天香久山(あまのかぐやま)大和三山登山 奈良県橿原市

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平成25年4月2日

香久山観光トイレ駐車場 →0:10→ 山頂 →0:10→ 天岩戸神社 →0:10→ 香久山観光トイレ駐車場

全歩行時間 0時間30分

登山行程図(地図をクリックすると拡大)

 

 若草山登山と奈良公園観光の次は山口県の山(山と渓谷社)の著者、中島先生のご案内により大和三山の登山へ向かう。奈良市から大和三山の橿原市へ向かう前に、桜井市の安倍文殊院を観光しておく。

安倍文殊院表山門 安倍文殊院

安倍文殊院へ参拝

 安倍文殊院は華厳宗の寺院であり、山号は安倍山。本尊は文殊菩薩。開基は安倍倉梯麻呂(あべのくらはしまろ)である。文殊院の表山門に入ると、桜が満開でとても美しい。間もなく本堂まで進み参拝、これで日本大三文殊は、天橋立の近くにある切戸の文殊(天橋山 知恩寺)に続き安倍の文殊への参拝することができた。

安倍文殊院へ参拝 金剛浮御堂

安倍文殊院の風景

 この文殊院は、大化の改新(645年)に創建された日本最古に属する寺院であり、華厳宗東大寺の別格本山としてその格式も高く、御本尊は日本最大(7m)の文殊菩薩で、快慶作の国宝であることや、「三人寄れば文殊の智恵」の格言はこの文殊さまから生まれたそうだ。残る文殊は、山形県の「亀岡の文殊」なので、機会があれば参拝してみようと思う。

天香久山全景 香久山観光トイレ駐車場

 さて、次はいよいよ大和三山登山である。安倍文殊院を出発、天香久山へ登るため、登山口の香久山観光トイレ駐車場へ向かう。なお、この駐車場は香久山の真西に位置しており、奈良文化財研究所を登山口への起点とすれば、研究所前を南北に走る道路を約180m南へ進めば、この観光トイレ前へ着く。

駐車場を出発 天理教の教会前を通過

 駐車場を出発し登山開始、と言っても急峻な山ではないのでとても軽装で登る。持参したのはタオルとGPSくらいの装備である。香久山200mの案内に従い東へ続く舗装道に入る。正面上には天理教の建物が見えており、その手前には満開の桜が咲いている。これは絵になる風景である。

分岐を直進(写真をクリツクで案内を表示) 階段状の道が続く

 天理教の建物前を通過し、舗装された坂道へ向かうと、すぐに分岐へ到着する。左は天香山神社、右は天の岩戸神社、直進は香久山である。名勝大和三山香具山の案内を過ごし、直進方向へ進路を採る。

 早速万葉集の世界が現れ、「大和には群山(むらやま)あれどとりよろふ 天香具山登り立ち國見をすれば 國原は煙立つ海原(うなはら)は鴎(かもめ)立ち立つ うまし國そ蜻蛉島(あきづしま)大和の國は」『万葉集 巻一 第二歌』、舒明天皇。『大和にはたくさんの山々があるけれど、天の香具山に登り大和の国を見下ろすと、平野部には煙が立ち登り、水面には水鳥が盛んに飛び交っている。大和の国は本当に良い国だという意味です』と解説してある。

香久山国有林の案内 香久山山頂へ向かう

 香久山の説明文を眺めて登山道に入る。自然林の下につけられた横木の階段状の道を進むと、香久山国有林の案内の立つ分岐に着く。左は香久山山頂・万葉の森方面、右は下の御前・天の岩戸方面である。案内には「ここは歴史的にも有名な大和三山の一つで、標高が152mあります。

 耳成山(みみなしやま)、畝傍山(うねびやま)が孤立峰であるのに対し、香久山は多武峰(とおのみね)、音羽山(おとはやま)につづく龍門山塊の一部で、一番山容が目立たず面積も9ヘクタールとわずかですが、三山の中では最もよく知られている山です。」とあり、春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣干すてふ 天の香久山 持統天皇 と結んでいる。「いつの間にか、春が過ぎ、夏が訪れたようです。 天の香具山では、白い衣がはためいています」

天香久山山頂 畝傍山

 天香久山山頂への案内に従い分岐を左折、緩やかな傾斜の道を進むと、平坦な天香久山の山頂へ到着した。奥には国常立神社が祀られているが、手前左(西)側の木の間に小山が見えているので眺めていると、この山容から畝傍山(うねびやま)であることが分かる。美しい山容の畝傍山を眺めた後、国常立神社へ向かう。

国常立神社 雨乞いの壷

天香久山の山頂風景

 すぐに神社へ到着し参拝、神社の右側手前には雨乞いの壷が埋められていた。神社の左右に社が祀られており、右は雨を司る竜神、高?(たかおかみ)神社、左に国土を治める神、国常立(くにとこたち)神社である。この国常立神社の祭神は國常立命(天地開闢とともに現れた国土形成の神)。俗に雨の竜王と称され、境内社として高?神(竜王神)を祀る。

 国常立神社へ参拝

 向かって右側神殿の前に壷が埋められており、古来干天の時この神に雨乞いして壷の水をかえたが、まだ降雨のない節はこの社の灯明の火で松明をつくり、村中を火振りして歩いたという。末社に伊弉諾神社(祭神伊弉諾命)、伊弉冊神社(祭神伊弉冊命)があり、天香久山の東山麓に鎮座する。と案内されている。

案内標識 伊弉冊神社

 大和三山最初の香久山の山頂を出発、次は天岩戸神社へ向かう。山頂から南へ進むと、先ほどの分岐へ着き、登山口への分岐を右へ過ごし、伊弉冊神社・天岩戸神社の案内に従い坂を下る。すぐに伊弉冊神社(下の御前)へ到着、祭神は伊弉冊命。伊弉諾命とともに国生み・神生みをおこなったとされている。国常立神社の末社であり、下の御前神社ともよばれる。同じく末社の伊弉諾神社は上の御前とよばれており、ここよりさらに東の天香久山の山腹に鎮座する。と案内されていた。

丁字路を右折 天岩戸神社

 下の御前神社を出発、細い道を下り竹林帯を抜けると住宅街に出る。白壁沿いを道なりに下り、突き当たりを右折すると右に天岩戸神社が見えてくる。野ダイコンの花の美しい参道を進み、神社へ参拝、天の岩戸神社については次のように案内されてる。

野ダイコンの花が美しい 天岩戸神社へ参拝

 天香久山南麓、南浦集落のほぼ中心に南面して鎮座し、天照大神を祀る。「古事記」「日本書紀」の神話に見られる天照大神の岩戸がくれされた所と称し、今もなお巨石四個があって、大神の幽居した所と云える岩穴をご神体とし神殿はなく、拝所のみという古代人の原始的な祭祀形態を残している。玉垣内には、真竹が自生するが、これを往古より七本竹と称し、毎年七本ずつ生え変わると伝えられているそうだ。

天岩戸神社 天香山神社への分岐

 天岩戸神社へ参拝し、舗装道を西へ進む。途中で天香山神社への分岐が右に現れるが、この道を採ると天理教教会から少し登った地点に出ると思われるので、そのまま直進する。間もなく表通りに出るので右折、そのまま道なりに北へ向かうと登山口の香久山観光トイレ駐車場へ到着、一周回りの天香久山登山は無事終了した。

分岐を右折すれば登山口へ着く 天香山神社

 天香久山の次に向かうのは、耳成山だが、その前に天香山神社へ参拝しておく。この神社は、天香久山の北に位置しており、丁度天岩戸神社と対峙したような場所に祀られている。天香山神社の大鳥居を潜れば、石に刻まれているのは「ひさかたの 天の香具山 このゆふべ 霞たなひく 春立つらしも 柿本朝臣人麻歌集」。これは、「天の香久山に、今日この夕方、霞がたなびいている。ああ春になったらしい。」 と言う意味と解説されている。

天香山神社へ参拝

安倍文殊院

日本三文珠第一霊場

天香久山全景

天香久山山頂

畝傍山

天岩戸神社

天香山神社

 前の山 若草山 を見る

 次の山 耳成山 を見る

歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 奈良県橿原市 天香久山 登山口付近のMAP

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