八ヶ岳(赤岳)二日目(やつがだけ・あかだけ)長野県茅野市他

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2016年9月10日

赤岳展望荘 →0:30→ 赤岳山頂 →1:20→ 行者小屋

 →1:45→ 美濃戸山荘 →0:50→ 美濃戸口駐車場

全歩行時間 4時間25分

登山行程図(地図をクリックすると拡大)

 赤岳二日目、今日は下山したら山口県へ帰るだけなので、のんびり登山。赤岳展望荘前から赤岳や富士山などの写真を撮り、ご来光を眺めた後、朝食を摂った。この展望荘の食事はバイキング形式なので、好きなものだけを食べることができる。

夜明け前の赤岳 ご来光

朝食 富士山

 さて、昨日山荘で久しぶりの対面をした、山口市のMさんにご挨拶、地蔵尾根を下る大☆さんとは美濃戸口の駐車場で再会する約束をして別れた。さあ、快晴の赤岳へ向かって尾根へ取り付く。早朝の尾根道は空気が澄んで遠くまでの展望が広がっている。西を眺めれば乗鞍岳、穂高岳、槍ヶ岳と名峰が雲の上に続く。

赤岳へ砂利道を進む

 山頂へ続く尾根入口で記念撮影の後、厳しい岩場へ向かう。早朝の登山は思うように体が動かず、無理をして高度を上げれば息が切れる。昨日はよく見えなかった岩の登山道は、尾根上を縫うようにジグザグを描きながら進み、わずかの間に出発点の赤岳展望荘が小さくなる。また、展望荘の上にそびえる横岳、その左に広がる広い硫黄岳などが青空の下に美しい。

遠くに蓼科山(クリックで拡大) 急な岩場へ取り付く

 やがて登路は急峻となり、鎖を補助に高度を上げる。昨日走るように下った道だが、登りとなると息が切れる。更に不安定なガレ場なので、落石を起こさないよう、慎重に足場を選ばなければならない。ただし、高度が上がった分、周囲に広がる展望は格段に広がり、山頂部が茶色に変色した御岳、その左に北岳、間ノ岳など南アルプスの山脈が続いている。

北アルプス(クリックで拡大) 頂上山荘が見えてくる

 やがて目の前に赤岳の北峰が姿を現し、鎖を補助に高度を上げれば頂上山荘前へ着いた。北を眺めれば、八ヶ岳の山脈が一望、正面にはプリンの形をした蓼科山が美しい山容を見せている。

赤岳北峰 背後に八ヶ岳の山脈(クリックで拡大)
赤岳山頂(クリックで拡大) 山頂へ続く岩道

 北峰山頂を通過、背後に南アルプスを従えた八ヶ岳主峰へ向かう。赤岳頂上山荘横を通り、岩場を乗り越えれば、ゴツゴツした岩場の目立つ赤岳山頂である。山頂部は狭く、とても不安定。写真を撮るのも命がけと言った状態である。

赤岳山頂と祠(クリックで拡大)

 山頂からは周囲360度のパノラマが広がり、北に四阿山や草津白根山の山脈、左に向かって蓼科山、北アルプスの槍ヶ岳、穂高岳、乗鞍岳、御嶽山と続き、目の前には中岳が大きい。

富士山(クリックで拡大) 南アルプス(クリックで拡大)

 御岳の手前左には木曽駒ヶ岳や空木岳などの中央アルプスの山々。更に手前左には北岳や間ノ岳などの南アルプスが指呼の先。南アルプスの左には富士山がそびえ、何れもこの地に立たなければ見ることのできない展望が広がる。しばらく山頂で小休止を取り、名残惜しいが下山を開始する。

中央アルプス・御岳・乗鞍岳(クリックで拡大) 下山を開始

急な岩場を下りる(クリックで拡大)

 下山は美濃戸口へ向かうため、南の中岳方面へ下る。文三郎尾根、中岳の案内に従い、切り立った岩の道を下る。更にハシゴを下って岩場の鞍部へ立ち、進路を西へ採る。切り立った岩道が続くものの、補助の鎖が渡されているので安心して下ることができる。ただし、この道を登るのは大変だろう。実際にすれ違う登山者は、一様に息が切れていた。

中岳・文三郎尾根へ向かう 岩場が続く

足下不安定な岩場を下る

 ガレた岩場は更に続き、岩陰の道を淡々と下る。西には相変わらず南アルプスがそびえ、展望を満喫する。厳しい岩場の先で左にキレット・権現岳への分岐を過ごし、急な岩場を下る。最初は濃かった雲海も少しずつ雲が飛ばされ、名峰の頂上部から下界を覗かせ始めた。

キレット・権現岳への分岐を過ごす 蓼科山の展望(クリックで拡大)

 北には蓼科山が一段と美しい山容を見せ、いつまで眺めていても見飽きない。眼下には行者小屋が視界に入り、これから向かう目的地を上から眺めることができた。やがて中岳と阿弥陀岳の分岐を通過、この先からは横木の渡された階段状の道を下る。ただし、坂の傾斜は急なので、慎重に足場を選ぶ。

眼下に行者小屋 中岳への分岐を通過

 左右どちらかに補助の鎖が渡され、安心感のある登山道だが、砂利状の道なのでスリップだけは気をつける。やがて目の前に赤岳手前の岩場が見えてきた。ガイドに寄れば、通常期は落石の恐れがあるため使用されていないが、冬期にはアイゼンをつけて岩場に向かうそうだ。

階段を下る 冬期に使用する道(クリックで拡大)

 目の前に続く急峻な岩場にはロープなどが配置されているものの、実際に登る際には大変な技術が必要なのだろう。もうこの先からは整備された階段を下るだけ、硫黄岳の左にそびえる蓼科山は少しずつ視界から消えて行く。

整備された階段 テントの花咲く行者小屋前

 階段が終われば 足下は砂利状の道に変わり、阿弥陀岳への分岐を過ごせば、間もなくキャンプ場の先に建つ行者小屋へ着いた。行者小屋から赤岳や中岳を眺め、水場で冷たい水を頂いた後、美濃戸口を目指す。

行者小屋と中岳

美濃戸口へ出発 木漏れ日差す登山道

 美濃戸口へ向かうには南沢と赤岳鉱泉を経由する北沢のコースが用意されている。先行の大☆さんは北沢へ向かっているとのこと、更に大☆さんとはこの行者小屋到着時間の差が1時間あるため、私はそのまま最短コースの南沢を採る。すぐに涸沢に入り、緩やかな傾斜の道を辿る。

背後に尾根が見える(クリックで拡大) 露岩

 樹林の下には木漏れ日が美しく、下山中なのだが、周囲の展望すべてが新鮮である。少し開けたところで背後を振り返れば、八ヶ岳の尾根が顔を出し、これが登山時なら「おぉー」と、言う感じであろう。下山時に眺める展望は更に感慨深いものがある。奇岩、大岩を鑑賞しながら下山を続けるのだが、やはりすべてが新鮮な景色で、いつまで眺めていても見飽きることはなく、歩いているだけで楽しくなる変化に富んだ登山道である。

沢に転がる巨岩

 頭上を眺めていると、次第に雲が増えており、時間の経過と共にこの雲は山頂部を覆うのだろう。昨日の登山の際、快晴だった空に雲が涌きだし、あっと言う間に視界が遮られたことを思い出す。やがて左に堰堤を過ごし大勢の登山者と遭遇する。背後には大岩が立ち、ただ眺めているだけでその存在感の大きさに圧倒される。

雲が目立ち始める 巨岩

 少し下った所でも大岩鑑賞、やはり下山時にもいろいろな見物が用意されている。堰堤を過ごした先からは道迷いが多いためか、登山道にロープが渡され、道を外すことのないような措置が採られている。これなら日暮になっても道に迷う心配はなさそうだ。

大岩 ロープの渡された道

 沢に架かる橋を渡る付近で前方を歩いていた登山者を追い抜く。昨日の登山の疲れは全くなく、走るように下山を続けている。この先では森の妖精のように美しいホテイランの案内が立っている。花の季節にはこの花を鑑賞することができるようだ。

おむすび岩 美濃戸山荘

 左に獣除けの柵が張られた場所を通過、更に橋を渡れば、おむすび型の奇岩を鑑賞する。少し下った所で堰堤に設置されたコンクリート階段を越えれば、北沢との合流点へ着く。この合流点の先、右側には美濃戸山荘が建っていた。山荘前ではジュースなども販売されており、この登山道では水分補給に困らない。

北沢・南沢分岐 赤岳山荘

 美濃戸山荘を出発、少々荒れ気味の作業道を下って橋を渡る。この先には車止めがあり、広い駐車場が用意されていた。従って、ここまで車で入れば、赤岳往復は簡単に日帰りできそうだ。駐車場の先には赤岳山荘、やまのこ村の建物が建ち、道ばたにはトリカブトの花を眺める。

トリカブト やまのこ荘

 やまのこ村を過ごせば乗用車でも通行可能な作業道歩き、足下もしっかりしており何も心配の無い道が続く。途中に立つ美濃戸口バス停の案内を確認、青空の下に続く道を快適に下山する。周囲に人工的な林が見えてくれば下山口駐車場の美濃戸口へ着いた。

樹林の下に続く作業道 下山口の美濃戸口へ到着

 大☆さんと八ヶ岳山荘で珈琲を飲んだ後、駐車場を出発。途中の富士見高原リゾートの八峯苑鹿の湯に入り汗を流した。次に道の駅こぶちさわへ移動し、ここで巨峰等のお土産を購入、最後にこの地区の蕎麦を頂くと言うことで、手打ちそば塚治郎というそばの店へ入った。

手打ちそぱ塚治郎のおろし蕎麦 カープ優勝セール

 このお店で美味しいおろしそばを頂き、今回の遠征の行事はすべて終了、小淵沢インターから高速道路に入った。数回の休憩の後、広島県の福山サービスエリアへ着き、ここで尾道ラーメンを食べていると広島カープが7回目のリーグ優勝。蓼科山と八ヶ岳(赤岳・横岳・硫黄岳)登山にもう一つの思い出が加わった。大☆さん、ご案内をして頂き、ありがとうございました。

蓼科山

横岳・硫黄岳

赤岳山頂

南アルプス

中央アルプス

岩場

八ヶ岳の尾根

 前の山 八ヶ岳初日(赤岳・横岳・硫黄岳) を見る

 次の山 大江山(千丈ヶ嶽・鳩ヶ峰・鍋塚) を見る

歩いた足跡  

登山口周辺の地図はこちら 長野県茅野市 八ヶ岳(赤岳)  登山口付近のMAP

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