。

山頂方面 ロープウエイ

 途中で展望の岩を見つけたので山頂方面とロープウエイを眺める。この少し下で見晴し台の案内を過ごすが、位置がずれたのか、本来の見晴し台の周囲に木々の枝が張りだしたのかも知れない。岩を眺めながら下山を続け、中道のキレットなども眺め、更に高度を下げる。

滑りやすいザラメ状の道 松茸岩

 滑りやすいザラメ状の道が目立って来ればやがて松茸岩が現れる。この岩はまさに松茸である。この岩を過ごせば、間もなく下山方向へ向けて進路を左に採る。簡易な貯水施設の前を通過すれば手製の一ノ谷新道の案内の置かれた場所に到着。この道は入口の案内が分かり難いように感じた。

一ノ谷新道の案内 御在所山の家

 この先で御在所山の家を過ごすが、この山の家は現在使われていないようだ。家の横を通過して金属製の橋を渡れば、なんと着いたところは中登山道の入口だった。結局一周回りの登山をしたことになる。地図を眺めれば当たり前のことだが、中登山口の付近に一ノ谷新道の案内が無かったので、実際にはもう少し先が一ノ谷新道の出口と思っていた。

鉄の橋を渡ると中登山道と合流

 さて、これから先は湯の山温泉を目指す。バスの時刻が心配だが、とにかく案内に従い、県道の下につけられた道を進む。すぐに分岐に着き、武平峠と湯の山温泉の分岐は湯の山温泉へ向かって左折。右に民家を過ごせば大きな道路に出た。道なりに三重県の県道577号を川沿いに下りると、整備された河原と清流が美しい。

湯の山温泉へ向かって階段を下りる 家の横から道路へ出る
大石橋(写真をクリックすると説明) 川遊び

 大石橋の先の公園からは河原に下りることができるようで、子供達が川遊びをしている。誘い橋のたもとには「誘橋慕情」として忠臣蔵で有名な大石主税のロマンスについて記されていた。河原の岩の造形を眺めながら更に県道を下る。少し県道を外れて裏道の登山口の一合目を確認。これで次回裏道から登ることができそうだ。

誘橋(写真をクリックすると説明) 河原には大岩
裏道の登山口の一合目 御在所ロープウエイ乗り場

 県道に戻り、バス停の位置を歩いている人に尋ねると、もう少し下とのことで道は間違えていない。御在所ロープウエイの施設を眺めて涙橋を渡り、湯の山温泉のバス停へ到着、これで無事御在所岳の登山は終了した。バス停横の周辺案内図を眺めて愕然としたのは、下りに使った一ノ谷新道は表示されていない。なんと、廃道になったわけでもないし、いったいどう言うことだろう。

周辺案内図(写真をクリックすると拡大) 湯の山温泉バス停

 バスに乗り込み近鉄湯の山駅へ到着。近鉄四日市駅を経由して名古屋へ戻る。当日は四日市付近で浴衣姿の人を多く見た。さぞかし盛大な夏祭りが開催されるものと思って調べてみると、四日市花火大会が開催されるとのことだった。

おばれ岩

地蔵岩

山頂方面

キレット

御在所岳山頂

一等三角点

展望

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歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 三重県菰野町・滋賀県東近江市 御在所岳 登山口付近のMAP

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